2011.2.26(土)
由美は、ゆっくりと少女に近づいた。
少女は、渇望の眼差しで見あげている。
「どうしてほしい?」
「めちゃめちゃにして。
虐めて……。
汚して」
由美は、見あげる顔の脇に、身を屈した。
正座をし、両手を突き、少女の顔を覗きこむ。
小さな顔だった。
頬の張り出しが無く、両耳の下から顎までを、一直線のラインが結んでいた。
由美は、少女の口元に、自らの顔を翳した。
少女の尖った顎が、微かに上向いた。
目を閉じていた。
由美の口づけを待っているのだろう。
しかし由美の唇は、空中に留まったままだった。
代わりに、由美の片手が床を離れた。
宙で返した手の平を、自らの口元に導く。
中央の3本の指先が舌を這い、口中に潜りこんでいく。
「うぐ」
由美の呻きに、少女は目を開けた。
指を飲みこんだ由美を見て、目を見開いた。
その顔に向け、由美は更に身を屈した。
指先が、咽喉奥まで届いた。
「うげぇぇぇぇぇぇぇ」
指の背を越え、吐瀉物が溢れた。
咀嚼されたツナサンドが、少女の顔面に、ぼたぼたと零れた。
由美は、指先で咽喉を押し下げ、更に胃を収縮させた。
「ごぼぉ。
ごぶぶぶぶぶぶぶ」
まだ原型を留めた吐瀉物が、少女の面上にオブジェを造った。
胃を絞り切ると、由美は指先を引き抜いた。
新しい空気に触れたせいだろうか、吐瀉物は、剥がれるように身を崩し、少女の顔から零れ始めた。
しかし、少女自ら、面上の吐瀉物を振り落とそうとする仕草は見られなかった。
由美は両手を伸ばし、少女の頬を挟んだ。
吐瀉物を、捏ね拡げる。
少女は、生まれたばかりの泥人形のようだった。
少女は、渇望の眼差しで見あげている。
「どうしてほしい?」
「めちゃめちゃにして。
虐めて……。
汚して」
由美は、見あげる顔の脇に、身を屈した。
正座をし、両手を突き、少女の顔を覗きこむ。
小さな顔だった。
頬の張り出しが無く、両耳の下から顎までを、一直線のラインが結んでいた。
由美は、少女の口元に、自らの顔を翳した。
少女の尖った顎が、微かに上向いた。
目を閉じていた。
由美の口づけを待っているのだろう。
しかし由美の唇は、空中に留まったままだった。
代わりに、由美の片手が床を離れた。
宙で返した手の平を、自らの口元に導く。
中央の3本の指先が舌を這い、口中に潜りこんでいく。
「うぐ」
由美の呻きに、少女は目を開けた。
指を飲みこんだ由美を見て、目を見開いた。
その顔に向け、由美は更に身を屈した。
指先が、咽喉奥まで届いた。
「うげぇぇぇぇぇぇぇ」
指の背を越え、吐瀉物が溢れた。
咀嚼されたツナサンドが、少女の顔面に、ぼたぼたと零れた。
由美は、指先で咽喉を押し下げ、更に胃を収縮させた。
「ごぼぉ。
ごぶぶぶぶぶぶぶ」
まだ原型を留めた吐瀉物が、少女の面上にオブジェを造った。
胃を絞り切ると、由美は指先を引き抜いた。
新しい空気に触れたせいだろうか、吐瀉物は、剥がれるように身を崩し、少女の顔から零れ始めた。
しかし、少女自ら、面上の吐瀉物を振り落とそうとする仕草は見られなかった。
由美は両手を伸ばし、少女の頬を挟んだ。
吐瀉物を、捏ね拡げる。
少女は、生まれたばかりの泥人形のようだった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/02/26 08:00
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立ち上がると、わたしのまわりは、人だかりになってました。
館のスタッフらしい人は……。
AEDまで抱えてます。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110220201054bb9.jpg
くっそー。
恥ずかしさで、顔から火が出そうです。
痛みをこらえて、飛び起きます。
AEDを持って来たスタッフには、平身低頭でお引き取り願いました。
み「いつまで、そんなの着てるの!
そろそろ、時間だろ」
律「脱いでるヒマなかったのよ。
いきなり、白目むいてぶっ倒れるんだもん」
女子大「この方、ずっと介抱なさってたんですよ」
み「ほんまか?」
律「倒れた人を介抱するのは、医者の本能だね」
み「まさか……。
“なまはげ”のお面かぶったまま、介抱してたんじゃないでしょうね?」
律「ははは。
最初は、そうだったかも」
み「人だかりになるわけだわ」
ようやく“ケデ”を脱いだ律子先生を引きずり……。
「なまはげ館」を後にします。
もう、“なまはげ”はこりごり!
バスは、駐車場に待ってましたが……。
時間は、もう少しあるようです。
秋の日が、さんさんと降りそそいでます。
バスに乗ってしまうのは、もったいない。
律「隣のお店、覗いてみない?
ちょっと変わったお店だったよ」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201102061105586ca.png
み「脅かしたお詫びに、おごってくれるわけ?」
律「残念ながら、寄ってる時間はないようね。
覗くだけ」
み「けち」
お店には、「道楽亭」と出てました。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201102202010528af.jpg
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2. Mikiko- 2011/02/26 08:01
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造りは、掘っ立て小屋って感じです。
雪で潰れないんでしょうかね?
入り口からは、生きてる木がにょっきりと覗く、ワイルドな造り。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201102202010535a7.jpg
まさに、「道楽」で作ったような建物です。
表に面して大きな窓があり、中が見通せます。
1本の木から削り出された、黒光りする長テーブルが並んでます。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110220201051718.jpg
椅子も、背もたれの無いベンチを並べたもの。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011022020105217a.jpg
律「なんだろ、あれ?」
律子先生が、ひとりのお客さんのお皿を指さしました。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110220201054c65.jpg
み「コンニャクじゃないの?」
律「その隣よ!」
み「お餅っぽいね」
「あれは、五平餅ですね」
振り向くと、バスガイドさんがにこにこと笑ってました。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201012182011211d6.jpg
ガ「ここの名物なんですよ。
地元のお母さんたちが作ってるんです。
春は山菜なんかも楽しめます」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/02/26 09:32
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ゲロプレイ。
なるほど、由美ちゃんがサンドウィッチを食べてたのはこのための伏線か。
夏実ちゃん。真正の変態バリネコだのう。自ら「虐めて、汚して」とおねだりするだけあるわ。
行けいけ夏実、どんと行け♪
それにしてもゲロプレイ。
由美ちゃんと律子叔母さん以来か?
いや、その後もあったような。
う~む。
由美美弥。次の調査テーマはゲロプレイの歴史か。調査テーマが増えすぎて、調査テーマ自体を忘れそうだぞ。
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4. Mikiko- 2011/02/26 09:41
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下から出るものに対する嗜好らしいので……。
ゲロは、スカトロに入らないんでしょうか?
でも、おしっこは大丈夫でもゲロはダメって人、かなりいるようです。
吐き気を誘発するという点では、うんこ以上かも知れませんね。
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5. Mikiko- 2011/02/26 09:42
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「東北に行こう!(Ⅹ)」をアップしました。
https://mikikosroom.com/archives/2805043.html
真山神社の参道を登りきったところから、伝承館での騒動を経て、なまはげ館までのシーンです。
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6. ハーレクイン- 2011/02/26 09:50
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『道楽亭』
「お茶」に「軽食」かあ。
お食事処、というほどではないんだな。
“峠の茶店”みたいな感じか。
五平餅ねえ……。
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7. ハーレクイン- 2011/02/26 10:49
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ご存知でしょうが、スカトロジーscatology「糞尿譚」の略。
排泄行為や排泄物、広くは汚物一般を描く文学作品を指します。
ですから、ゲロ話も広義のスカトロでしょうね。
私が小学生の頃だと思いますが、「糞尿譚」という邦画がありました。
実際に見たわけではないので、内容はあいまいですが、汲み取り業者と住民との対立を描いた作品だったような……。
で、内容はともかく、タイトルの「糞尿譚」。
私はこれを「糞」と「尿」と『痰(たん)』の話だと思ってました。
違うんですねえ。「糞」と「尿」の「物語(譚)」なんですね(わはは)。
誰が教えてくれたんだったかなあ。
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8. Mikiko- 2011/02/26 12:41
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火野葦平作の短編小説で、第6回芥川賞受賞作だそうです。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110226124207bc1.jpg
これを本屋のレジに出すのは、少々ためらわれますね。
糞尿を取り扱った小説で面白かったのは……。
筒井康隆の「最高級有機質肥料」でした。
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9. ハーレクイン- 2011/02/26 13:12
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火野葦平の「糞尿譚」
芥川賞受賞作か。
映画「糞尿譚」は、火野葦平作品が原作でした。
コメディーかと思ってたんですが、かなりシリアスな内容みたいですね。直木賞じゃなく、芥川賞だもんな。
原作は読んでいないんですが、ラスト近くで、主人公が市役所? の玄関で、汲み取り用の柄杓(懐かしいぞ)を使って、糞尿を撒き散らすらしいです。
筒井康隆氏「最高級有機質肥料」
読みましたよ。持ってます。
この作品を書くために、筒井氏。
ご自分の便を皿に盛り、ナイフとフォークで切り分けて観察されたとか。
「さすがプロ!」というべきか、それとも「単なるスカトロ趣味」のなせる業か。
筒井氏の奥方。この所業に「悩まされた」らしい。
「悩まされた」と、品よく表現されてますが(どなたかの筒井作品の評論)、実際にはどうだったんでしょうね。
普通なら救急車を呼ぶか、離婚騒ぎに発展するところでしょうが……。
ま、並の神経の持ち主では、筒井氏の女房は務まらんでしょうね。
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10. Mikiko- 2011/02/26 13:23
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エッセイ集「狂気の沙汰も金次第」で書かれてますね。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110226131916d79.jpg
「腹立半分日記」とか、一連の日記シリーズも面白かった。
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11. ハーレクイン- 2011/02/26 13:43
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あれだけ多種多様な作品を、これでもか、と突きつけられると、代表作など選びようもないが。
印象に残る、思い入れのある作品、で選ぶと……。さあ、それでも考え込むなあ。
短編では初期の「マグロマル(これシュール!)」。う~ん、やはり「お紺昇天」も捨てがたい。
長編では「俺の血は他人の血(一種の変身譚)」かな。「馬の首風雲録」もすごい。
う~ん。こうしてみると、初期の作品に思い入れがあるなあ。
あ、短編の「母子像」。
これは凄いぞ。
ホラーの一種ともいえるが……。あのなんともいえない読後感は、なんともいえぬ(日本語破綻しとるぞ)。
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12. Mikiko- 2011/02/26 20:16
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「俺の血は他人の血」は面白かった。
カタルシスがあるよね。
映画にもなってるようです。
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13. ハーレクイン- 2011/02/26 21:48
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▲△△!※※※$みぎゃ!!###%うげぇ!!%&&?&&&¥¥ごぼぉ!!¥¥¥¥??!!!!!!!!