2011.4.17(日)
個室とは言え……。
耳を澄ませば、廊下を談笑しながら過ぎる学友の声も聞こえた。
その薄い壁を隔てたトイレで、自分は今、全裸になろうとしている。
興奮が螺旋の錐となり、脊髄を巻きあがった。
震える指の速度が増した。
ようやくボタンを外し終えたブラウスを、壁のフックに掛ける。
肌が熱を持ち、濃厚な匂いを立ち上げているのが判った。
白系ロシアの血を引くせいか、美弥子はやや体臭が強かった。
汗をかいたりすると、自分でも匂いを感じた。
体臭が強いことは、コンプレックスのひとつだった。
しかし、由美の反応は思いがけないものだった。
甘い香りがすると言うのだ。
懐かしい香りだとも。
興奮して美弥子が汗をかき始めると、由美は、鼻先を肌に擦りつけて来た。
齧歯類のように小鼻を蠢かせながら、やがて鼻先は、脇の下に潜りこむ。
最初のころは、そんな由美を引き剥がそうとしていたが……。
次第に、由美の頭を抱えこむようになった。
最も嗅がれたくない匂いを、鼻孔間近で嗅がれている……。
すべてを曝しているという安心感があった。
巣穴に暮らす小動物の親子は、きっとこの安らぎに包まれているのだろう。
美弥子は右腕を持ち上げ、脇の下に鼻を近づけた。
アロマオイルのように、濃密な香りが立ちあがっていた。
左の指を、脇の下に伸ばす。
指の腹に、しっとりと湿り気を感じた。
離した指を、鼻先に移す。
熱帯の果実を思わせる香りが、鼻孔を満たした。
興奮が、一気に高まった。
指先を、鼻柱に擦りつける。
鼻梁が、左右にひしゃげた。
「ふぅん」
思わず声が漏れた。
聞こえはしないだろうが、さすがに憚かられた。
歯を食いしばって堪えながら、美弥子の両腕が背中に回った。
ブラのホックが外れると、ラベンダー色のカップが浮き上がった。
ストラップが肩から滑っても、カップは乳房に乗りあげたままだった。
カップを持ち上げながら外す。
乳房は、砲弾のように斜め上方を指していた。
耳を澄ませば、廊下を談笑しながら過ぎる学友の声も聞こえた。
その薄い壁を隔てたトイレで、自分は今、全裸になろうとしている。
興奮が螺旋の錐となり、脊髄を巻きあがった。
震える指の速度が増した。
ようやくボタンを外し終えたブラウスを、壁のフックに掛ける。
肌が熱を持ち、濃厚な匂いを立ち上げているのが判った。
白系ロシアの血を引くせいか、美弥子はやや体臭が強かった。
汗をかいたりすると、自分でも匂いを感じた。
体臭が強いことは、コンプレックスのひとつだった。
しかし、由美の反応は思いがけないものだった。
甘い香りがすると言うのだ。
懐かしい香りだとも。
興奮して美弥子が汗をかき始めると、由美は、鼻先を肌に擦りつけて来た。
齧歯類のように小鼻を蠢かせながら、やがて鼻先は、脇の下に潜りこむ。
最初のころは、そんな由美を引き剥がそうとしていたが……。
次第に、由美の頭を抱えこむようになった。
最も嗅がれたくない匂いを、鼻孔間近で嗅がれている……。
すべてを曝しているという安心感があった。
巣穴に暮らす小動物の親子は、きっとこの安らぎに包まれているのだろう。
美弥子は右腕を持ち上げ、脇の下に鼻を近づけた。
アロマオイルのように、濃密な香りが立ちあがっていた。
左の指を、脇の下に伸ばす。
指の腹に、しっとりと湿り気を感じた。
離した指を、鼻先に移す。
熱帯の果実を思わせる香りが、鼻孔を満たした。
興奮が、一気に高まった。
指先を、鼻柱に擦りつける。
鼻梁が、左右にひしゃげた。
「ふぅん」
思わず声が漏れた。
聞こえはしないだろうが、さすがに憚かられた。
歯を食いしばって堪えながら、美弥子の両腕が背中に回った。
ブラのホックが外れると、ラベンダー色のカップが浮き上がった。
ストラップが肩から滑っても、カップは乳房に乗りあげたままだった。
カップを持ち上げながら外す。
乳房は、砲弾のように斜め上方を指していた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/04/17 08:08
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み「びぇ~。
ゆ、許してください。
『三千世界』は、ガイドさんに教えてもらったんですぅ。
わたしは、何にも知らなかったんですぅ」
老「ばかもん。
冗談じゃ。
何も泣くことは無かろう、臆病者じゃな」
み「うぅ。
ヒドい……。
こんなにビックリしたのに、何で夢から醒めないんだろう」
老「今醒められたら、わしの出てきた意味が無いではないか」
み「何しに来たんです?」
老「すっかり、邪魔物あつかいじゃな」
み「夢見てたら、しっかり睡眠が取れないじゃないですか」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110415045120320.jpg
老「睡眠は、夜取ればいいのじゃ。
早寝早起き!」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201104150451337d6.jpg
み「お昼寝も大事ですよ」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110415045121582.jpg
老「大人の昼寝は、ただの怠け者じゃ」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110415045120ca9.jpg
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2. Mikiko- 2011/04/17 08:09
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み「う。
減らず口ジジイ」
老「何か言ったか?」
み「耳はいいのね」
老「3キロ先まで聞こえるぞ」
み「コウモリか!」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201104150451217ce.jpg
老「いい加減、話を進めんと、読者に怒られるぞ」
み「はいはい。
ご心配ありがとうございます。
それじゃ、再登場のわけをお聞かせください」
老「忘れ物をしたからじゃ」
み「なんだ。
ベンチに巾着でも忘れたんですか?
そんなら、ここじゃなくて、展望台でしょ」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011041504512013a.jpg
老「忘れたのは、持ち物ではない」
み「じゃ、何です?」
老「話じゃ」
み「なるほど。
入れ歯を忘れたんですね。
それで、“歯無し”」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201104150451328e7.gif
老「つくずく……。
アホなオナゴじゃ。
語る相手を間違えたかの。
話というのは、お話。
“Story”。
ワ~カリマスカぁ?」
http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201104150451199c8.jpg
み「わかるわい!
何で突然外人口調になるんだ。
ちょっとボケただけでしょ」
老「天然のように聞こえたがの」
み「お話を忘れたってのは、どういうことです?」
老「三湖伝説じゃよ」
み「だって、ちゃんと落ちが付いてたじゃないですか。
十和田湖を追われた八郎太郎が……。
父親の消えた寒風山の麓に湖を作ったって。
それが、八郎潟ってわけでしょ」
老「だから、まだ二湖しか出てきてないじゃろ」
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110319202537ba4.jpg
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/04/17 11:08
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さあ始まったぞ、美弥ちゃん入魂のオナニー。
なんせ10歳からやってるんだからな。
母親直伝のオナテクは、もはや神技の域に……。
美弥ちゃんの体臭か。
白系ロシアの血を引く体臭、どんなんかなあ。
ロマノフ王朝ゆかりの女性には、ロシア革命後、娼婦になったものも少なくないと聞く。
ロシアの娼婦!
美弥ちゃんの、一種近寄りがたい高貴な風貌は、女帝エカチェリーナ2世につながるものだったりして……。
由美美弥、今日の名言
>>すべてを曝しているという安心感……
巣穴に暮らす小動物の親子は、
きっとこの安らぎに包まれているのだろう.。
まさに、「愛の巣」だな。
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4. ハーレクイン- 2011/04/17 11:28
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お~、よかったよかった。
まさかMikikoさんが田沢湖を忘れているとも思えなんだが。
それとも、もうめんどくさいからとぼけて、「ニ湖伝説」ですまそうとしとるのか、とか。
いろいろ勘ぐっておったのだよ。
菅江真澄翁の再登場、祝着至極に存じます。
それにしてもこの爺さん。
キャラがどんどん軽くなっていくなあ。
やはり「み」さんの影響かあ。
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5. Mikiko- 2011/04/17 12:53
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田沢湖でしようと思ってたんです。
田沢湖を眺めているとき、再びトランス状態になり……。
菅江真澄翁再登場、という趣向。
でも、いったい、いつのことになるやらわからんし……。
日程の関係上、田沢湖は割愛ということもあり得ます。
第一、時間が経ってしまうと、わたし自身、三湖伝説の話を忘れてしまって……。
一から仕入れ直しになる怖れがある。
それは難儀だと言うことで、知識のあるうちにやってしまうことにしたんです。
こういう話を挟むのも、例の「ケーキのトッピング」のつもり。
また脱線かよ!って、怒らないでね。
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6. ハーレクイン- 2011/04/17 13:12
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●鳰の月紺の水面は重たけれ
鳰(にお)は、カイツブリの古名。
カイツブリは潜水名人の水鳥、滋賀県の県鳥でもあります。
この句はどなたの……。
Mikikoさんですか?
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7. Mikiko- 2011/04/17 13:27
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大昔に作った駄句のひとつです。
“鳰”は冬の季語ですが……。
“月”は秋の季語。
でも、“夏の月”は夏の季語だし……。
“冬の月”は、冬の季語。
“鳰の月”ってのも、あっていいんでないか?
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8. ハーレクイン- 2011/04/17 14:13
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台詞が逆になってまっせ。
東北に行こう!(CⅩⅩⅩⅢ-2/2)の出だしです。
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9. Mikiko- 2011/04/17 18:43
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ほんまですね。
直させてただきました。
ありがとうございます。