2008.12.3(水)
女教師が物入れの扉を開いた。
薬品や衛生用品のストックが詰まっていると思っていた庫内には、何も入って無かった。
ルーバーのスリットを抜けた光が、背板に横縞を落としている。
細かな埃が、光の中で揺れていた。
「何してるの。
入るんだよ、おまえが」
美弥子は背中を押された。
物入れは、美弥子の背丈よりも高かった。
しかし、中程に棚が造りつけられていて、立ったままでは入れなかった。
女教師は美弥子の頭を押さえつけた。
美弥子は物入れの底に手を突いた。
そのまま尻を送り込まれる。
乱暴に扉が閉められた。
金属音が続いた。
扉中央にあった閂が下ろされたのだ。
庫内は、思いの外奥行きがあった。
手足を自由に伸ばせるほどではなかったが、身動きの取れない窮屈さは無い。
ルーバーを抜けた光が、美弥子の全身を横縞に染めていた。
その縞の太さが、変わった。
「どうです?
お客さん。
よく見えます?」
ルーバーの角度は、外から自由に調節できるらしい。
明るい方の縞が太くなった。
ルーバーの隙間から、扉の外がはっきりと見えた。
女教師が観客席と言ったわけが、ようやく理解できた。
扉の外では、女教師が携帯メールを打っていた。
携帯をポケットに戻すと、物入れに顔を近づける。
にやりと笑う。
「心配しなくていいよ。
こっちからは中が見えないんだよ、真っ暗で。
中では、何してもいいのよ。
お客さんはみーんな、オナニーなさってるみたいだけどね」
女教師は、身体を起こすと白衣を脱いだ。
「そろそろ出番だからね。
今日はあたしが主演女優さ。
ゆっくり楽しんでってくださいね、お客さま」
女教師が、黒のタイトスカートと白いブラウスを脱ぎ落としたときだった。
保健室の扉が、ほとほとと叩かれた。
「登場だよ、助演女優が」
女教師は黒い下着の上に白衣を纏うと、音のする方へ向かった。
美弥子の視界から消えた。
がらんとした保健室の風景だけがそこに残った。
いったいこの舞台で、幾人の女生徒たちが泣いてきたのだろうか。
自分もまた、その一人に連なっているのだ。
美弥子は身体を縮め、両腕で胸を抱いた。
薬品や衛生用品のストックが詰まっていると思っていた庫内には、何も入って無かった。
ルーバーのスリットを抜けた光が、背板に横縞を落としている。
細かな埃が、光の中で揺れていた。
「何してるの。
入るんだよ、おまえが」
美弥子は背中を押された。
物入れは、美弥子の背丈よりも高かった。
しかし、中程に棚が造りつけられていて、立ったままでは入れなかった。
女教師は美弥子の頭を押さえつけた。
美弥子は物入れの底に手を突いた。
そのまま尻を送り込まれる。
乱暴に扉が閉められた。
金属音が続いた。
扉中央にあった閂が下ろされたのだ。
庫内は、思いの外奥行きがあった。
手足を自由に伸ばせるほどではなかったが、身動きの取れない窮屈さは無い。
ルーバーを抜けた光が、美弥子の全身を横縞に染めていた。
その縞の太さが、変わった。
「どうです?
お客さん。
よく見えます?」
ルーバーの角度は、外から自由に調節できるらしい。
明るい方の縞が太くなった。
ルーバーの隙間から、扉の外がはっきりと見えた。
女教師が観客席と言ったわけが、ようやく理解できた。
扉の外では、女教師が携帯メールを打っていた。
携帯をポケットに戻すと、物入れに顔を近づける。
にやりと笑う。
「心配しなくていいよ。
こっちからは中が見えないんだよ、真っ暗で。
中では、何してもいいのよ。
お客さんはみーんな、オナニーなさってるみたいだけどね」
女教師は、身体を起こすと白衣を脱いだ。
「そろそろ出番だからね。
今日はあたしが主演女優さ。
ゆっくり楽しんでってくださいね、お客さま」
女教師が、黒のタイトスカートと白いブラウスを脱ぎ落としたときだった。
保健室の扉が、ほとほとと叩かれた。
「登場だよ、助演女優が」
女教師は黒い下着の上に白衣を纏うと、音のする方へ向かった。
美弥子の視界から消えた。
がらんとした保健室の風景だけがそこに残った。
いったいこの舞台で、幾人の女生徒たちが泣いてきたのだろうか。
自分もまた、その一人に連なっているのだ。
美弥子は身体を縮め、両腕で胸を抱いた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2008/12/03 07:24
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このルーバーの付いた物入れ、昔見た「ブルーベルベット」という映画からヒントをいただきました。
映画では、ルーバー扉の洋服ダンスでしたけどね。
主人公の男が洋服ダンスに隠れ、ルーバーの隙間から部屋の中を覗くというシーンがありました。
つまりこの新しい章では、美弥子ちゃんは「視点」だけの役目に退きます。
そのかわり、新しい登場人物が次々と現れ、痴態を繰り広げることになりますよ。
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2. イネ- 2008/12/03 09:10
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壁|・_・) チラッ
オヒサシブリです・・・って忘れられちゃったかな?
いや、毎回こっそり覗いているんですが、もう99回ですね。
しかも更新ペースがきっちり守られて……お話の面白さももちろんなんですが、これも見事となものです。ワタシにゃ到底まねできませんよ。感服!
ところで、googleがどうとか心配されていましたけど、あまり意味がありませんぜ。
「Mikiko'sRoom」で検索するのは、ここのサイトを知っていて、でもアドレス分からなくなっちゃった・・・って人じゃないかな。
ポータルサイトですから、例えば「レズビアン小説」とか「暗黒の宴」なんてキーワードでこのサイト見つけてくれるのが本来の目的だと思うのですね。
だから気にされないことが一番かと……って、またまた余計なお世話でしたね。ゴメンナサイ!
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3. Mikiko- 2008/12/03 19:49
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ほんと、ひさしぶりに携帯がブルブルしましたね。
第97話の美弥子ちゃんみたいに、ちょっとびっくり。
自分でも、こんなに更新ペースが守れるとは思ってませんでした。
仕事も私生活も、いかに充実してなかったか、モロわかりですよね。
しかも、こんだけサボらずに更新してるのに、未投稿原稿は増えるばかり……。
200枚以上溜まっちゃいました。
自分では、このお話が面白いのかどうか、よくわかりません。
無駄に回数だけ重ねてるんじゃないかって不安が、常につきまとってます。
だって「小説談話室」の掲示板なんて、わたしんとこの更新告知ばっか、ずらーっと並んでんですよ。
あれって、結構気まずい……。
たまーにイネさんとこが挟まってると、ホッとします。
googleの件。
「Mikiko's Room」だけでなく、どんな言葉で検索しても、このブログが表示されないんです。
つまり今は、googleからのお客さんが、ほぼゼロって状態です。
もともと検索エンジンから来てくれるお客さんは多くなかったので、致命的打撃じゃないんですが……。
検索サイトにたくさん登録してあるおかげで、「Mikiko's Room」なら、そっち絡みで表示されてますしね。
でも、検索サイトに登録してない人がこんな目にあったら、悲惨だと……。
おかげさまで、イネさんから教えていただいた、「正しいH小説の薦め」「大人の為の読み物探し処」「HIMEGURI-NET」の更新告知から、たくさんお客さんが来てくださいます。
あ、もちろん「ひとみの内緒話」さんからも。
「Mikiko's Room」に来店してくださるお客さんの半分は、イネさんのおかげじゃないでしょうか。
ほんとうにありがとうございます。
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4. イネ- 2008/12/03 20:11
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ど~も気になると、お節介したくなるのが悪いクセでして……
> 「小説談話室」の掲示板なんて、わたしんとこの更新告知
> ばっか、ずらーっと並んでんですよ。
> あれって、結構気まずい……。
確かに、よく並んでますなぁ(笑
正しいH小説の、とかHIMEGURIみたいに大勢が書きにくる板なら構わないのですが、ちとマズイかも、ですね。
最新の告知書くときに、前の告知を削除したほうがよろしいのでは。
誰かに何か言われないとも限らんですからネ。
気に障ったらゴメンナサイです~
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5. Mikiko- 2008/12/04 06:28
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前のを削除すれば良かったんだ……。
さっそく、最新以外を削除してきました。
あー、ホッとした。
ありがとうございました。
しかし、なんでこんなことに気がつかなかったんだろう……。