2016.9.26(月)
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笑い声で、目が覚めた。
天井が見える。
コンクリートだ。
家じゃない。
わたしは、身を起こそうとした。
でも……。
叶わなかった。
身動きが出来ないのだ。
四肢に力を入れる。
ガタガタと音がした。
「あ、目を覚ましましたよ」
「そんなに暴れると、跳び箱ごとひっくり返るよ」
ようやく、自分の身体がどうなっているか、理解できた。
跳び箱に仰向けにされ、縛り付けられているのだ。
両手と両脚は、跳び箱の縁から側面に沿って下ろされ、拘束されているようだ。
手脚を引っ張っても、ヒモのような感覚は無かった。
おそらく、ジャージみたいな、伸縮性のある柔らかい布地で縛られているのだろう。
わたしの身体に傷をつけないために。
もちろん、いじめがバレないようにするズル賢さだった。
動くのは首だけだ。
わたしは、首をもたげた。
仰向けの自分の身体が見える。
相変わらず、全裸だった。
仰向けにされることによって、貧弱さがいっそう際立って見えた。
乳房は完全に起伏を失っている。
体側にはアバラが浮いていた。
乳首さえ無ければ、男子児童と区別がつかないだろう。
凹んだ腹の彼方に、わずかに陰毛が戦いでいた。
性器は見えない。
用具室の扉が、乱暴に開かれる音がした。
「連れて来ました」
柔道女の声だった。
「まだ入れるんじゃないよ」
外に向かって言い捨てたリーダーが、わたしの傍らに回りこむ。
ほかの連中も、わたしを取り囲んだ。
「いい格好だね。
まな板の鯉ってのは、きっとこういうことを言うんだ」
リーダーは、ニヤリと笑った。
綺麗な顔だけに、いっそう品性の無さが覗けたようだった。
笑い声で、目が覚めた。
天井が見える。
コンクリートだ。
家じゃない。
わたしは、身を起こそうとした。
でも……。
叶わなかった。
身動きが出来ないのだ。
四肢に力を入れる。
ガタガタと音がした。
「あ、目を覚ましましたよ」
「そんなに暴れると、跳び箱ごとひっくり返るよ」
ようやく、自分の身体がどうなっているか、理解できた。
跳び箱に仰向けにされ、縛り付けられているのだ。
両手と両脚は、跳び箱の縁から側面に沿って下ろされ、拘束されているようだ。
手脚を引っ張っても、ヒモのような感覚は無かった。
おそらく、ジャージみたいな、伸縮性のある柔らかい布地で縛られているのだろう。
わたしの身体に傷をつけないために。
もちろん、いじめがバレないようにするズル賢さだった。
動くのは首だけだ。
わたしは、首をもたげた。
仰向けの自分の身体が見える。
相変わらず、全裸だった。
仰向けにされることによって、貧弱さがいっそう際立って見えた。
乳房は完全に起伏を失っている。
体側にはアバラが浮いていた。
乳首さえ無ければ、男子児童と区別がつかないだろう。
凹んだ腹の彼方に、わずかに陰毛が戦いでいた。
性器は見えない。
用具室の扉が、乱暴に開かれる音がした。
「連れて来ました」
柔道女の声だった。
「まだ入れるんじゃないよ」
外に向かって言い捨てたリーダーが、わたしの傍らに回りこむ。
ほかの連中も、わたしを取り囲んだ。
「いい格好だね。
まな板の鯉ってのは、きっとこういうことを言うんだ」
リーダーは、ニヤリと笑った。
綺麗な顔だけに、いっそう品性の無さが覗けたようだった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/09/26 07:24
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昨日のテレビ
ようやく、通常の日曜日の番組に戻りました。
1ヶ月半ぶりくらいでしょうか。
『うまい!』も『サキどり』も見られました。
『うまい!』のレポーターは、久しぶりにカブトムシゆかりちゃんでしたね。
松山の長なす。
40㎝のなすでした。
別のものを連想したのは、わたしだけでしょうか。
ちなみに、“うまい”の語源は、“熟(う)む”だそうです。
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2. ♪金持ちだ~HQ- 2016/09/26 08:29
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↑それはコガネムシ
カブトムシゆかりちゃん
初めて見ました。
結構美人でないの。
もっとちんちくりんの、お笑い系かと思ってました。
ごめんな、ゆかりちゃん。
>別のものを連想……
あなただけです。
“うまい”は熟む。
倦む、でなくてよかたねえ。
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3. Mikiko- 2016/09/26 19:43
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子作りツアーのモデルの1人にするくらいだから……
ゆかりちゃんは美人に決まってます。
カブトムシを、300匹飼ってたことがあるとか。
芸名は、自分でつけたそうです。
カブトムシと結婚して、姓が“カブトムシ”になったと云うことだとか(本名・富澤友加里)。
『堤中納言物語』に、「蟲愛づる姫君」という話があります。
毛虫をこよなく愛する魅力的な姫君のお話。
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4. 虫屋ハーレクイン- 2016/09/26 22:25
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『堤中納言物語』
以前に書いたかな、と思いますが。
わたしの高校の同僚野郎、これを“堤大納言物語”と、ぬかしよりました。勝手に出世させてどうする。
それにしても『蟲愛づる姫君』。
もっと話を大きくして、独立した長編にしても面白いんじゃないかなあ。