2011.1.7(金)
それに、叔母のこともあった。
叔母は、少年に背を向けていたが……。
叔母と特定できないという保証は無い。
叔母が、スカートオンパンツのスタイルで、居住するマンションを出るとき……。
住民の誰かに見られているかも知れない。
もし、その時の目撃者が映像を見れば……。
後ろ姿だけでも、叔母と気づいてしまう怖れがある。
どうしたらいい?
「やっとわかったらしいね。
自分の立場が。
それじゃ、行こうか。
あんたの部屋で、ゆっくり話し、しよう。
そのコンビニのパン、食べながらさ。
動画も見せてやるよ」
少年は由美の腕を引き、マンションの方に歩き出した。
「うちのマンション、男性は入れません」
「へー、嬉しいこと言ってくれるね。
ボク、オトコに見えるんだ」
少年は、瞳をくるくると動かした。
あのときは、驚愕で目を見開いているのかと思ったが……。
元々、目が大きいのだ。
確かに外見は華奢だが、男にしか見えなかった。
少年は、ずり下げて穿いていたジーンズを、上に引き上げた。
ウェストで、ベルトを締め直す。
トレーナーの裾から垣間見えた腰は、蜂のように括れていた。
両手で挟めば、指が届くのではないか。
弛みの消えたジーンズの股間には……。
男性特有の膨らみが無かった。
「あなた……。
女性?」
「そうだよ。
やっとわかった?
失礼なヤツだな。
こうすりゃ、もっとハッキリするだろ?」
少年……、いや、少年ではなかった。
少女は、トレーナーの裾を真下に引っ張った。
左右の胸には、微かだが膨らみが認められた。
「これでも、まだゲートはくぐれない?
それじゃ、トドメだ」
少女は、腕を裾前で交差させると、そのままトレーナーを抜き上げた。
グレーのトレーナーの下は、黒のタンクトップだった。
飛び出た鎖骨、関節部より細い二の腕。
痛々しいまでに華奢な、紛う方なき女性の体型だった。
叔母は、少年に背を向けていたが……。
叔母と特定できないという保証は無い。
叔母が、スカートオンパンツのスタイルで、居住するマンションを出るとき……。
住民の誰かに見られているかも知れない。
もし、その時の目撃者が映像を見れば……。
後ろ姿だけでも、叔母と気づいてしまう怖れがある。
どうしたらいい?
「やっとわかったらしいね。
自分の立場が。
それじゃ、行こうか。
あんたの部屋で、ゆっくり話し、しよう。
そのコンビニのパン、食べながらさ。
動画も見せてやるよ」
少年は由美の腕を引き、マンションの方に歩き出した。
「うちのマンション、男性は入れません」
「へー、嬉しいこと言ってくれるね。
ボク、オトコに見えるんだ」
少年は、瞳をくるくると動かした。
あのときは、驚愕で目を見開いているのかと思ったが……。
元々、目が大きいのだ。
確かに外見は華奢だが、男にしか見えなかった。
少年は、ずり下げて穿いていたジーンズを、上に引き上げた。
ウェストで、ベルトを締め直す。
トレーナーの裾から垣間見えた腰は、蜂のように括れていた。
両手で挟めば、指が届くのではないか。
弛みの消えたジーンズの股間には……。
男性特有の膨らみが無かった。
「あなた……。
女性?」
「そうだよ。
やっとわかった?
失礼なヤツだな。
こうすりゃ、もっとハッキリするだろ?」
少年……、いや、少年ではなかった。
少女は、トレーナーの裾を真下に引っ張った。
左右の胸には、微かだが膨らみが認められた。
「これでも、まだゲートはくぐれない?
それじゃ、トドメだ」
少女は、腕を裾前で交差させると、そのままトレーナーを抜き上げた。
グレーのトレーナーの下は、黒のタンクトップだった。
飛び出た鎖骨、関節部より細い二の腕。
痛々しいまでに華奢な、紛う方なき女性の体型だった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/01/07 07:29
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育「もう2年前から、発情期も確認されてますので……。
立派な大人ですね」
み「ほら、見なさい」
律「そうなの?
仕草なんか、可愛いのにね」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011010119544587b.jpg
み「可愛いっていうか……。
ちょっと、アホなんじゃないの?」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110101195445b5c.jpg
律「被り物が好きなんですか?」
育「はぁ。
なぜか」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2011010119544420a.jpg
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2. Mikiko- 2011/01/07 07:30
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律「なまはげの影響かしら?」
み「なまはげなんか、見たことないでしょ」
育「いや、あるかも知れません」
律「なまはげが、水族館に来るんですか?」
育「はい。
お正月限定ですが……。
なまはげダイバーが登場します」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201101011954456e7.jpg
律「ま、なまはげの真似してるかどうかはともかくとして……。
精神的には、まだ子供なんじゃない」
み「結婚したら、大人になるのかもね」
律「それじゃ、お嫁さん見つけなくちゃ」
育「それなんです。
これには、苦労させられました」
律「どうして?
こんなにイケメンなのに?」
み「熊の顔にイケメンとかあるの?」
律「高貴そうな顔してるよ?」
み「そぉかぁ?」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201101011954452e1.jpg
律「で、どうしてお嫁さんが見つからないんです?」
育「そもそも、日本の動物園には、独身のメスがほとんどいないんです。
いても、どこの動物園でも人気者でしてね。
嫁に出してくれるようなところは無いのです」
み「婿取り娘ってわけですね。
シロクマの婚活も、大変なんだね」
育「でも、ようやく決まりそうなんですよ」
律「ホントに?
良かったね、豪太くん」
み「お嫁さんは、どこの子?」
育「釧路動物園にいる、ツヨシです」
律「ちょっと待って……。
ツヨシ?
いくら嫁が見つからないったって……。
ゲイ婚はマズいんじゃないですか?
第一、子供ができないでしょ」
育「いえ。
ツヨシは、メスなんです」
み「はぁ?
まさか……。
TS(Trans Sexual)?」
育「なんですそれ?」
み「『Mikipedia』の『トラ!トラ!トラ!(https://mikikosroom.com/archives/2770060.html)』を読んでないな?」
育「は?」
み「つまり、『性転換手術』を受けたんじゃないの?」
育「なんで、シロクマが『性転換手術』を受けるんです?」
み「だから!
『性同一性障害』よ」
育「……。
そんなクマは、聞いたことありません」
み「それじゃ、何で“ツヨシ”を嫁にするわけ?」
豪太の方が、そっちの趣味なの?」
http://blog-imgs-24.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20090923102023193.jpg
育「どうも誤解があるようですが……。
ツヨシは、れっきとしたメスなんです」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/01/07 08:49
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わああああああ~。
参りました。Mikikoさま。
あなたは、紛れもなく、プロ。
本来の意味でのprofessionalの物語作家です。
あ、いや、物語作家であらせられます。
まさか、少年Aが少女A(中森明菜!)だったとは!。
全く予想もしていませんでした。
かけらも思っていませんでした。
Mikikoさんが“男”にこだわるのは変やな。このあと、どないすんねん、とは思っていましたが……。
予想すべきやったのう。まだまだ甘いの、HQ。
もっと「由美美弥」を読み込まんかい!
うぅっ、くっそお~。
完膚なきまでにやられた。
こいつぁ、例の、瀬名秀明「パラサイト・イヴ」以来の衝撃だわ。
皆さん!
「由美と美弥子」は、越後、いや日本を代表する文学作品でっせ。Mikkiko’s Roomに関わったことを誇りに思いましょう。
2011年、卯年。ええスタートが出来ましたのう。
で、Mikikoさん。
この少年、あ、いや、少女A。
「トランスジェンダー」でよろしいんですかね。
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4. ハーレクイン- 2011/01/07 09:22
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>>規則なら、破ってもいいんだな。いいこと聞いた。
あ、いや、あのMikikoセンセ。
どうぞお手柔らかに……。
さあ、今日こそ行くぞ!
『星』を求めてイスカンダルへ。
でなくて、大阪府立中央図書館へ!
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5. ハーレクイン- 2011/01/07 21:14
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行ってきました。
えらい大層な名称で、どんな凄いとこかと思てましたが、なんのことはない。私の住む町の市役所付属図書館よりもしょぼかったです。
ま、そんなことはどうでもよい。
入り口入ってすぐ左手に、コインロッカーがあります。
閲覧室には、筆記用具と貴重品、それとノートパソコン以外は持ち込み出来ません。
で上着、手荷物、酒(うそうそ)などをロッカーに入れて受付カウンターへ。
受付は、閲覧室の隅にあります。
閲覧室は、開架式の書棚と、1人掛け、2人掛け、4人掛けの読書机。合わせて6台。
さほど広いスペースではありません。
閲覧者は私一人。他に誰もいません。
ま、まだ松の内、ということを割り引いても、少し寂しい。
本、読めよ。大阪人。
館外貸出しは、やはり出来ませんでした。
で、閲覧請求書に記入し、係りの兄ちゃんに渡します。
書名はもちろん『星に生まれたもの』
H「これ、お願いします」
係「はい。探してまいりますので、15分ほどお待ちください」
H「は~い」
早よせえよ! と余計なことを言うこともなく、閲覧室をぶらつきます。
室内の一隅に「手塚治虫文化賞特別賞」の表彰楯が展示されていました。
2008年度に、国際児童文学館、として受賞した由。
へ~、と思って係りの人に聞いてみました
H「手塚文化賞、受賞されてるんですね。個人でなく団体としての受賞は少ないんやないですか」
係「ええ。うちは、漫画書籍や、漫画雑誌の収集にも力を入れているので、そこを評価していただいたようです(えへん)」
H「へえ~。閲覧できるんですか」
係「開架書庫の分はもちろんご自由です。ただ、古いものは貴重なものが多いので、閲覧を制限させていただいております」
H「そうですか。残念ですね(ええやんけ、本は読んでなんぼ、やろ)」
で、その後、開架書庫の書籍を見て回りましたが、『星』が気になって、どんなものがあったかよく覚えてません(早よせえよ!!)
係「HQさ~ん。お待たせしましたぁ」
H「あ、どうもぉ)」
係りの人が持っている書籍を見た瞬間、
お~~。間違いねえ。あいつだ。
盲亀の浮木、優曇華の花、ここであったが百年目。
待ちかねたぞ! 武蔵!!
なつかしや。
臙脂色の地肌。
カメレオンの横顔。
間違いねえ!
Mikikoさん。有り難う!
思わず、
表彰状を受け取るように(貰たことないが)、
両手で捧げ持っていました。
係りの兄ちゃん、どんな顔しよったか。
んなこた、どうでもええ。
そそくさと手近の椅子に座り、改めて再会を祝います。
よくよく見ると、長い時を経てきただけに、臙脂色はかなり色あせています。初版は昭和32年(2版はなかったろう)。もっと鮮やかな臙脂だと思ったが……。
明眸皓歯、どんなに見目麗しい美女の容色も、時の流れには逆らえませんなあ。
で、件のカメレオン。
木の枝に水平に乗っていると思っていたのですが、上下に伸びた枝に垂直に摑まり、首だけ水平に伸ばしていました。さらに、全く忘れていましたが、舌を伸ばして獲物の昆虫を捕まえた瞬間の絵柄でした。
表紙上部に記されたタイトルは『星に生まれたもの』
間違いないわけですが、世の中には他人の空似、ということもあります。
本文で確認しました。
といっても、内容はほとんど記憶にありません。
唯一、最後の章(全21章の章立てでした)のタイトルが「小さなランプのために」とあります。これで、間違いなくご本人であることが確認できました。
本文の最後の部分に『ランプ』を比喩的に用いた記述があったことはしっかり覚えていたのです。何の比喩かといいますと、地球上に始めて出現した生物を「この世に最初にともされたランプの灯かり」と喩えているんですね。
数十年前に生き別れになった本と再会できました。
Mikikoさん。本当に有り難う。
奥付けを確認します。
ケンリー(アメリカ)著
内山賢次 訳
星に生まれたもの
実業之日本社 昭和32年
P296 19cm
小学校高学年・中学生 向
〈少年少女“世界の本”〉シリーズ2
本文を読みました。
全く覚えていなかったです。
生物の進化史の啓蒙書、と以前のコメに書きましたが、やはり児童向けの書物。そんなに厳密な記述ではありませんでした。一応、アメーバ(ないしそれ以前のコアセルベート)から始まって、人間の登場とその意味で終わる構成ですが、途中は著者の興味のある動物しか登場せず、非常に偏っていました。
ま、児童向けですから、これでいいんでしょうね。イラストはなかなかのものでした。実はイラストも記憶になかったんですよ。イラストがある、ということ自体を忘れてました。よっぽど表紙のカメレオンの印象が強烈だったのかなあ。
本文を読んでみて、何でこんなにこの本に執着があったのか、よくわかりました。正規の生物学(なんか偉そうな言いかた)から見れば穴だらけの構成ですが、子供の目から見れば、わくわくして、ひきつけを起こしそうになるくらいのインパクトがあります。取り上げた動物が、関心を引くものばかりなんですよ。
幾つか例を挙げますと、先日NHKでやっていた、なんやったかな、「ダーウィン」か、「自然百景」か、忘れたが。糸を投げ縄のように振り回して獲物を捕らえるクモ。著者は「漁師グモ」と言うとりましたが。
もう一つ。雌が、エサが気に入らないと相方である雄を食ってしまうクモ。これを著者は「クモの“夫焼き”」と書いとりました(面白いやないか、ケンリー女史)。
あと、鉄砲魚とか、蜜蟻とか……。
やっぱり、ええ本やった。
閉館時刻一杯まで粘って、書物を返却し、国際児童文学館を後にしました。
もう、時刻は黄昏。
なんともいえない思いと共に、帰途に着きました。
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––––––
6. Mikiko- 2011/01/07 21:54
-
突然、新年会になってしまった。
朝方は吹雪だったのですが、会社を出るころには上がり……。
いい新年会になりました。
今日は日本酒は自粛し、“いいちこ”の水割りに抑えたので……。
雪道で転ぶこともありませんでした。
少女Aの件。
そんなにほめても、何も出ないぞ。
それほど驚かれたことが、わたしにはちょっと驚きでした。
だって、↑天井に、「『由美と美弥子』には女性しか出てきません」って書いてあるじゃんね。
前から、“ボーイッシュ”を出したいと思っていたのだ。
“ボーイッシュ”については、『Mikipedia』の「フェムリバ!(https://mikikosroom.com/archives/2770058.html)」をご参照ください。
ミサが少しその系統ですけど、スカートはいてるからね。
少女Aが“トランスジェンダー”かどうかは、今後の展開を待て!
「星に生まれたもの」。
よかったですね。
人ごとながら、ほのぼのしてしまいました。
いや、羨ましい。
わたしにも1冊、探している本があるのですが……。
見つかりそうもありません(198回のコメント参照)。
ひょっとして、自分の頭の中で作り上げた本なのかな?
投げ縄グモは、「ダーウィン」の正月特番で見ました。
あんなヤツがいるとは、驚きましたね。
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7. ハーレクイン- 2011/01/08 06:09
-
日本酒と焼酎でそんなに酔い心地が違いますか。
ま、確かに、かたや醸造酒、こなた蒸留酒ですが、単にアルコール度数だけの問題ではないのでしょうね。
少女A。
ま、確かに、天井の「女性しか出てきません」に魅かれて、私も由美美弥にはまり込んだんですけどね。いや~、しかし、なんと申しましょうか……。
探しておられる本って、「デーケドン」ですよね。
探して差上げたいが、Mikikoさんに見つけられないものを、私が見つけられるとは到底思えず……(ほんまに役立たずのおっさんや。ま、確かに)。
投げ縄グモ。
「ダーウィン」でしたか。
子供の頃は「あんなことで獲物取れるんかい」と思ってました。
「ダーウィン」によると、ただ振り回してるだけではなく、獲物(ガの一種)の性フェロモンを自ら分泌して、獲物を引き寄せているとのこと。異種動物のフェロモンを合成するとは。とんでもない離れ業ですね。
ま、確かに、生物が生きのびるための色々な方法には、想像を絶するようなものがありますよね。警告色もそうですし、それに便乗する奴とか……。
198回のコメ群、ついでに改めて読んでみました。
今とは、ぜんぜん雰囲気が違いますよね。
女性ばっかりだし、当然、話題も違うし……。
今の状況、これでいいのかな、と思ってしまいます。
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8. Mikiko- 2011/01/08 08:28
-
水割りでいただきました。
なので、度数はかなり低かったと思う。
日本酒やワインなどの醸造酒は、割らずに飲むので……。
胃に入るときの度数は、お酒の中で一番強いんじゃないでしょうか?
“デーケドン”で検索しても……。
ヒットするのは、「Mikiko's Room」のみ。
そんな絵本は、存在しなかったのかも知れません。
でも、木のうろに隠れる旅人と……。
森の上空を舞う怪物の姿は……。
はっきりと脳裏に灼きついてるんです。
198のコメ群、確かに壮観ですね。
ま、それぞれの季節には……。
それぞれの風景が見れるってことです。