2017.1.30(月)
「それでは、ぼっちゃま方、どうぞ」
水沢は、空になった盆を捧げながら身を引いた。
「奥さま。
わたくしにも、おこぼれをいただきたいのですが」
「もちろんよ」
「恐れ入ります」
水沢は、サラダの盆を大盃のように持ちあげた。
「いただきます」
顔面を振りあげると、そのまま盆に落とした。
「す、素晴らしい芳香です。
嗅いだだけで妊娠しそうです」
「それは器用だこと」
水沢は、盆の底で顔面をこね回した。
獲物の肉を食いちぎる肉食獣のようだった。
あっけにとられているわたしを尻目に、姉は真っ白い陶器の皿を取った。
銀のトングを、薫の母の胸のあわいに伸ばす。
ロメインレタスの破片を皿に載せる。
トングをテーブルに戻し、皿に鼻を近づける。
鼻翼がはためいている。
自らの精液を嗅いでいるのだ。
「味見して」
母の声に応え、姉はレタスを指で摘むと、躊躇なく口中に放りこんだ。
サラダを咀嚼する爽やかな音が聞こえた。
「どう?」
「美味しいですけど、少し味が薄いです」
「そう。
それじゃ、ドレッシングを追加して」
「わかりました。
薫、いくわよ」
姉は皿をテーブルに置くと、目線でわたしを促した。
姉が立ったのは、薫の母の顔の横だった。
促されたわたしも、その反対側に立つ。
「あんがが」
背後から奇声が聞こえた。
思わず振り向くと、水沢だった。
立ったまま、ガニ股に膝を割っている。
片手が、股間を掻き回していた。
もう一方の手は、自分の顔を撫で回している。
両手が交代した。
顔の手が股間に、股間の手が顔に。
顔面の精液を拭い取った手を、股間に塗りつけているのだ。
本気で妊娠するつもりかもしれない。
水沢は、空になった盆を捧げながら身を引いた。
「奥さま。
わたくしにも、おこぼれをいただきたいのですが」
「もちろんよ」
「恐れ入ります」
水沢は、サラダの盆を大盃のように持ちあげた。
「いただきます」
顔面を振りあげると、そのまま盆に落とした。
「す、素晴らしい芳香です。
嗅いだだけで妊娠しそうです」
「それは器用だこと」
水沢は、盆の底で顔面をこね回した。
獲物の肉を食いちぎる肉食獣のようだった。
あっけにとられているわたしを尻目に、姉は真っ白い陶器の皿を取った。
銀のトングを、薫の母の胸のあわいに伸ばす。
ロメインレタスの破片を皿に載せる。
トングをテーブルに戻し、皿に鼻を近づける。
鼻翼がはためいている。
自らの精液を嗅いでいるのだ。
「味見して」
母の声に応え、姉はレタスを指で摘むと、躊躇なく口中に放りこんだ。
サラダを咀嚼する爽やかな音が聞こえた。
「どう?」
「美味しいですけど、少し味が薄いです」
「そう。
それじゃ、ドレッシングを追加して」
「わかりました。
薫、いくわよ」
姉は皿をテーブルに置くと、目線でわたしを促した。
姉が立ったのは、薫の母の顔の横だった。
促されたわたしも、その反対側に立つ。
「あんがが」
背後から奇声が聞こえた。
思わず振り向くと、水沢だった。
立ったまま、ガニ股に膝を割っている。
片手が、股間を掻き回していた。
もう一方の手は、自分の顔を撫で回している。
両手が交代した。
顔の手が股間に、股間の手が顔に。
顔面の精液を拭い取った手を、股間に塗りつけているのだ。
本気で妊娠するつもりかもしれない。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2017/01/30 07:38
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春節
中国の長期休暇は、1月27日から2月2日まで。
日本にも、たくさん観光客が来てるようです。
今の時期は、私立大学入試も最盛期となります。
受験生は、宿が取れたんでしょうか。
中国からのツアーだと、旅行会社が大量に押さえてしまうでしょうから。
でももし、宿が取れたとしても……。
中国からの旅行者のいるフロアだと、ちょっと心配なことがあります。
うちの会社から東京に出張するとき、以前は西新宿の高層ホテルを利用していたのですが……。
一晩中、中国客が騒いで眠れないことが多くなり、ホテルを別の地域に変えました。
わたしの受験では、親戚の家に泊まらせてもらったので宿の苦労はなかったです。
民泊のような形は、取れないんですかね。
自分の子供の受験を経験した親なら、細かい気遣いも出来ると思うのです。
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2. 想像妊娠ハーレクイン- 2017/01/30 09:03
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大盃
こないだ、稀勢の里が抱えてました。
いつも思うんですが、あれって実際に飲んでるんですかね。
それとも、ただのフリ?
臭いだけで妊娠
そんな奴おれへんやろ~
春節
一陽来復、なんて言葉を思い出しちゃったよ。これ、実際は冬至の頃を指すそうです。
しかし中国人観光客、嵯峨野にも溢れてるんだろうなあ。この寒いのに。
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3. Mikiko- 2017/01/30 19:46
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大盃で思い出すのは……
落語『試し酒』です。
でも、改めて調べてみたら……。
『試し酒』で使われたのは、大盃ではなく、可杯(べくはい)でした。
可杯は、飲み干さないと下に置けない盃。
『試し酒』では、一升入る可杯が使われました。
一升飲まなければ、置けないわけです。
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4. 飲むべくあるらしHQ- 2017/01/30 21:23
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可杯
ああ、あれね。
底が尖がってたりして、立てては置けない。
必ず倒れてしまう。
だから、酒が入ってたら零れてしまう、というやつね。
確か、時代物の漫画で知りました(お前の知識はマンガだけ)。
『試し酒』
新作落語なんですね、知りませんでした。
大酒飲みの話のようです。
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5. Mikiko- 2017/01/31 07:23
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酒豪と云えば……
【飲むべくあるらしHQ/58.85.57.172】可杯
ああ、あれね。
底が尖がってたりして、立てては置けない。
必ず倒れてしまう。
だから、酒が入ってたら零れてしまう、というやつね。
確か、時代物の漫画で知りました(お前の知識はマンガだけ)。
『試し酒』
新作落語なんですね、知りませんでした。
大酒飲みの話のようです。
【Mikiko】酒豪と云えば……
相撲取りです。
中でも、初代若乃花の酒豪伝説がスゴいです。
若秩父という力士と2人で、博多の屋台を3軒ハシゴして、酒も肴もすべて空にしたそうです。
たくさん食べたから、お酒で身体を壊さなかったんですかね?
十両時代には、酒代が払えなくて、横綱に借金して問題になったとか。
親方になってからも、ウイスキーを1本空けてから、飲みに出かけたそうです。
飲み屋では、もっぱら日本酒。
なんで、部屋でウィスキーを飲んでから出るのかと聞いたら……。
「日本酒はウマすぎる」。
最初から日本酒にしたら、際限なく飲んでしまうということらしいです。
これだけ飲んで、82歳まで生きたんですから、よっぽど内臓が丈夫だったのでしょう。
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6. 不浄負けハーレクイン- 2017/01/31 09:52
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若秩父
これは懐かしい。
わたしが初めて名前を覚えた力士です。
“わか乳ぶ”という印象だったんですね
大量塩撒きの元祖ですが相撲も強く、一時大関候補だったんですが、糖尿病に泣かされ果たせませんでした。最高位は西の関脇。
なぎらけんいちの冗談ソング『悲惨な戦い』の歌詞中に「地獄の料理人若秩父」として登場します。
初代若乃花は、若秩父の師匠ですね。
しかし、そんなに飲んで糖尿は大丈夫だったんですかね、「土俵の鬼」。
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7. Mikiko- 2017/01/31 19:52
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若乃花の弟子なんですか
もっと古い力士かと思ってました。
19歳で小結に昇進してますね。
関脇止まりだったのは、糖尿病のせいでしょう。
原因は、米の食べ過ぎだと思います。
中学のころは毎日一升、入門してからも毎日どんぶり10杯食べてたそうです。
29歳で引退。
若秩父というのは、素晴らしい四股名です。
幕内で未改名者は、速やかに四股名をつけるべし。
幕内力士は四股名を名乗ることを義務化させるべき。
元小結・時天空が亡くなりました。
37歳。
悪性リンパ腫。
不摂生して得た病じゃないので、気の毒でなりません。
ご冥福をお祈りします。
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8. ハッキヨイ!HQ- 2017/01/31 20:54
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えらく……
四股名にこだわりますな。
本名でもいいと思いますがのう。
そういえば、前コメに書いた「地獄の料理人」。『花よ志』の源蔵にふさわしいかもしれません。
時天空
モンゴル出身ですよね。
いかにもモンゴルらしい四股名です。
今日の未明に亡くなったとか。「もう一度土俵に上がりたい」という思いを抱きながら病で引退、引退後も病と闘う日々だったとか。
葬儀はこちらでやるんでしょうか。
時天空慶晃
185㎝141㎏。
生涯戦績:548勝545敗56休。
十両優勝2回。
三段目・序二段・序ノ口優勝各1回。
三賞:技能賞1回。
最高位:東小結。