2011.6.8(水)
テーブルの縁まで這った美弥子は、窓枠の外を見下ろした。
そこには、階段式の踏み台が据えられてあった。
木製だろうか……。
踏み台には、白いペンキが塗られていた。
小学校の校庭で、見たような記憶があった。
地面までの高さは、1メートル以上あるだろう。
美弥子は、窓際で身を起こした。
捲られていたスカートが落ち、再び尻を隠した。
下半身を覆われたことで、ピークに近かった興奮が、やや鎮まった。
スカートの中で、陰核が縮小するのが判った。
美弥子は、踏み台に片足を載せた。
足裏で、少し押してみる。
安定性はいいようだ。
地面のキャスターは、ストッパーで止められてるらしい。
美弥子は、足触りを確かめながら、踏み台に身を移した。
窓枠を抜ける瞬間、大気の質感が変わったように思えた。
ワイルドフラワーの花群が、波打って見えた。
海原のようだった。
飛込台の上に立っている気がした。
「お客さま、どうぞこちらの世界へ」
ウェイトレスの声に導かれ、美弥子は踏み段に足を下ろした。
華奢に見えた踏み段だが、ほとんど揺れることもなく、美弥子を地面まで導いてくれた。
庭は夏の光を浴び、噎せるような草いきれに満ちていた。
風はほとんど感じられないのだが……。
背丈ほどもある花々が、陽炎のように揺らめいて見えた。
「かなりワイルドな庭だね」
傍らに、美里も降り立っていた。
建物を振り向くと、2人が出てきた窓だけが開いていた。
そのほかの閉ざされた窓には、夏の空と雲が映っていた。
光の加減だろうか……。
内部はまったく見えなかった。
それは、今出てきた窓にも言えることだった。
唯一開かれた窓にもかかわらず、窓枠の向こうが見通せなかった。
空の映らない矩形が、真っ黒に穿たれているばかりだ。
残してきた姉の姿も見えなかった。
喫茶店の建物は、まるで木造校舎のようだった。
実際に学んだことはないが、写真などで見たことがある。
窓以外の外壁には、色の褪せた細い横板が張られていた。
「さ、お急ぎください」
ウェイトレスは2人を振り向きながら、歩き出していた。
美弥子と眼が合うと、ウェイトレスは、手に持ったショーツを振って見せた。
美弥子は、取り返そうと足を速めた。
そこには、階段式の踏み台が据えられてあった。
木製だろうか……。
踏み台には、白いペンキが塗られていた。
小学校の校庭で、見たような記憶があった。
地面までの高さは、1メートル以上あるだろう。
美弥子は、窓際で身を起こした。
捲られていたスカートが落ち、再び尻を隠した。
下半身を覆われたことで、ピークに近かった興奮が、やや鎮まった。
スカートの中で、陰核が縮小するのが判った。
美弥子は、踏み台に片足を載せた。
足裏で、少し押してみる。
安定性はいいようだ。
地面のキャスターは、ストッパーで止められてるらしい。
美弥子は、足触りを確かめながら、踏み台に身を移した。
窓枠を抜ける瞬間、大気の質感が変わったように思えた。
ワイルドフラワーの花群が、波打って見えた。
海原のようだった。
飛込台の上に立っている気がした。
「お客さま、どうぞこちらの世界へ」
ウェイトレスの声に導かれ、美弥子は踏み段に足を下ろした。
華奢に見えた踏み段だが、ほとんど揺れることもなく、美弥子を地面まで導いてくれた。
庭は夏の光を浴び、噎せるような草いきれに満ちていた。
風はほとんど感じられないのだが……。
背丈ほどもある花々が、陽炎のように揺らめいて見えた。
「かなりワイルドな庭だね」
傍らに、美里も降り立っていた。
建物を振り向くと、2人が出てきた窓だけが開いていた。
そのほかの閉ざされた窓には、夏の空と雲が映っていた。
光の加減だろうか……。
内部はまったく見えなかった。
それは、今出てきた窓にも言えることだった。
唯一開かれた窓にもかかわらず、窓枠の向こうが見通せなかった。
空の映らない矩形が、真っ黒に穿たれているばかりだ。
残してきた姉の姿も見えなかった。
喫茶店の建物は、まるで木造校舎のようだった。
実際に学んだことはないが、写真などで見たことがある。
窓以外の外壁には、色の褪せた細い横板が張られていた。
「さ、お急ぎください」
ウェイトレスは2人を振り向きながら、歩き出していた。
美弥子と眼が合うと、ウェイトレスは、手に持ったショーツを振って見せた。
美弥子は、取り返そうと足を速めた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/06/08 07:23
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み「どう?」
律「どうって、普通の水風呂よ。
あ~、気持ちいい。
お肌が引き締まるわ」
み「どれどれ。
ひゃ~~っ、ほ、ほ、ほ、ほ」
律「ちょっと。
『アミダばばあ』みたいな声出さないでよ」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011060420215132c.jpg
み「例えが古い!
てか、冷べて~」
律「当たり前でしょ、水風呂なんだから。
そう言えば……。
頭を冷やしたかったのよね。
わたしが手伝ってあげるわ。
ほら」
み「ぶくぶくぶくぶく」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201106042011181a2.jpg
律「ゆっくり漬かってね。
心臓が止まったら、わたしが蘇生させてあげるから。
水の中で、髪の毛がゆらゆら揺れて……。
まるで水死体ね」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110604201117fa6.jpg
み「ぶふぁ~!
こ、殺す気か!」
律「なかなかしぶといわね」
み「当たり前じゃ!
スーパー銭湯の水風呂で、土左衛門になってたまるか!」
律「次、行くわよ」
み「く、くそ。
待てー」
律子先生は、檜風呂の脇から続く露天風呂に出ていきました。
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110604201758ebe.png
律「お風呂、ひとつじゃないのね」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110604201119a4b.jpg
岩で囲まれた浴槽が、いくつも並んでます。
それぞれ、お湯の色や深さに特徴があるようです。
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2. Mikiko- 2011/06/08 07:24
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こちらは、白いお湯。
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201106042013465e0.png
律「あ~、気持ちいい。
このお湯なら、混浴でも平気なんじゃない?
つかっちゃえば、見えないわよ」
み「ほ~。
いきなり大胆発言ですな。
秋田県には、白湯の混浴温泉もあるからね」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011060420111736f.jpg
み「ほんとに、やってみる?」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110604201116a1b.jpg
律「ま、その場の雰囲気よね。
でもここ、白いお湯も湧くのかしら?」
み「入浴剤じゃないの?」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201106042011504eb.jpg
律「そうなの?
あ~。
なんか、白湯(パイタン)チャンポンが食べたくなった」
み「飛躍しますね」
律「学生時代のアパート近くに……。
美味しいラーメン屋さんがあったんだ。
夫婦2人でやっててね。
カウンターしかない小さなお店」
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201106042011187ab.jpg
律「こんな夫婦になりたいなって思ったものよ」
み「へ~。
意外だね」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/06/08 10:51
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異世界への旅立ち。
ワイルドフラワーの海の彼方へ。
元の世界はもう見えない。戻って来れるのだろうか。
戻って来れたとしても、世界は、自分は元のままなのだろうか……。
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4. ハーレクイン- 2011/06/08 12:02
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『アミダばばあ』知らんなあ。さんまか?
『混浴』昔は普通だったというが。江戸期の都市部から禁止されるようになったとか。
今でも山奥の温泉ではあるらしいな。
『小さい店』で思い出すのは、大阪ミナミ、千日前の天丼専門店。
屋台に毛の生えたような店構え。カウンターのみ。椅子は4~5。
肩を寄せ合うように食すメニューは「天丼」のみ。ネタは常に揚げたて。美味い。
朝の7時頃から開けていて、たいがい満員。つまり、朝食に天丼、という輩が多くいたということだ。
まだあるのかなあ。
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5. Mikiko- 2011/06/08 19:43
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てことは……。
ドリフを見てたな?
しかし……。
あのヘンな声出したのは……。
『アミダばばあ』じゃない気がしてきた。
たぶん……。
『知っとるケ』だよな。
http://blog-imgs-34.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110608194559ca2.jpg
朝食に天丼じゃ……。
栄養バランス的に、マズいんじゃないの?
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6. ハーレクイン- 2011/06/08 19:59
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知らん!
ええねん、天丼。
美味けりゃええねん。
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7. Mikiko- 2011/06/08 20:06
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仕事の日じゃないの?
『知っとるケ』も知らんと言うことは……。
やっぱり、ドリフを見てたな。
朝から天丼じゃ、胸焼けして仕事にならんだろうに。
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8. ハーレクイン- 2011/06/08 20:22
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予備校側の都合で、夜の授業がなかったのだよ。
本当はこういう時に休んだ分の補講をやりたいのだが。なかなかうまく調整がつかぬ。
実はドリフもあまり見ておらんかった。
朝から天丼。別に胸焼けなぞせんぞ。
豚カツでも、ステーキでも、なんならすき焼きでものう。
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9. Mikiko- 2011/06/08 20:33
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パソコンを買いに行け!
『知っとるケ』は、いつごろだったかのぅ。
たしか、さんまが、「今年で30、知っとるけのけ」と歌いながら出てきたから……。
そうとう前だよな。
わたしが小学校のころだとは思うが……。
ハーレクインさんは、もう、いいおっさんだったはず。
ドリフもひょうきん族も見てなくて、あたりまえじゃろ!
さて、もう寝なくては。
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10. ハーレクイン- 2011/06/09 11:27
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クニマスの話の時に、スエズ運河の下に天然の水底トンネルがあり、インド洋(紅海)と地中海を結んでいる、という話をさせていただいたが……。その続報である。
あのときは、石ノ森章太郎「サイボーグ009」のエピソードとして御紹介したが、つい先日、全く同じアイデアを別の書物で発見した。
ジュール・ヴェルヌ「海底二万マイル」である。
この中で、ネモ艦長率いる潜水艦ノーチラス号が、この水底トンネルを通って、紅海から地中海へ抜けるという、「009」の場合と同じエピソードが描かれている。
「海底二万マイル」の出版は1870年(明治3年)だから、アイデアをパクッたとすれば石ノ森、ということになるが……。
偶然同じアイデアを思いついたのか、それともパクッたのかは、永遠の謎である。
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11. マッチロック- 2011/06/09 16:05
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>Mikikoさん
「アリス」の展開と思いきや
なにやら「ミステリーゾーン」か
「アウターリミッツ」の展開のような・・・・
謎めいた流れになりましたね。
>ハーレクインさん
「海底二万哩」はガキの頃、
ジュール・ベルヌが、なぜか好きになり
読みまくった中の一つで懐かしいです。
石ノ森先生はSFマンガの大御所、
たぶんベルヌあたりは確実に読んでいると
思いますよ。
ベルヌの本はSFマンガの基本がぎっしり
詰まっていますから参考にしていることは
確かでしょう(あくまでも推測ですが ^^; )
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12. ハーレクイン- 2011/06/09 16:57
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そですよね。
あの石ノ森がヴェルヌを読んでいないわけがない。
ということは……。
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13. マッチロック- 2011/06/09 18:45
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>ハーレクインさん
ご想像にお任せバージョンでお願いします。
(この項目もネタバレに繋がるか、目下検討中・・・)
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14. ハーレクイン- 2011/06/09 19:43
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うーん。なんと言いますか。
何がどうネタばれに繋がるのか、よくわかりませ~ん。
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15. Mikiko- 2011/06/09 20:09
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> ハーレクインさん
「サイボーグ009」は、テレビのアニメ特集で見ました。
主題歌がカッコ良かった記憶があります。
動画がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=OnXfTEjCqG4
男性コーラスの主題歌ってのは、珍しいんじゃないでしょうか?
> マッチロックさん
ヴェルヌは読んだことがないし……。
「ミステリーゾーン」や「アウターリミッツ」もほとんど知りません。
ただ、「The Manhattan Transfer」の歌(Twilight Zone)は、好きでしたね。
http://www.youtube.com/watch?v=F10re2ggUHw
なので、ネタバレになる心配は無用です。
第一、この後の展開に、元ネタなんかありませんし。
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16. ハーレクイン- 2011/06/09 20:25
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一度も見たことがないことがわかった。
Twilight Zoneの方は「携帯では使用できません」というメッセージが出た。
ふむ。携帯お断り、のもあるんや。
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17. 淡雪- 2011/06/10 07:37
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わたくし小学校の頃、リアルタイムで見ていました。
リボンの騎士とならぶくらい大好きな番組でした。
夏休みに映画も見て大興奮しました。
自分が思い描くストーリーとよく似た回があったの。
鳥肌が立ちましたわ[e:420]
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18. ハーレクイン- 2011/06/10 11:10
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楽しそうですねえ。
どんなストーリーだったのでしょう。