2017.1.15(日)
薫の母は、脱いだサンダルを、祭壇の真下に、踵を壁に付けて置いた。
姉がそれに続き、サンダルを並べる。
姉の視線で、わたしもそれに習うしかなかった。
食堂の床は大理石風の石張りだったが、おそらく床暖房が入っているのだろう。
冷たさは感じなかった。
母は口角をあげたまま、両腕を前で交差させた。
交差した両手が、ローブの布を握った。
そして両腕は、一瞬で上に持ちあがった。
布と一緒に。
母は、瞬時に羽化する蝶のように、白いローブを脱ぎ去ったのだ。
そして……。
その下には、何も着てはいなかった。
さっきのビデオで見たとおりの裸が、そこにあった。
一糸もまとわぬどころか、一毛さえも無い。
股間部は、綺麗に剃毛されている。
そのため、直立していても、股間下に覗く陰唇まで確認できた。
呆然と立ち尽くすわたしの隣で、風が起きた。
姉が、母の動作に従ったのだ。
すなわち、ローブを頭上に抜きあげた。
わたしは、驚愕の表情を繕うことが出来なかった。
姉も、ローブの下には何も着てはいなかった。
しかし、わたしが驚いたのは、そのことではなかった。
全裸の姉の股間部からは、陰茎が屹立していたのだから。
姉の股間にも、陰毛は無かった。
そして、ペニバンなら当然あるはずのハーネスが、どこにも見えなかった。
陰茎から下腹部まで、何の継ぎ目もなく、シームレスにつながっている。
本物としか思えない。
ということは、姉ではなく、兄だったということか?
「薫、どうしたの?
早く、支度なさい」
姉は、陰茎を振り立てながら、わたしの方を向いた。
姉が兄であるという証拠が、もう一つあった。
乳房が無いのだ。
胸には、乳房も筋肉もなく、まっ平らだった。
姉がそれに続き、サンダルを並べる。
姉の視線で、わたしもそれに習うしかなかった。
食堂の床は大理石風の石張りだったが、おそらく床暖房が入っているのだろう。
冷たさは感じなかった。
母は口角をあげたまま、両腕を前で交差させた。
交差した両手が、ローブの布を握った。
そして両腕は、一瞬で上に持ちあがった。
布と一緒に。
母は、瞬時に羽化する蝶のように、白いローブを脱ぎ去ったのだ。
そして……。
その下には、何も着てはいなかった。
さっきのビデオで見たとおりの裸が、そこにあった。
一糸もまとわぬどころか、一毛さえも無い。
股間部は、綺麗に剃毛されている。
そのため、直立していても、股間下に覗く陰唇まで確認できた。
呆然と立ち尽くすわたしの隣で、風が起きた。
姉が、母の動作に従ったのだ。
すなわち、ローブを頭上に抜きあげた。
わたしは、驚愕の表情を繕うことが出来なかった。
姉も、ローブの下には何も着てはいなかった。
しかし、わたしが驚いたのは、そのことではなかった。
全裸の姉の股間部からは、陰茎が屹立していたのだから。
姉の股間にも、陰毛は無かった。
そして、ペニバンなら当然あるはずのハーネスが、どこにも見えなかった。
陰茎から下腹部まで、何の継ぎ目もなく、シームレスにつながっている。
本物としか思えない。
ということは、姉ではなく、兄だったということか?
「薫、どうしたの?
早く、支度なさい」
姉は、陰茎を振り立てながら、わたしの方を向いた。
姉が兄であるという証拠が、もう一つあった。
乳房が無いのだ。
胸には、乳房も筋肉もなく、まっ平らだった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2017/01/15 07:54
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『沈黙 ーサイレンスー』
マーティン・スコセッシ監督の映画です。
原作はもちろん、遠藤周作。
ゆうべ、録画してあったNHKの紹介ドキュメンを見ました。
映画の日本公開は、2017年1月21日。
それに先立って、アメリカでは、2016年12月23日から公開されてます。
概ね好評のようです。
イッセー尾形が、キリシタン弾圧側の井上筑後守を演じてます。
狡猾な悪役は、この人にうってつけでしょう。
さっそくLA映画批評家協会賞で、助演男優賞の次点になったとか。
その演技には、スコセッシ監督も賞賛を惜しまなかったそうです。
さて、わたしは見るかと云うと……。
さすがに二の足を踏んでしまいます。
信仰というものが、わたしの中で大きなウェイトを占めてないからでしょう。
↓映画の公式サイトです。
http://chinmoku.jp/
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2. 三毛くらいはあるHQ- 2017/01/15 11:02
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↑三毛猫という意味ではない
>一毛さえもない
一毛打尽というやつですか(それは一網)
遠藤周作
映画化は全く知りませんでした。
原作が有名だと、映画はたいがい駄作なんだよね。
まあこの寒さの中、映画館まで出かける気は皿皿ありません。
いずれテレビで放映される……かな。
で、周作センセ。近々『アイリス』にご登場いただく予定なんですが、残念ながら本編ではなくコメになります。
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3. Mikiko- 2017/01/15 12:45
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恥ずかしながら……
遠藤周作のシリアス系は、まったく読んでません。
狐狸庵系は、かなり読みました。
学んだことは、「同じネタを、繰り返し使ってもいい」ということです。
キリスト教信者。
生まれたときからキリスト教の家庭に育ったのならわかりますが……。
まったく無縁の家庭で育って、大人になってからキリスト教信者になるという人の心理が、さっぱりわかりません。
聖書を読んで、内容を信じられるもんなんですかね?
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4. キリシタン周作HQ- 2017/01/15 14:21
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シリアス狐狸庵
『海と毒薬』あたりはどうでしょう。
『余は如何にして基督信徒となりし乎』
↑内村鑑三の名著ですが、もちろんわたしは読んでません。