Mikiko's Room

　ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています（完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね）。
　「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
　文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた（挿絵：加藤かほる）、みたいな感じを目指しています。
　美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。

管理人：Mikiko

由美と美弥子 2076

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2016.8.31（水）

　庭を突っ切った建物の裏側に、勝手口があった。
　玄関を閉めてからは、そこから出入りするのが習わしだった。
　帰りの遅い客にも、そうしてもらっていた。
　鍵はかかっていない。

　3人は、勝手口に向かうため、柴垣を抜けて庭に入った。
　突然、由美が脚を止めた。
　どうしたのと聞こうとした美弥子だったが……。
　由美は振り向きざまに、口の前に人差し指を立てた。
　声を出すなということだろう。
　無言のままその意図を問う美弥子に、由美は、唇の指を宿の建物に向けた。
　庭に面した縁側の前には、洗濯物が干してあった。
　こちらから見えるのは、シーツの大きなシルエットだけだ。
　しかし、その向う側にも洗濯物がある。
　下着類だった。
　普段、外干しはしないのだが、客のいない今日は、シーツに隠して干してある。
　由美の指は、そのシーツの下方に向けられていた。
　背中に冷水を浴びた気がした。
　シーツの下に、2本の脚が見えていた。
　ビーチサンダルに素脚の脛だ。
　明らかに男の脚だった。
　おそらく、ハーパンか何かを履いているのだろう。
　男が何をしているかは、容易に想像出来た。
　シーツの向こうは、下着の花盛りなのだ。

　由美は足音を忍ばせながら、洗濯物に向かった。
　止めようとする美弥子の手は、簡単に振りほどかれた。
　おそらく由美は、男を捕まえようと云う魂胆なのだろう。
　2本の脚は、いかにも華奢で、おそらく力技なら、由美の相手ではなさそうだ。
　しかし……。
　こんなところまで進入する男が、丸腰であるとは限らない。
　ナイフでも持っていたら大変だ。
　美弥子は、由美を捕まえるため、再び踏み出そうとした。
　しかしそれは叶わなかった。
　涼太が、腰にしがみついてきたのだ。
　「男の子でしょ」と叱りたいところだったが、10歳では仕方がない。

　由美は、足音も立てずにシーツを回りこんだ。
　もう、猶予はならない。
　由美一人では、相手が反撃に出る恐れがある。
　大柄な美弥子が現われれば、おそらく逃げ出すはずだ。

由美と美弥子 2075 ＜目次＞由美と美弥子 2077

コメント一覧

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  1. Mikiko
- 2016/08/31 07:32
- 和歌山発砲殺人犯
  　未明からアパートの通路に立てこもってるそうです。
  　警察が説得を続けてるとか。
  　犯人は覚せい剤をやってたそうです。
  　説得が通じるんですかね。
  　人質も取ってないのに、どうして踏み込めないんでしょう。
  　マシンガンで蜂の巣にすればいいだけでないの？

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  2. 穏健派ハーレクイン
- 2016/08/31 14:49
- 武闘派由美ちゃん
  　久方ぶりの大立ち回りか。
  　というところで、お約束の、次回に続く。
  さらに、武闘派Mikiko。
  　マシンガン乱射の大暴れか！

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  3. Mikiko
- 2016/08/31 19:48
- 犯人の姿が見えてるんですから……
  　狙撃できたでしょうにね。
  　さきほど、ようやく確保したようです。
  　犯人が、自分の腹を撃ったとか。
  　男なら、頭を撃て！
  　警察も、兵糧攻めにでもするつもりだったんですかね。
  　とにかく、腹立たしい攻防でした。