2011.9.23(金)
美里は、美弥子から返されたハンカチを、大事そうに畳んでいた。
高校時代、美里がハンカチを掏り替えた話……。
あれも、夢だったというのだろうか?
窓際の席には、姉の姿は無かった。
やはり、姉は最初からいなかったのだろうか?
それを美里に尋ねるのは、怖いような気がした。
しかし、尋ねずにはおれなかった。
「あの……。
お姉さんは?」
「トイレ。
ばかに長いね。
はは。
きっとまたヤッてるんだよ。
オナニー。
個室がひとつしか無いのに、大迷惑だよね。
さっき……。
トイレの方に行った子が、真っ赤な顔で引き返して来た。
きっと、知らずに扉を開いたんだね。
美影はね……。
オナニーするとき、鍵掛けないんだよ。
誰かに開けてもらいたくてね」
背後に気配を感じた。
振り向くと、トレーを掲げたウェイトレスだった。
このウェイトレスに導かれ、ワイルドフラワーの庭に降り立った……。
あれは、やはり夢だったのだろう。
ウェイトレスの髪に、ウサギ耳のカチューシャは無かった。
ウェイトレスは、美弥子たちの席で歩みを止めた。
美弥子の前に、トレーからコーヒーカップが置かれた。
美弥子は、疑問の瞳を美里に向けた。
「注文しておいたよ。
そろそろ目が醒めるだろうと思って。
コーヒーの方がいいでしょ?
目醒ましには」
コーヒーカップに顔を翳すと、芳ばしい香りが立ちあがっていた。
「ありがとう」
美弥子は、一緒に置かれたミルクピッチャーを手に取った。
普段はブラックしか飲まないのだが、なぜか今日はミルクが欲しかった。
ミルクピッチャーを、カップの上で傾ける。
真っ白いミルクが滴り、コーヒーに渦を描いた。
一瞬、栗の花の匂いが、脳裏に蘇ったように感じた。
高校時代、美里がハンカチを掏り替えた話……。
あれも、夢だったというのだろうか?
窓際の席には、姉の姿は無かった。
やはり、姉は最初からいなかったのだろうか?
それを美里に尋ねるのは、怖いような気がした。
しかし、尋ねずにはおれなかった。
「あの……。
お姉さんは?」
「トイレ。
ばかに長いね。
はは。
きっとまたヤッてるんだよ。
オナニー。
個室がひとつしか無いのに、大迷惑だよね。
さっき……。
トイレの方に行った子が、真っ赤な顔で引き返して来た。
きっと、知らずに扉を開いたんだね。
美影はね……。
オナニーするとき、鍵掛けないんだよ。
誰かに開けてもらいたくてね」
背後に気配を感じた。
振り向くと、トレーを掲げたウェイトレスだった。
このウェイトレスに導かれ、ワイルドフラワーの庭に降り立った……。
あれは、やはり夢だったのだろう。
ウェイトレスの髪に、ウサギ耳のカチューシャは無かった。
ウェイトレスは、美弥子たちの席で歩みを止めた。
美弥子の前に、トレーからコーヒーカップが置かれた。
美弥子は、疑問の瞳を美里に向けた。
「注文しておいたよ。
そろそろ目が醒めるだろうと思って。
コーヒーの方がいいでしょ?
目醒ましには」
コーヒーカップに顔を翳すと、芳ばしい香りが立ちあがっていた。
「ありがとう」
美弥子は、一緒に置かれたミルクピッチャーを手に取った。
普段はブラックしか飲まないのだが、なぜか今日はミルクが欲しかった。
ミルクピッチャーを、カップの上で傾ける。
真っ白いミルクが滴り、コーヒーに渦を描いた。
一瞬、栗の花の匂いが、脳裏に蘇ったように感じた。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2011/09/23 07:56
-
み「知ってますよ。
史上最強と呼ばれる力士でしょ」
律「史上最強なのに、なんで横綱じゃないの?」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110919081032d5c.jpg
み「当時の横綱ってのは、地位じゃなかったの。
称号みたいなもんかな。
番付上の地位では、大関が最高位」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201109190810304e6.jpg
↑明治初期の番付
み「デカかったんですよね?」
老「身の丈、6尺5寸」
律「って、どのくらい?」
み「待って。
今、電卓出すから」
律「また出た。
デコ電」
http://blog-imgs-33.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110423203935117.jpg
律「飲み屋にまで持ってくるかね」
み「持ってないと落ち着かないの。
えーっと。
1尺は、30.3センチだから……。
6.5を掛けると……。
197センチ」
律「なんだー。
琴欧洲より小さいじゃん」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110919081031e7a.jpg
↑204センチ
律「把瑠都くらい?」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110919081030d08.jpg
-
––––––
2. Mikiko- 2011/09/23 07:57
-
み「相撲、詳しいじゃない。
でも、わたしももっとデカいのかと思ってた」
老「当時、日本人男性の平均身長は……。
155センチ程度だったんじゃよ」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201109190810319b3.jpg
み「うそ。
わたしよりチビじゃん」
老「今、おまえさまが江戸時代に行ったら……。
立派な大女じゃな」
み「現代人は……。
うっかり時間旅行にも行けないってことだね」
老「180センチの男性でも、目立ってしょうがないじゃろうな」
み「そういう世界の197センチは、異常だね」
律「平均身長が15センチ違うんだから……。
雷電さんの体格も、プラス15センチで考えなきゃならないんじゃないの?」
み「てことは……。
197+15=」
律「そんなの、電卓使わなくてもわかるでしょ」
み「簡単な計算でも、いちおう電卓打つクセが付いてるもんで」
律「江戸時代に行けないわよ」
み「ほんとだねー。
あ、算盤があるじゃん」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110919081032955.jpg
律「出来るの?」
み「一応、3級です」
律「すごいじゃない」
み「取ったのは小学校のころだから……。
たぶんもう、足し算くらいしか出来ないけどね」
律「手がお留守よ」
み「茶々入れるからでしょ」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110416201251118.jpg
律「答えは?」
み「とっくに出てるよ。
212センチ」
律「そりゃ、デカいわ」
老「雷電という力士は、その体に似合わず、筆まめでの。
『諸国相撲和帳(通称「雷電日記」)』という旅日記を綴っておったんじゃ」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110919081041604.jpg
老「その中に、象潟地震の記録も残されておる」
続きは、次回。
-
––––––
3. ハーレクイン- 2011/09/23 09:41
-
状況設定が少し違うか。
美弥ちゃんが精液プールの夢から目覚めたとき、美里は「姉は最初からいない」と言った。
で、美弥ちゃんがトイレに行くと、全裸の姉が女教師にやられていた……。
で、今、トイレの夢から覚めると、美里は「姉はトイレだ」と……。
で、ここでウェイトレス登場。
ふううーむ。
明日を待て!
章題が変わっておったな。
「夢を盗んだのは誰?」か。
アリスでは、たしか最後の方かな。
-
––––––
4. ハーレクイン- 2011/09/23 10:56
-
相撲ネタが出ましたのでご紹介させていただきましょう。
鳰の湖(におのうみ)という力士がいます。
滋賀県大津市出身。
1986年生まれ、24歳。
173.5cm、139.3kg
北の湖部屋所属の現役十両力士です。
最高位は東十両10枚目で、2011年9月場所現在東十両10枚目。
つまり、鳰の海は今、自身最高位で頑張っておるわけです。
昨日。つまり今場所の12日目現在の戦績は8勝4敗で、勝ち越しております。しかも数字の上ではまだ優勝の可能性も残されております。
頑張ってほしいものです。
鳰の湖真二、本名は田中真二。
2002年3月(春)場所、初土俵。
現在までの生涯戦績、211勝175敗7休(勝率0.547)
なかなかの苦労人です。
以下、Wikiからの抜粋。
初土俵から4年ほどは三段目あたりを行ったり来たりの状況。
ちなみに大相撲の番付のランク分けは、上から、
「幕内」「十両」「幕下」「三段目」「序二段」「序の口」 となります。
2006年4月、体調不良で検査を受けたところ「脳炎」ということで即刻入院。病状は重篤で数日間意識不明。医師からは「50%の確率で下半身不随」と宣告される。
1か月の入院中食事はとれず、点滴と流動食で過ごす。
で、何とか完治、退院。
体重は20kg落ちていた。
2006年7月(名古屋)場所で土俵に復帰。
その後頑張って、
2011年1月(初)場所で新十両。
が、1場所で幕下に陥落。
2011年9月(秋)場所、つまり今場所、十両に復帰……。
と、ざっとこういう経歴の力士です。
滋賀県出身の大相撲力士は、鳰の湖を含めて現在までわずか10人。
頑張ってほしいものです。
鳰の湖(におのうみ)は琵琶湖の古称。
鳰は滋賀県の県鳥、潜水名人カイツブリの古名です。
●にほの海やかすみて暮るる春の日にわたるも遠し瀬田の長橋(藤原為家)
「み」さん「み」さん。私も珠算3級です。
「律」さん。3級はすごくもなんともありません。
珠算で威張れるのは2級から、1級でやっと1人前です。
-
––––––
5. Mikiko- 2011/09/23 12:49
-
準6級で挫折した友達から、「3級なんてすごい!」って言われたぞ。
母からは、3級を取ったら塾を辞めてもいいと言われてたので……。
合格と同時に辞めました。
母は、3級取ったら欲が出ると思ってたらしいけどね。
それ以上続ける気なんて、さらさらありませんでした。
ソロバン塾に行くのは、ほんとにイヤだった。
いろんな学年の子が混ざってて、最後まで馴染めなかった。
ソロバン塾って、独特な臭いがしますよね。
今でもあの臭い、脳裏に残ってます。
新しいプリンターが届きました。
設置完了。
速い速い。
26ppmの威力!
-
––––––
6. 海苔ピー- 2011/09/23 17:12
-
生徒会長のマリヤは登場しないのか?
うぅ!少し寂しいな!
海苔ピーは女王様に
生徒会長もしくは女教師が出てきたら嬉しいと思ってた。
まあ~!別の形で女教師が登場には驚いたが嬉しかったです。
「鏡の国」から続く宴も終盤かな?
ここままで終わらぬと思うが最後の宴はどうなるのかな?
-
––––––
7. Mikiko- 2011/09/23 20:30
-
まだまだいるんだけどねー。
マリアさまはもちろん、微笑み姫とか。
構想はあるんだけど、手が追いつかない。
海苔ピーのおかげで買い直したプリンター、快調です。
ま、買った早々不調じゃ困るけどね。
ブラザーは、コストパフォーマンスが良くてお勧めです。
-
––––––
8. ドンチャン- 2011/09/23 22:23
-
レズプレイだって知ってます。 でも、舐めたり飲尿等をしたい! 新潟市に住む男です!
-
––––––
9. Mikiko- 2011/09/23 22:41
-
ここです。
http://www.sm-karm.jp/
-
––––––
10. ハーレクイン- 2011/09/23 23:17
-
準6級!
そんなのあるのか。
1番下は6級だと思ってた。
小学校の頃は、確か2年生までは書道塾、3年生からそろばん塾に行ってたと思う。
私もそろばん塾がいやでねー。
ある日、今日はサボろうと思ってトイレに長時間こもっていたら、激怒した母親に引きずり出され、「この根性なしが!」と家を叩き出されるように塾に行かされたことがあります。
あの時の母ちゃん、怖かったなあー。
そういえば、女王様のお茶会はまだだったな。
♪みんな夢の中……で終わりかな。
-
––––––
11. Mikiko- 2011/09/24 07:24
-
10級まであるようです。
準6級は一番下じゃなくて、途中の級だった覚えがあります。
トイレになんかこもったら、見つかるに決まってるだろ。
わたしは、押入れにこもって息をひそめるとか……。
塾に行くふりをして、神社に隠れてるとかでしたね。
しかし……。
トイレから引きずり出されるって……。
鍵はどうしたんだ?
斧でぶち破られたとか?
-
––––––
12. ハーレクイン- 2011/09/24 09:32
-
10級!
そおんなにあるのか、知らなんだ。
ふーん。
とすると3級も捨てたもんでもないのか。
いや、大声でわめきながらトイレのドアをバンバン叩きまくられて、怖ろしさのあまり自分から鍵を開けて出て行ったのだよ。
怖かったなあ。
姉と、それから近所の、私と姉それぞれの同い年の子と一緒に通っていたので(私を入れて計4人)、塾に行く途中でバックれるといのはできなんだのだよ。
考えてみれば、算盤ってのは優れた計算機だよな。電卓が当たり前になった今でも使われてるし、うちの近所にもまだそろばん塾がある。
タイガー(メーカー名?)の「手回し計算機」って知りません?
タイプライター(これも懐かしい)の半分くらいの大きさの、卓上簡易計算機です。四則演算しかできなかったと思う。
私も大学の研究室にあったのを触っただけだが、大仰な構造の割には原理は原始的で、計算に手間がかかった。
「こんなんやったら算盤の方がよっぽど速い」と思ったものだ。
そういえばあのころは「計算」はどうやってたんやろ。
コンピューターはあったが誰もが気軽に使えるものではなかったし、パソコンも電卓もまだなかった。
やっぱり算盤かな。
あ、計算尺てのもあったな。
算盤も計算尺も使えん奴は、紙と鉛筆しかなかったんやないかな。
-
––––––
13. 海苔ピー- 2011/09/24 10:22
-
7級までは検定はないからね!
10級は一桁の足し算で5段で
1
1
1
1
+1
 ̄ ̄
が出来れば進級できました。
9級は2桁の足し算で
8級は1桁・2桁の引き算で
7級は掛け算で
6級は割り算で
ここまでは塾によって違いはあります。
5級になる為に6級の検定がありました。
3級は小数点の計算が出てきて
2級はマイナスのある見取り算が出てきます。
見取り算=足し算・引き算の計算
☆級は見取り・掛け算・割り算が全て70点以上で合格
準☆級は見取り・掛け算・割り算が全て60点以上で合計が210点以上で合格です。
☆級・準☆級の違いは主催の商工会議所が違います。
簡単に言えば
☆級は全国版
準☆級は地域版
7級・準6級・6級・準5級・5級
なので、準☆級の方が格下です。
-
––––––
14. Mikiko- 2011/09/24 12:35
-
> ハーレクインさん
手回し計算機。
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110924122953db2.jpg
けっこう画像がありました。
タイプライターみたいですね。
仕組みは、さっぱりわからん。
これじゃ、持ち歩くわけにはいかんよな。
> 海苔ピーさん
異様に詳しいね。
ソロバン塾でもやってたのか?
今のわたしの実力は……。
9級だな。
-
––––––
15. ハーレクイン- 2011/09/24 15:09
-
おー、手回し計算機。
画像が結構ある、ということは今も存在するのかなあ。
こいつの仕組みを説明するのは、アフタービートの説明の100倍困難だから、やめ。
使い方は、ちょっとうろ覚えやが……
中央上部に小さなボッチが並んでるやろ。
これで計算する数値をセットするわけ。
例えば128×35を求めるとすると、128をまずセットする。
んで、右端にハンドルがあるやろ、これを手で回す(だから手回し計算機)。×35だから、35回、回す。
回し過ぎを防止するため、35回になると“ちーん”と音がする。
横長の小窓があるやろ。ここに計算結果が表示される。
ざっとこういう手順だ。
割り算もできるぞ。が、説明省略。
客「おいちょっと待て。
んなら。675×416なら、416回、回すんかい」
HQ「そうなんですわ、お客さん」
客「アホくさ、紙と鉛筆の方がよっぽど速いわ!」
HQ「んでもお客さん、機械は間違えまへんで、お客さんみたいに」
客「おのれは客を舐めとんのかい!!」
おあとがよろしいようで。
>海苔ピーさん
検定に暗算はなかったっけ?
掛け算・割り算の暗算を「胸かけ・胸わり」と云うたが、大阪だけかなあ。
あ、あと伝票をめくりながら足していく「伝票算」てのもあったぞ。教材としての伝票の束がちゃんとあってなあ。
-
––––––
16. 海苔ピー- 2011/09/24 17:42
-
「胸かけ・胸わり」は私の時代には使われてなかった。
伝表、言われて思い出した。
3級以上だね!
段級試験には読み上げ算も含まれてくるんだよ!
-
––––––
17. ハーレクイン- 2011/09/24 18:18
-
ありましたねえ。
先生が数字を読み、生徒はそれを耳で聞きながら珠をはじいていく。
先生「御破算(ごわさん)で願いまして~は~、
さんじゅうごえん(円)なあり~、
ふたひゃくろくじゅうはちえんなあり~、
よんひゃくとんでななえんなあり~
………………
ろくじゅうひとえんでは!」
生徒「はい、はい、はい、はい……」
先生「ほい、HQ」
HQ「2,352円でーす」
先生「御名算(ごめいさん;正解!)」
先生の読み上げ方に独特の抑揚とリズムがあった。
引き算と足し算が混ざっている問題では、
「ひくことの▼▼えんなあり~」
「たすことの△△えんなあり~」
てな感じで読み上げるんだよね。
うーむ。
いやだったけど、思い出してみると懐かしいなあ。