2010.7.12(月)
■
ひとりで帰れると言う叔母と、駅で別れた。
化粧を直した叔母の顔は、姪の目からも、いつもに増して美しく見えた。
艶やかに、照り輝いていた。
マンションに戻り、フロント脇を通り過ぎようとしたときだった。
「藤村さん……」
フロント内から呼び止められた。
声の主は、いつものスタッフでは無かった。
このマンションのフロントには、365日、派遣スタッフが常駐している。
普段は、若宮というネームプレートを下げた女性が詰めていた。
由美を気に掛けてくれる優しいスタッフだった。
しかし当然のことながら、スタッフにも公休日がある。
若宮スタッフが休みの日には、別のスタッフが派遣されているのだ。
そう言えば、ここ数日、若宮スタッフの姿を見なかった。
体調でも崩しているのだろうか。
そんなことを考えながら、由美はフロントに歩みを向けた。
「藤村さん、でしたよね?
ごめんなさい。
たまにしか来ないものだから、お名前、なかなか覚えられなくて……。
棚橋さんのこと、何か聞いてないかしら?
こちら、棚橋さんのお姉さんなんだけど……」
そう言ってスタッフは、フロントの外に立つ、もうひとりの女性に視線を投げた。
後ろ姿から、入館生では無いとは思っていたが……。
まさか、ミサの姉とは考えもしなかった。
ミサとは、まったく雰囲気が異なっていたせいもある。
姉は、大柄だった。
美弥子ほどではないが、それでも170センチ近くはあるだろう。
ミサとの大きな相違点は、そのフォルムだった。
姉は、豊満と言っていい体型だった。
さほど大きく開いていない襟ぐりからも、胸の谷間が認められた。
サマーニットの編み筋が、乳房に沿った曲線を描いている。
すれ違う男性の視線は、そこに留まらざるを得ないだろう。
プリーツスカートに包まれた腰も、豊かな丸みを誇示していた。
しかし、決して太っているようには見えなかった。
逆三角形の小さな顔と、スカートから伸びる真っ直ぐな細い脛は、胸や腰とは対照的だった。
どこか、白人女性を思わせる体型だ。
ひとりで帰れると言う叔母と、駅で別れた。
化粧を直した叔母の顔は、姪の目からも、いつもに増して美しく見えた。
艶やかに、照り輝いていた。
マンションに戻り、フロント脇を通り過ぎようとしたときだった。
「藤村さん……」
フロント内から呼び止められた。
声の主は、いつものスタッフでは無かった。
このマンションのフロントには、365日、派遣スタッフが常駐している。
普段は、若宮というネームプレートを下げた女性が詰めていた。
由美を気に掛けてくれる優しいスタッフだった。
しかし当然のことながら、スタッフにも公休日がある。
若宮スタッフが休みの日には、別のスタッフが派遣されているのだ。
そう言えば、ここ数日、若宮スタッフの姿を見なかった。
体調でも崩しているのだろうか。
そんなことを考えながら、由美はフロントに歩みを向けた。
「藤村さん、でしたよね?
ごめんなさい。
たまにしか来ないものだから、お名前、なかなか覚えられなくて……。
棚橋さんのこと、何か聞いてないかしら?
こちら、棚橋さんのお姉さんなんだけど……」
そう言ってスタッフは、フロントの外に立つ、もうひとりの女性に視線を投げた。
後ろ姿から、入館生では無いとは思っていたが……。
まさか、ミサの姉とは考えもしなかった。
ミサとは、まったく雰囲気が異なっていたせいもある。
姉は、大柄だった。
美弥子ほどではないが、それでも170センチ近くはあるだろう。
ミサとの大きな相違点は、そのフォルムだった。
姉は、豊満と言っていい体型だった。
さほど大きく開いていない襟ぐりからも、胸の谷間が認められた。
サマーニットの編み筋が、乳房に沿った曲線を描いている。
すれ違う男性の視線は、そこに留まらざるを得ないだろう。
プリーツスカートに包まれた腰も、豊かな丸みを誇示していた。
しかし、決して太っているようには見えなかった。
逆三角形の小さな顔と、スカートから伸びる真っ直ぐな細い脛は、胸や腰とは対照的だった。
どこか、白人女性を思わせる体型だ。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2010/07/12 08:21
-
発車時刻前ですが、どうやら乗っていいようです。
お客さんは、続々と乗り込みます。
それを尻目に、お馬さんは悠然と給油中です。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201007092033377e1.jpg
馬の傍らに立つ方が、御者のようです。
人力車のあんちゃんほどではありませんが……。
けっこう若い方です。
さっそく、取材してみましょう。
「こんにちは~。
今日は、よろしくお願いします」
「はい、こんちはー。
楽しんでってくだっせ(すみません。大分弁がわかりません)」
「お馬さんは3頭いるって聞いたんですけど……。
これって、由布市の持ち馬なんですか?」
「うんにゃ(この口調じゃ、『福島へ行こう!』の運ちゃんと一緒だよな……)。
馬は、馬車屋の持ち物ですっちゃ」
「なるほど~。
それじゃお兄さんは、由布市の職員さんじゃないってことですね」
「馬車屋です」
「馬が3頭もいるってことは……。
やっぱり、会社組織なんですか?」
「うんにゃ、そうでねえっちゃ。
馬は、3人の御者がそれぞれ持っちょります」
「3人は、独立した馬車屋さんってことですか?」
「そげんです。
観光協会の下で、馬車組合を作っちょります」
「なるほど~。
なんとなくわかりました。
馬車歴は長いんですか?」
「長い人から……。
ほんの数年って人もおります」
「みなさん、家業を継がれたんですか?」
「由布院で馬車が走り出したのは、三十数年前ですけん。
昔からの家業って人は、おりましぇん。
Uターンで戻って来て、馬車屋を始めた人もおります。
そん人は、馬車屋になって初めて、馬に触ったそうです」
「へ~。
面白い経歴ですね」
「そろそろ出発しますけん、乗ってくらっしゃい」
「は~い」
馬車の中では、子供たちが待ちくたびれた顔をしてました。
中には、わたしたちの顔を恨めしげに見る子も……。
わたしが御者の人と話してたから、出発できないとでも思ったのかな?
違うんだからね!
車両に、窓はありません。
なので、冬季は運行してません。
1月の第1日曜が終わると、2月末まで運休になるそうです。
3月も末とはいえ、今もまだ肌寒い季節。
座席には、毛布が用意されてました。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100712080137382.jpg
駅前に出てた看板では、馬車の定員は10名。
馬車には、3人掛けの客席が、3列あります。
3×3で、9名ですよね。
あとの1人はどこに乗るの?
ってことですが……。
客席のさらに前にも、座席があるんですね。
御者が座る席です。
で、御者の左隣に、1人座れるんですね。
タクシーだって、運転席の横に1人座れますからね。
あれと同じなんでしょう。
タクシーに乗り合わせる場合、あんまり偉くない人が、運転手の隣に座るようですが……。
この馬車では、御者の隣は特等席です。
お馬さんの背中が、間近に見えます。
今、その席には、子供が座ってます。
http://blog-imgs-46.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100709203337786.jpg
確かに、子供は最前列じゃないと、前が見えませんからね。
子供優先席なんでしょう。
ほんとは、わたしが座りたいんだけど……。
今日は我慢しましょう。
続きは、次回。
-
––––––
2. 淡雪- 2010/07/12 13:02
-
そうです。
子供と最前列を争うようなことは、やっぱりしちゃいけません。
ウチの主人はモノレールの最前列を死守します。
こどもがうらやましそに、そばに立っても、よけいに意地になって譲りません。
とくに私がついてると、もうほとんど駄々っ子です。
はずかしーーー。
-
––––––
3. Mikiko- 2010/07/12 13:07
-
ご主人ですね。
ある意味、うらやましい人かも。
わたしも、最前列までは欲張りませんが……。
窓際は死守します。
今日は、強い雨。
有給取って大正解♪
-
––––––
4. フェムリバ- 2010/07/12 20:02
-
ミサちゃんの極悪姉!!
心配してるフリして、ミサちゃんをイジメに来たな?
由美ちゃん!その人は悪い人だよ~
ミサちゃんを守ってあげて(泣)
というか
香純さんがいなくてちょっと安心しました♪
(香純さん、ゴメンね・・・でも、やる事が怖すぎるんです。)
お馬さん、ナデナデしたい♪
しかし
「そうでねえっちゃ」とか・・・
大分弁て可愛いかも♪
やっぱり子供が優先かぁ・・・
いいなぁ・・・
私も、淡雪さんの旦那様のように自分を突き通せたらなぁ・・・
まぁでも
後ろの席でも、きっと楽しいでしょうね♪
-
––––––
5. Mikiko- 2010/07/12 20:56
-
恐怖の女子高メンバーが登場しましたね。
当然のことながら……。
美弥ちゃんとも絡んでくるはず。
さて、どういう展開になりますか……。
あの大分弁は、デタラメです。
大分の人はイカッてるかと思いますが……。
アクセス解析を見ると……。
本日、大分県からのアクセスは、3人なので……。
たぶん、黙っててくれるでしょう。
淡雪さんの旦那さんの振る舞いは……。
天稟です。
われわれ素人が、付け焼き刃で真似ても、見苦しいだけでしょう。
-
––––––
6. フェムリバ- 2010/07/13 20:24
-
この極悪姉、女教師の携帯から美弥子ちゃんの写真を盗んでましたよね?
ガクガクぶるぶる・・・
美弥子ちゃん・・・(泣)
アクセス解析って、凄いな~
う~ん
自分を通すには、周りに文句を言わせない貫禄と言うかオーラがいりますもんね。
なので、これからも大人しくしておきます・・・
-
––––––
7. Mikiko- 2010/07/13 20:32
-
書きやすいし、書いてて楽しい。
でも、由美美弥は勧善懲悪に立っておるので……。
悪は、必ず敗れます(たぶん)。
人にはそれぞれ、持って生まれた“分”というものがあるんじゃないかな。
背伸びしても、身につかないし……。
続かないよ。