2017.11.1(水)
「ぐげ」
歩の身体が凝固した。
両腕を広げ、由美に抱きつこうとしたポーズのままだった。
両手の指はすべて開き、奇怪な矮人(こびと)のフィギュアのようだった。
爪先に、歩の筋肉のこわばりを感じた。
由美の振りあげた足先が、歩のみぞおちに食いこんでいるのだ。
由美は、歩の腹から、ゆっくりと爪先を引き抜いた。
歩は、足の支えを失っても、自らの脚で立っていた。
しかしそれは、意思があっての自立ではなかった。
微妙なバランスが働いて、重心が崩れなかったのだろう。
歩は、釣りあげられた深海魚のように両眼を剥き広げていた。
しかし……。
真っ白な眼球には、瞳が無かった。
「くけ」
歩の喉から漏れた声で、保たれていたバランスが崩壊した。
歩の身体は、骨を抜かれたみたいに膝まづくと……。
礼拝さながらに、額から床に着地した。
突きあげていた尻が、尺取り虫のように伸びていく。
全身が伸びきったところで静止した。
姉と弟。
2人とも尻を剥き出してうつ伏せていた。
姉の尻は高々と盛りあがり、弟の尻は小さく締まっていた。
このままにして帰ろうかと思った。
しかし……。
もし、歩が先に気がつけば、かなえを犯すかも知れない。
高2で、弟の種を宿したりしたら悲劇だ。
かといって、かなえを起こしたら、すんなりとは帰れそうもない。
由美は、歩の腰に足裏をあてた。
そのまま、押し出すように捲りあげた。
華奢な歩の身体は、簡単に反転した。
仰向いた歩の顔貌は、ほとんど死に顔だった。
真っ白い眼球が大きく見開かれ、蠅が止まりそうだった。
半開きの唇のあわいから、皓歯が覗いている。
乳歯かと疑いたくなるほど、小さな歯だった。
しかし、この身体が子供ではないことは、1点が示していた。
股間だ。
陰茎は、意識を失った今も、硬度を保ったままだった。
男性の生理はわからないが、これは特異体質なのではなかろうか。
やっぱり、このまま帰ってはかなえが危険だ。
歩の身体が凝固した。
両腕を広げ、由美に抱きつこうとしたポーズのままだった。
両手の指はすべて開き、奇怪な矮人(こびと)のフィギュアのようだった。
爪先に、歩の筋肉のこわばりを感じた。
由美の振りあげた足先が、歩のみぞおちに食いこんでいるのだ。
由美は、歩の腹から、ゆっくりと爪先を引き抜いた。
歩は、足の支えを失っても、自らの脚で立っていた。
しかしそれは、意思があっての自立ではなかった。
微妙なバランスが働いて、重心が崩れなかったのだろう。
歩は、釣りあげられた深海魚のように両眼を剥き広げていた。
しかし……。
真っ白な眼球には、瞳が無かった。
「くけ」
歩の喉から漏れた声で、保たれていたバランスが崩壊した。
歩の身体は、骨を抜かれたみたいに膝まづくと……。
礼拝さながらに、額から床に着地した。
突きあげていた尻が、尺取り虫のように伸びていく。
全身が伸びきったところで静止した。
姉と弟。
2人とも尻を剥き出してうつ伏せていた。
姉の尻は高々と盛りあがり、弟の尻は小さく締まっていた。
このままにして帰ろうかと思った。
しかし……。
もし、歩が先に気がつけば、かなえを犯すかも知れない。
高2で、弟の種を宿したりしたら悲劇だ。
かといって、かなえを起こしたら、すんなりとは帰れそうもない。
由美は、歩の腰に足裏をあてた。
そのまま、押し出すように捲りあげた。
華奢な歩の身体は、簡単に反転した。
仰向いた歩の顔貌は、ほとんど死に顔だった。
真っ白い眼球が大きく見開かれ、蠅が止まりそうだった。
半開きの唇のあわいから、皓歯が覗いている。
乳歯かと疑いたくなるほど、小さな歯だった。
しかし、この身体が子供ではないことは、1点が示していた。
股間だ。
陰茎は、意識を失った今も、硬度を保ったままだった。
男性の生理はわからないが、これは特異体質なのではなかろうか。
やっぱり、このまま帰ってはかなえが危険だ。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2017/11/01 07:56
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日本シリーズ
どうやら力の差が、そのまま出てしまってるようです。
ソフトバンクファンは、嬉しい反面、ちょっと残念なんじゃないでしょうか。
横浜で決まっちゃいそうですからね。
過去、3勝0敗(引き分けを含む)としたチームは、17あります。
このうち、14チームが日本一になってます。
確率は82・4%。
すなわち、3チームが、3連敗の後、4連勝してるわけです。
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1958(昭和33)年の西鉄(相手は巨人)。
1986(昭和61)年の西武(相手は広島)。
1989(平成元)年の巨人(相手は近鉄)。
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1958年は、巨人の長嶋がデビューした年。
西鉄は、「神様仏様稲尾様」と呼ばれた稲尾和久が大エース。
3連敗の後、稲尾が4勝を上げるという鬼神の働きで大逆転。
↓全7試合のスコアです。
http://npb.jp/bis/scores/nipponseries/linescore1958.html
稲尾は、第5戦でサヨナラホームランまで打ってます。
長嶋も、第1戦と第7戦でホームランを打ってますね。
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2. きりしま- 2017/11/01 09:08
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1989年の近鉄は、三連勝したところで優勝記念のプリペイドカード(パールカード)を刷ってしまい、無駄になったという話を聞いたことがあります。
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3. ハーレクイン- 2017/11/01 09:29
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由美ちゃんの蹴り一閃
前蹴り、かな。
みぞおちを狙うとは容赦ありませんが、アユムにとっては当然の報いでしょう。
サヨナラ神様仏様
「野球は一人でも勝てる」と嘯いたのは、阪神タイガースの江夏豊。
1973年8月30日の中日ドラゴンズ戦。
延長11回を投げ抜いてノーヒットノーラン達成。決着は11回裏、江夏のサヨナラホームランでした。
試合後の江夏のコメントが上記のものですが、これはマスコミが面白おかしくでっち上げたセリフだとか。が、いかにも江夏らしいということで、今に伝わっています。
ちなみに、延長戦を一人で投げ抜いてのノーヒットノーランは、この江夏ただ一人だとか。
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4. Mikiko- 2017/11/01 19:46
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きりしまさん&ハーレクインさん
> きりしまさん
配ってしまえば良かったのに。
あるいは仕舞っておいて、近鉄が消滅するとき売り出せば、完売しましたよね。
> ハーレクインさん
稲尾とスタルヒンの持つ年間42勝は、今後も破られることはないでしょう。
その稲尾もつい、「自分ひとりでも勝てる」という趣旨のことを言ってしまったそうです。
次の登板試合……。
中西や豊田が、ぽろぽろエラーするんだとか。
もちろん、わざとです。
稲尾さん、ベンチで謝ったそうです。
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5. ハーレクイン- 2017/11/01 23:14
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42勝
昔はねえ。
野球そのものが違ってましたから(ルールは一緒だけど)。
今は、20勝すら「もう出ないだろう」という時代です。
投手に力がなくなったんじゃなくて、いわゆる分業制が当たり前の時代です(それにしても42勝はとんでもない数字です)。
いや、そうでもないか。先発なら、力があれば5回を投げ切れば勝てるはず。
いやいや、野球は点取りゲーム。いくら相手を押さえても、こちらが0点なら勝ちようがない。味方にわざと三振されれば勝てるはずがない。ねえ、中西さん、豊田さん。
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6. Mikiko- 2017/11/02 07:41
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昔は……
完投が当たり前でした。
1シーズンの記録では、1947(昭和22)年の別所毅彦(当時は昭)。
なんと、47完投(この年、30勝19敗)。
これまで延べ13人が、シーズン30完投を記録してます。
一番最近なのが、鈴木啓示(近鉄)の30完投(この年、25勝10敗)。
1978(昭和53)年のことでした。
ちなみに今年(2017年)の記録は……。
パが則本(楽天)の8、セが菅野(巨人)の6。
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7. ハーレクイン- 2017/11/02 17:02
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日本シリーズ
ようやく一矢報いました、DeNA。
投手がいいと勝てる、の見本のような試合でした。
“二矢”はどうかな。
それにしても、完投できる投手なんて球界全体を見ても指の数くらいでしょう。片手か、両手か、足の指も入れてか、はさておき。
そこへもってきて分業制ですから、完投数が少ないのはあたり前田のクラッカー。
則本や菅野なんて、例外中の例外でしょう。
しかし別所毅彦(べーやん、だったかな)。30勝19敗で47完投ということは、途中交代はわずかに2。
人間じゃないですね。スーパーマンかハルクか、というところです。
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8. Mikiko- 2017/11/02 19:59
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この年の別所には……
リリーフ登板が、5試合あったようです。
先発が50試合。
合計、55試合の登板。
うち、47完投ですから……。
完投しなかったのは、8試合。
そのうちの5試合がリリーフですから……。
先発で途中交代したのは、3試合でしょう。
この年の南海には、5試合の引き分けがあります。
ひょっとしたら、完投して勝ち負けが付かなかった試合があるのかも知れません。
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9. ハーレクイン- 2017/11/02 21:24
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55試合登板
当時はどうでしたか……年間試合数が130試合として、その4割超に登板したわけです。
リリーフならいざ知らず、先発完投型の投手としては、今では絶対に考えられない登板数でしょう。
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10. Mikiko- 2017/11/03 08:00
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DeNA
2勝しました。
十分健闘したと言えるでしょう。
ソフトバンクファンも、地元に帰って来るから良かったんじゃないですか。
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11. ハーレクイン- 2017/11/03 10:20
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2勝3敗
で。舞台は再び福岡へ。
DeNAファンはともかく……セの3位チームがここまでやったんだから、確かに十分健闘ということなんでしょうね。
もちろん、ホークスはそうは言ってられません。次で一気に決めたいところでしょうか。
わたしとしては、どうせなら最終戦までもつれ込んでほしいものです。