2017.1.18(水)
姉が母の後ろを回り、テーブルの長辺の端に立った。
白いテーブルクロスに並べられたカトラリーは、3組。
短辺の位置には、母。
長辺の端には、姉。
いや、兄か。
しかし、病院で出会った瞬間から、姉としての彼女が刷りこまれていた。
いまさら、兄とは思えない。
その姉が、目線でわたしを促した。
残る席は、ひとつ。
姉と正対する位置だ。
長テーブルの端に、3組のカトラリー。
残る部分は、白いテーブルクロスが虚しく伸びているだけだった。
わたしは、姉の向かい側に身を移した。
否応なしに、姉の勃起した陰茎が目に入る。
しかし……。
兄弟なのに、このサイズの違いはどうしたことだろう。
姉の陰茎は、ヘソを隠すほどに長大だった。
見下ろす薫のとは、大人と子供ほどの違いがある。
ここで、改めてテーブルの高さに気がついた。
思いの外、低いのだ。
そのため、標準的な薫の体型でも、股間の位置がテーブルの上にあった。
パンパン。
再び柏手が鳴った。
母だった。
わたしは思わず、祭壇を仰いだ。
祭壇の扉が閉まるのかと思ったのだ。
しかし、奇怪な像を収めた金色の祭壇には、何の変化も起きてはいなかった。
代わりに、祭壇とは反対側、長テーブルの先にある扉が開いた。
入ってきたのは、銀色のワゴン。
もちろん、ワゴンがひとりでに入ってきたわけではない。
それを押しているのは、水沢だった。
家政婦が、食堂に料理の載ったワゴンを押して来る。
それだけであれば、別に珍しくもない光景だろう。
しかし、料理を待ち受ける家族は、3人とも全裸なのだ。
さらに!
ワゴンを押してきた家政婦その人も、一糸も纏ってはいなかった。
水沢はワゴンのバーに手を掛け、静々と歩んで来る。
萎びかけた身体を恥じる様子もない。
それはおそらく、これがこの家の日常だからに違いない。
しかし、初めてこの場を経験するわたしは、動転を隠すのに精一杯だった。
白いテーブルクロスに並べられたカトラリーは、3組。
短辺の位置には、母。
長辺の端には、姉。
いや、兄か。
しかし、病院で出会った瞬間から、姉としての彼女が刷りこまれていた。
いまさら、兄とは思えない。
その姉が、目線でわたしを促した。
残る席は、ひとつ。
姉と正対する位置だ。
長テーブルの端に、3組のカトラリー。
残る部分は、白いテーブルクロスが虚しく伸びているだけだった。
わたしは、姉の向かい側に身を移した。
否応なしに、姉の勃起した陰茎が目に入る。
しかし……。
兄弟なのに、このサイズの違いはどうしたことだろう。
姉の陰茎は、ヘソを隠すほどに長大だった。
見下ろす薫のとは、大人と子供ほどの違いがある。
ここで、改めてテーブルの高さに気がついた。
思いの外、低いのだ。
そのため、標準的な薫の体型でも、股間の位置がテーブルの上にあった。
パンパン。
再び柏手が鳴った。
母だった。
わたしは思わず、祭壇を仰いだ。
祭壇の扉が閉まるのかと思ったのだ。
しかし、奇怪な像を収めた金色の祭壇には、何の変化も起きてはいなかった。
代わりに、祭壇とは反対側、長テーブルの先にある扉が開いた。
入ってきたのは、銀色のワゴン。
もちろん、ワゴンがひとりでに入ってきたわけではない。
それを押しているのは、水沢だった。
家政婦が、食堂に料理の載ったワゴンを押して来る。
それだけであれば、別に珍しくもない光景だろう。
しかし、料理を待ち受ける家族は、3人とも全裸なのだ。
さらに!
ワゴンを押してきた家政婦その人も、一糸も纏ってはいなかった。
水沢はワゴンのバーに手を掛け、静々と歩んで来る。
萎びかけた身体を恥じる様子もない。
それはおそらく、これがこの家の日常だからに違いない。
しかし、初めてこの場を経験するわたしは、動転を隠すのに精一杯だった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2017/01/18 07:36
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1月18日
ネタ切れどきのおなじみ、「今日は何の日?」。
明暦3(1657)年1月18日は、明暦の大火のあった日です。
いわゆる、『振袖火事』ですね。
ですがこれは陰暦の日付けです。
新暦に直すと、3月2日。
死者は、10万人とも云われてます。
明暦の大火後の江戸の人口が、30万人くらいだったそうですので……。
4人に1人が亡くなったことになります。
また、本日1月8日は『都バス記念日(東京都交通局制定)』。
1924(大正13)年のこの日、東京市営の乗合バスが、東京駅への2系統で営業を開始しました。
都バス、また乗りに行きたいです。
料金が安くて、車窓が面白い。
東京は、日本一のバス天国だと思います。
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2. 箸と茶碗ハーレクイン- 2017/01/18 12:11
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カトラリー
なんじゃラホイ、で広辞苑を引きました。
曰く……
【cutlery】
洋食に用いる金属製ナイフ・フォーク・スプーン類の総称。
なるほど。
長らく使ってません。
わが家にあるのはスプーンのみ。
長テーブル
ゴルゴにそんな場面がありました。
短辺の位置には依頼者。ロシア(まだソ連だったかな)諜報機関の着飾った女性工作員。
長辺、じゃなくて依頼者と正対するもう一つの短辺にゴルゴ。
自分の料理には見向きもせず、女性工作員に歩み寄り、その料理を食するゴルゴ。
ゴ「マナーを習うヒマが無くてな」
女「依頼する我々があなたに毒を盛るわけないでしょう」
ゴ「依頼者が敵でないという保証はどこにもない……」
振袖火事
江戸期最大の火災だとか。
死者は一説によると10万人を数えたとか(あ、書いてはるか)。
江戸市街の6割が焼失し、江戸城天守まで焼け落ちたとか。
なぜに「振り袖」?
書くのが面倒なので省略します(おい)。
バスが好きっ
まあ、好みは人それぞれですが、わたしは何と言っても鉄道です。
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3. Mikiko- 2017/01/18 19:53
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ナイフやフォークを使うロボットは……
比較的容易に作れそうですが、お箸は難しいでしょうね。
冬の江戸の火事は、ほんとに怖かったそうです。
裕福な商家では、妻子を疎開させたほどだとか。
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4. お箸を持つ方HQ- 2017/01/18 22:26
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↑「右」ということですね
今はどうか知りませんが
かつてガイジンさんは、箸を「野蛮だ」と言ったそうです。
ナイフ・フォークが文明人の食器(カトラリーだっけ)だと。
何を言うか、ですね。
使い勝手はそれぞれですから何も言いません。
「棒っきれで食べるなんて、野蛮な」と言いたいのでしょうが、箸をじっくり見たことがあるのか、です。
まあ、割りばしなどはさておき、高級な箸はもはやれっきとした工芸品。それを惜しみなく食器として用いる贅沢。箸は文化です。
わたしの箸は……まあ、おいといて。
江戸の火事
ビンボ人は身一つで逃げればいい。
金持ちは、大事なものは耐火性の蔵に入れてありますから、こちらも命大事。やはり身一つで逃げるのがセオリーですね。
それでも、避難の途中で親子が生き別れたり、逃げ損ねて亡くなったり、はあったでしょう。で、時代物の小説のネタになるわけです。
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5. Mikiko- 2017/01/19 07:30
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箸
実はわたし、正しく持てません。
2本をピッタリ揃えて持ってます。
不自由は、まったく感じませんが。
一般庶民は、家は貸長屋、家財は損料貸しのレンタル品。
まさしく、身体だけ逃げればいいわけです。
大きな商家では、建て替え用の材木を、郊外の材木屋に預けてあったそうです。
大火のあった後では、材木の調達がままなりませんから。
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6. 箸使い講師HQ- 2017/01/19 08:35
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箸の持ち方・使い方
①まず1本目を、親指と人差し指の間に深く差し込み、薬指の第一関節(指先に近い方)のあたりで支えます。
②2本目を、親指・人差し指・中指の先で、鉛筆を持つような感じで掴みます。
③1本目は動かさず、2本目を動かして食べ物などを操作します。
まあ、正しく使える方は少ないと思われます。
しかし「2本をピッタリ揃えて……」というのはあまりの暴挙。お子ちゃまやがな。
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7. Mikiko- 2017/01/19 19:53
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正しく持てなくても……
いっこうに、不便は感じません。
もともと器用ですので。
床に落ちたご飯粒も、椅子に座ったまま、箸の先で拾えます。
2本きれいに揃ってて、見た目も悪くないです。
ごうかーく!
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8. 二本差しハーレクイン- 2017/01/19 22:47
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清く正しく美しく
>見た目も悪くない
>ごうかーく!
ではなーい!!
そのうち、腱鞘炎を患うかもしれませんぞ。ごちうい。
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9. Mikiko- 2017/01/20 07:29
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わたしにとっては……
一番、楽な持ち方なのです。
腱鞘炎になるとしたら、パソコンのキーボードの方でしょうね。
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10. 技ありハーレクイン- 2017/01/20 11:00
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↑取られちゃいました
腱鞘炎
実は……年末に室内で転びかけました。
右手を付いたんですが、手首を挫きましていまだに痛い。
一時は箸を持つのもつらいほどでしたが、少しましになりました。
思い切って転んで受け身を取った方がよかったかなあ。
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11. Mikiko- 2017/01/20 19:42
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それは災難でした
でも、パソが打てなくなったら、書けない言い訳ができたのにね。
わたしは昔、忘年会帰りに転び、手の平を擦りむいたことがあります。
手袋してたのですが、血が滲んでました。
手袋してなかったら、大怪我だったでしょうね。
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12. 体落としハーレクイン- 2017/01/20 20:56
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↑わたしの得意技
下手っぴだったけど
柔道を習い始めの頃
投げられても絶対に手を付くな、と教わりました。理由はもちろん、指や手首をやっちゃうからです。
でももう、とっさの受け身は出来なくなったのかもしれません。
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13. Mikiko- 2017/01/21 07:59
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下手っぴなのは……
得意技とは云わないのでは?
手を付くなというのは、畳の上だけの話でしょう。
路上で手を付かなかったら、はなはだ危険です。
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14. 青い畳の甲子園HQ- 2017/01/21 10:30
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↑高校柔道の全国大会のこと
得意技の定義はともかく……
「畳の上だけの話」ではありません。路上でも、畳の上でと同じく、受け身を取るのです。
かつての柔道(柔術)は戦闘技、戦場での格闘に用いられました。路上でできなければ話になりません。
畳の上だけ。そういうのを“畳柔道”いや『畳水練』といいます。
【畳水練】たたみ‐すいれん
畳の上でする水練(水泳の練習)の意で、方法を知っているだけで、実際の練習はしていないこと。理屈はわかっていても実地には何の役にも立たないこと。
広辞苑第六版
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15. Mikiko- 2017/01/21 12:32
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わたしが言うてるのは……
路上で投げられたときではなく、路上で転んだときのことです。
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16. いっぽおーんHQ- 2017/01/21 15:43
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転んだ時でも……
受け身を取れば、手首を挫かずに済みます。掌も擦りむかないし。
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17. Mikiko- 2017/01/21 18:26
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柔道経験者が路上で転んだとき……
ほんとうに受け身を取れるのか、はなはだ疑問です。
柔道未経験者は、しっかり手をつきましょう。
手首をくじいても、頭を打つよりは遥かにマシです。
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18. にほおーんHQ- 2017/01/21 23:49
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↑そんなのありません
柔道経験者
路上で受け身を取れるか問題。
転んだことないのでわかりません。
畳水練じゃのう
受け身の最大の目的は……
実は「頭を打たない」にあります。
初心者への受け身指導でまず強調するのは「顎をしっかり引け」。