2017.2.4(土)
み「うーむ。
良い酒じゃ。
新潟銘酒『今代司(いまよつかさ)』」。
み「新潟市は沼垂の酒蔵」
み「しかして、その味を格別にしておるのは……。
何と言っても、窓外の明るさ。
昼酒はしょっちゅう飲むが……。
さすがに朝酒を飲むのは、正月だけ。
お天気は悪いが、雪も無く、正月早々雪かきなどという仕儀にも相成らん」
み「こうして朝の光の中で飲む熱燗は、まさに格別よのう。
ほっほっほ。
ま、一杯」
み「おー、すまんのう。
おっとっとっと。
ひとり2役の手酌もまた、楽しきかな」
ピンポ~ン。
み「何じゃ、正月早々。
年賀状なら、さっき来てたし。
さては、NHKの集金か」
↑契約社員。
み「うちは母親が払ってるはずじゃが。
しかし、口座振替が嫌いな非文明人ゆえ、払い忘れてることもありうる。
ノコノコ出ていったらバカを見るな」
ピンポーン。
み「執念深いやつ。
正月早々集金に来るとは、不届き千万」
ピンポンピンポン。
み「じゃかっし。
うちは払っとるぞ。
HQの家に行け」
↑HQ宅想像図。
ピンポンピンポンピンポン。
み「本気でわたしを怒らせるつもりじゃな。
太平の世を騒がす不埒者。
退治てくれよう、桃太郎!」
ピンポンピンポンピンポンピンポン!
み「おにょれー
ぜったいに許さん。
俵弾正鍛えたる自慢の手槍で、たちどころに穂先の錆にしてくれるわ」
み「誰じゃー」
由「何で、すぐに出ないんですか」
弥「鍵まで掛けて」
み「なんじゃ、おまえら。
NHKのバイトか」
由「何、わけのわからないこと言ってるんです」
弥「どうして、いるのに鍵をかけてるんです?」
由「わたし、わかった。
顔を見れば、一目瞭然じゃない」
↑顔に出る方ですが、ここまではなりません。
由「朝からお酒飲んでるからだわ。
赤い顔してお客さんに応対できないから、居留守使ってるのよ」
み「居留守とは人聞きの悪い。
楽しいひとときを邪魔されたくないだけじゃ。
ということで……。
とっとと、お引き取りください」
由「なんでです!
せっかく来たのに。
上がらせてもらいます」
み「と言いながら、框に座りこんでどうするんじゃ。
押し売りのポジションではないか」
由「ブーツを脱ぐんです!」
み「嗜みを知らんやつ。
そんな脱ぎづらい靴で年始に来るバカがおるか。
ゾーリで来い」
由「冬の新潟に、ゾーリで来れますか!」
み「美弥子を見習いなさい。
脱ぎやすいショートブーツではないか」
弥「そう言えば、雪がありませんね」
み「最近の正月は、ずっとこんなもんよ。
雪かきせんでいいから、助かるけど……」
み「正月らしくない気もするわな」
由「失礼します」
み「誰が上がっていいと言った」
由「これ以上、ややこしいこと言わないでください。
話が進まないでしょ」
てなわけで、居間に場面転換。
↑わが家ではありません。
由「おコタに入って、綿入れ半纏で朝酒ですか」
↑三陸鉄道『こたつ列車』の“なもみ(なまはげ)”。
み「至福のときよ」
↑『地獄谷温泉』にて。人間と一緒ですね。
由「おコタなんて久しぶり。
入れてもーらお」
↑コンゴ原産のバセンジー犬。日本の冬は寒いんでしょうね
み「魔帝」
み「否、待てい」
由「何ですか?」
み「年始に来たんじゃろ。
手ぶらなわけ、ないわな」
由「手ぶらですよ」
↑常に手ぶら。
み「何でじゃ!」
由「年始じゃありませんから」
み「それじゃ、正月早々、何しに来たんじゃ。
まさか、わたしの酒を飲みに来たわけじゃあるまいな。
ぜったいにやらんからな」
由「わたしたち、まだ未成年です」
み「へ?
そうだっけ?」
由「まだ1年生ですよ」
み「留年してるのか?」
↑この字では、たぶん留年です。
由「留年なんか、してません!
話がちっとも進まないからでしょ。
今日の用は、それとも関係してるんです」
み「何となく、非友好的な気配を感じるが」
由「当然でしょ。
文句言いに来たんですから」
み「わたしに何の文句がある?」
↑意味、わかりますよね?
由「大ありです」
み「オオアリクイ?」
↑舌には骨がありません。
由「面白くないです」
み「切り捨てるな」
↑面白い試し切り。
由「美弥ちゃん、言って」
弥「わたしが?」
由「さっきからぜんぜん喋ってないじゃないの」
弥「話を挟むスキが無いんだもの」
由「だから、どうぞ」
由「さ、喋って」
弥「そんな振られ方したら、話しづらいじゃないの」
由「もう!
そんならわたしが言うわ。
Mikikoさん」
み「なんじゃ、改まって。
わたしに、何の文句があると言うんじゃ」
由「小説『由美と美弥子』の昨年を振り返って、どう思います?」
み「どうって?
別に」
由「自覚が無いわけね」
↑厳しく反省。
み「はっきり喋れ」
由「そんなら、単刀直入に言わせて頂きます」
み「短小包茎?」
由「蹴り入れますよ」
み「短刀でも彫刻刀でもいいから、早く言いなさい」
由「わたしたち、この小説の主人公ですよね?」
み「当たり前ではないか。
2人の名前が、そのまんまタイトルになっておるんじゃから」
由「ですよね。
主人公ってのは、その小説の、メインの登場人物でしょ」
↑まだ見てません。
み「そんなの、あたり前田のクラッカー」
↑食べたことある気がする。
み「『釈迦に説法』じゃ」
由「『馬の耳に念仏』じゃないんですか」
み「ものすごく、非友好的口調に聞こえるのじゃが」
由「だから!
出番が少なすぎでしょ、主人公の」
み「そうでした?」
由「美弥ちゃん、メモ」
弥「はい」
由「2016年にわたしたちが登場した回はですね……。
1999回から2020回までの第160章『晦冥のゲイシール』が最初でした」
み「おー、思い出した。
2000回を、由美美弥の登場する章で迎えさせようという親心から……。
『子作りツアー』を中断して、急遽挿入した章じゃった」
↑遠い目。
由「なに、遠い目してるんです。
1999回って、いつだったと思います?」
み「2000回の前じゃから、5月じゃろ」
由「そうですよ。
5月16日です。
つまり!
それまで、わたしたちは、まったく登場しなかったってことでしょ」
み「そういうことも、あるんでないの。
でも、ちゃんと覚えてて、登場させたではないか」
由「小説家が主人公を忘れてどうするんです。
その章が6月13日に終わると、また『子作りツアー』が続いて……。
その次のわたしたちの回、いつだと思います?」
み「さっさと言わんかい。
メモに書いてあるんじゃろ」
由「第165章『花火の夜に』です。
2073回。
8月27日ですよ」
み「おー、おんな男のかをるくんの登場回ね」
由「そうです。
わたしたちの出番は、その話の単なる聞き役。
9月11日の2084回でその章が終わると、後はずーっと変態おんな男の独白。
今も続いてますよね」
み「さいでんな」
由「つまり、わたしたちの出た章は……。
1999回から2020回までと、2073回から2084回までしか無かったんです。
回数にして、たったの、34回です。
2016年に投稿された259回のうち、たったの34回。
わずか、13.1%」
み「そんな数字までメモして来たのか」
由「数字にしたら、いっそう怒りがこみあげました」
み「執念深いやつ。
早い話、登場回を増やせって言いたいわけ?」
由「それ以外にないでしょ。
おんな男の話、いつまで続くんです?」
み「最初、この話を思いついたときは……。
1年分くらいのエピソードが頭に浮かんだ」
↑納豆1年分(365個)が、抽選で当たったそうです。賞味期限は、6日先だったとか。
由「冗談じゃないわ!
今年、わたしたち、出番なしってこと?」
み「だから、思いついたときはってこと。
さすがに長過ぎると思ったのよ。
思いついたときのテンションも鎮まって来たからさ」
み「ま、そんなに長引かせないつもりだけど……。
『子作りツアー』も途中だしな」
↑ツアー主催者・史恵のイメージ、野村真美さん。
由「また、そっちに行くわけ?」
み「じゃ、その前に、おまえらの出番、何か挟むか」
由「何か挟むかって、主人公じゃないんですか!」
み「そないに怒りないな。
血圧が上がるぞ」
由「低血圧です」
み「少し分けてやろうか」
由「いりません」
ピンポー。
み「げ。
また誰か来た」
由「チャイム、壊れてるんじゃないですか?」
み「電池が無いだけじゃ」
由「替えればいいのに」
み「外で作業するのは寒いではないか」
み「春まで待て」
由「その前に鳴らなくなりますよ」
み「そんならそれでいいもーん。
出なくて済むわい。
あ、それはマズいな。
宅配便が届かなくなる」
↑こーゆーのは、局留めにしましょー。
み「あんた、ついでに取り替えてって」
由「なんでですか!」
ピ、ン、ポー。
由「なんか、ビンボーって聞こえる」
み「聞こえんわい!」
ピ、ピ、ピンポー。
由「えーい。
貧乏くさい!」
弥「出ないんですか?」
み「どうせ、NHKの集金人じゃ」
弥「払ってないんですか?」
み「母親が払ってると思うのじゃが……。
もし集金だったら、立て替えといて。
BSとセットで1年分」
↑どう考えても、高すぎ。
弥「返す気、無いでしょ」
み「出世払いじゃ」
弥「永遠にないわ」
み「にゃにお!」
弥「わたし、出ましょうか?」
み「おー、そうしちくり。
集金人だったら……」
弥「立て替えませんから。
じゃ、見てきます」
み「案外、ケチじゃの」
由「でしょー。
カルピス作らせると、ほとんど水なんです」
み「う。
情けなくなるタイプのケチじゃ」
由「なんか、玄関、騒々しいですよ。
トラブってるんじゃないですか?」
↑わが家ではありません。
み「見てきて」
由「なんで、わたしなんです。
普通、家の主が出るでしょ」
み「ヌシって、オオナマズみたいに言うな」
↑ヨーロッパオオナマズは、最大で4メートル、体重400㎏になるそうです。
み「トラブってるんなら、あんたの出番でしょ。
NHKだったら、真空飛び膝蹴りね」
↑キックの鬼、沢村忠。241戦232勝(228KO)5敗4分。
由「犯罪でしょ」
弥「由美ー。
ちょっと、手伝って」
み「やっぱりNHKだ。
早く行って。
わたしは、とりあえず寝たふりを」
み「ぐーぐー」
由「とことん、ヒキョーなんだから。
美弥ちゃん、どうしたのよ?」
み「やっと行ったな。
まったく、正月早々、なじぇにこう騒がしいのじゃ。
ゆっくり酒も飲めんではないか」
由「Mikikoさーん。
お客さんでしたよ。
ほら」
み「げ。
いきなり客を放り投げるな。
痛めつけたら、外に捨てればいいだろ。
なんで、座敷に上げるんじゃ」
由「痛めつけてなんかいませんよ」
み「破裂した餅みたいに潰れてるではないか」
由「酔っ払ってるんです。
臭いでわかるでしょ」
み「自分が臭いからわからん」
由「じゃ、顔を見てください」
み「客の髪を掴んで持ち上げるな!
生首みたいではないか」
↑対人間用ですかね。
首「あ、明けましておめれとー、ございます」
み「げ、生首がしゃべった」
↑しゃべる生首(映画『ハッピーボイス・キラー』より)。
由「良く、顔見てください」
み「げ!
こ、こやつ。
深浦律子ではないか」
由「どうしてフルネームなんです?」
み「久しぶりに思い出したからじゃ。
何で、こんなになってるんだ?」
由「知りませんよ。
いきなり、こうだったんだから」
み「正月の朝からこんなになってるとは……。
明らかに廃人じゃ。
捨ててこい」
↑ゴミに出された泥酔女。燃えるゴミでしょうか?
由「ヒドいこと言わないでください。
ほら、自分で這って入ろうとしてる」
み「ほとんど、楳図かずおの世界だな」
↑“へび少女”のフィギュア。食玩だそうです。
み「仕方ない。
執念に免じて部屋には入れてやる。
早く、障子閉めて。
寒いではないか」
由「セントラルヒーティングにすればいいのに」
み「そんな金がどこにあるか。
ガスファンヒーターで十分じゃ」
↑こういうやつ。ファンが電気で回るので、停電すると使えない愚かもの。
弥「でも、ここで寝こんだら危ないですよ」
み「建て付けが悪くて隙間だらけだから大丈夫」
由「効率悪いな。
ガムテープで、目張りとかすれば?」
み「ガス自殺か」
律「あ、あけ、あけまして」
み「それは、さっき聞いたわい。
九官鳥か」
由「でも、どうやってここまで来たんだろ」
み「まさか、駅から這ってきたとか?」
由「それじゃ、ほんとにお化けですよ」
弥「タクシーだと思う。
走ってくエンジン音が聞こえたから」
み「どっから乗ってきたんじゃ。
まさか、東京?」
↑ドラマ『タクシードライバーの推理日誌』より。
由「そんなわけないですよ。
ケチなんだから」
み「医者で稼いでるくせに」
由「儲けてる人ほどケチなんですよ」
み「確かに。
そのケチが、駅からタクシーで来るとは……。
いったい何用なんじゃ。
また潰れてるではないか。
起こしなさい」
由「ほんとにもう!
叔母さん、起きてよ。
もう、グダグダ。
人形浄瑠璃みたいに、操ろうか」
み「それは面白い。
二人羽織をやろう」
み「鼻から屠蘇を飲ませれば驚くぞ。
正月らしい余興じゃ」
律「そ、そんなことさせるか」
由「あ、生き返った。
どうしてそんなに飲んだんです?
まだ、朝ですよ」
律「朝から飲んで、こんなになるわけないでしょ。
ゆうべからよ」
み「大晦日から新潟にいたわけ?」
律「いませんよ。
自分の部屋で朝まで飲んで、タクシーで東京駅に行って、新幹線に乗ったの。
さすがに、元旦早朝の新幹線は空いてたわ。
で、車内販売のお酒を買い占めて、また飲んだ」
↑「み」。『鉄道博物館』で撮った写真です。『特急とき』の車内販売。
み「やはり廃人じゃ」
律「お正月くらいいいでしょ」
み「普段も飲んでるではないか」
↑手酌で飲水する猫。理由は不明。
律「飲んでますけどね。
ここまで羽目を外すのは、やっぱりお正月くらいよ」
由「それはいいけど、どうして新潟まで来たんです?」
律「そう言えば……。
あんたら、なんでここにいるの?
確か、千穂の民宿にバイトで入ってたんじゃなかった?」
↑イメージです。
由「いつの話ですか。
あれは、夏休みのバイトでしょ」
律「そうだっけ?」
由「確かに、話が進まないもんね。
今日は、それで文句を言いに来てたんです」
律「な、なんですとー」
由「古いギャグ」
弥「そんなギャグ、あった?」
み「このサイトで、かつていっとき流行ったギャグじゃ。
うな丼くんというキャラがいてね」
↑ぜったいに胸やけします。
弥「記憶にないわ」
み「あんた、ギャグが素通りするタイプだからね」
弥「どういう意味です?」
由「とにかく!
叔母さん、何が“なんですとー”なんです?」
律「ぐー」
↑器用な寝落ち。
由「寝た」
み「やっぱり捨ててこい」
由「叔母さん、起きて!
寝たら死ぬぞー」
↑冬季国体のようです。ほぼ八甲田山。
み「冬山か!」
由「お酒の臭い嗅がせたら、起きますよ」
み「中国の妖怪みたいじゃな」
↑こんなのではなかった。
由「そんな妖怪、いるんですか?」
み「なんとなく、いそうじゃん。
孫悟空とか」
↑もっと違う。
み「ほれ、気付けじゃ。
嗅げ」
↑この瞬間だけ、冬が好きです。
由「ほら、起きた」
律「なんか妖怪?」
↑境港市の観光ポスターのようです。境港市の面積は、なんと、たったの29.02km2(東京の板橋区より小さい)。
由「狸寝入りだったんだわ」
み「それは、こっちのセリフじゃ。
何の用で来たんじゃ」
律「文句を言いに来たと、言ってるでしょ」
↑こんな格好をさせられたら、こういう顔にもなるでしょう。
み「確かに、あんたの出番はまったくなかったな」
由「でも、『東北に行こう!』で出ずっぱりじゃないですか」
↑懐かしや、融通無碍の列車。
由「FC2はコメント連載だったけど、ライブドアじゃ、本編だもの」
み「コメントに画像が表示できないんだから、本編化するしかなかったの。
おかげで、『由美美弥』本編にも、別にコメントを入れなきゃならん」
由「嫌なんですか?」
み「そうは言うておらん。
手間ではあるが」
↑わたしは、思わない方だと思うのですが……。
由「前もって、考えておけばいいのに」
み「そんなヒマ、ない」
由「『由美美弥』本編の解説すればいいんじゃないですか?」
み「解説が必要な文章など、書いておらん」
↑これぞ、ふんぞりカエル。
由「それって、威張ってるんですか?」
み「ま、書いたのは何ヶ月も前だから、覚えておらんということもある」
由「呆れた」
み「叔母さん、『東北』レギュラーで、わたしたちより、ずっと出番があるじゃないの」
律「『単独旅行記Ⅲ』が始まるまではね」
由「あ、そうか。
『東北』の中断って、いつだっけ?」
律「2016年6月6日の、第1349回が最後よ」
み「よく覚えてるな。
執念深いやつ」
律「なにおっ!」
み「『単独旅行記Ⅲ』が終わったら、ちゃんと再開しますって」
律「いつ終わるのよ?」
み「そんなこつ、わかりませんがな。
やっと、『国立科学博物館』のレポートが始まったところじゃ」
↑「み」。フタバスズキリュウの骨格標本。
律「ペースが、遅すぎませんか?」
み「仕方なかろう。
今回は、たくさん写真を撮ったからね。
すべて紹介したいじゃないの」
律「来年も行くの?
旅行」
み「もちろん、そのつもりです。
年に1回の贅沢じゃ。
バチは当たらんじゃろ」
↑作者:坂上泰夫。昭和35年ころの作品のようです。
律「いつごろ?」
み「おんなじころになるでしょ。
3月決算の申告にメドが立つのは、5月下旬なんだから」
み「それまでは、とても行けないし……。
梅雨に入ると嫌だから、6月の初旬までには行きたい」
律「また、旅行記を書くのよね」
み「当然でしょ。
楽しい旅行を、読者に紹介したいではないか」
↑み。一昨年行った『江戸東京博物館』。疲れたけど楽しかった。
律「旅行が終わったら、すぐ旅行記を書くわけね」
み「当たり前じゃ。
何が言いたい」
律「今の『単独旅行記Ⅲ』、長すぎるでしょ!
下手すれば、次の旅行までかかりかねない」
み「うーむ。
被るのだけは、避けたいものじゃな」
↑ほんとうか! だとしたら、キオークマン効果ですね。
律「冗談じゃないわ!
それじゃ、『東北』が再開できないじゃないの!」
み「げ。
言われてみれば……。
そうじゃな」
律「納得、すな!」
み「自然消滅か?」
律「そんなこと、させるもんですか。
始めたものは、ちゃんと続けなさいよ」
み「きびしいのぅ」
弥「2本立てにすればいいじゃないですか」
由「『東北』と『旅行記』の」
み「殺す気か!」
み「ただでさえ一杯一杯なのに、連載をもう1本なんて、とうてい無理です」
由「お酒止めて、その時間にやればいいじゃない。
健康的だし、一石二鳥だわ」
↑2つの味は、“味噌焼き”と“タレ焼き”。でも、石はどこに出てくるのでしょう?
み「人生、唯一の楽しみを、止めてたまるか」
由「寂しい人生ね」
み「大きなお世話」
み「そのおかげで、お前らが生まれたんじゃないか」
由「仕事やめれば、もっと書けるんでしょ」
み「それよ!
律子先生、わたしを養ってくれんか?」
律「ぐー」
由「寝た」
み「都合が悪くなると、寝たふりしおる」
↑会計前になると寝たふりをするノリスケ氏。
み「嘆かわしいやつ」
由「さっき、Mikikoさんもしてましたけど」
み「いつ?」
由「あ、NHKの人が来た」
み「ぐー」
由「ほら」
み「わたしが作った登場人物なんだから、作者に似て当然じゃ」
由「開き直ったわね。
わたしは似てないと思いますけど」
み「それは、人の半面しか見てないからじゃ。
人にはみな、シャドウという、裏の一面があるのじゃよ」
律「ユングね」
↑若いころ、傾倒しました。
み「人の酒を飲むな!」
律「美味しいお酒ね。
どこの?」
み「地元、新潟市のお酒じゃ。
今代司酒造。
醸造用アルコールを加えない、純米酒しか作らない酒蔵なのじゃ」
↑3種類飲みましたが、金賞を取った↑の銘柄が、一番美味しかったです(お買い物は、こちら)。
律「ふーん。
大したものね」
み「じゃろ」
↑錦鯉をモチーフにした『KIO』。世界中でデザイン賞を受賞してます(参照)。
律「ビール、ない?」
み「なんじゃ、それは。
第3のビールしかないぞ」
律「なんで、ビールは偽物しか無いわけ?」
み「わたしの舌は、ビールの味に寛容なのです」
↑寛容でない舌。
律「早い話、味がわからないってことね」
み「安上がりで良いではないか」
律「それでもいいから、持ってきて。
一眠りしたら、喉乾いちゃった」
み「そんなら、水を飲め」
↑昔、わが家にもありました。
律「液体は、アルコールしか飲まない主義なの」
み「医者の言葉とは思えん。
由美、冷蔵庫から持ってきて」
由「わたしたちも飲んでいいですか」
み「ダメじゃ。
未成年だろ」
↑ほ、ほんまか? わたしは、高校の時から晩酌してたぞ(新潟県では普通だと思います)。
み「ただし、金払ったら飲ましてやる」
律「若いときから、偽物の味を覚えない方がいいわよ」
み「偽物が嫌なら、飲まなければいいではないか」
律「アルコールだけは本物じゃない」
み「そんなら、消毒用のエタノールがあるから、そっちを飲むか?」
↑わたしは、スプレータイプを、メガネのクリーニングに使ってます。
律「第3のビールでいいです」
み「金、払えよ」
律「どうしてこう、ケチなのかしら?」
み「ふっ。
貧しさが、人をケチにさせるのじゃ」
み「あー、金がほしい」
律「情けない。
由美、持ってきて」
由「はーい」
律「美弥子さんって、ほんとに物静かよね」
弥「口を挟もうとすると、もう話題が次に移ってて」
み「由美がまた、おしゃべりだから」
由「何か言った?」
律「言ってません」
由「はい。
500ml缶がごろごろ入ってるのよ。
殺伐とした冷蔵庫」
み「大きなお世話じゃ。
飲んでる途中で、酒が無くなってしまうほど悲しい出来事はないからな」
↑空の酒瓶を、デッドソルジャーと云います。
み「酒だけは、潤沢に常備しており申す」
律「第3のビールなんて飲むの、初めて。
なに、これ?
『極ゼロ』」
み「『糖質ゼロ』『プリン体ゼロ』『人工甘味料ゼロ』だって。
なんか、血糖値と尿酸値を恐れてる親父が飲むビールみたい」
み「文句言うなら、飲ませんぞ」
律「話のタネに飲ませていただくわよ。
コップは?」
み「缶ビールなぞ、そのまま飲むもんじゃろ」
↑うちの会社の会議室でやる打ち上げでは、女子社員も全員、直飲みです。
律「アル中なんじゃないの?
缶の舌触りが悪いじゃないのよ。
コップ出してよ」
↑これは、ロボコップ。
み「贅沢な酔っ払いじゃ。
そこの戸棚に入っておる」
律「由美、出して」
由「2人とも、もう少し自主的に動いたらどうです?
正月太りじゃないんですか?」
↑わたしは、お餅が好きでないので、元旦に、1つ食べるだけです。
み「太るほど休みがないわい。
たったの5日じゃ」
↑今年の中国の春節は、1月28日。27日から2月2日まで、7連休になるそうです。
律「5日もあれば、万々歳じゃないの」
由「はい、コップ」
律「くんくん」
↑嗅ごうとしたわけじゃないでしょうが。
律「やっぱり臭い。
変な匂いがするわ」
み「何年前に使ったかわからん」
律「貧乏臭いのかしら」
み「やかましい。
だから、直接飲めと言ったろ」
律「由美、洗ってきて」
↑芋を海水で洗って食べる猿。洗うというより、塩味を付けてるんでしょうね。
由「もう!
立ったり座ったり」
弥「わたし、行ってきます」
律「悪いわね」
弥「いえ」
み「嫁は、かくあらねばならんぞ」
↑ウソかホントかわかりません。『其の十』が、最初に来るべきでないの? 残りの9つは、バカ私立の校則レベルですね。
由「誰の嫁ですか」
弥「洗ってきました」
律「まー、ちゃんと水滴まで拭いて、気が利くわね」
由「姑の嫌味みたい」
弥「お酌します」
↑めんどくせー。缶ビールなら、誰が注いでも同じ位置ですけどね。
律「いいわよ。
そこまでしてもらったら、罰が当たるわ。
どうせ、第3のビールなんだから」
↑これは、“第3の新人”。安岡の『秘密』は、スゴい幻想小説です。
み「嫌なら飲むな」
律「あら、一丁前に泡が出るのね」
↑ほんとに出るんですね。わたしは直飲みしかしないので、泡はまったく気になりません。
み「当たり前じゃ。
ノンアルビールでさえ、出るではないか」
律「あー、ノド乾いてるから美味しいわ」
↑このシーンも、もう見られなくなるんですね。
み「ほれみい」
律「案外、これでもいいかも」
み「だろ。
自腹で本物のビールを飲むのは、特別な日だけで十分」
律「どんな日よ?」
み「胃カメラのあととか……」
↑こんなに苦しくはありません。
み「会社の健診のあと。
朝食抜きだから、まさに五臓六腑に染み渡るぞい」
↑こういう染み渡り方は、したくないものです。
律「ほんとに、親父なんだから。
胃カメラとか健診のあと、飲んでから仕事するの?」
み「するわけねーだろ。
午後からは休むんだよ」
律「ナマケモノね」
↑わが家ではありません。動物園のナマケモノです。ナマケモノの英名は“Sloth”。まさしく、怠惰、ものぐさ、無精を意味します。日本名は、この直訳なんですかね。親近感の湧く動物です。
み「1年に1度の贅沢です。
楽しいこととセットにすれば、イヤな検査もイヤじゃなくなるの。
むしろ、毎年、楽しみなくらいよ。
休みが取れるんだから」
律「ま、考えようね」
み「生検で組織を取られたときも飲んだ」
↑案外、凶悪な道具ですね。
律「大馬鹿者。
飲んじゃダメって言われたでしょうに」
み「聞かなかったことにした」
律「呆れ返った女。
さてと。
何しに来たんだっけ?」
み「忘れるな!
アルツハイマーじゃないのか?」
律「あ、そうだった。
『東北』、いつごろ再開するのよ?」
み「そんなの、まだわかりませんがな。
『単独旅行記Ⅲ』が、いつ終わるかなんて」
↑フランスの児童文学(知りませんでした!)。アニメにもなってるようです。ポルフィは少年の方です。
由「そもそも、その前に……。
この、『新春特別座談会』が長引いてるんじゃないんですか?」
み「そうじゃ!
3人も来るから、長引いてしまったではないか」
↑4人集まれば……。残念ながら、わたしは出来ません。
由「わたしたちのせいなんですか!」
み「実は、オチが思いつかないので長引いておったのじゃ」
↑学ばねば!
み「誰か、落としちくり」
由「かかと落とし、しましょうか」
み「やめれ。
平和裏に落とし所を探るのじゃ」
律「外交政策みたい」
↑プーチン邸にて。和顔の犬は、プーチンさんに秋田県が贈った秋田犬。
律「もう落としようがないから、帰りましょ。
タクシー呼んで」
↑『タクシードライバーの推理日誌』。39作品が制作されてます。渡瀬さんは、現在、胆のうがんで闘病中。ご回復をお祈りします。
み「タクシーなんか呼んだことないから、番号がわからん」
律「こんなとこ、外に出たって、タクシーなんか通らないじゃないの」
由「駅なら、客待ちのタクシーがいるわい」
律「駅まで歩くの?
新潟駅?」
↑古くて暗くて狭い。国鉄時代の駅そのままです。
み「あほきゃ。
ここから新潟駅まで歩いたら、2時間くらいかかるわい。
最寄りの駅までなら、7,8分です」
由「わたしたち、その駅から歩いて来ました。
ここまで歩いてる間、誰とも会わないんですよ」
↑さすがに、こんな道ではありませんが。
由「気味が悪いくらい」
み「新潟の人は、歩かないの。
特に冬は。
みんな車です」
↑猫も杓子も。
律「健康に良くないわね。
よし、わたしたちは歩きましょう」
由「じゃ、お邪魔しました」
み「ほんとに邪魔じゃった」
↑ネコは必ず邪魔しに来ます。それがまた嬉しいんですよね。ネコを飼ってる人は、心疾患で死亡する確率が、40%も低くなるそうです(参照)。癒されるからでしょうね。
由「何か言いました?」
み「うんにゃ。
玄関まで送ってやる」
↑わが家とは、多少違います。上框があるから、日本の家なんでしょうね。
律「忘れないでよ。
『東北』。
いい?」
み「はいはい」
律「ほら、行くわよ」
由「ブーツ、履くから待って」
↑上がり框では、やはり履きづらいです。
弥「それじゃ、Mikikoさん。
お邪魔しました」
み「はいはい」
律「じゃーね」
由「お邪魔しました」
み「ふー。
やっと、帰りおった。
愚か者どもめ。
今年は酉年なのじゃ」
↑焼き鳥屋のオヤジのようです(マジで)。
み「鳥は3歩あゆめば忘れる」
み「居間から玄関まで、3歩以上歩んだからな。
なーんも、覚えとらんぞ。
さーて。
飲み直しじゃ。
てなわけで、今年も『Mikiko's Room』をご贔屓に……
おん願い申し上げ奉りまする~」
(燗)
良い酒じゃ。
新潟銘酒『今代司(いまよつかさ)』」。
み「新潟市は沼垂の酒蔵」
み「しかして、その味を格別にしておるのは……。
何と言っても、窓外の明るさ。
昼酒はしょっちゅう飲むが……。
さすがに朝酒を飲むのは、正月だけ。
お天気は悪いが、雪も無く、正月早々雪かきなどという仕儀にも相成らん」
み「こうして朝の光の中で飲む熱燗は、まさに格別よのう。
ほっほっほ。
ま、一杯」
み「おー、すまんのう。
おっとっとっと。
ひとり2役の手酌もまた、楽しきかな」
ピンポ~ン。
み「何じゃ、正月早々。
年賀状なら、さっき来てたし。
さては、NHKの集金か」
↑契約社員。
み「うちは母親が払ってるはずじゃが。
しかし、口座振替が嫌いな非文明人ゆえ、払い忘れてることもありうる。
ノコノコ出ていったらバカを見るな」
ピンポーン。
み「執念深いやつ。
正月早々集金に来るとは、不届き千万」
ピンポンピンポン。
み「じゃかっし。
うちは払っとるぞ。
HQの家に行け」
↑HQ宅想像図。
ピンポンピンポンピンポン。
み「本気でわたしを怒らせるつもりじゃな。
太平の世を騒がす不埒者。
退治てくれよう、桃太郎!」
ピンポンピンポンピンポンピンポン!
み「おにょれー
ぜったいに許さん。
俵弾正鍛えたる自慢の手槍で、たちどころに穂先の錆にしてくれるわ」
み「誰じゃー」
由「何で、すぐに出ないんですか」
弥「鍵まで掛けて」
み「なんじゃ、おまえら。
NHKのバイトか」
由「何、わけのわからないこと言ってるんです」
弥「どうして、いるのに鍵をかけてるんです?」
由「わたし、わかった。
顔を見れば、一目瞭然じゃない」
↑顔に出る方ですが、ここまではなりません。
由「朝からお酒飲んでるからだわ。
赤い顔してお客さんに応対できないから、居留守使ってるのよ」
み「居留守とは人聞きの悪い。
楽しいひとときを邪魔されたくないだけじゃ。
ということで……。
とっとと、お引き取りください」
由「なんでです!
せっかく来たのに。
上がらせてもらいます」
み「と言いながら、框に座りこんでどうするんじゃ。
押し売りのポジションではないか」
由「ブーツを脱ぐんです!」
み「嗜みを知らんやつ。
そんな脱ぎづらい靴で年始に来るバカがおるか。
ゾーリで来い」
由「冬の新潟に、ゾーリで来れますか!」
み「美弥子を見習いなさい。
脱ぎやすいショートブーツではないか」
弥「そう言えば、雪がありませんね」
み「最近の正月は、ずっとこんなもんよ。
雪かきせんでいいから、助かるけど……」
み「正月らしくない気もするわな」
由「失礼します」
み「誰が上がっていいと言った」
由「これ以上、ややこしいこと言わないでください。
話が進まないでしょ」
てなわけで、居間に場面転換。
↑わが家ではありません。
由「おコタに入って、綿入れ半纏で朝酒ですか」
↑三陸鉄道『こたつ列車』の“なもみ(なまはげ)”。
み「至福のときよ」
↑『地獄谷温泉』にて。人間と一緒ですね。
由「おコタなんて久しぶり。
入れてもーらお」
↑コンゴ原産のバセンジー犬。日本の冬は寒いんでしょうね
み「魔帝」
み「否、待てい」
由「何ですか?」
み「年始に来たんじゃろ。
手ぶらなわけ、ないわな」
由「手ぶらですよ」
↑常に手ぶら。
み「何でじゃ!」
由「年始じゃありませんから」
み「それじゃ、正月早々、何しに来たんじゃ。
まさか、わたしの酒を飲みに来たわけじゃあるまいな。
ぜったいにやらんからな」
由「わたしたち、まだ未成年です」
み「へ?
そうだっけ?」
由「まだ1年生ですよ」
み「留年してるのか?」
↑この字では、たぶん留年です。
由「留年なんか、してません!
話がちっとも進まないからでしょ。
今日の用は、それとも関係してるんです」
み「何となく、非友好的な気配を感じるが」
由「当然でしょ。
文句言いに来たんですから」
み「わたしに何の文句がある?」
↑意味、わかりますよね?
由「大ありです」
み「オオアリクイ?」
↑舌には骨がありません。
由「面白くないです」
み「切り捨てるな」
↑面白い試し切り。
由「美弥ちゃん、言って」
弥「わたしが?」
由「さっきからぜんぜん喋ってないじゃないの」
弥「話を挟むスキが無いんだもの」
由「だから、どうぞ」
由「さ、喋って」
弥「そんな振られ方したら、話しづらいじゃないの」
由「もう!
そんならわたしが言うわ。
Mikikoさん」
み「なんじゃ、改まって。
わたしに、何の文句があると言うんじゃ」
由「小説『由美と美弥子』の昨年を振り返って、どう思います?」
み「どうって?
別に」
由「自覚が無いわけね」
↑厳しく反省。
み「はっきり喋れ」
由「そんなら、単刀直入に言わせて頂きます」
み「短小包茎?」
由「蹴り入れますよ」
み「短刀でも彫刻刀でもいいから、早く言いなさい」
由「わたしたち、この小説の主人公ですよね?」
み「当たり前ではないか。
2人の名前が、そのまんまタイトルになっておるんじゃから」
由「ですよね。
主人公ってのは、その小説の、メインの登場人物でしょ」
↑まだ見てません。
み「そんなの、あたり前田のクラッカー」
↑食べたことある気がする。
み「『釈迦に説法』じゃ」
由「『馬の耳に念仏』じゃないんですか」
み「ものすごく、非友好的口調に聞こえるのじゃが」
由「だから!
出番が少なすぎでしょ、主人公の」
み「そうでした?」
由「美弥ちゃん、メモ」
弥「はい」
由「2016年にわたしたちが登場した回はですね……。
1999回から2020回までの第160章『晦冥のゲイシール』が最初でした」
み「おー、思い出した。
2000回を、由美美弥の登場する章で迎えさせようという親心から……。
『子作りツアー』を中断して、急遽挿入した章じゃった」
↑遠い目。
由「なに、遠い目してるんです。
1999回って、いつだったと思います?」
み「2000回の前じゃから、5月じゃろ」
由「そうですよ。
5月16日です。
つまり!
それまで、わたしたちは、まったく登場しなかったってことでしょ」
み「そういうことも、あるんでないの。
でも、ちゃんと覚えてて、登場させたではないか」
由「小説家が主人公を忘れてどうするんです。
その章が6月13日に終わると、また『子作りツアー』が続いて……。
その次のわたしたちの回、いつだと思います?」
み「さっさと言わんかい。
メモに書いてあるんじゃろ」
由「第165章『花火の夜に』です。
2073回。
8月27日ですよ」
み「おー、おんな男のかをるくんの登場回ね」
由「そうです。
わたしたちの出番は、その話の単なる聞き役。
9月11日の2084回でその章が終わると、後はずーっと変態おんな男の独白。
今も続いてますよね」
み「さいでんな」
由「つまり、わたしたちの出た章は……。
1999回から2020回までと、2073回から2084回までしか無かったんです。
回数にして、たったの、34回です。
2016年に投稿された259回のうち、たったの34回。
わずか、13.1%」
み「そんな数字までメモして来たのか」
由「数字にしたら、いっそう怒りがこみあげました」
み「執念深いやつ。
早い話、登場回を増やせって言いたいわけ?」
由「それ以外にないでしょ。
おんな男の話、いつまで続くんです?」
み「最初、この話を思いついたときは……。
1年分くらいのエピソードが頭に浮かんだ」
↑納豆1年分(365個)が、抽選で当たったそうです。賞味期限は、6日先だったとか。
由「冗談じゃないわ!
今年、わたしたち、出番なしってこと?」
み「だから、思いついたときはってこと。
さすがに長過ぎると思ったのよ。
思いついたときのテンションも鎮まって来たからさ」
み「ま、そんなに長引かせないつもりだけど……。
『子作りツアー』も途中だしな」
↑ツアー主催者・史恵のイメージ、野村真美さん。
由「また、そっちに行くわけ?」
み「じゃ、その前に、おまえらの出番、何か挟むか」
由「何か挟むかって、主人公じゃないんですか!」
み「そないに怒りないな。
血圧が上がるぞ」
由「低血圧です」
み「少し分けてやろうか」
由「いりません」
ピンポー。
み「げ。
また誰か来た」
由「チャイム、壊れてるんじゃないですか?」
み「電池が無いだけじゃ」
由「替えればいいのに」
み「外で作業するのは寒いではないか」
み「春まで待て」
由「その前に鳴らなくなりますよ」
み「そんならそれでいいもーん。
出なくて済むわい。
あ、それはマズいな。
宅配便が届かなくなる」
↑こーゆーのは、局留めにしましょー。
み「あんた、ついでに取り替えてって」
由「なんでですか!」
ピ、ン、ポー。
由「なんか、ビンボーって聞こえる」
み「聞こえんわい!」
ピ、ピ、ピンポー。
由「えーい。
貧乏くさい!」
弥「出ないんですか?」
み「どうせ、NHKの集金人じゃ」
弥「払ってないんですか?」
み「母親が払ってると思うのじゃが……。
もし集金だったら、立て替えといて。
BSとセットで1年分」
↑どう考えても、高すぎ。
弥「返す気、無いでしょ」
み「出世払いじゃ」
弥「永遠にないわ」
み「にゃにお!」
弥「わたし、出ましょうか?」
み「おー、そうしちくり。
集金人だったら……」
弥「立て替えませんから。
じゃ、見てきます」
み「案外、ケチじゃの」
由「でしょー。
カルピス作らせると、ほとんど水なんです」
み「う。
情けなくなるタイプのケチじゃ」
由「なんか、玄関、騒々しいですよ。
トラブってるんじゃないですか?」
↑わが家ではありません。
み「見てきて」
由「なんで、わたしなんです。
普通、家の主が出るでしょ」
み「ヌシって、オオナマズみたいに言うな」
↑ヨーロッパオオナマズは、最大で4メートル、体重400㎏になるそうです。
み「トラブってるんなら、あんたの出番でしょ。
NHKだったら、真空飛び膝蹴りね」
↑キックの鬼、沢村忠。241戦232勝(228KO)5敗4分。
由「犯罪でしょ」
弥「由美ー。
ちょっと、手伝って」
み「やっぱりNHKだ。
早く行って。
わたしは、とりあえず寝たふりを」
み「ぐーぐー」
由「とことん、ヒキョーなんだから。
美弥ちゃん、どうしたのよ?」
み「やっと行ったな。
まったく、正月早々、なじぇにこう騒がしいのじゃ。
ゆっくり酒も飲めんではないか」
由「Mikikoさーん。
お客さんでしたよ。
ほら」
み「げ。
いきなり客を放り投げるな。
痛めつけたら、外に捨てればいいだろ。
なんで、座敷に上げるんじゃ」
由「痛めつけてなんかいませんよ」
み「破裂した餅みたいに潰れてるではないか」
由「酔っ払ってるんです。
臭いでわかるでしょ」
み「自分が臭いからわからん」
由「じゃ、顔を見てください」
み「客の髪を掴んで持ち上げるな!
生首みたいではないか」
↑対人間用ですかね。
首「あ、明けましておめれとー、ございます」
み「げ、生首がしゃべった」
↑しゃべる生首(映画『ハッピーボイス・キラー』より)。
由「良く、顔見てください」
み「げ!
こ、こやつ。
深浦律子ではないか」
由「どうしてフルネームなんです?」
み「久しぶりに思い出したからじゃ。
何で、こんなになってるんだ?」
由「知りませんよ。
いきなり、こうだったんだから」
み「正月の朝からこんなになってるとは……。
明らかに廃人じゃ。
捨ててこい」
↑ゴミに出された泥酔女。燃えるゴミでしょうか?
由「ヒドいこと言わないでください。
ほら、自分で這って入ろうとしてる」
み「ほとんど、楳図かずおの世界だな」
↑“へび少女”のフィギュア。食玩だそうです。
み「仕方ない。
執念に免じて部屋には入れてやる。
早く、障子閉めて。
寒いではないか」
由「セントラルヒーティングにすればいいのに」
み「そんな金がどこにあるか。
ガスファンヒーターで十分じゃ」
↑こういうやつ。ファンが電気で回るので、停電すると使えない愚かもの。
弥「でも、ここで寝こんだら危ないですよ」
み「建て付けが悪くて隙間だらけだから大丈夫」
由「効率悪いな。
ガムテープで、目張りとかすれば?」
み「ガス自殺か」
律「あ、あけ、あけまして」
み「それは、さっき聞いたわい。
九官鳥か」
由「でも、どうやってここまで来たんだろ」
み「まさか、駅から這ってきたとか?」
由「それじゃ、ほんとにお化けですよ」
弥「タクシーだと思う。
走ってくエンジン音が聞こえたから」
み「どっから乗ってきたんじゃ。
まさか、東京?」
↑ドラマ『タクシードライバーの推理日誌』より。
由「そんなわけないですよ。
ケチなんだから」
み「医者で稼いでるくせに」
由「儲けてる人ほどケチなんですよ」
み「確かに。
そのケチが、駅からタクシーで来るとは……。
いったい何用なんじゃ。
また潰れてるではないか。
起こしなさい」
由「ほんとにもう!
叔母さん、起きてよ。
もう、グダグダ。
人形浄瑠璃みたいに、操ろうか」
み「それは面白い。
二人羽織をやろう」
み「鼻から屠蘇を飲ませれば驚くぞ。
正月らしい余興じゃ」
律「そ、そんなことさせるか」
由「あ、生き返った。
どうしてそんなに飲んだんです?
まだ、朝ですよ」
律「朝から飲んで、こんなになるわけないでしょ。
ゆうべからよ」
み「大晦日から新潟にいたわけ?」
律「いませんよ。
自分の部屋で朝まで飲んで、タクシーで東京駅に行って、新幹線に乗ったの。
さすがに、元旦早朝の新幹線は空いてたわ。
で、車内販売のお酒を買い占めて、また飲んだ」
↑「み」。『鉄道博物館』で撮った写真です。『特急とき』の車内販売。
み「やはり廃人じゃ」
律「お正月くらいいいでしょ」
み「普段も飲んでるではないか」
↑手酌で飲水する猫。理由は不明。
律「飲んでますけどね。
ここまで羽目を外すのは、やっぱりお正月くらいよ」
由「それはいいけど、どうして新潟まで来たんです?」
律「そう言えば……。
あんたら、なんでここにいるの?
確か、千穂の民宿にバイトで入ってたんじゃなかった?」
↑イメージです。
由「いつの話ですか。
あれは、夏休みのバイトでしょ」
律「そうだっけ?」
由「確かに、話が進まないもんね。
今日は、それで文句を言いに来てたんです」
律「な、なんですとー」
由「古いギャグ」
弥「そんなギャグ、あった?」
み「このサイトで、かつていっとき流行ったギャグじゃ。
うな丼くんというキャラがいてね」
↑ぜったいに胸やけします。
弥「記憶にないわ」
み「あんた、ギャグが素通りするタイプだからね」
弥「どういう意味です?」
由「とにかく!
叔母さん、何が“なんですとー”なんです?」
律「ぐー」
↑器用な寝落ち。
由「寝た」
み「やっぱり捨ててこい」
由「叔母さん、起きて!
寝たら死ぬぞー」
↑冬季国体のようです。ほぼ八甲田山。
み「冬山か!」
由「お酒の臭い嗅がせたら、起きますよ」
み「中国の妖怪みたいじゃな」
↑こんなのではなかった。
由「そんな妖怪、いるんですか?」
み「なんとなく、いそうじゃん。
孫悟空とか」
↑もっと違う。
み「ほれ、気付けじゃ。
嗅げ」
↑この瞬間だけ、冬が好きです。
由「ほら、起きた」
律「なんか妖怪?」
↑境港市の観光ポスターのようです。境港市の面積は、なんと、たったの29.02km2(東京の板橋区より小さい)。
由「狸寝入りだったんだわ」
み「それは、こっちのセリフじゃ。
何の用で来たんじゃ」
律「文句を言いに来たと、言ってるでしょ」
↑こんな格好をさせられたら、こういう顔にもなるでしょう。
み「確かに、あんたの出番はまったくなかったな」
由「でも、『東北に行こう!』で出ずっぱりじゃないですか」
↑懐かしや、融通無碍の列車。
由「FC2はコメント連載だったけど、ライブドアじゃ、本編だもの」
み「コメントに画像が表示できないんだから、本編化するしかなかったの。
おかげで、『由美美弥』本編にも、別にコメントを入れなきゃならん」
由「嫌なんですか?」
み「そうは言うておらん。
手間ではあるが」
↑わたしは、思わない方だと思うのですが……。
由「前もって、考えておけばいいのに」
み「そんなヒマ、ない」
由「『由美美弥』本編の解説すればいいんじゃないですか?」
み「解説が必要な文章など、書いておらん」
↑これぞ、ふんぞりカエル。
由「それって、威張ってるんですか?」
み「ま、書いたのは何ヶ月も前だから、覚えておらんということもある」
由「呆れた」
み「叔母さん、『東北』レギュラーで、わたしたちより、ずっと出番があるじゃないの」
律「『単独旅行記Ⅲ』が始まるまではね」
由「あ、そうか。
『東北』の中断って、いつだっけ?」
律「2016年6月6日の、第1349回が最後よ」
み「よく覚えてるな。
執念深いやつ」
律「なにおっ!」
み「『単独旅行記Ⅲ』が終わったら、ちゃんと再開しますって」
律「いつ終わるのよ?」
み「そんなこつ、わかりませんがな。
やっと、『国立科学博物館』のレポートが始まったところじゃ」
↑「み」。フタバスズキリュウの骨格標本。
律「ペースが、遅すぎませんか?」
み「仕方なかろう。
今回は、たくさん写真を撮ったからね。
すべて紹介したいじゃないの」
律「来年も行くの?
旅行」
み「もちろん、そのつもりです。
年に1回の贅沢じゃ。
バチは当たらんじゃろ」
↑作者:坂上泰夫。昭和35年ころの作品のようです。
律「いつごろ?」
み「おんなじころになるでしょ。
3月決算の申告にメドが立つのは、5月下旬なんだから」
み「それまでは、とても行けないし……。
梅雨に入ると嫌だから、6月の初旬までには行きたい」
律「また、旅行記を書くのよね」
み「当然でしょ。
楽しい旅行を、読者に紹介したいではないか」
↑み。一昨年行った『江戸東京博物館』。疲れたけど楽しかった。
律「旅行が終わったら、すぐ旅行記を書くわけね」
み「当たり前じゃ。
何が言いたい」
律「今の『単独旅行記Ⅲ』、長すぎるでしょ!
下手すれば、次の旅行までかかりかねない」
み「うーむ。
被るのだけは、避けたいものじゃな」
↑ほんとうか! だとしたら、キオークマン効果ですね。
律「冗談じゃないわ!
それじゃ、『東北』が再開できないじゃないの!」
み「げ。
言われてみれば……。
そうじゃな」
律「納得、すな!」
み「自然消滅か?」
律「そんなこと、させるもんですか。
始めたものは、ちゃんと続けなさいよ」
み「きびしいのぅ」
弥「2本立てにすればいいじゃないですか」
フジハンドカー ボンベスタンド (容器立)7000L(47L)容器2本立 高圧ガス容器(ボンベ)の転倒防止に |
由「『東北』と『旅行記』の」
み「殺す気か!」
み「ただでさえ一杯一杯なのに、連載をもう1本なんて、とうてい無理です」
由「お酒止めて、その時間にやればいいじゃない。
健康的だし、一石二鳥だわ」
↑2つの味は、“味噌焼き”と“タレ焼き”。でも、石はどこに出てくるのでしょう?
み「人生、唯一の楽しみを、止めてたまるか」
由「寂しい人生ね」
み「大きなお世話」
み「そのおかげで、お前らが生まれたんじゃないか」
由「仕事やめれば、もっと書けるんでしょ」
み「それよ!
律子先生、わたしを養ってくれんか?」
律「ぐー」
由「寝た」
み「都合が悪くなると、寝たふりしおる」
↑会計前になると寝たふりをするノリスケ氏。
み「嘆かわしいやつ」
由「さっき、Mikikoさんもしてましたけど」
み「いつ?」
由「あ、NHKの人が来た」
み「ぐー」
由「ほら」
み「わたしが作った登場人物なんだから、作者に似て当然じゃ」
由「開き直ったわね。
わたしは似てないと思いますけど」
み「それは、人の半面しか見てないからじゃ。
人にはみな、シャドウという、裏の一面があるのじゃよ」
律「ユングね」
↑若いころ、傾倒しました。
み「人の酒を飲むな!」
律「美味しいお酒ね。
どこの?」
み「地元、新潟市のお酒じゃ。
今代司酒造。
醸造用アルコールを加えない、純米酒しか作らない酒蔵なのじゃ」
↑3種類飲みましたが、金賞を取った↑の銘柄が、一番美味しかったです(お買い物は、こちら)。
律「ふーん。
大したものね」
み「じゃろ」
↑錦鯉をモチーフにした『KIO』。世界中でデザイン賞を受賞してます(参照)。
律「ビール、ない?」
み「なんじゃ、それは。
第3のビールしかないぞ」
律「なんで、ビールは偽物しか無いわけ?」
み「わたしの舌は、ビールの味に寛容なのです」
↑寛容でない舌。
律「早い話、味がわからないってことね」
み「安上がりで良いではないか」
律「それでもいいから、持ってきて。
一眠りしたら、喉乾いちゃった」
み「そんなら、水を飲め」
↑昔、わが家にもありました。
律「液体は、アルコールしか飲まない主義なの」
み「医者の言葉とは思えん。
由美、冷蔵庫から持ってきて」
由「わたしたちも飲んでいいですか」
み「ダメじゃ。
未成年だろ」
↑ほ、ほんまか? わたしは、高校の時から晩酌してたぞ(新潟県では普通だと思います)。
み「ただし、金払ったら飲ましてやる」
律「若いときから、偽物の味を覚えない方がいいわよ」
み「偽物が嫌なら、飲まなければいいではないか」
律「アルコールだけは本物じゃない」
み「そんなら、消毒用のエタノールがあるから、そっちを飲むか?」
↑わたしは、スプレータイプを、メガネのクリーニングに使ってます。
律「第3のビールでいいです」
み「金、払えよ」
律「どうしてこう、ケチなのかしら?」
み「ふっ。
貧しさが、人をケチにさせるのじゃ」
み「あー、金がほしい」
律「情けない。
由美、持ってきて」
由「はーい」
律「美弥子さんって、ほんとに物静かよね」
弥「口を挟もうとすると、もう話題が次に移ってて」
み「由美がまた、おしゃべりだから」
由「何か言った?」
律「言ってません」
由「はい。
500ml缶がごろごろ入ってるのよ。
殺伐とした冷蔵庫」
み「大きなお世話じゃ。
飲んでる途中で、酒が無くなってしまうほど悲しい出来事はないからな」
↑空の酒瓶を、デッドソルジャーと云います。
み「酒だけは、潤沢に常備しており申す」
律「第3のビールなんて飲むの、初めて。
なに、これ?
『極ゼロ』」
み「『糖質ゼロ』『プリン体ゼロ』『人工甘味料ゼロ』だって。
なんか、血糖値と尿酸値を恐れてる親父が飲むビールみたい」
み「文句言うなら、飲ませんぞ」
律「話のタネに飲ませていただくわよ。
コップは?」
み「缶ビールなぞ、そのまま飲むもんじゃろ」
↑うちの会社の会議室でやる打ち上げでは、女子社員も全員、直飲みです。
律「アル中なんじゃないの?
缶の舌触りが悪いじゃないのよ。
コップ出してよ」
↑これは、ロボコップ。
み「贅沢な酔っ払いじゃ。
そこの戸棚に入っておる」
律「由美、出して」
由「2人とも、もう少し自主的に動いたらどうです?
正月太りじゃないんですか?」
↑わたしは、お餅が好きでないので、元旦に、1つ食べるだけです。
み「太るほど休みがないわい。
たったの5日じゃ」
↑今年の中国の春節は、1月28日。27日から2月2日まで、7連休になるそうです。
律「5日もあれば、万々歳じゃないの」
由「はい、コップ」
律「くんくん」
↑嗅ごうとしたわけじゃないでしょうが。
律「やっぱり臭い。
変な匂いがするわ」
み「何年前に使ったかわからん」
律「貧乏臭いのかしら」
み「やかましい。
だから、直接飲めと言ったろ」
律「由美、洗ってきて」
↑芋を海水で洗って食べる猿。洗うというより、塩味を付けてるんでしょうね。
由「もう!
立ったり座ったり」
弥「わたし、行ってきます」
律「悪いわね」
弥「いえ」
み「嫁は、かくあらねばならんぞ」
↑ウソかホントかわかりません。『其の十』が、最初に来るべきでないの? 残りの9つは、バカ私立の校則レベルですね。
由「誰の嫁ですか」
弥「洗ってきました」
律「まー、ちゃんと水滴まで拭いて、気が利くわね」
由「姑の嫌味みたい」
弥「お酌します」
↑めんどくせー。缶ビールなら、誰が注いでも同じ位置ですけどね。
律「いいわよ。
そこまでしてもらったら、罰が当たるわ。
どうせ、第3のビールなんだから」
↑これは、“第3の新人”。安岡の『秘密』は、スゴい幻想小説です。
み「嫌なら飲むな」
律「あら、一丁前に泡が出るのね」
↑ほんとに出るんですね。わたしは直飲みしかしないので、泡はまったく気になりません。
み「当たり前じゃ。
ノンアルビールでさえ、出るではないか」
律「あー、ノド乾いてるから美味しいわ」
↑このシーンも、もう見られなくなるんですね。
み「ほれみい」
律「案外、これでもいいかも」
み「だろ。
自腹で本物のビールを飲むのは、特別な日だけで十分」
律「どんな日よ?」
み「胃カメラのあととか……」
↑こんなに苦しくはありません。
み「会社の健診のあと。
朝食抜きだから、まさに五臓六腑に染み渡るぞい」
↑こういう染み渡り方は、したくないものです。
律「ほんとに、親父なんだから。
胃カメラとか健診のあと、飲んでから仕事するの?」
み「するわけねーだろ。
午後からは休むんだよ」
律「ナマケモノね」
↑わが家ではありません。動物園のナマケモノです。ナマケモノの英名は“Sloth”。まさしく、怠惰、ものぐさ、無精を意味します。日本名は、この直訳なんですかね。親近感の湧く動物です。
み「1年に1度の贅沢です。
楽しいこととセットにすれば、イヤな検査もイヤじゃなくなるの。
むしろ、毎年、楽しみなくらいよ。
休みが取れるんだから」
律「ま、考えようね」
み「生検で組織を取られたときも飲んだ」
↑案外、凶悪な道具ですね。
律「大馬鹿者。
飲んじゃダメって言われたでしょうに」
み「聞かなかったことにした」
律「呆れ返った女。
さてと。
何しに来たんだっけ?」
み「忘れるな!
アルツハイマーじゃないのか?」
律「あ、そうだった。
『東北』、いつごろ再開するのよ?」
み「そんなの、まだわかりませんがな。
『単独旅行記Ⅲ』が、いつ終わるかなんて」
↑フランスの児童文学(知りませんでした!)。アニメにもなってるようです。ポルフィは少年の方です。
由「そもそも、その前に……。
この、『新春特別座談会』が長引いてるんじゃないんですか?」
み「そうじゃ!
3人も来るから、長引いてしまったではないか」
↑4人集まれば……。残念ながら、わたしは出来ません。
由「わたしたちのせいなんですか!」
み「実は、オチが思いつかないので長引いておったのじゃ」
↑学ばねば!
み「誰か、落としちくり」
由「かかと落とし、しましょうか」
み「やめれ。
平和裏に落とし所を探るのじゃ」
律「外交政策みたい」
↑プーチン邸にて。和顔の犬は、プーチンさんに秋田県が贈った秋田犬。
律「もう落としようがないから、帰りましょ。
タクシー呼んで」
↑『タクシードライバーの推理日誌』。39作品が制作されてます。渡瀬さんは、現在、胆のうがんで闘病中。ご回復をお祈りします。
み「タクシーなんか呼んだことないから、番号がわからん」
律「こんなとこ、外に出たって、タクシーなんか通らないじゃないの」
由「駅なら、客待ちのタクシーがいるわい」
律「駅まで歩くの?
新潟駅?」
↑古くて暗くて狭い。国鉄時代の駅そのままです。
み「あほきゃ。
ここから新潟駅まで歩いたら、2時間くらいかかるわい。
最寄りの駅までなら、7,8分です」
由「わたしたち、その駅から歩いて来ました。
ここまで歩いてる間、誰とも会わないんですよ」
↑さすがに、こんな道ではありませんが。
由「気味が悪いくらい」
み「新潟の人は、歩かないの。
特に冬は。
みんな車です」
↑猫も杓子も。
律「健康に良くないわね。
よし、わたしたちは歩きましょう」
由「じゃ、お邪魔しました」
み「ほんとに邪魔じゃった」
↑ネコは必ず邪魔しに来ます。それがまた嬉しいんですよね。ネコを飼ってる人は、心疾患で死亡する確率が、40%も低くなるそうです(参照)。癒されるからでしょうね。
由「何か言いました?」
み「うんにゃ。
玄関まで送ってやる」
↑わが家とは、多少違います。上框があるから、日本の家なんでしょうね。
律「忘れないでよ。
『東北』。
いい?」
み「はいはい」
律「ほら、行くわよ」
由「ブーツ、履くから待って」
↑上がり框では、やはり履きづらいです。
弥「それじゃ、Mikikoさん。
お邪魔しました」
み「はいはい」
律「じゃーね」
由「お邪魔しました」
み「ふー。
やっと、帰りおった。
愚か者どもめ。
今年は酉年なのじゃ」
↑焼き鳥屋のオヤジのようです(マジで)。
み「鳥は3歩あゆめば忘れる」
み「居間から玄関まで、3歩以上歩んだからな。
なーんも、覚えとらんぞ。
さーて。
飲み直しじゃ。
てなわけで、今年も『Mikiko's Room』をご贔屓に……
おん願い申し上げ奉りまする~」