2011.1.5(水)
「ひょっとしたら、また見れるんじゃないかと思ってさ。
ここ来て見たら……。
ビンゴ!
コンビニ袋だけ持ってるってことは、近所に住んでるんだよね。
自分の住む街で、あんなことするなんて……。
おまえ、ヘンタイ?」
由美はマンションに背を向け、商店街の方に戻ろうとした。
マンションを知られるわけにはいかない。
少年が、由美の前で両手を拡げた。
「そっちじゃないだろ。
さっきまで歩いてた方だよ」
脇をすり抜けようとすると、少年に腕を掴まれた。
「放して!
人を呼ぶわよ」
「呼んでみろよ。
困ることになるのは、あんたのほうだぜ」
そう言って少年は、ニヤリと笑った。
自信に満ちた笑いだった。
「きのうボクが、見てただけだと思うのかい?
あんなの見るの初めてだったから、最初はビックリしたけど……。
でも、ハッと気づいて、携帯で動画撮ったんだ。
帰ってから再生してみたら、もうエロいのなんのって……。
AVなんてもんじゃないね。
3回もオナニーしちゃったよ。
あの映像……。
投稿したら、受けると思うぜ。
なにしろ、モデルがいいからね。
アイドル級だし。
こいつは誰だって、ネットが沸騰するよ。
あんたも、ほんとは投稿してほしいんじゃないの?
ヘ、ン、タ、イ、さん」
由美は、立ち竦んだ。
この少年に目撃された瞬間を、懸命に脳裏で再生する。
しかしあのとき、少年が携帯を向けていたかどうか、思い出せなかった。
記憶にあるのは、少年の大きく見開いた瞳だけだった。
もし撮られていたとしたら……。
絶望的だ。
あれが投稿され、自分だということが判ったら……。
すべてが終わりだ。
大学にも行けなくなるだろう。
両親の住む街でも、噂が広がるかも知れない。
帰る場所も無くなるのだ。
ここ来て見たら……。
ビンゴ!
コンビニ袋だけ持ってるってことは、近所に住んでるんだよね。
自分の住む街で、あんなことするなんて……。
おまえ、ヘンタイ?」
由美はマンションに背を向け、商店街の方に戻ろうとした。
マンションを知られるわけにはいかない。
少年が、由美の前で両手を拡げた。
「そっちじゃないだろ。
さっきまで歩いてた方だよ」
脇をすり抜けようとすると、少年に腕を掴まれた。
「放して!
人を呼ぶわよ」
「呼んでみろよ。
困ることになるのは、あんたのほうだぜ」
そう言って少年は、ニヤリと笑った。
自信に満ちた笑いだった。
「きのうボクが、見てただけだと思うのかい?
あんなの見るの初めてだったから、最初はビックリしたけど……。
でも、ハッと気づいて、携帯で動画撮ったんだ。
帰ってから再生してみたら、もうエロいのなんのって……。
AVなんてもんじゃないね。
3回もオナニーしちゃったよ。
あの映像……。
投稿したら、受けると思うぜ。
なにしろ、モデルがいいからね。
アイドル級だし。
こいつは誰だって、ネットが沸騰するよ。
あんたも、ほんとは投稿してほしいんじゃないの?
ヘ、ン、タ、イ、さん」
由美は、立ち竦んだ。
この少年に目撃された瞬間を、懸命に脳裏で再生する。
しかしあのとき、少年が携帯を向けていたかどうか、思い出せなかった。
記憶にあるのは、少年の大きく見開いた瞳だけだった。
もし撮られていたとしたら……。
絶望的だ。
あれが投稿され、自分だということが判ったら……。
すべてが終わりだ。
大学にも行けなくなるだろう。
両親の住む街でも、噂が広がるかも知れない。
帰る場所も無くなるのだ。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/01/05 07:26
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「東北に行こう!」、再開します。
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さて、実は次に向かったのが……。
この『男鹿水族館GAO』、いち押しの人気コーナー。
といっても、水槽ではありません。
そこにいたのは……。
律「うわ。
スゴい。
シロクマ!」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010123120202156b.jpg
そう。
シロクマくんでした。
律「大っきいね-」
テレビで、里に現れたクマの映像とか見ますが……。
それとは比べものにならない大きさ。
シロクマは、地上最大の肉食獣なんです。
大きさを比べてみましょう。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110104201228f36.jpg
律「でもさ……。
シロクマって、“水族”なの?」
み「いいんじゃない。
プールもあるし」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101231202022d52.jpg
律「あ、こっち来るよ。
やっぱ、わたしが好きなんだ」
み「いったい……。
どっからその自信が……。
そもそも、オスなの?」
律「ぜったい男の子。
わたしを好きなのは、メスでも一緒だけどね。
ほら、来た」
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101231202022ced.png
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2. Mikiko- 2011/01/05 07:27
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一瞬……。
律子先生の言葉を信じかけましたが……。
どうやら違うようです。
シロクマくんのお部屋は、1箇所、館内に突き出してるとこがあります。
わたしたちが見てたのは、そこ。
彼は、一直線にそこにやって来たのです。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101231202329dcb.jpg
すぐかたわらに、飼育員さんがいました。
しゃがみ込んで、ガラスの下で、何かしてます。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101231202020b39.png
育「豪太~」
律「ほら。
やっぱり男の子じゃん」
飼育員さんが呼ぶと、スゴい鼻息が聞こえてきました。
どうやらそこに、豪太くんの部屋と繋がる穴があるようです。
顔が、デカい!
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010123120202180d.png
こうしてるの見ると、太ったオッサンみたいですね。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20101231202040672.jpg
飼育員さんが、穴から何か投げ込みました。
おやつの時間だったようです。
先生なんか、眼中にありません。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201012312020218be.jpg
み「どうやら……。
先生がお目当てじゃなかったみたいね」
律「きっと、まだ子供なのよ。
色気より食い気ね」
み「幾つなんだろ?」
育「もうすぐ、7歳です」
おやつをやってた飼育員さんが答えてくださいました。
律「ほら、子供じゃん」
み「人間と一緒にしないでよ。
熊の7歳は、大人じゃないの?」
続きは、次回。
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3. ハーレクイン- 2011/01/05 09:03
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由美ちゃん。
そ奴の言うとることは、ハッタリだ(と思うぞ)。
騙されてはいかんぞ。
549回Sentimental Journeyをよく読むんだ。
撮影する間は(たぶん)なかったと思うぞ。
しかし、こ奴、やはりオナニー経験があったか……。
律子センセ。
シロクマ(ホッキョクグマ)はれっきとした「水族」です。
水中の行動は結構活発です。
「同類の動物の間では、寒い地方に生息するものほど、体が大きい」という、生物学上の有名な事実があります。
クマの場合、本州以南のツキノワグマ<北海道のヒグマ<北極圏のシロクマ、のように大きくなりますね。
考え付いた人にちなんで『ベルクマンの規則』といいます。
体が大きいものほど、寒さに強いんですね。
う~む
昭和天皇御製「ウミウシの煮付け」の出汁は魚の出汁か。
とうことは、しょっつる風味だの。
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4. ハーレクイン- 2011/01/05 09:34
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思い出すのう。
学生時代、実習室や実験室で、いろんなものを食った。
大学が田舎だったから、いろんな食材が身の回りにあった。
そんなに珍しいものは無かったがの。
一番豪華だったのは、実家が養鯉業の奴が差し入れてくれた『コイ』2尾。
こいつを「刺身」と「鯉こく」にして皆で食った。
調理したのはそいつ。さすが、というか、なかなかの腕のようであった。
皆で釣りに行って、わんさと釣って来た『ハゼ』。
こいつも美味かった。
ハゼ釣りは、猿でも釣れるほど簡単だ。女子も結構、きゃあきゃあ言いながら釣っておったな。
ハゼは、顔は不細工だが、白身の上品な味だ。
煮てよし、焼いてよし。美味いぞ。
あと、神経系の実験に用いた後の『イカ』。これはストーブで焼いて食った。
「ザリガニ」もあったが、こいつはさすがに寄生虫が怖かったのでパス。
隣の教室の講師が研究用に栽培した『ナス』のお下がり。これも、ただ焼いただけだが、美味かった。
やはり研究用のお下がりの『コンニャク』。これは「さしみ」で食った。
校舎の裏庭に生えた『キノコ』も食った。詳しい、と自称する奴が「毒キノコは混ざってない(ホンマかいな)」と言い張るので、信用して焼いて食った(ようやるわ)。なんともなかったが、今ならよう食わん。
『イノシシ』も『ウサギ』も食ったな。こいつは、実家が山奥の奴の差し入れ。ほんの一切れだったが(もろといて文句言うな)。
てなことで、実習室には、常に醤油が用意してあった。
あと、実習室ではないが、実家が漁師をやってる奴の家に遊びに行って、食わせてもらった「『イワシ』のたたき」。こんな美味いものがあるのか、というくらい美味かった。
新鮮な魚介類は、高級魚だろうが、下魚だろうが(失礼な言い方だ)、なに食っても極上の味だの。
このときは、焼酎をしこたま飲まされて、つぶれてしもうたよ。
いろんなもん食ったなあ。
食うということは、飲むということ。
飲んだなあ。たっぷり。安酒を……。
以前書いた『実験室用の純度90%のエタノール』を飲んだのも、このときだ。
さあ。正月休みも後、一日。
今日も飲むぞ。
あ、ちょいとつまらん用が出来て、例の府立図書館には、今日は行けなくなった。
明日は仕事だから、『星』との再開は、明後日になるのう。
無念じゃ。
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5. 淡雪- 2011/01/05 12:55
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ハーレクインさんの興味深く読みました。
美味しいもの食べて、お気に入りの空間に自分を置いて、
大切な人と過ごす。
ことしは、何時間そういう時間をすごせるかしら。
何時間というのは、オーバーかな。
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6. ハーレクイン- 2011/01/05 16:31
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古くから「同じ釜の飯を食う」と言います。
食を共にした仲間・間柄というのは、何時までも忘れられないものですよね。
「美味しい」という感情の中には、
料理の美味しさに加え、
「ああ、今、あいつと俺とは同じものを食べている、同じ感動を共有している」という思いも含まれるのでしょうか。
う~む。上手く言えんな。
酔ってるからな。
よう考えたら、飲み食いするときは、なんも考えとらんわな。
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7. Mikiko- 2011/01/05 19:46
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理屈は一緒なのでしょうが……。
『アレンの規則』というのもあるようですね。
「近縁種の恒温動物では、高緯度ほど突出部(耳、翼、尾など)が小さくなる」
体表面積を小さくすることにより放熱量を抑え、体温を維持するためだそうです。
ニホンザルの尻尾が短いのも、このせいだとか。
日本人にとって、雪景色にたたずむニホンザルの姿は、お馴染みの風景ですが……。
実は、雪の降る地域に住むサルは、世界中でニホンザルだけだそうです。
ニホンザルは、海外ではスノーモンキーと呼ばれて珍しがられ……。
その姿を見るために、わざわざ冬の日本に来る外国人もいるのだとか。
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8. ハーレクイン- 2011/01/05 21:40
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Mikikoさん。
よくご存知で……。
ただ、入試によく出るのはベルクマン。アレンはめったに出ません(笑)。
アレンとベルクマンの理屈は、似ている様で少し違います。
だって、「より体が大きい」ということは「より体表面積が大きい」ということで、そのほうが寒さに強い、というのがベルクマンの規則ですからね。
ここが入試に出るわけです。「体表面積が大きい方が、寒さに強いのは何故?」ということですね。
雪中のサル。
改めて考えれば、世界的には珍しいですね。
そうか、わざわざ彼らに会いにくる外人もいるのか。
ニホンザルに「日本観光大使」の称号をやるか。
青森県、下北半島のニホンザル。
地球上で最も高緯度地域に住むサル類。
「極北の猿」というらしいです。
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9. ハーレクイン- 2011/01/06 00:56
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そういえば、先日NHKでやっておった。番組名は忘れたが。
日本アルプスの高山帯にまで遠征する、ニホンザルの映像だ。
山岳名は……これも忘れた(なんも覚えとらんやないか)。
中部山岳地帯で、海抜(標高)2500mを越える場所を高山帯、それ以下を亜高山帯といい、両者の境界線を森林限界(要するに2500mライン、説明がくどいの)という。
なぜなら、高山帯は気候条件が厳しいので、いわゆる樹木は生育できないからだ。
高山帯の植物は、主に草本(そうほん;いわゆる草)で、要するに高山植物のことだ。登山をやる連中は実物をよく見ておるが、一般にはあまり馴染みはない。
高山植物の具体例を挙げようと思ったが、きりがないのでやめ。どうせ画像のアップもできんしの。
お。一つだけ。
そうだの、だれでも名前は知っているというと『クロユリ(黒百合)』。
♪く~ろゆり~は~恋の花、愛する人に捧げれば~♪ のあれだ(そんな大昔の歌、知らんわ)。
おい、まて。サルはどこへ行ったのだ。♪山ゆくサル(野に咲く花)は何処へ行く~♪
お。そだったの。
で、高山帯には(まだ続くんかい)、樹木は生育できないといったが、唯一例外がある。ハイマツ(這い松)。これだ。
樹高が、成人の腰くらいにしか達しない、いじけたマツダ、あ、いや、松だ。登山家なら誰でも知っておる有名な高山植物だ。
で、このハイマツの果実(いわゆる松ぼっくり)が、ニホンザルの好物なのだよ。
やった~。話がサルに戻ったぞ。
で、件(くだん)のNHKのニホンザル。このご馳走を求めて、低地からはるばる2500mの高山まで、登山するわけだ。途中、それぞれの高度に生育する、様々な植物を食べながら……(グルメザル!)。
しかし、山の秋は短い。
たっぷりとハイマツの果実を楽しんだ後、近づく冬から逃げるように、低地へ戻ってゆくニホンザル達。
また来年、元気で登ってこいよ。
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10. Mikiko- 2011/01/06 07:50
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その理屈は……。
体積と表面積の関係ですね。
↓こちらに、わかりやすいページがありました。
http://www.geocities.jp/goleshiiriin/Knack/volume/volumearea.htm
このページでは……。
「体積に対する表面積の割合は、体積が大きくなるほど小さくなる」という結論が導かれてます。
『ベルクマンの規則』に置き換えると……。
熱を生産するのは「体積」部分で、放熱するのは「表面積」だから……。
体が大きいほど熱が逃げにくい、ということになるようです。
長野県下高井郡山ノ内町にある地獄谷野猿公苑が、スノーモンキー観光では人気のようです。
温泉につかる姿が、外国人のお目当てだそうです。
http://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20110106074116fe8.jpg
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11. ハーレクイン- 2011/01/06 08:29
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ベルクマン。
ご紹介のページを見てみましたら、
「サイコロモデル」で説明されてましたね。
ベルクマンを授業でやるときには、大概の講師があれでやります。
スノーモンキー。
「温泉ザル」はよく見ますよね。そうか、長野、地獄谷でしたか。
いつも思います。
「上がった後、寒かろ。湯冷めせ~へんのか。」
浴衣やどてらを羽織るわけにもいかんやろしのう……。
風邪引くなよ。
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12. Mikiko- 2011/01/06 19:48
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サルの仲間では、ベルクマンの規則は当てはまらないのかな?
やっぱりスノーモンキーは、そうとう特殊なんだね。
ネットで調べたところ……。
湯冷めするのは、人間だけみたいです。
風呂上がりにかいた汗が気化するとき、体温を奪うのだとか。
毛に覆われた動物は、汗腺が発達してないので……。
ほとんど汗をかかないそうです。
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13. ハーレクイン- 2011/01/06 23:48
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>>サルの仲間では、ベルクマンの規則は当てはまらないのかな?
普通、例外のない普遍的な現象は『○○の法則 law』といいますよね。物理の「エネルギー保存の法則」とか「万有引力の法則」とかね。
ところがベルクマンやアレンは『○○の規則 rule』と表現されます。これは「法則というほどのものではないよ」「あまり普遍的ではないよ」という含みを持たせてあるわけ。
つまり、ベルクマンの規則は、どんな動物群にもあてはまる・見出される、というわけではなく、「そういうケースも見られるよ」という程度の現象なんですね。
クマ類の場合には見事に当てはまるんですけどね。
寒さに対する適応力は、単純に体の大きさと体表面積の関係だけで決まるわけではなく、たとえば、体毛や皮下脂肪がどれだけ発達しているか、とか、体の体積が同じでも熱産生能力に違いがある、とか、いろんな要素が絡んできますから、一概にはいえないんですよ。
ベルクマンの規則というのは、「体温調節にはこういう要素も絡んでますよ」という程度に、捉えるべきなんですね。面白い話ではあるんですけどね。
前コメのお題を「ゴリラの勝ち」としたのは、もちろん話を面白くするためです(笑)。
がんばれ。スノーモンキー、ニホンザル。
そういえば、英語で「サル」は、比較的下等なものを「モンキー monkey」、高等なものは「エイプ ape」といいますね。
え、ニホンザルは下等なん?
残念ながらそうなんですよ。
高等なサルは、ゴリラ・チンパンジー・オランウータンの3群です。
映画『猿の惑星』の原題は『Planet of the APES』
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14. Mikiko- 2011/01/07 07:26
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それで、法則ではなく、規則なのか。
規則なら、破ってもいいんだな。
いいこと聞いた。
ニホンザルは……。
正直、あんまり利口そうな顔してないよね。
観光客の持ち物を、かっさらったりするのは……。
まさしく、下等動物の所行です。