2016.12.17(土)
「薫、いらっしゃい」
わたしは、我ながらぎこちない足取りで、姉の傍らまで歩んだ。
姉は扉を開くと同時に、わたしの背中を押した。
わたしは、たたらを踏みながら、室内に歩みこんだ。
途端、わたしは凝固した。
後ろで扉の閉まる音がした。
わたしは、姉を見返った。
姉の目を覗きこむ。
わたしの瞳には、無数の疑問符が浮かんでいただろう。
姉が、含み笑いを漏らした。
「お帰り、薫」
広い室内の中央に置かれた椅子から、部屋の主が立ち上がった。
わたしは、もう一度、姉を振り返った。
椅子から起ちあがり、こちらに歩みを進めている人物は……。
明らかに男性だった。
「ほら、ママに挨拶して」
香水の香りが、わたしを包んだ。
姉が、わたしの両肩を捻り、その人物の方を向かせた。
椅子に座っていたときは、長身の印象があったが……。
間近にしてみると、わたしと同じくらいの背丈だった。
整髪料で撫でつけた短髪。
細い顔。
詰襟のような黒いスーツを身にまとっている。
「ママ。
この子、まだ記憶がはっきりしなくて」
「そう。
ゆっくり養生しなさい」
その男が、右手を差し出した。
姉がわたしの背中を突いた。
わたしは、機械仕掛けのように右手を上げ、男の手を握った。
おや?、と思った。
思いがけず華奢な手応えだった。
柔らかくしなやかだ。
わたしは、もう一度、その男の顔を見た。
いや。
男じゃなかった。
目の前にいるのは、女性なのだ。
そうわかってみると、確かに“男性を演じる女性”そのものだった。
謂わば、宝塚の男役だ。
「ママ、また後でね。
この子、疲れてるみたいだから」
「そう。
また後で」
わたしは、我ながらぎこちない足取りで、姉の傍らまで歩んだ。
姉は扉を開くと同時に、わたしの背中を押した。
わたしは、たたらを踏みながら、室内に歩みこんだ。
途端、わたしは凝固した。
後ろで扉の閉まる音がした。
わたしは、姉を見返った。
姉の目を覗きこむ。
わたしの瞳には、無数の疑問符が浮かんでいただろう。
姉が、含み笑いを漏らした。
「お帰り、薫」
広い室内の中央に置かれた椅子から、部屋の主が立ち上がった。
わたしは、もう一度、姉を振り返った。
椅子から起ちあがり、こちらに歩みを進めている人物は……。
明らかに男性だった。
「ほら、ママに挨拶して」
香水の香りが、わたしを包んだ。
姉が、わたしの両肩を捻り、その人物の方を向かせた。
椅子に座っていたときは、長身の印象があったが……。
間近にしてみると、わたしと同じくらいの背丈だった。
整髪料で撫でつけた短髪。
細い顔。
詰襟のような黒いスーツを身にまとっている。
「ママ。
この子、まだ記憶がはっきりしなくて」
「そう。
ゆっくり養生しなさい」
その男が、右手を差し出した。
姉がわたしの背中を突いた。
わたしは、機械仕掛けのように右手を上げ、男の手を握った。
おや?、と思った。
思いがけず華奢な手応えだった。
柔らかくしなやかだ。
わたしは、もう一度、その男の顔を見た。
いや。
男じゃなかった。
目の前にいるのは、女性なのだ。
そうわかってみると、確かに“男性を演じる女性”そのものだった。
謂わば、宝塚の男役だ。
「ママ、また後でね。
この子、疲れてるみたいだから」
「そう。
また後で」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/12/17 08:03
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本日は……
半日、出勤してきます。
今日は、少し暖かいようです。
朝、ゴミ捨てに出たとき、道路が凍ってませんでした。
で、車で出勤することにしました。
土曜日は来客が無いので、来客スペースに停められるんです。
でも、問題がひとつ。
車庫の前に、雪がてんこ盛りになってました。
きのう、除雪車が出たんですね。
除雪車と云っても、普通の建設機械です。
ホイールローダーというタイヤで走るショベル。
これが、ガーッと道路の雪を押していくんです。
当然、バケットのサイドからこぼれた雪が、各家の前に残されます。
この雪を除けるのは、それぞれの家の仕事なんです。
今朝は、ゴミ捨ての後、真っ暗い中で、雪かきをしました。
5分もしないうちに、身体がポカポカしてきました。
最高の暖房は運動なんだなと、改めて感じた次第です。
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2. 洗濯屋ハレちゃん- 2016/12/17 10:38
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>部屋の主が立ち上がった
はい、大はずれ。
書きませんでしたが、前回2152時点でのわたしの予想は「寝たきりのよぼよぼ老婆」でした。
まだまだ修行が足らんなあ。
で、母親は「男装の麗人」。
風貌はも一つ判然としませんが……。
SFというより変態物に突入か“薫物語”(だから、はじめっから変態だって)。
ご苦労様です
出勤もそうですが、雪かき。
雪国の宿痾(しゅくあ;パソの野郎、変換できねえんでやんの)とはいえ、♪ホントにホントにご苦労さん。
でも「最高の暖房は運動」と前向きに取れば、精神衛生上よろしかろう。
こちらは今日はよく晴れています。これなら洗濯物もよく乾くでしょう。
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3. Mikiko- 2016/12/17 18:31
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エロ小説に……
よぼよぼの老婆を出してどうするんです。
そんな予想をする方が、どうかしてます。
本日は、車で出勤。
帰りは、幹線のバイパスではなく、旧道を走ってきました。
スーパーに寄りたかったので。
会社を出たときは、雪がまったくなく……。
走るに連れて徐々に目立つようになり、わたしの住むあたりでは完全に雪国でした。
面白かったです。
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4. 婆とからむ爺HQ- 2016/12/17 22:08
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よぼよぼの老婆
ホラーがらみのエロ、に持って行くんですよ。
コンセプトは白雪姫。
雪国事情
まあ、歌っときますかね。
♪雪やこんこ あられやこんこ
降っては降ってはずんずん積もる……
(作詞・作曲不詳『ゆき』)











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)



































































































