2017.5.14(日)
仲居さんは、その場でくるりと身体を回転させた。
こちらに向き直ったときには、作務衣の上着が肩から抜けていた。
そのまま、柿色が畳に沈む。
板前さんがそれを拾い、脇に取り除けた。
どう見ても、手慣れた動作だった。
こんなことをするのが初めてではない、ということは明らかだ。
しかし、こんな疑問を抱いているのは、どうやらわたしだけらしい。
参加者は全員、乏しい明かりに油断してか、痴呆のような表情を隠そうともしてなかった。
作務衣の下は、半襟付きの白い襦袢だった。
案外、ちゃんとした和装をしていたので、少し驚いた。
襦袢の裾は、もちろん作務衣のズボンの中だ。
仲居さんの両手は、そのズボンのウェスト前に定まった。
そこには、紐が結ばれている。
わたしの期待どおり、仲居さんの指先は、その紐の端を摘まんでいた。
指が、左右に離れる。
紐が解けた。
しかし、期待に反して、ズボンは落ちなかった。
よく見れば、ウェストに皺が寄っている。
ゴムが入っているのだ。
仲居さんは、さらに期待を裏切り、両手を頭上に掲げた。
むろん、ズボンは落ちない。
すると、板前さんが仲居さんの脚元に身を移し、しゃがみ込んだ。
わたしは、ひとり首肯した。
作務衣のズボンは、裾が紐で絞られているのだ。
板前さんは、それを解いていた。
明らかに、予定された連携だった。
板前さんが、左右の紐を解いて退くと……。
仲居さんの両手が、ズボンのウェストに下りた。
今度は、期待を裏切らなかった。
仲居さんは、お尻を左右に振り、タメを作りながら、ズボンを下ろしていく。
ズボンが膝まで下りないうちに、肌色の太腿が現れた。
上に着ていたのは、半襦袢だったのだ。
襦袢の裾は、ズボンに隠れるまでしか無かった。
考えてみれば、下はズボンなのだから、長襦袢では着にくいはずだ。
仲居さんは、膝下でズボンを離した。
足首にわだかまったズボンは、再び駆け寄った板前さんが回収していった。
仲居さんは、半襦袢だけの姿となった。
こちらに向き直ったときには、作務衣の上着が肩から抜けていた。
そのまま、柿色が畳に沈む。
板前さんがそれを拾い、脇に取り除けた。
どう見ても、手慣れた動作だった。
こんなことをするのが初めてではない、ということは明らかだ。
しかし、こんな疑問を抱いているのは、どうやらわたしだけらしい。
参加者は全員、乏しい明かりに油断してか、痴呆のような表情を隠そうともしてなかった。
作務衣の下は、半襟付きの白い襦袢だった。
案外、ちゃんとした和装をしていたので、少し驚いた。
襦袢の裾は、もちろん作務衣のズボンの中だ。
仲居さんの両手は、そのズボンのウェスト前に定まった。
そこには、紐が結ばれている。
わたしの期待どおり、仲居さんの指先は、その紐の端を摘まんでいた。
指が、左右に離れる。
紐が解けた。
しかし、期待に反して、ズボンは落ちなかった。
よく見れば、ウェストに皺が寄っている。
ゴムが入っているのだ。
仲居さんは、さらに期待を裏切り、両手を頭上に掲げた。
むろん、ズボンは落ちない。
すると、板前さんが仲居さんの脚元に身を移し、しゃがみ込んだ。
わたしは、ひとり首肯した。
作務衣のズボンは、裾が紐で絞られているのだ。
板前さんは、それを解いていた。
明らかに、予定された連携だった。
板前さんが、左右の紐を解いて退くと……。
仲居さんの両手が、ズボンのウェストに下りた。
今度は、期待を裏切らなかった。
仲居さんは、お尻を左右に振り、タメを作りながら、ズボンを下ろしていく。
ズボンが膝まで下りないうちに、肌色の太腿が現れた。
上に着ていたのは、半襦袢だったのだ。
襦袢の裾は、ズボンに隠れるまでしか無かった。
考えてみれば、下はズボンなのだから、長襦袢では着にくいはずだ。
仲居さんは、膝下でズボンを離した。
足首にわだかまったズボンは、再び駆け寄った板前さんが回収していった。
仲居さんは、半襦袢だけの姿となった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2017/05/14 07:50
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FBI
先週は、トランプ大統領が、FBIの長官を解任したというニュースが大々的に報道されてました。
しかし、FBIという組織名を聞いたことのない人はいなくても……。
それがいったい、どんな組織なのかを理解している人は、はなはだ少ないのではないでしょうか。
わたしも、その一人でした。
なので、ちょっと調べてみました。
FBIは、『Federal Bureau of Investigation』の略で、和名では『連邦捜査局』とされています。
アメリカ合衆国司法省下の組織で、連邦法に関する事案の捜査を任務としています。
つまり、州を超えた、国家的事件を担当するようです。
具体的には……。
テロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件、連邦政府の汚職に係る事件、複数の州に渡る広域事件、銀行強盗など莫大な被害額の事件などです。
日本で云うと、公安に近いんですかね。
ドラマでは、『広域警察』なんてのがありますが。
あと、アメリカにはもう一つ、有名な組織があります。
CIAです。
これとFBIは、どう違うのでしょう。
CIAは、『Central Intelligence Agency』の略で、和名では『中央情報局』。
アメリカ大統領直属の組織で、外国での諜報活動を行います。
活動するのは外国で、早い話、スパイ活動です。
スパイ職員は、6つの偽名を持ち、すべての名前でのパスポートやクレジットカードが与えられるそうです。
クレジットカードは、使い放題だとか。
日本で、こんな組織はちょっと思いつきません。
江戸幕府だったら、公儀隠密というところでしょうか。
つまり、FBIはアメリカ国内、CIAは外国で活動するという違いがあるわけです。
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2. いつ脱ぐかHQ- 2017/05/14 09:56
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↑今でしょ!
白い襦袢
やはり、赤でしょ!
でも、照明が赤だから、白の方が映えるかな。
半襦袢
やはり、長襦袢でしょ!
FBI
米国はアメリカ合「衆」国ですが、これは合“州”国と表記する方が実態に近い、てな意見があります。
つまり、米国は「州」の集合体である、ということで、実際いろんな点で「州」の権限が強い。日本の都道府県のイメージで考えちゃダメなんですね。
で、警察組織も州ごとの独立性が高い。だから州をまたぐ「広域犯罪」に対応できる権限を持った警察組織が必要になってくるわけで、これがFBIです。
日本の江戸期にあった「関八州廻り」、正式には「関東取締出役(とりしまりしゅつやく)」が近いですかね。
しかし、大統領にFBI長官の解任権なんてあるんですかね。議会は何も反応しないようだし、考えられません。
これじゃ独裁ですよ。
専制君主にでもなったつもりか、トの字。
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3. Mikiko- 2017/05/14 12:20
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作務衣の下に……
長襦袢なんか着れないでしょ。
作務衣から脱いでいくストリップは、まずないんじゃないでしょうか。
しかし、なんで着替えさせなかったんですかね?
思いつかなかっただけだとは思いますが。
大統領というのは、ほぼ専制君主に近いんでないの?
怒照手さんとか。
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4. お座敷芸構成作家HQ- 2017/05/14 13:35
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着用不能
長襦袢。
作務衣のままショーを始めちゃうからだよ。
いったん下がって作務衣を脱ぎ、改めて長襦袢で登場。
どないだ。
怒照手さん
誰だあ。
あ、高安の新しい四股名ですか。
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5. Mikiko- 2017/05/14 18:32
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作務衣
まったく色気のない格好から始めることで、逆に落差が出来ていいんじゃないでしょうか。
高安は順当に勝ちましたが……。
稀勢の里は、前途多難な負け方です。
下がったら残せませんね。
稽古場とは違います。
途中休場の目が出てきました。
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6. のこったのこったHQ- 2017/05/14 20:33
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色気のない恰好
で登場した途端に、せっかく温まっていた場内が冷え切ってしまうのでは。
いや、どうかな。
興奮度があるレベルを超えていると、少々のことでは冷めないかも。
土俵際稀勢ちゃん
今日は左にこだわりすぎました。
右の使い方を稽古してきたのに、と思いますが、自分の相撲は一朝一夕には修正できないということでしょうか。明日の取り組みで一つの答えが出るでしょう。
遠藤が照ノ富士に勝ちました。相変わらず力強さはも一つですが、相撲の上手さには磨きがかかってきたようです。新三役、期待できそうですが、ちょっと遅すぎ。
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7. Mikiko- 2017/05/15 07:26
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仲居さんが作務衣で出てきた時点では……
参加者たちは、何が始まるかわからなかったはずです。
遠藤。
きのうの殊勲インタビューを見ましたが……。
幕内にあがってきたころの“ワル”の雰囲気がまったく消え、完全なベビーフェイスになってました。
髪型のせいなんですかね?
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8. 端役ハーレクイン- 2017/05/15 08:08
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↑通行人役やろ
いや、その他大勢エキストラ、か
悪役遠藤
が影を潜めたのは仰せの通り、髷を結うようになってからでしょう。
今となれば、あのザンバラ髪のふてぶてしい悪役ぶりが懐かしい。