Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
東北に行こう!(1371)
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律「うーん。
 ま、こんなものでしょう。
 普通の水だわ」
み「どうやら大丈夫そうだな。
 柄杓、柄杓」
アルマイトの柄杓
↑アルマイトの柄杓。口を付けると、金臭いんですよね。でも、木製よりは清潔でしょう。

律「もう1杯飲まなきゃ。
 20年、20年」
20年、20年

み「浅ましいヤツ」
律「でも、バスのない昔は、今来た山道を、みんな歩いて登ってきたのよね。
 ここまで登って、この湧き水を飲んだら、さぞかし生き返る思いがしたでしょうね」
冷水説明板
↑然り。

律「はい、柄杓」
み「3杯目は飲まないのか?」
律「何ごとも、ほどほどに」
何ごとも、ほどほどに
↑然り。

み「人生、ギャンブルでしょ」
人生、ギャンブルでしょ

律「じゃ、あなた飲みなさいよ」
み「ところで、1杯って、どのくらいな分量なわけ?」
律「柄杓、1杯でしょうが」
み「入れる分量がまちまちでしょ。
 “もっきり”で、1杯?」
“もっきり”で、1杯?

律「なによそれ?」
み「酒飲みのくせに、知らんのか。
 居酒屋なんかで、コップに日本酒が注がれるでしょ。
 そのとき、縁ぎりぎりっていうか……。
 表面張力で、縁から盛りあがってるくらいの注ぎ方を、“もっきり”って言うわけ」
もっきり

律「零れるじゃないの」
み「コップは、枡の袴を穿いてるの。
 零れたお酒は、枡が受けてくれる。
 で、一口目は、盛りあがってるグラスの縁に、口で迎えにいくわけ。
 そのときは必ず、ひょっとこの顔をしなければならぬ」
“ひょっとこ”の語源は、“火男”
↑“ひょっとこ”の語源は、“火男”。かまどに火を付けるときの顔です。

律「なんでよ!」
東北に行こう!(1370)目次東北に行こう!(1372)


コメント一覧
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    • ––––––
      1. 北斗七星ハーレクイン
    • 2017/05/12 12:31
    •  ↑『おおぐま座』の一部
        熊の尻が容器の部分、しっぽが柄です
      柄杓
       近頃使わなくなりました。
       というより、見かけなくなりました。
       かつては普通にある道具、だったんだけどなあ。
      3杯目
       ですぐ思い出すのは居候。
      ●居候三杯目にはそっと出し
       ご飯のお代わりを遠慮する、という意味ですがもう死語(死句?)かな。
      もっきり酒
       「盛り切り」かな。
       桝に零れた分は酒屋のサービス。
       零すのが、商売人のマナー?です。
      ひょっとこは火男
       ほう。
       じゃあ、お多福は?
       それにしても、ひょっとこって鼻髭はやしてたっけ。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2017/05/12 19:45
    • そもそも……
       居候という存在自体が、ほぼ絶滅してます。
       零れるサービス。
       居酒屋の出す酒に、公定価格があるわけではありませんから……。
       単に、零れた分量も含めた価格ということでしょう。
       あ、酒屋の角打ちなら小売価格だから、まさしくサービスなわけですね。
       髭は、放っておけば伸びるでしょう。
       剃るヒマが無かったこともあるんじゃないですか。

    • ––––––
      3. おっとっとHQ
    • 2017/05/12 23:07
    •  ↑酒が零れるとき、思わず出る掛け声?
      零れ酒
       わたしの父親。
       近所の酒屋でよくやってました。
       この店、本来は酒の小売店なんでしょうけど、店内にカウンターを作って立ち飲み商売をやってました。
       零れ酒を受けるのは、残念ながら桝ではなく、ガラス製の小さな受け皿でした。だから、そんなに大量には零せないわけで、ほんの気持ちだけ、てな感じでした。
       わたし、この店に空の一升瓶を抱えて、小売りの酒を買いに行かされました。昔は酒の量り売りなんてあったんですね。昭和の
      30年代という頃の話です。
       ↓こんなのご存知でしょうか。
      〽雨のしょぼしょぼ降る晩に~
       豆狸(まめだ;子狸のこと)が徳利持って酒買いに~

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2017/05/13 07:41
    • 酒屋の立ち飲み
       それを称して、『角打ち(かくうち)』と呼びます。
       昔は、四角い升で飲ませました。
       升の角から飲むことから、『角打ち』となったとか。
       なんで、“打ち”なんですかね?
       『飲む打つ買う』から?
       アテは、店で売ってる缶詰や乾き物です。
       サンマの蒲焼きなんか、良さげですね。
       1度やってみたい気がします。
       貧乏徳利。
       時代劇によく出てきます。
       首に縄が付いてるやつ。
       浪人が、ぶら下げて歩いてますね。

    • ––––––
      5. 飲む打つ買うHQ
    • 2017/05/13 10:04
    •  ↑いちおー一通りはやりました
        ただし打つはパチンコだけ、
        買うは飛田で1度、ソープで5~6度
      桝酒
       ときますと、なんと言いましても星飛馬の熱血親父、星一徹氏です。
       この御仁、息子がジャイアンツ入りするまでは、と長らく禁酒。で、めでたく飛雄馬が入団テストに合格。やれ嬉しや、でなんと一升桝で飲みに及ぼうとします。
       ところがその寸前「いや、まだ早い」と止めてしまいます。その心は「飛雄馬が、巨人軍にあってひときわ大きく輝く星になるまでは」てなことでした。
       一徹親父、果たして宿願の桝酒は飲めたのでしょうか、は物語では語られませんでした。残念。
       酒屋の立ち飲みのアテは、確かに店主の親父の背後の(「の」が多いぞ)棚に陳列してある缶詰が主力商品でした。
       なんといってもふたを開けるだけ、調理もへったくれもない、究極のお手軽メニューです。
       貧乏徳利ときますと、平手造酒。
       太平の世に合戦(やくざの出入り)で討ち死にした奇特なお方。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2017/05/13 12:07
    • 立ち飲み
       鳥取県から島根県の東部にかけては、「たちきゅう」と呼ばれてるそうです。
       「立ったまま、きゅーっと」ということらしいです。
       混んでる店では、半身に構えるダークダックススタイルが定番だとか。
       いずれにしろ、1,2杯引っかけて、さっと帰るのが習いです。
       長っ尻は野暮。
       トイレを借りるなんぞは、論外でしょう。

    • ––––––
      7. ♪銀色の~HQ
    • 2017/05/13 14:25
    •  ↑♪はるかな道~
      たちきゅう
       もろきゅう、を連想するのはわたしだけ?
       ところで、鳥取県と島根県は、日本海に沿って東西に並ぶお隣どうしですが、どちらがどっちかわかります? もちろん地図を見ちゃダメ駄目です。
      ダークダックススタイル
       かつてのパチンコもそうでした。
       もちろん手籠め・手打ち。椅子無し立ち打ち、の時代の話です。

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2017/05/13 18:21
    • 鳥取島根
       鳥取の方がこっちに近そうなのは、気配で感じます。
       しかし、鳥取と島根、字の形まで似てますね。

    • ––––––
      9. “取鳥”ハーレクイン
    • 2017/05/13 22:12
    •  ↑わたし「とっとり」をこう書いたことあります
      鳥取の気配
       そんな怪しげなものは感じません。
       わたし、この両県の位置関係は「ようやく」覚えましたが、いまだに心もとない所があります。
       両県とも、一歩も足を踏み入れたことありません。
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