2008.10.12(日)
「ようやくお目覚めかい、淫乱お嬢さま」
頭の上から、女教師の声がした。
女教師は、肘掛けの付いた回転椅子に座っていた。
全裸だった。
高々と脚を組み、美弥子を見下ろしている。
小柄なはずの女教師の身体が、砂漠に聳える石像のように見えた。
組んだ脚の根元、尻のあわいには渓谷が見えた。
濁った白い水の流れた跡が、尻たぶに残っていた。
美弥子は、ようやく正気に戻った。
思わず下腹に手が行く。
また浣腸されているのではないかと思ったのだ。
「ほっほっほ。
同じ趣向は繰り返さないよ。
そこまで無粋じゃないんでね、あたしは。
それに比べて、おまえはどうだい。
毎度毎度あっという間に気を遣って、芸が無いったら。
ほら、いつまで寝てるんだい。
今度はわたしの番だよ」
そう言うと女教師は、組んでいた脚を解いた。
尻を、椅子の縁まで迫り出す。
両脚を高々と上げ、大きく拡げる。
無毛の性器が剥き出しになった。
色素の沈着した大陰唇が、ひくひくと息づいていた。
その薄茶けた丘陵を隠すように、赤紫の陰唇が捲れ上がっている。
「何してるの。
舐めるんだよ。
早く。
さあ、早く」
美弥子は、のろのろと身体を起こした。
渓谷からは、新たな白い水が流れ始めていた。
赤い谷間だった。
地上に裂けた、大きな傷のようだと美弥子は思った。
女というものが生まれながらに持つ、深い傷跡。
自分にもこれがある。
美弥子は顔を近づけた。
陰唇は、餌をねだる雛のように口を開けている。
涎を垂らして。
美弥子は、舌先で涎を掬った。
舌先が、捻れた陰唇の襞を辿る。
その渓谷の上流、襞壁の合わさるところに、巨大な宝珠が顔を覗かせていた。
女という肉体の中心だ。
そこは鼓動していた。
王台に掲げられた魚卵のようだった。
卵の姿をした王だった。
頭の上から、女教師の声がした。
女教師は、肘掛けの付いた回転椅子に座っていた。
全裸だった。
高々と脚を組み、美弥子を見下ろしている。
小柄なはずの女教師の身体が、砂漠に聳える石像のように見えた。
組んだ脚の根元、尻のあわいには渓谷が見えた。
濁った白い水の流れた跡が、尻たぶに残っていた。
美弥子は、ようやく正気に戻った。
思わず下腹に手が行く。
また浣腸されているのではないかと思ったのだ。
「ほっほっほ。
同じ趣向は繰り返さないよ。
そこまで無粋じゃないんでね、あたしは。
それに比べて、おまえはどうだい。
毎度毎度あっという間に気を遣って、芸が無いったら。
ほら、いつまで寝てるんだい。
今度はわたしの番だよ」
そう言うと女教師は、組んでいた脚を解いた。
尻を、椅子の縁まで迫り出す。
両脚を高々と上げ、大きく拡げる。
無毛の性器が剥き出しになった。
色素の沈着した大陰唇が、ひくひくと息づいていた。
その薄茶けた丘陵を隠すように、赤紫の陰唇が捲れ上がっている。
「何してるの。
舐めるんだよ。
早く。
さあ、早く」
美弥子は、のろのろと身体を起こした。
渓谷からは、新たな白い水が流れ始めていた。
赤い谷間だった。
地上に裂けた、大きな傷のようだと美弥子は思った。
女というものが生まれながらに持つ、深い傷跡。
自分にもこれがある。
美弥子は顔を近づけた。
陰唇は、餌をねだる雛のように口を開けている。
涎を垂らして。
美弥子は、舌先で涎を掬った。
舌先が、捻れた陰唇の襞を辿る。
その渓谷の上流、襞壁の合わさるところに、巨大な宝珠が顔を覗かせていた。
女という肉体の中心だ。
そこは鼓動していた。
王台に掲げられた魚卵のようだった。
卵の姿をした王だった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2008/10/12 08:41
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今まで勢いのまま突っ走ってきましたが、最近少し迷いが出始めました。
わたしは、自分の頭の中に映る映像を、できるだけそのままお伝えしたいと思ってきました。
みなさんにも同じ映像が見えるようにと、そういう描写を心がけてきました。
そのため、自分でもちょっとくどいかなと思う記述も多々あります。
最近、はたしてこの方向でいいのか、と考えるようになってきたのです。
わたしの書き方は、みなさんがイマジネーションする自由を限定してしまってるんじゃないでしょうか?
もっとぼかして書いて、イマジネーションの余地を残す書き方のほうが良いのでしょうか?
この部屋に「由美美弥」以外の小説が置いてないことからもおわかりと思いますが、この小説は、わたしが生まれて初めて書くエロ小説なんです(エロ以外の小説は書いたことがあります)。
エロ小説を書いたことがないどころか、ほとんど読んだこともありません。
読んだと言えるのは、友達の部屋にあったSM雑誌の小説くらい。
でも、どの小説も、読み始めてすぐにやめました。
男の人が女の人を苛めるってシチュエーションは、生理的に受けつけなかったからです。
でも、挿絵だけは美しかった。
「加藤かほる」という挿絵画家の名は、そこで知りました。
その雑誌のほかは、サイドバーにある「眼球譚」くらいかな(オーシュ卿、すみません。これをエロ小説と思って読むと後悔します)。
あとは、「エロ本を拾った話」のエロ本に載ってた実話体の読み物くらい。
ナントカ文庫みたいなのは、一冊も読んだことがない。
ですから、迷い出すと、本当にどうしてよいやら判らないのです。
みなさんのご意見を、お聞きしたいです。
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2. うな丼- 2008/10/12 12:44
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はじめましてm( )m
うな丼と申します。
いきなりでなんですが…僕は今の書き方が好きです。
くどいと感じるときもありましたが、くどいおかげで状況がわかりやすく感じた時もありました。
僕は今の書き方で良いと思います。
連載頑張ってください。
応援してます(・∀・)
(伝わりにくくてスミマセン;;)
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3. ファン- 2008/10/12 15:10
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Mikikoさんの映像的な表現、私は好きです。
想像を促すような書き方って、どういう表現なのでしょうね。
たとえば、セミロングの娘が好きな読者にとって、ショートヘアと書かれてしまうと興醒めだという事でしょうか。
その場合、好きな髪形を想像させるには、どういう誘導をしてくれるのでしょうかね。
髪の質感とか状態を描写するのかな。
私は鈍感なので、何も書かれないと勝手に髪の像が浮かぶというようには読めなくて、何も書かれていない部分には何も浮かびません。
「ぼかして書いて」というのが、私の好き勝手な像が浮かぶように誘導してくれる表現であるなら興味津々ですけれど、私はMikikoさんの映像的描写が好きです。
「くどい」というのも、難しいですね。
私は細密描写が大好きです。
もっともっと細密に、毛の太さ長さから、指紋の形まで読みたいです。
長い描写も好きで、好きなシーンは限りなく続いて欲しいです。
つまらない小説を読んでいて「くどい」と感じる時は、単調・平板・同じ、と感じる時ですよね。
描写の付加が変化になっていないと、「くどい」のでは。
上昇にせよ落下にせよ、変化を読んでいる場合は、どれほど長い細密描写も、くどくないと思うのですけど。
もしかして、Mikikoさん、簡潔な表現とか考えています?
美味しいシーンは簡潔じゃつまらないですよ。
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4. ミリ- 2008/10/13 02:16
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「くどく」ないと思います。
くどければ、私なんてすぐに読むのが
面倒になってくるけれど、
「読みに行かなーくちゃあ♪」と思いますもん。
頑張って下さいね!
検索してくれてアリガトウ。
でもこのネームではないのです。
それに、年齢がわからないから、
若い子ぶってコメント入れたりするけど、
実はビートルズ世代なのです。
mikikoさんの小説は私のような世代でも楽しめますよー
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5. Mikiko- 2008/10/13 07:54
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よく考えると、くどいのはわたしの性格のせいもあるようです。
私生活でのしゃべりでも、よく「くどい!」って言われますもん。
自分の思ってることが、相手にほんとに伝わってるのか不安で、ついついくどくなっちゃうんです。
「くどいおかげで状況がわかりやすく感じた」とのお言葉に、ホッとしました。
くどい甲斐があったというものです。
どう解釈するかは読者の自由なんだから、書く方は場面をポンと投げ出してやればいいんじゃないか、なんてことも考えたんです。
でもその書き方じゃ、たぶん欲求不満が溜まっちゃうだろうなあ、って思ってました。
「今の書き方で良い」というお言葉、心強いです。
連載、がんばります!
男性の視点から、この小説がどう見えるのか、すごく興味があります。
コメントくださる方は圧倒的に女性が多いので、うな丼さんのような男性のご意見は貴重です。
またコメントくださいね。
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6. Mikiko- 2008/10/13 07:55
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長い描写、細かい描写を支持していただいて、ほんと嬉しいです。
わたしが一番心配して他のは、そこなんです。
書いててなかなか筆が止まらないときなんか、「まーだ続くのかよ」とか「そんなとこまで書かなくていいよ」みたいな声が、ときどき頭の中に聞こえてました。
わたしの書き方って、たとえば演出家が女優に対し、指先の所作まで指示しちゃってるようなもんなんじゃないかって……。
読者の中には、もっと自由に演じたい女優がいるんじゃないかと不安でした。
小説を、譜面に例えた言葉を聞いたことがあります。
その譜面を演奏するのは、読者なんだという言葉です。
わたしの譜面はあまりにも細々とした指示が書いてあって、演奏しづらいんじゃないかって……。
でも考えてみれば、そんなに簡単に書き方なんか変えられないよね。
たぶん、わたしはファンさんに、「Mikikoさんの映像的描写が好きです」って言ってもらいたくて、あんなこと書いたんだと思う。
手数の掛かる女でごめんなさい。
ここの読者も大変ですよね。
こんな情緒不安定な女を、おだてたり、すかしたりしながら書かせなきゃならんのだから……。
ひょっとして、女流作家と編集者ってのもこんな関係なのかな、なんて思っちゃいました。
これからも、みなさんに可愛がっていただきたいと思っています(可愛くないけどな)。
Mikikoは、みなさんに育てていってもらいたいです。
ひとりのバカ女を一人前のエロ文書きにするという、壮大なRPGをやってるつもりで、どうかお付き合いください。
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7. Mikiko- 2008/10/13 07:56
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そんな世代の方とはつゆ知らず、前回のコメントではタメ口利いちゃって、申し訳ありませんでした!
しかもエラソーに、アドバイスするみたいな言い方までして……。
小説のほうでも大先輩だったんですよね……。
恥ずかしー。
絶対年下だと思ってたんですよ。
油断ならんな、ここの読者……。
でも、そんなミリさんに「くどくない」と言ってもらえて、ほんと嬉しいです。
Mikiko、がんばらせていただきます!
話はぜんぜん変わりますけど、福岡市東区で多々良川に架かる名島橋と、新潟市中央区で信濃川に架かる萬代橋は、兄弟橋なんですよ。
写真で見ると、ほんとそっくり。
こないだ萬代橋を渡ってたら、遠い博多で小説を書いてらっしゃるミリさんのことを思い出しました。