2016.11.11(金)
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目が覚めたのは夜だった。
白いカーテンが、ときおり膨らむように明るくなるのは、自動車のライトだろうか。
部屋には、常夜灯がひとつ灯るだけだった。
まるで、紅茶の中にいるようだ。
わたしの身体には、羽根布団が掛けられていた。
布団の中の手を伸ばし、自分の脚に触る。
パジャマを穿いていた。
あの後、姉が穿かせてくれたのだろう。
その姿を目に浮かべた途端……。
その直前、この身に起きた異変の記憶が蘇った。
同時に、下腹部でむくむくと動くものを感じた。
男性器に違いなかった。
体積を増しているのだ。
思えば、自分に備わった男性器を見たのは、ほんの一瞬だった。
その後すぐ、姉の身体が逆さまに被さり、視界を奪われてしまった。
改めて見てみたかった。
じっくりと。
自分の身体のすべてを。
わたしは身を起こし、ベッドから降り起った。
少しふらつく感はあるが、四肢のどこにも違和感は無かった。
しかし、パジャマの下で、思わぬ傷を負っていないとも限らない。
確認しなければと思った。
が……。
それはもちろん、自分への言い訳だ。
本心はただ、薫の裸が見たかったのだ。
それを認めた瞬間、わたしの手指のスピードがあがった。
パジャマのボタンがもどかしかった。
真新しいパジャマで、ボタン穴が硬いのだ。
ようやく、前がはだけた。
シャツは着てなかった。
女だったころのわたしより、更に薄い胸だった。
乳房が無いのだから当たり前だが。
パジャマの上着を脱ぎ落とすと、すでに思考は遮断されていた。
人ごとのような手が動き、前屈してズボンを下ろす。
わだかまる布地を、足裏で踏みつけて外した。
ズボンの下は、白いブリーフだった。
薫は、こんなのを穿いていたのだ。
ブリーフの前部は、明らかに膨れている。
そこにあるものが、はち切れそうなほどになっていることは、体感でわかっていた。
わたしは、わざと下を見ないように、明滅するカーテンに視線を定めた。
両手が、ブリーフのウェストにかかった。
目が覚めたのは夜だった。
白いカーテンが、ときおり膨らむように明るくなるのは、自動車のライトだろうか。
部屋には、常夜灯がひとつ灯るだけだった。
まるで、紅茶の中にいるようだ。
わたしの身体には、羽根布団が掛けられていた。
布団の中の手を伸ばし、自分の脚に触る。
パジャマを穿いていた。
あの後、姉が穿かせてくれたのだろう。
その姿を目に浮かべた途端……。
その直前、この身に起きた異変の記憶が蘇った。
同時に、下腹部でむくむくと動くものを感じた。
男性器に違いなかった。
体積を増しているのだ。
思えば、自分に備わった男性器を見たのは、ほんの一瞬だった。
その後すぐ、姉の身体が逆さまに被さり、視界を奪われてしまった。
改めて見てみたかった。
じっくりと。
自分の身体のすべてを。
わたしは身を起こし、ベッドから降り起った。
少しふらつく感はあるが、四肢のどこにも違和感は無かった。
しかし、パジャマの下で、思わぬ傷を負っていないとも限らない。
確認しなければと思った。
が……。
それはもちろん、自分への言い訳だ。
本心はただ、薫の裸が見たかったのだ。
それを認めた瞬間、わたしの手指のスピードがあがった。
パジャマのボタンがもどかしかった。
真新しいパジャマで、ボタン穴が硬いのだ。
ようやく、前がはだけた。
シャツは着てなかった。
女だったころのわたしより、更に薄い胸だった。
乳房が無いのだから当たり前だが。
パジャマの上着を脱ぎ落とすと、すでに思考は遮断されていた。
人ごとのような手が動き、前屈してズボンを下ろす。
わだかまる布地を、足裏で踏みつけて外した。
ズボンの下は、白いブリーフだった。
薫は、こんなのを穿いていたのだ。
ブリーフの前部は、明らかに膨れている。
そこにあるものが、はち切れそうなほどになっていることは、体感でわかっていた。
わたしは、わざと下を見ないように、明滅するカーテンに視線を定めた。
両手が、ブリーフのウェストにかかった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/11/11 07:40
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冬が来た
このところ急激に寒くなり、11月初旬から靴下にカイロを貼る始末。
寒い風に吹かれるたびに、脳裏に浮かぶフレーズがありました。
「きっぱりと冬が来た」
教科書に載ってた詩だろうとは思いましたが……。
改めて調べてみました(ネタがなかったもので)。
高村光太郎の、その名も『冬が来た』という詩でした。
やはり、教科書で読んだようです。
↓全文を掲げます。
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きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒(ほうき)になった
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のような冬が来た
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なんともはやな詩で、正直、詩の域には達してない代物でした。
小学生レベルですよ。
ヘタウマの一種なんですかね。
いずれにしろ……。
これは、乾き切った関東の冬のイメージです。
雪国の冬は肉体労働を伴いますから……。
カラ元気だけで乗り切れるものではありません。
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2. あどけないHQ- 2016/11/11 12:00
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紅茶の中の「わたし」
しかし、記憶だけで立つとは元気だね。
>小学生レベル
一刀両断ですな。
光太郎も形無しですがまあ、本業は彫刻です。
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3. Mikiko- 2016/11/11 18:39
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小学生レベル
しかも、先生が気に入って、力を込めて朗読しそうな詩です。
恥ずかしー。
尻から蟯虫が出そうだわい。
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4. 蟯虫検査ハーレクイン- 2016/11/11 21:56
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♪尻から蟯虫~
↑♪鼻から牛乳~でどうぞ。