Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 0058
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 放課後、女生徒は何の疑いもなく保健室にやって来た。
 丸椅子に座らせる。
 女生徒は、指を腿の上できちんと揃えた。
 躾の良い家庭らしかった。

 手の甲には、まったく血管が浮いて見えない。
 飴細工のよう、と言う形容があるが、まさにそれだった。
 指の付け根には、笑くぼにも似た窪みがあった。

 女生徒は、女教師の顔を頚を傾げて見ている。
 風邪気味らしく、ときおり鼻を啜っていた。
 女教師は、その女生徒に淡々と告げた。
 健康診断の結果、子宮癌の疑いがあると。

 無論、高校の健康診断で、子宮癌検診などするわけがない。
 従って、子宮癌の疑いなど生じるはずもない。
 しかし、無知な女生徒は真に受けて怯えた。

「まだ、そうだって決まったわけじゃないのよ。
 市立病院の先生に紹介状を書いてあげるから、よおく見て頂きなさい」

 「よおく」のところを、ことさらに強調して伝えた。
 女生徒は、半べそを掻いていた。
 女教師は机に向かい、紹介状を書く振りをした。

「あの……。
 その先生って、男の人ですか?」
「そうよ。
 それがどうかしたの?」
「女の先生を紹介してもらえませんか?」
「どうして?」
「だって……」

 女生徒は、鼻を啜りながら泣き始めた。
 子宮癌の検診となれば、当然女性器を見せなくてはならない。
 間違いなく処女であろう女生徒は、それを恐れているのだ。

「恥ずかしがってる場合じゃないでしょ、一生の問題なんだから。
 市立病院に、女の先生はいないわ」

 女生徒は俯いたままだった。
 スカートを握りしめた手の甲に、涙が落ちていた。

「そんなに恥ずかしい?」

 女生徒は、俯いたまま頷いた。
 髪が揺れて、陽の輪も揺れた。

「女の人ならいいの?」

 女生徒は、小さく頷いた。
由美と美弥子 057目次由美と美弥子 059





コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2008/09/22 07:20
    •  わたしもいい歳になりましたので、子宮癌検診は、会社の健康診断で毎年受けてます。
       さすがのわたしも、検診の最中、助平なことを考えることはありません。
       ヘンなこと考えてると、癌が見つかりそうで怖いですから。
       黙々と白い天井を見てるだけです。
       お腹にかかったカーテンの向こうで、先生も黙々と診察してらっしゃいます。
       ただ、二人のこの姿勢を、そのままプライベートな場に持ってったらすげーよなとは思います。
       おんなじ姿勢でも、シチュエーションが違えば気分も全然違うってことです。
       あたりまえですけど。
       子宮癌検診の効能は、癌が見つかるだけではありません。
       去年の検診で、同僚のひとり(既婚者)が、流産しかけてるのを発見されました(切迫流産)。
       このうかつな女は、妊娠してることにさえ気づいてなかったのです。
       その後、彼女の仕事がこっちに回ってきたりして大迷惑こきましたが、この夏彼女は無事女の子を出産しました。
       女生徒が、風邪気味で鼻を啜ってるってとこ、覚えておいてね。
       お楽しみを用意してありますから。

    • ––––––
      2. K子
    • 2012/06/21 14:57
    • 初めて受けたのは22歳のときでしたかねぇ?
      あやふやな記憶ですが、
      初検診のときからドキドキ興奮してました(笑)
      下半身裸になって内診台に上がり..
      これで婦人科医(♂でした)に犯されたら…
      妄想が止まらなくなり濡れてたかもしれませんw
      検査自体は痛くもカユくもなく
      器具が膣に挿れられたかと思うと
      たいしていじくりまわされもせず膣から抜かれ、
      残念な気分になりました。
      何を期待しとんねーん!と自己ツッコミ入れながら..
      それからは1年おきに定期的に健診受け、
      気持ち良くはしてくれないことわかりつつも
      もし犯されたら..と想像し興奮してしまってます!
      1度だけ女医の検診でしたが、
      やっぱり男性医師の方が妄想ふくらむと思いました。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2012/06/21 16:51
    • 四球謙信?!。
      死ぬ、もう死ぬ。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2012/06/21 19:44
    •  四球謙信ではない。
       四球ガン謙信だ。
       第1回から、コメを読みあがってる方に補足します。
       K子さんのコメが入ったのは、本編1000回の翌日です。
       AVの偽ドキュメント物でありますよね。
       盗撮を装ったヤツ。
       カメラの画角には、産婦人科の診察室。
       患者のお腹の上にカーテンが掛かってます。
       もちろん、カーテンより下半身側は、すっぽんぽん。
       両脚は、開いた状態で固定されてます。
       その脚の間に、医者がいるわけですね。
       下半身丸出しで。
       で、患者の股間に、突っこむわけです。
       ああいうAVが、女性にとってもオカズになり得るとは……。
       目からウロコでした。

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2012/06/21 21:45
    • わたし、基本的に医者モノ、看護婦モノ、病院モノは駄目なんですよ。
      特に女優さんを包帯でぐるぐる巻きにする趣向。
      も、堪忍してくれ、ですね。
      なんでかなあ。
      やはり痛いのダメ、という小心者のなせる技?かなあ。

    • ––––––
      6. K子
    • 2012/06/22 11:32
    • うっわぁ!そうなんですか!!
      婦人科検診でレイプ妄想するのってK子だけですか!
      そうです。K子はMよりです…
      それに気づいたのも10歳の頃でした。
      読書好きやったK子は父の本棚にあった一冊の本を手にしました。
      大藪春彦著の「狼を撃て」だったと思います。
      その方がハードボイルド界のすごい人だとも知らずに(その前にハードボイルドなんて分野も知らずにw)
      読み始めました。
      とにかく漢字にものすごい興味あったから漢字いっぱいの大人の本に胸ときめかせつつ☆
      読み進めると内容もすごい!エロい!
      その一言につきました(笑)
      主人公の日本人♂は名うての殺し屋で中国マフィアとのこぜり合いで
      中国に渡り、そこで出会った中国女 ウ・カンメイという清純派女優と自称する女をレイプし、「何が清純派だ!このパン助め!」とののしり
      (パン助の意味はわからず、数年後にパンコやパンパンの意味を知ってそのことやと気づきました!)
      その次に別のアイリーンという中国女の下に行きレイプし…
      そのアイリーンはものすごくいい女な感じで先に出てきたウ・カンメイより断然良かったですw
      そして、そんなレイプシーンに大興奮して自慰するようになったのです。
      最初はパンツの上からクリを触り、なんか気持ちええけどその後パンツびしょびしょになって、それが性的なことやとも思わずに
      うわ!これってお下の病気ちゃうか?とびびってあんまやらんようにしよ。と心に誓ったものですwww

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2012/06/22 19:49
    •  またもや、スゴい偶然。
       わたしも、父の本棚の大藪春彦を読んでました。
       「唇に微笑 心に拳銃」でした。
       でも、10歳は負けたな。
       わたしは、中学生でしたから。
       「唇に」では……。
       ヨットの縁からお尻を突き出して、うんこするシーンが印象に残ってます。
       あと、男が男にフェラされるシーンも。
       なんか、変態小説みたいだね。
       ハードボイルドのはずなんだけど。
       わたしが、変態シーンばっかり覚えてるのかな。

    • ––––––
      8. K子
    • 2012/06/22 21:14
    • ぷはは!
      Mikikoさんも大藪春彦呼んでらしたんですか!
      変態とはこういうとこでつながるもんなんですね(笑)
      10歳で大藪ワールドに引きずりこまれたK子でしたが、
      中学生のとき新聞に連載されてた村上龍の「イン ザ ミソスープ」でエロ小説へのまっとうな入口を知り、
      (まっとうかどうかは怪しすぎw)
      村上龍ワールドに入ろうと次に読んだのは「エクスタシー」でして、
      その卑猥すぎる世界にしてやられて途中で断念しました。
      もうねぇ気分悪くなりまして。
      それからは村上春樹の「ノルウェイの森」上巻で
      直子の20歳の誕生日祝うシーンでワタナベ君が手を出し…
      というシーンをオカズにしたりしてましたwww
      純文学でオナってしまい反省↓↓

    • ––––––
      9. Mikiko
    • 2012/06/22 22:44
    •  純文学系は、暗いのだよ。
       村上龍も、村上春樹も、村上ショージも、まったく読んだことがない。
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