Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0100
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 女教師が再び舞台に現れた。
 うなだれた女生徒が、その後ろに続いていた。

 美弥子は驚愕した。
 同じクラスの生徒だった。
 しかも隣の席の。
 助演女優と呼ぶには、あまりにも幼い少女だ。
 むしろ子役に近かった。
 小学生が、高校の制服を着たような体形だった。
 両耳の後ろで髪をツインテールに絞り、赤いセルフレームのメガネを掛けていた。

 入学して間もないある週末、抜き打ちで持ち物検査が行われたことがあった。
 教師の靴音が近づくにつれ、隣の少女が身を固くするのが判った。
 机の上にハンカチが出ていない。
 忘れたらしい。
 美弥子は、高校生に対しこんな検査をする学校に、少し反発を感じていた。
 美弥子は予備に持つハンカチを、教師に見えないよう少女に渡した。
 少女は驚いた目を見開いた。
 無事に検査を終えた後、少女は幾度も礼を言った。

「このハンカチ、月曜日まで貸してもらえませんか。
 洗ってお返しします」
「そんなことしなくていいのよ」
「お願いします」

 翌週、綺麗にアイロンの掛かったハンカチが返された。
 仄かな香水の香りがした。

 以来この少女は、美弥子に特別な感情を持ったらしかった。
 視線を感じて横を向くと、この少女がじっと自分を見つめてることが、度々あった。
 美弥子と視線が合うとすぐに下を向いてしまうのだが、美弥子が前を向くと再び頬に視線を感じた。

「お座りなさい」

 女教師が丸椅子を指して少女を促した。
 少女はうなだれたまま腰を下ろし、鞄を腿の上に引き付けた。
 鞄の下から、小さな膝頭が覗いていた。
 ツインテールに結った髪が、肩を滑り胸前に落ちた。
 女教師は立ったまま、少女を見下ろして言った。

「何で呼ばれたのか、わかってるわよね」
「……」
「宿題はやってきたの?」

 少女は俯いたまま、頚を小さく左右に振った。
由美と美弥子 099目次由美と美弥子 101





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2008/12/05 07:11
    •  おめでとうございます!
       まずわたし自身が、お祝い言っちゃいます。
       よくやったなあ、Mikiko。
       でも、100回も書いて、まだ主人公の由美と美弥子が言葉も交わしてない。
       われながら、まずい展開だとは思っとります……。
       しかしながら、自分が小説を100回も連載できる人間だとは思ってなかったので、ほんと自分を褒めてやりたい気持ちです。
       なお、第100回を記念して、「Mikikoのひとりごと」第2弾「わたしがエロ小説を書き始めたわけ」を、明日投稿します。
       目次の一番下、もしくはサイドバーの「最新の記事とコメント」からお入りください。

    • ––––––
      2. ファン
    • 2008/12/05 10:06
    • 100回連載、御苦労さま!
      忙しくても、体調が悪くても、何が起きても
      掲載を続けたのは凄いですね。
      Mikikoさんの心身の何割かは、作家そのものに
      なっているのでしょうね。
      この世界に、新たに人を生まれさせ、
      新たな出来事を創出するのですから、
      偶々の思いつきや衝動では継続できないでしょう。
      二人の再開の日は楽しみですが、
      二人が出会うまでには、18年の経歴が
      有った後の出会いですから。
      その経験を読ませて貰ってからの出会いの場面は、
      私の昂りも、相当のレベルに達するのではないかと。
      「新しい登場人物が次々と現れ、痴態を繰り広げることになりますよ。」
      Mikikoさんの好みのタイプ・パターンが全開される
      のでしょうか。
      それとも、読者サービス、てんこ盛り?
      マジックミラー越しとか、メールを垣間見る、
      声だけが聞こえるといった設定が好きな私は、
      ルーパーにゾクゾクです。
      200枚以上の原稿!
      早く読みたいです。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2008/12/05 12:43
    •  ファンさんには、連載初期のころからコメントをいただき、今までずっと支えられてきたと感謝しています。
       わたしの健康面まで気にしてくださって、本当にありがとうございます。
       今日は午前中、健康診断に行ってきました(100回達成のご褒美に、午後は年休を取りました)。
       来年も再来年も、ずっと連載が続けられるよう、健康には気をつけます(なにしろこの物語、あと1年や2年で終わりそうもないので……)。
       この小説を書き始めた経緯については、明日、「Mikikoのひとりごと」で投稿しますので、読んでみてくださいね。
       新しい登場人物たちは、もちろん、わたしの好みのタイプです。
       シーンも、好みのパターン。
       わたしは、自分がゾクゾクするものしか書けません。
       読者の方が、その感覚を共有してくれることを祈りつつ、一生懸命書いてます。
       ルーバー越しの「覗き見」の雰囲気、楽しんでくださいね。
       そもそも、「ルーバー」というものの構造が伝わるかどうか心配してたんですが、ファンさんにはちゃんと伝わってて、ホッとしました(「わからん」という人は、『Wikipedia』で「ルーバー」を引いてみてね)。
       100回は、ほんの通過点。
       なにしろ由美と美弥子が、まだ会話もしてないんですから。
       101回からの「由美美弥」、ご期待ください!

    • ––––––
      4. もんぷち
    • 2008/12/05 21:28
    • 初コメします♪
      内容もさることながら、更新もマメなので、月水金日の朝はここを覗くのが習慣です。
      学園×ビアン…シチュエーションもいいし、何より独特の描写がかなり好きです。女教師、まだまだ続きそうなので、これからも楽しみにしてま~す☆

    • ––––––
      5. miri
    • 2008/12/06 02:08
    • いつもホント感心して読んでます。
      よく次から次に書けるよなーと思って。
      作家として本の出版は間違いなくあるよね。
      私はそう睨んでいるので、
      内容だけでなく、そのプロセスをも
      一緒に楽しませてもらうつもりデス。
      インフルエンザの予防接種も忘れずに。
      4,000円ケチらないでね。
      私は2,000円でしてもらったけど。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2008/12/06 07:30
    •  毎回読みに来てくれてありがとう!
       マメな更新、これがわたしの生きる道。
       来てみたけど更新されてなくてガッカリ、ってことのないよう頑張ってます。
       やったー!
       女教師物が好きな人がいたー!
       Mikikoはこれが嬉しい。
       学園ビアン物は競争相手が多そうなので、よそにはない雰囲気づくりを心がけてます。
       「独特の描写」もその一つ。
       もんぷちさんの好みにあって良かった。
       これからも、クセのある描写で、クセになる小説を目指していきます。
       またコメントしてね!

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2008/12/06 07:31
    •  わたしは、モーソー力だけで書いております。
       わたしの性欲が無くならない限り、わがモーソーの種は尽きまじ。
       でもひょっとして、私生活で幸せになったら書けなくなるかも?
       出版って、気が早すぎますって(でも、多少色気あり……)。
       インフルエンザの注射は、11月に終えてまーす。
       お金は全額会社持ち(予防接種が義務づけられてるんです)。
       でも、なんで半額でしてもらえるの?

    • ––––––
      8. うな丼
    • 2008/12/06 21:23
    • 期末試験があって遅れちゃいましたが……
      連載100回おめでとうございますパチパチ
      ヾ(*´∀`*)ノ
       
      この小説と出会えたおかげで妄想力が養えたと言っても過言でないですw
       
      これからも連載頑張ってください。
      最後まで絶対読み続けます(^ω^)ゞ
       
      (少ないコメントで申し訳ありませんでした…)

    • ––––––
      9. Mikiko
    • 2008/12/07 10:50
    •  しかし、きみは偉い。
       ちゃんと試験中、そっちに集中できるんだからな。
       妄想力と上手くつきあえれば、人生を何倍にも楽しめると思うぞ。
       でも間違って取りこまれてしまうと、現実と妄想の区別がつかなくなってしまうからな。
       きみは賢いから大丈夫だと、Mikikoは信じておる。
       インフルエンザの注射はした?
       あ、そうだ、「はしか」の注射は?
       「はしか」は空気感染するから、恐ろしいぞ。
       廊下ですれ違っただけで感染するそうな。
       冬の体調管理は、大切な受験対策の一つですぞ。

    • ––––––
      10. K子
    • 2012/06/25 15:12
    • やっと100回記念のとこまで読めました!
      今さらですが、おめでとうございまーす♪
      2000年から現在の2012年までは
      K子にとって激動の日々でした。
      そんなことをふとふり返ってみたりして..
      連載始まった頃は
      憧れの芸大生になれて
      エンジョイしまくってたなぁ、とか
      そして現在の2012年は
      ダブル難病持ちで重複障害者。
      でも、一度別れたこともあった彼と夫婦関係になってる。
      いいことも良くないことも
      ごちゃごちゃごっちゃまぜのギャンブル人生やなぁ。
      おもしろいなぁ!と思っています。
      病気も障害も
      あり得へんすっごい不便さはありますが、
      ‘不便’なだけで‘不幸’とは思ってないです。
      人生で不幸やと思ったのは火事ですね×
      かけてた火災保険は降りましたが、
      出火元からの見舞い金なんかはありませんでしたし、
      (一人暮らしの中年オヤジは焼け死んで
      別居してた息子はいましたが、借金してたようで
      降りた保険は借金返済に..)
      焼失したやっぱりもう一度側に置いときたい本やCDは
      自腹で買い直しですよ×
      財布も燃えたっちゅうねん!
      再発行してもらったキャッシュカードでお金下ろして
      最初に買ったのは中古のNicomatのアナログ一眼レフでした。
      微妙に燃え残った五軒長屋を撮影したくて。
      (高校のときcamera部でした♪)
      1年ごしで天王寺Mioの写真奨励賞に応募しましたが、
      見事落選×
      「マッチ一本火事の元」と言いますが、
      原因は火だけじゃないんですよ!
      おそらく火元の家から漏電により出火したと言われてます。

    • ––––––
      11. Mikiko
    • 2012/06/25 19:57
    •  1000回過ぎてから、100回記念のおめでとうを言われるとは思いませんでした。
       しかし、k子さんは強いなぁ。
       修行したお坊さんでも、なかなかその境地までは到達できないと思います。
       わたしの住むあたりのお葬式や法事では、『修証義(しゅしょうぎ)』というお経がよく読まれます。
       お経って言うか、明治の中ごろに作られた、『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』の抜粋ですね。
       葬儀の席では、『修証義』の書かれた冊子が参列者に配られ、唱和するんです。
       何回か、葬式や法事に出てると、頭に残るフレーズがあります。
      『其形陋しというとも、此心を発せば、已に一切衆生の導師なり、設い七歳の女流なりとも即ち四衆の導師なり、衆生の慈父なり、男女を論ずること勿れ、此れ仏道極妙の法則なり』
       音声ソフトだと、漢字が正しく読み上げられないかも知れないけど。
       k子さん、あなたはまさに、わたしの導師です。

    • ––––––
      12. ハーレクイン
    • 2012/06/25 21:33
    • そうか、美術部ではないんですか。
      『しゅしょうぎ』はおそらく、読み下すとこうでしょう。
      「そのかたち、みにくしというとも、このこころをおこせば、すでにいっさいしゅじょうのどうしなり、たとい、ななさいのにょるなりとも、すなわちししゅうのどうしなり、しゅじょうのじふなり、なんにょをろんずることなかれ、これぶつどうごくみょうのほうそくなり」

    • ––––––
      13. K子
    • 2012/06/26 15:01
    • Mikikoさん♪
      > 1000回過ぎてから、100回記念のおめでとうを言われるとは思いませんでした。
      そうでしょうねぇwww
      K子も遅々ながらも
      Mikiko's roomに出会えて嬉しく思ってます!
      > しかし、k子さんは強いなぁ。
      > 修行したお坊さんでも、なかなかその境地までは到達できないと思います。
      K子を取り巻いてくれてる人々の優しさのおかげだと思います!
      それはほんまにラッキーやったと思います。
      『修証義』というお経がよく読まれるんですね。
      『其形陋しというとも…』
      はい。音声ソフトでの読まれ方は無茶苦茶そうなものでしたwww
      でも、なんか興味持てそうなお経ですね!
      K子は普通の「南無阿弥陀仏」でも
      笑ってしまいそうになりこらえるのに必死です。
      ジャリズムの「葬式DJ」というコントを思い出し
      葬式に出る自信は全くありません!
      式場で一人、大爆笑はダメですもんね。
      > k子さん、あなたはまさに、わたしの導師です。
      だからぁ、K子のこと買いかぶりすぎですって!!
      そんな風に思っていただけるのは誇りですが、
      ただの自分第一主義でメンド臭いこと嫌い、努力も嫌い、根性も嫌いな
      ただの俗物ですよ!

    • ––––––
      14. K子
    • 2012/06/26 15:26
    • ハーレクインさま♪
      そうなんですよねw
      美術部に在籍したことは一度もありません。
      なんか暗いイメージあって..
      camera部は1年下のちびっこくて丸っこい女の子が
      「写真部復活させたいんです!入ってください!」と
      入学直後に訴えてきて、
      顧問も
      メガネに蝶ネクタイ、サスペンダーで吊ったズボンという先生で
      おもしろそうやし、部室欲しいし!というような理由で
      同級生の友達(彼も含む)誘って
      部員数が10人超えて部として成立したんです!
      高3の夏には
      和歌山の串本に合宿に行ったりもしましたよ。
      その後、本気で写真専門学校に進学し
      プロのcameramanになったのは
      上記の1個下の子だけですけどねw
      『修証義』の読み下し、
      掲載ありがとうございます。
      読み下してもまだ消化するには程遠い感じですが、
      なんとなぁくはちょっとわかったような気になりましたw
      仏の道も古文も
      どっちも全然わからないですからねwww
      現国onlyです!

    • ––––––
      15. ハーレクイン
    • 2012/06/26 19:23
    • >K子さん
      漢字をさければええんや。
      ほしたら、音声ソフトもむちゃくちゃな読みはせんやろ。
      アルファベットはどうなん? ちゃんと読みよるんかなあ。
      そういえば、「K子」て、ちゃんと読みよるん?
      「」や?など記号はどうなん?
      数字は?
      高校んときカメラがほしいてねえ。
      昔のカメラはもちろんフィルム。デジタルなんか誰の頭の中にもなかったころ。
      高かったよ、いちがんレフ。
      とうてい、こうてもらえへんから、しましたよバイト。
      で、やっとこさこうたのが、アサヒペンタックス。
      大学のときに、落としてつぶしてしもたなあ。
      かなしかったぞ、と。
      >写真専門学校に進学し、プロになったのは
       上記の1個下の子だけ
      あたらしく部をたちあげるのは楽しいよね。
      高校のぶかつをいかしてプロになる子は少ないけどね。

    • ––––––
      16. Mikiko
    • 2012/06/26 20:18
    •  思い込みが激しいんです。
       わたしがk子さんの立場だったら……。
       ぜったいにk子さんのように振る舞えないことは、はっきりわかりますから。
       でも、ほんとにスゴいのは、旦那さまかも知れませんね。
       『修証義』。
       もう1ヶ所、耳に残ってたフレーズを、ネットから探し出しました。
      『菩提心を発すということは、己れ未だ渡らざる前に一切衆生を渡さんと発願し営むなり』
       『由美と美弥子』の中で、自分がイカないうちに相手をイカせる場面で……。
       「彼岸に渡す」という表現が、何箇所か出て来ると思います。
       今思えば、これは『修証義』の影響だったんだなぁと、改めて腑に落ちました。

    • ––––––
      17. ハーレクイン
    • 2012/06/26 20:52
    • よみくだし、ふたたび。
      「ぼだいしんをおこすということは、おのれいまだわたらざるまえに、いっさいしゅじょうをわたさんとほつがんし、いとなむなり」
    コメントする   【由美と美弥子 0100】
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