Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0375
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 お湯に浸かると、ミサは大分落ち着きを取り戻したようだった。
 というよりは、眠気に襲われたらしい。
 昨夜は、ほとんど眠れなかったのではないか?
 バスタブに沈みそうになったミサを引き上げ、人形を洗うように身体を洗った。
 洗われながらミサの頸は、船を漕いでいた。

「ちょっと……。
 寝ないでよ、こんなとこで」

 気付けに、脚元に冷水をかけた。
 身体を引き起こし、バスルームを出る。

 廊下に出ると、美弥子が扉の前で手招きをしていた。
 ミサは由美の肩に額を落とし、美弥子が見えていない。
 美弥子が立っているのは、普段使わない寝室の前だった。
 両親が上京したときなどに泊まる部屋だ。

 由美がうなずくのを見ると、美弥子は扉の前を離れた。

「ほら、ミサちゃん。
 もうベッドだよ」

 ミサを抱え直し、ベッドルームに入る。
 閉じられたカーテンが、陽の光を孕んでいた。
 ツインベッドが並んでいる。
 手前側の掛け布団が捲られ、真新しいシーツが見えていた。
 美弥子の気遣いだろう。

 由美は、重くなるばかりのミサをシーツに下ろした。
 脚を抱え上げたときには、ミサはすでに寝息を立てていた。
 布団を掛け、部屋を出る。

「どう?
 落ち着いた?」

 扉の前で、美弥子が待っていた。

「寝ちゃった」
「そう」
「しばらくは起きそうもないよ」
「お茶でも飲む?」

 うなずく由美に微笑んで、美弥子は由美に背を見せた。
 キッチンに向かうつもりなのだろう。
 由美は、美弥子の相臀を見てめていた。
 美弥子もまだ、衣服を着けていなかった。
 美弥子が歩を進めるたび、相臀が躍動するように震えた。
由美と美弥子 374目次由美と美弥子 376





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2010/01/27 07:27
    •  いよいよ、待ちに待った春真っ盛り。
      --------------------------------------------------
      ■春の小川【作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一】文部省唱歌(4年)
      http://www.youtube.com/watch?v=XacbPQHZ6o0
      春の小川は さらさら流る
      岸のすみれや れんげの花に
      匂いめでたく 色うつくしく
      咲けよ咲けよと ささやく如く
      春の小川は さらさら流る
      蝦やめだかや 小鮒の群に
      今日も一日 ひなたに出でて
      遊べ遊べと ささやく如く
      春の小川は さらさら流る
      歌の上手よ いとしき子ども
      声をそろえて 小川の歌を
      歌え歌えと ささやく如く
      --------------------------------------------------
       あれ?、と思われた方もしらっしゃるんじゃないでしょうか?
       メロディは確かにあの歌だけど……。
       歌詞が違う!って。
       そう。
      「春の小川」は、最初はこういう歌詞だったんです。
       それが、口語体の今の歌詞に変えられました。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2010/01/27 07:28
    •  現在の歌詞は、こうなってます。
      --------------------------------------------------
      ■春の小川【作詞:高野辰之(林柳波ほか改)/作曲:岡野貞一】
      http://www.youtube.com/watch?v=oseU2hBhzh4
      春の小川は、さらさら行くよ
      岸のすみれや れんげの花に
      すがたやさしく 色うつくしく
      咲けよ咲けよと ささやきながら
      春の小川は さらさら行くよ
      えびやめだかや こぶなのむれに
      今日も一日 ひなたでおよぎ
      遊べ遊べと ささやきながら
      --------------------------------------------------
       この改作、いつ行われたと思います?
       普通に考えれば戦後、と思うでしょうが……。
       実は、戦時中なんですね。
       戦時下、学校制度改革により、「国民学校」が創設されました。
       その3年生の教科書に、この「春の小川」が収録されることになったんです。
       ですが、文語体を習うのが4年生からだったので……。
       歌詞が口語体に変えられたということです。
       そんなら、4年生の教科書に入れればいいだけですよね。
       なんで改作までして、3年生の教科書に入れなきゃならなかったんでしょう?
       戦時中の考え方は、さっぱりわかりません。
       でも、そのおかげで、今の親しみやすい歌詞が生まれたわけですから……。
       結果的には、よかったってことかも。
       わたしは、文語体の唱歌が大好きですが……。
       こと、この「春の小川」に限っては……。
       口語体の歌詞の方が好きです。
       まぁ、自分がそう習ったってこともあるんでしょうけど。
       ところで、みなさん。
       この歌の情景、どこのものだと思います?
      「春の小川」が作られたのは、大正元年(1912年)。
       作詞者の高野辰之(1876~1947)の故郷は、信州なので……。
       この歌も、信州の山里の風景でしょうか?
       でも、違うんですねー。
       東京都心なんですよ。
       受験生のメッカ、代々木!
      http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/2010012221253678f.jpg
       高野は、この歌を作った当時、現在の代々木3丁目に住んでました。
       当時の地名は、東京府豊多摩郡代々幡村。
       一面の田園地帯だったとか。
       すぐ近くを、河骨川と呼ばれる川が流れていました。
       高野が歌った「春の小川」は、この河骨川だったそうです。
       ちなみに、「河骨」って何かご存じですか?
       スイレン科の水生植物です。
      「こうほね」と読みます。
      http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100122104902216.jpg
       河骨川には、こんな花が群れ咲いてたんでしょうね。
      「河骨」とは、ちょっと怖い名前ですが……。
       水面下の茎が白く、骨のように見えるからだとか。
       わたしは、水面上の緑の葉柄しか見たことありませんけど……。
       余談ですが……。
       この河骨川は、やがて宇田川に合流し、渋谷に向かいます。
       渋谷区に宇田川町って地名があります。
       そう、渋谷センター街のあたりです。
      http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100122212944070.jpg
       その地名の由来は、文字通り宇田川が流れてるからです。
       「流れてた」んじゃありませんよ。
       今でも、「流れてる」んです。
       え?
       センター街に川なんて無いって?
       ところが、あるんですねー。
       どこかというと……。
       センター街の真下です。
       暗渠となって地下を流れてます。
       ていうか、宇田川に蓋がされて、その上に出来たのがセンター街なんです。
       センター街って、道が曲がってるでしょ?
       あれは、宇田川の川筋そのものだから。
       100年前のセンター街は、↓こんな風景だったんでしょうね。
      http://blog-imgs-36.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20100122104902aa8.jpg
       続きは、次回。

    • ––––––
      3. 淡雪
    • 2010/01/27 08:55
    • 勉強になります。
      春の小川、わたしもダイスキです。
      好きなものを数えて生きていきたいですね。

    • ––––––
      4. フェムリバ
    • 2010/01/27 19:43
    • 二人っきりですね♪
      改作までして、3年生の教科書に入れた理由・・・
      戦争時の特殊授業(竹槍突き、鉄砲の弾磨き等)に、普通授業が時間的に圧迫されて、授業の進行速度が駆け足になってしまったんでしょうかね?
      でもって
      私も、口語体の方が好きです♪
      代々木、懐かしい・・・
      代々木公園には、よく行ったっけな。
      えぇ~~!!
      渋谷センター街の真下に、川?!
      しかも
      道が曲がってるのも、川筋に沿ってるからだったなんて・・・
      全然知りませんでした!
      >闇猫さん
      こんにちは!
      セクシーなお名前ですね♪
      キャッツアイを連想しました。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2010/01/27 19:57
    • > 淡雪さん
       タイムマシンで行ってみたいところのひとつに……。
       「春の小川」が作られたころの代々木を、ぜひ入れたいです。
       あと、ソメイヨシノが生まれたころの駒込とか。
      > フェムリバさん
       実はわたしも、代々木駅には馴染みがあります。
       千駄ヶ谷に住んでたことがあるんで。
       JRの駅で、一番近いのが代々木でした。
       今回の連載にあたって、いろいろ調べてる過程で……。
       「春の小川」が、あのあたりの光景だったことを知り……。
       わたしも驚きました。
       渋谷ってのは、その名のとおり……。
       「谷」なんですね。
       地下鉄の銀座線の駅が、渋谷で高架になってるのは……。
       土地が低いからなんです。

    • ––––––
      6. フェムリバ
    • 2010/01/28 19:48
    • 私は、幡ヶ谷に滞在してた事があります!
      (当時、毎日ここから横浜に行ってました。辛かった・・・)
      時期は違いますけど、近くだ♪
      なるほど、地名にはちゃんと意味があったわけか・・・
      とすると
      中心部をほぼ真横に走るように、東京には谷が多いんですね。
      「市ヶ谷」「四ツ谷」「千駄ヶ谷」「渋谷」「幡ヶ谷」「世田谷」「祖師ヶ谷」・・・ちょっと北に離れて「(南)阿佐ヶ谷」、これくらいかな?

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2010/01/28 20:19
    •  けっこうタイヘンだったね。
       わたしは、渋谷区の本町に住んでたこともあります。
       渋谷区と言っても、本町は西新宿の隣。
       南新宿にあった会社から、週末なんかは歩いて帰った。
       甲州街道沿いをてくてくと。
       途中、幡ヶ谷も通りましたね。
       その手前、文化女子大のあたりには……。
       箒銀杏という、大きな銀杏の木があった。
       酔っぱらって、箒銀杏に抱きついて泣いた記憶が、微かにあります。

    • ––––––
      8. フェムリバ
    • 2010/01/28 20:26
    • 泣いちゃったの?
      寂しくなっちゃったから?
      その時、その場にいたら・・・
      「泣かないで」って、イイ子イイ子してあげられたのになぁ・・・

    • ––––––
      9. Mikiko
    • 2010/01/28 20:39
    •  今となっては、思い出せぬ。
       ただの酔っぱらいの泣き上戸だったかも。
       でも、年を経た大木ってのは……。
       すがって泣きたい気分になるものです。
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