2016.9.10(土)
「いつかは、こんなことになると思ってました。
心と体のバランスが、うまく取れなくて。
だけど、こうして捕まってみて……。
なんだか、ホッとした気持ちもあるんです。
話を聞いてくれたら、その後で、警察に連絡してもらってもいいです」
少年は、哀願の表情で2人を見上げた。
しかもその少年は、全裸なのだ。
もう、股間は隠そうともしていない。
そして、白い腹部の下では、陰茎が勃起していた。
さっきより、明らかに硬度を増している。
大きさは、美弥子の持つロシア製のディルドゥとは比べるべくも無い。
体積にしたら、3分の1くらいだろう。
しかしそれが逆に、生々しいリアリティを醸し出していた。
美弥子の脳裏には、その亀頭の先端から噴き出す精液が、ありありと投影されていた。
「よし、わかった。
聞きましょう、話。
でも、つまらなかったら、即電話だから。
いい?」
「かまいません」
「ひょっとして、全裸で捕まりたいんじゃないの?
勃起させたままで」
「……」
「涼太。
どうする?
このお兄ちゃんの話、聞く?
イヤなら、お家、入ってていいよ」
「一緒に聞く」
「そう。
それじゃ、あそこの用具箱から、蚊取り線香持ってきて。
ライターもね」
縁側の脇には、庭仕事用の道具を収納する木製ボックスが据えられていた。
中には、草取りのときに使う蚊取り線香も入っているのだ。
「美弥ちゃん、あの椅子、持ってこよ」
木製ボックスと柴垣の間には、折りたたみの椅子とテーブルが仕舞われていた。
庭で、客にバーベキューなどをしてもらうときのために揃えたそうだが……。
実際には、ほとんど使われたことは無いようだ。
ガーデンチェアの座面を拡げ、少年の前に3脚据えた。
座面は、白い撥水性の布地だった。
そこには、全裸で座るのが最もふさわしい気がした。
心と体のバランスが、うまく取れなくて。
だけど、こうして捕まってみて……。
なんだか、ホッとした気持ちもあるんです。
話を聞いてくれたら、その後で、警察に連絡してもらってもいいです」
少年は、哀願の表情で2人を見上げた。
しかもその少年は、全裸なのだ。
もう、股間は隠そうともしていない。
そして、白い腹部の下では、陰茎が勃起していた。
さっきより、明らかに硬度を増している。
大きさは、美弥子の持つロシア製のディルドゥとは比べるべくも無い。
体積にしたら、3分の1くらいだろう。
しかしそれが逆に、生々しいリアリティを醸し出していた。
美弥子の脳裏には、その亀頭の先端から噴き出す精液が、ありありと投影されていた。
「よし、わかった。
聞きましょう、話。
でも、つまらなかったら、即電話だから。
いい?」
「かまいません」
「ひょっとして、全裸で捕まりたいんじゃないの?
勃起させたままで」
「……」
「涼太。
どうする?
このお兄ちゃんの話、聞く?
イヤなら、お家、入ってていいよ」
「一緒に聞く」
「そう。
それじゃ、あそこの用具箱から、蚊取り線香持ってきて。
ライターもね」
縁側の脇には、庭仕事用の道具を収納する木製ボックスが据えられていた。
中には、草取りのときに使う蚊取り線香も入っているのだ。
「美弥ちゃん、あの椅子、持ってこよ」
木製ボックスと柴垣の間には、折りたたみの椅子とテーブルが仕舞われていた。
庭で、客にバーベキューなどをしてもらうときのために揃えたそうだが……。
実際には、ほとんど使われたことは無いようだ。
ガーデンチェアの座面を拡げ、少年の前に3脚据えた。
座面は、白い撥水性の布地だった。
そこには、全裸で座るのが最もふさわしい気がした。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/09/10 08:23
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そう言えば、昨日の本編では……
「5分だけでも」のほかに、もう一つパクりギャグを使ってました。
同じく、由美のセリフ。
「ますますもって大変態」
これは筒井康隆の、「ますますもって帆立貝」のパクりですね。
『カメロイド文部省』に出てくるようです。
うーむ。
小説の方は、なぜか読んだ記憶が無いですね。
その筒井さんも、もう81歳。
星さんも小松さんも亡くなってしまいました。
SFが元気だったころが、日本も一番元気だったんじゃないでしょうか。
懐かしい時代です。
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2. ♪みっつ出たほいHQ- 2016/09/10 11:34
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↑のよさほいのほい
醜い娘とやる時にゃ
ハンカチ被せてせにゃならぬ~
3脚の椅子
「白い布地」はともかく、
「全裸で座るのがふさわしい」かどうかはともかく、
3脚には、涼太も座るのかね。
ということは、変態少年には椅子は無し。
ということは、変態少年は立ったまま。
いや、地べたに正座、かな。
かわいそうによう。
いやいや。望むところ、だったりして。
それにしても、
>縁側の脇には、庭仕事用の道具を収納する木製ボックスが……
なんか、ご都合主義っぽいんですけど……。
星、小松、筒井
やめてくれよ。
なんか、切なくなっちまうよ。
「SFの変質と解体、雲散と霧消」
誰が言ったんだったかなあ。
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3. Mikiko- 2016/09/10 12:36
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小説とは……
ご都合主義のカタマリです。
それが気に食わない方は、ノンフィクションを読めばよろしい。
平井和正も、昨年亡くなりました。
筒井と同年齢の眉村卓は、まだご存命です。
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4. ♪走れエイトマンHQ- 2016/09/10 16:43
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↑♪弾よりも速く~
ご都合主義のカタマリ
開き直りおったな。
それは全くその通りですが、それを感じさせないように、さりげなく伏線を張るのが工夫というものではないかね。
平井和正
ははあ、エイトマンも歳には勝てませなんだか
平井のサイボーグシリーズの端緒『アンドロイドお雪』は鮮烈でした。
これ、もちろん傍役なんだけど、猫が効果的に使われています。
眉村の『司政官』シリーズはどうなったんだろうなあ。わたしが読んだのは大長編『消滅の光輪』までですが、その後もいくつか短編を発表しているはずです。
まあ、完結、てなものがあろうはずの無い作品世界ですが。
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5. Mikiko- 2016/09/10 18:23
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さりげな~く
伏線を張る必要があるのは、推理小説です。
道具箱は、うちの庭にも置いてあるので、不自然とは思いませんでした。
ご都合主義に感じるのは、庭の無い人だけじゃ~ん?
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6. 庭のない人HQ- 2016/09/10 22:26
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ほっとけ
『名前のない人』は、オールズバーグの絵本。訳は村上春樹。
“伏線のない人”はMikiko。
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7. Mikiko- 2016/09/11 08:05
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先の展開を考えずに書いてるんですから……
伏線など、張れるわけありませんがな。
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8. 企画倒れハーレクイン- 2016/09/11 11:00
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しかし……
先の展開を考えずによく書けますな。
わたしは『リュック・アイリス』、今後の展開はもちろん考えてあるし(すこしウソ)、ラストシーンは既に執筆済みです(ホント)。