2008.6.4(水)
性毛こそ生えなかったが、それを除けば、由美の身体は着実に成長していた。
夜ごと性器を触っているうち、自然とオナニーを覚えた。
高校生活も半ばを過ぎるころには、自分は性毛の生えない体質らしいと、ようやく悟るようになった。
発毛は諦めたが、夜ごとの性器の触診は止められなかった。
既に、性器に触る目的が、発毛の確認ではなく、オナニーになっていたからだ。
3年生になり、そこへ受験勉強のストレスが加わると、更にオナニーの頻度は増した。
1日に1度では済まなくなった。
性毛が無いというせいで、由美の意識は常に性器にあったと言って良い。
何をしていても、自分の性器が意識にあった。
由美は、自らの無毛の性器を憎み、そして憎むほどに一層それを愛おしんだ。
夜ごとのオナニーは、次第に節度を失っていった。
時には机に向かいながら指が動いて、涎をノートに落とすようなことまで起きた。
さすがにこのままでは、自分はおかしくなるのではないかと不安に思えてきた。
特に困ったのは、声を抑えられなくなったことだ。
バスタオルを噛み締めて行うようにしたが、絶頂の間際になると口が開き、声が漏れた。
由美の家はマンションだった。
広くはないが、ひとりっ子の由美には自室が与えられていた。
両親の寝室とも離れている。
自分の声が聞こえるはずはないと思うものの、大きな声が出た夜などは、ひょっとしたらと不安になった。
これが、東京での一人暮らしを望んだ理由のひとつでもあった。
もうひとつの理由は、やはり自分を変えたかったのだ。
このまま地方の一都市で、結婚も出来ずに歳を重ねていくのかと思うと、堪らなくなった。
東京に出たら、何かが変わると思っていた。
そう信じたかった。
上京後しばらくは、環境の変化に対応するのに精一杯で、オナニーの習慣も止んでいた。
しかし、生活が落ち着いてみると、そこには何も変わっていない自分がいた。
「何ひとつ変わってない……」
由美は、鏡の中の自分を見て呟いた。
捲り上げた裾の下に、真っ白な無毛の性器が映っている。
絶対に誰にも知られたくない、と思ってきた秘密だった。
大学で知り合ったクラスメイトとも、週末にショッピングする程度にしか交流が進まないのは、仲が深まって、一緒に旅行しようなどという話になるのが怖かったのだ。
もし、温泉旅行なんてことになったら……。
しかしこの頃では、自分の秘密を誰にも知られていないということが、逆に重荷に思えてきた。
夜ごと性器を触っているうち、自然とオナニーを覚えた。
高校生活も半ばを過ぎるころには、自分は性毛の生えない体質らしいと、ようやく悟るようになった。
発毛は諦めたが、夜ごとの性器の触診は止められなかった。
既に、性器に触る目的が、発毛の確認ではなく、オナニーになっていたからだ。
3年生になり、そこへ受験勉強のストレスが加わると、更にオナニーの頻度は増した。
1日に1度では済まなくなった。
性毛が無いというせいで、由美の意識は常に性器にあったと言って良い。
何をしていても、自分の性器が意識にあった。
由美は、自らの無毛の性器を憎み、そして憎むほどに一層それを愛おしんだ。
夜ごとのオナニーは、次第に節度を失っていった。
時には机に向かいながら指が動いて、涎をノートに落とすようなことまで起きた。
さすがにこのままでは、自分はおかしくなるのではないかと不安に思えてきた。
特に困ったのは、声を抑えられなくなったことだ。
バスタオルを噛み締めて行うようにしたが、絶頂の間際になると口が開き、声が漏れた。
由美の家はマンションだった。
広くはないが、ひとりっ子の由美には自室が与えられていた。
両親の寝室とも離れている。
自分の声が聞こえるはずはないと思うものの、大きな声が出た夜などは、ひょっとしたらと不安になった。
これが、東京での一人暮らしを望んだ理由のひとつでもあった。
もうひとつの理由は、やはり自分を変えたかったのだ。
このまま地方の一都市で、結婚も出来ずに歳を重ねていくのかと思うと、堪らなくなった。
東京に出たら、何かが変わると思っていた。
そう信じたかった。
上京後しばらくは、環境の変化に対応するのに精一杯で、オナニーの習慣も止んでいた。
しかし、生活が落ち着いてみると、そこには何も変わっていない自分がいた。
「何ひとつ変わってない……」
由美は、鏡の中の自分を見て呟いた。
捲り上げた裾の下に、真っ白な無毛の性器が映っている。
絶対に誰にも知られたくない、と思ってきた秘密だった。
大学で知り合ったクラスメイトとも、週末にショッピングする程度にしか交流が進まないのは、仲が深まって、一緒に旅行しようなどという話になるのが怖かったのだ。
もし、温泉旅行なんてことになったら……。
しかしこの頃では、自分の秘密を誰にも知られていないということが、逆に重荷に思えてきた。