2009.10.14(水)
■
美弥子は、仰のいた由美の顔を見下ろしていた。
瞳は上瞼に隠れ、真っ白い目を見開いている。
食いしばった口の脇から、泡が噴きこぼれていた。
壊れた人形のようだった。
美弥子は、人形の髪を撫でた。
美弥子の脳裏には、幼いころ持っていた1体の人形が蘇っていた。
腕が可動する、セルロイドの人形だった。
美弥子が、あまりにも腕を動かしすぎたのだろう。
肩に接続する腕の差しこみ口が、剥がれてしまった。
片腕が、脱臼したように肩からぶら下がった。
なるべく触らないようにしたが、着替えをさせるときは、腕を外さなければならなかった。
母は、新しい人形を買ってやるから、その子はもう捨てなさいと言った。
美弥子は、頑なに頸を振り続けた。
新しい人形が欲しくなかったわけではないが、腕の取れた人形を捨てる気には、どうしてもなれなかった。
壊れてからむしろ、愛しさが増した。
垂れ下がった腕を撫でさすりながら、人形に頬を擦りつけた。
魂を飛ばし横たわる由美の姿は、美弥子にその人形を思い出させた。
美弥子は、真っ直ぐな由美の髪を撫でた。
由美の目を醒まさないように、そっと身を離す。
由美の股間を離れた美弥子の陰核は、勃起したままだった。
美弥子は、由美の顔を見下ろす位置に座り直した。
陰核を摘む。
由美が、美弥子のマンションを離れていたのは、ごく僅かな期間だ。
しかし、その僅かな間に、美弥子には再びオナニーの習慣が戻っていた。
由美のいない夜は、自分で慰めずにはおれなかった。
いや……。
夜だけでは無い。
昼間も……。
あれは……。
ひとりの寂しさを紛らわすため、廊下にモップ掛けをしているときだった。
玄関には、由美の赤いレインブーツが立っていた。
このレインブーツは、梅雨のはしりのころ、商店街のウィンドウで見つけていたものだった。
由美と知り合う前のことだ。
そのときは、ウィンドウを横目で眺めていただけだった。
由美と暮らし始めてからの、ある雨の日のことだった。
パンプスを履いた由美は、舗道の水溜まりを避けながら歩いていた。
それを見たとき、あのレインブーツが頭に浮かんだ。
店の前はすでに通り過ぎていたが、美弥子は由美の手を取り、商店街を引き返した。
訝しげに問いかける由美を宥めながら、店に入る。
美弥子は、仰のいた由美の顔を見下ろしていた。
瞳は上瞼に隠れ、真っ白い目を見開いている。
食いしばった口の脇から、泡が噴きこぼれていた。
壊れた人形のようだった。
美弥子は、人形の髪を撫でた。
美弥子の脳裏には、幼いころ持っていた1体の人形が蘇っていた。
腕が可動する、セルロイドの人形だった。
美弥子が、あまりにも腕を動かしすぎたのだろう。
肩に接続する腕の差しこみ口が、剥がれてしまった。
片腕が、脱臼したように肩からぶら下がった。
なるべく触らないようにしたが、着替えをさせるときは、腕を外さなければならなかった。
母は、新しい人形を買ってやるから、その子はもう捨てなさいと言った。
美弥子は、頑なに頸を振り続けた。
新しい人形が欲しくなかったわけではないが、腕の取れた人形を捨てる気には、どうしてもなれなかった。
壊れてからむしろ、愛しさが増した。
垂れ下がった腕を撫でさすりながら、人形に頬を擦りつけた。
魂を飛ばし横たわる由美の姿は、美弥子にその人形を思い出させた。
美弥子は、真っ直ぐな由美の髪を撫でた。
由美の目を醒まさないように、そっと身を離す。
由美の股間を離れた美弥子の陰核は、勃起したままだった。
美弥子は、由美の顔を見下ろす位置に座り直した。
陰核を摘む。
由美が、美弥子のマンションを離れていたのは、ごく僅かな期間だ。
しかし、その僅かな間に、美弥子には再びオナニーの習慣が戻っていた。
由美のいない夜は、自分で慰めずにはおれなかった。
いや……。
夜だけでは無い。
昼間も……。
あれは……。
ひとりの寂しさを紛らわすため、廊下にモップ掛けをしているときだった。
玄関には、由美の赤いレインブーツが立っていた。
このレインブーツは、梅雨のはしりのころ、商店街のウィンドウで見つけていたものだった。
由美と知り合う前のことだ。
そのときは、ウィンドウを横目で眺めていただけだった。
由美と暮らし始めてからの、ある雨の日のことだった。
パンプスを履いた由美は、舗道の水溜まりを避けながら歩いていた。
それを見たとき、あのレインブーツが頭に浮かんだ。
店の前はすでに通り過ぎていたが、美弥子は由美の手を取り、商店街を引き返した。
訝しげに問いかける由美を宥めながら、店に入る。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2009/10/14 07:35
-
「Mikikoの1週間!」の前にひとこと。
本日、「由美と美弥子」は、300回を迎えることができました。
これもひとえに、みなさまがMikikoを支えてくださったおかげです。
ほんとにありがとうございます。
300回はただの通過点と考えております。
なので、記念イベントなんかは何もなしね(余裕ないし……)。
これからも、400回、500回と、淡々と回を重ねていく所存です。
なにとぞ「Mikiko's Room」に、いっそうのご贔屓を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
さて、「Mikikoの1週間!」の続き。
休日のお夕食は、18時から。
お休みの夕食も、のんびり食べたりしません。
母からは、せっかく作ったんだから、もっとゆっくり食べなさいと怒られますが……。
聞く耳持たずで、あっという間に食べちゃいます。
所要時間、30分くらい。
で、食べ終えた後は……。
自分の食器も洗いません。
母がまだ食べてるし……。
食べてる最中に洗いもの始められたら、イヤでしょ?
まとめて洗った方が、洗剤や水の節約になるし。
いかに地球に優しくできるか……。
その実践のため、あえて皿を洗わず2階にあがります。
平日はそのままパソの前で飲み始めるわけですが……。
休日は、昼酒をくらってるので……。
お腹が苦しいです。
なので、少し胃を休めます。
ベッドに仰向けになって、テレビを見ながら……。
また、うつらうつらと居眠り。
夢うつつでNHKのニュースを見ます。
昼酒飲んで昼寝。
夕飯食って居眠り。
ほとんど廃人に近いかも……。
だいたい、スポーツコーナーくらいで居眠りから覚めます。
天気予報を確認すると……。
テレビを切り、パソの前に座ります。
昔は、休日の夜は、撮り貯めたビデオを見てたんです。
でも最近は、全く見れない。
来週のコメント、書かなくちゃならないから。
19時半から21時くらいまでかけて、コメント書きをします。
ネタさえあれば、そんなに苦労なく書き進められるんですが……。
ネタ探しからの場合は、けっこう苦しみます。
土曜の夜は、2本分くらいは書くようにしてます。
土曜の夜に書けないと……。
日曜の夜も、コメント書かなくちゃならなくなりますから。
お休み最後の夜は、ゆっくり過ごしたいよね。
なので、土曜の夜は怠けないようにしてます。
でも……。
お酒飲みながら書いてるので……。
21時を回ると、ミスタッチも増えてきます。
書けても書けてなくても、もう止めです。
21時からは、コメントやメールに返信したり……。
ネットサーフィンしたりして過ごします。
寝るのは、23時過ぎくらいかな。
これでだいたい、1週間のタイムテーブルをすべてお伝えしたと思いますが……。
あ、日曜の夜があるか。
日曜の夜は、土曜とほぼ同じだけど……。
22時半には寝るようにしてます。
なにしろ月曜日は、5時20分に起きなきゃならないからね。
夜が短いので、日曜はコメント書きたくないんです。
でも、コメント書かなくていいとなると……。
休日最後の夜は……。
寂しさが寄せてきます。
明日からまた会社に行かなきゃならないと思うと……。
切なくて……。
ついつい、手がお股に伸びるんです。
イスに座りながら、始めちゃうんですね。
このときは、焦らしたりしません。
一気に追いこみます。
で……。
イスをギシギシ鳴らしてイキながら……。
自虐感にどっぷり浸るわけですね。
以上、哀しいOLの、切ない1週間でした。
毎週毎週、ほとんどこのタイムテーブルで暮らしてます。
なので、時計を見れば、今わたしが何してるかわかりますよ。
まぁ、わかったってしょうがないでしょうが……。
でも、もしお時間が合えば……。
ぜひ、オナニータイムを共有していただきたいと願ってます。
長々と、バカな話に付きあわせてごめんなさい。
いかに、ネタが無かったとは言え……。
今回の連載はちょっとヒドかったかなと、反省しております。
300回記念のコメントが、これじゃね……。
-
––––––
2. 淡雪- 2009/10/14 08:20
-
Mikikoさんのプライベート、なかなか興味深い一週間でした。
ほそくなが~~く続けていってください。
-
––––––
3. shiku- 2009/10/14 17:36
-
おめでとうございますm(__)m。
これからも応援してますっ☆頑張ってねっ♪(>_<)
-
––––––
4. Mikiko- 2009/10/14 20:14
-
> 淡雪さん
そ言ってくださると、うれしいです。
あまりにも家のことをしないので、あきれられたと思いますが……。
ほそくなが~~く、白髪になっても続けていられたらなぁと思ってます。
淡雪さんも、100まで読んでね♪
> shikuさん
いつも読んでくれて、ありがとぅ。
shikuちゃんが読んでくれてる限り、書き続けますよ。
精一杯のわたしの声を、どうか聞き続けてください。
> フェムリバさん
ありがとう。
頑張って書くから、これからもよろしくね。
縫いぐるみって、独特の匂いがするよね。
古くなってくると、自分の匂いとかも着いて、離せなくなるんだろうな。
レインブーツ。
なんかのきっかけで、タガが外れたら……。
わたしは嗅ぐと思う……。
見方によっては、悲惨な1週間だけどね。
あれが生活のすべてなんだから……。
でもわたしは、満足してるんだ。
-
––––––
5. 金太郎- 2009/10/20 12:25
-
300回おめでとう!
-
––––––
6. Mikiko- 2009/10/20 19:46
-
でも……。
今ごろお祝い言うってことは……。
毎回来てないな?