2008.6.22(日)
叔母も時々使っているというその下剤は、市販薬よりも効き目が強いのだと教えられた。
由美は、叔母の言いつけ通り休日に使ってみて、その言葉に納得した。
催すまでは多少時間がかかるが、催してからの効果は凄かった。
人の意志で我慢できるような便意ではなかった。
トイレが側にある環境でないと、とても使えないと実感した。
幸い由美の便秘は、環境への慣れにつれて自然と解消し、貰った薬は使い切らずに手元に残っていた。
由美は、この薬を美弥子に飲ませようと考えたのだ。
しかし、話をしたこともない相手に、薬を飲ませるなどということが容易にできるはずもなかった。
缶コーヒーなどに混ぜて手渡すことも考えたが、そんなことをしたら、由美が何かを入れたことが判ってしまう。
学食しかないと由美は思った。
美弥子はいつも、ひとりで食事を摂っている。
席はほとんど決まっていた。
大きな自販機のせいで、周りからは死角になる場所だった。
由美は友人達と離れ、ひとりで食事を摂るようになった。
そして、美弥子の後方の席からチャンスを窺った。
そのチャンスは、ある日突然訪れた。
トレーをテーブルに置いた美弥子が、何かを取り忘れたでもしたのか、再び配膳口の方へ戻って行ったのだ。
由美は、躊躇無く立ち上がった。
自販機の前で思案するふりをしながら、あたりを窺う。
誰の目も、こちらに向いてなかった。
由美は、美弥子のトレーに載る味噌汁の中に、握りしめていた薬を振り入れた。
碗に一瞬浮いた白い固まりは、またたく間に汁の中へと崩れていった。
自分の席に戻った途端、全身が震え始めた。
箸を持つことさえ出来なかった。
自分は、何ということをしたのだろう。
今更ながら、自分のしたことが信じられなかった。
何も知らない美弥子は、席に戻ると食事を摂り始めた。
美弥子が味噌汁の碗を手に取ったとき、由美は指を握りしめた。
美弥子は、味噌汁を残さずに飲み干してくれた。
『ごめんなさい、美弥子さん……』
もう、後戻りは出来ない。
由美は、叔母の言いつけ通り休日に使ってみて、その言葉に納得した。
催すまでは多少時間がかかるが、催してからの効果は凄かった。
人の意志で我慢できるような便意ではなかった。
トイレが側にある環境でないと、とても使えないと実感した。
幸い由美の便秘は、環境への慣れにつれて自然と解消し、貰った薬は使い切らずに手元に残っていた。
由美は、この薬を美弥子に飲ませようと考えたのだ。
しかし、話をしたこともない相手に、薬を飲ませるなどということが容易にできるはずもなかった。
缶コーヒーなどに混ぜて手渡すことも考えたが、そんなことをしたら、由美が何かを入れたことが判ってしまう。
学食しかないと由美は思った。
美弥子はいつも、ひとりで食事を摂っている。
席はほとんど決まっていた。
大きな自販機のせいで、周りからは死角になる場所だった。
由美は友人達と離れ、ひとりで食事を摂るようになった。
そして、美弥子の後方の席からチャンスを窺った。
そのチャンスは、ある日突然訪れた。
トレーをテーブルに置いた美弥子が、何かを取り忘れたでもしたのか、再び配膳口の方へ戻って行ったのだ。
由美は、躊躇無く立ち上がった。
自販機の前で思案するふりをしながら、あたりを窺う。
誰の目も、こちらに向いてなかった。
由美は、美弥子のトレーに載る味噌汁の中に、握りしめていた薬を振り入れた。
碗に一瞬浮いた白い固まりは、またたく間に汁の中へと崩れていった。
自分の席に戻った途端、全身が震え始めた。
箸を持つことさえ出来なかった。
自分は、何ということをしたのだろう。
今更ながら、自分のしたことが信じられなかった。
何も知らない美弥子は、席に戻ると食事を摂り始めた。
美弥子が味噌汁の碗を手に取ったとき、由美は指を握りしめた。
美弥子は、味噌汁を残さずに飲み干してくれた。
『ごめんなさい、美弥子さん……』
もう、後戻りは出来ない。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2008/06/22 08:12
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高校の時、間違って下剤を飲んでしまったことがあります。
登校前のあわただしい時間でした。
風邪気味だったわたしは、食器棚に置いてあった風邪薬を飲みました。
しかし、それは風邪薬ではなかったのです。
ばーちゃんが、自分の下剤を風邪薬の瓶に入れ替えていたのです。
試験日だったので、休むわけにいきませんでした。
その日の1時間目。
試験問題が霞むほどの便意に襲われました。
額に脂汗を浮かせ、四肢を硬直させて耐えました。
それ以後、休み時間はトイレに籠もり、試験中は脂汗の繰り返し。
とても試験どころではありませんでした。
休んで追試を受けた方がマシでした。