黒谷さんが脚の間から抜けても、浅井さんは仁王立ちの姿勢を崩さなかった。
どうしていいかわからないようだ。
困った顔が、思いがけずチャーミングに見えた。
彼女が殻を脱ぎ落としたら、見違えるほど魅力的になるのではないか。
万里亜が、導くようにその手を取った。
「ほら、ここに寝て。
仰向けに。
そう。
どう?
みんなのおしっこが、臭うでしょ?」
浅井さんは、カクカクと頷いた。
「みんなに見守られてるのよ。
さ、みなさん。
浅井さんを囲んで」
床に仰臥する浅井さんの回りに、全員が立ち並んだ。
「どう?、浅井さん。
こんな景色、見たことある?」
浅井さんは、顔を横振った。
「でも……。
想像したことはあります」
「みんなに見下ろされながら、オナニーするところ?」
「はい。
蔑まれ、笑われながら」
「ほんと屈折ちゃんね。
可愛いわ。
じゃ、始めて。
まずは、さっき言ってたポーズね」
浅井さんは両脚をあげると、両腿を体側まで折りたたんだ。
膝は、わずかに“く”の字に折れた状態だ。
右膝の折れ目の内側に、右の肘を掛けた。
滞りなく、左肘も左膝の内側に掛かった。
よほど手慣れた所作のようだ。
しかし、出来上がったポーズは、これ以上なくあられもない姿だった。
全裸なのだ。
むろん、股間は全開だった。
肛門まで剥き晒していた。
脚を折りたたんだため、腹部には幾重もの脂肪の皺が寄っている。
どうしていいかわからないようだ。
困った顔が、思いがけずチャーミングに見えた。
彼女が殻を脱ぎ落としたら、見違えるほど魅力的になるのではないか。
万里亜が、導くようにその手を取った。
「ほら、ここに寝て。
仰向けに。
そう。
どう?
みんなのおしっこが、臭うでしょ?」
浅井さんは、カクカクと頷いた。
「みんなに見守られてるのよ。
さ、みなさん。
浅井さんを囲んで」
床に仰臥する浅井さんの回りに、全員が立ち並んだ。
「どう?、浅井さん。
こんな景色、見たことある?」
浅井さんは、顔を横振った。
「でも……。
想像したことはあります」
「みんなに見下ろされながら、オナニーするところ?」
「はい。
蔑まれ、笑われながら」
「ほんと屈折ちゃんね。
可愛いわ。
じゃ、始めて。
まずは、さっき言ってたポーズね」
浅井さんは両脚をあげると、両腿を体側まで折りたたんだ。
膝は、わずかに“く”の字に折れた状態だ。
右膝の折れ目の内側に、右の肘を掛けた。
滞りなく、左肘も左膝の内側に掛かった。
よほど手慣れた所作のようだ。
しかし、出来上がったポーズは、これ以上なくあられもない姿だった。
全裸なのだ。
むろん、股間は全開だった。
肛門まで剥き晒していた。
脚を折りたたんだため、腹部には幾重もの脂肪の皺が寄っている。
半泣きの顔になった浅井さんは、自らの指先を股間に伸ばした。
「ダメ!」
万里亜が、その手首を蹂躙する。
「自分でやってたら、いつもと同じでしょ。
毎日、してるんでしょ?
自分で。
正直になりなさい。
みんなの前で、自分をさらけ出すの。
ほら、言ってごらん。
わたしは毎晩、自分で自分を慰めてますって。
言ったら、いじってあげる」
「な、慰めてます。
毎晩」
「付き合ってる男性はいないの?
あなたくらいな美人なら、寄ってくるでしょうに」
「ダメなんです。
わたし、プライドが高すぎて。
男に弱みを見せられなくて。
拒絶のオーラが出まくってるみたいで……。
近づいてもくれません」
「なるほど。
それで、黒谷さんみたいな、男好きのしそうな女性に敵意を持つわけね」
「そうです。
自然に媚びられる女が、憎くて憎くて」
「いいわよ。
そうして自分をどんどんさらけ出すの。
男に弱みを見せられないあなたは……。
毎晩、自分で自分を慰めてるわけよね」
「晩だけじゃありません。
朝もです。
その日1日、物欲しそうな顔をしたりしないよう、朝、思いっきり満足してから出勤するんです」
「ベッドで?」
「部屋の床です。
フローリングの。
全裸になって仰向いて……。
大形の姿見の角度を倒して、映った自分の姿を見ながらします」
「まぁ、お下劣」
「思いっきり、はしたなくします。
両脚を開けっぴろげて、膝の内側に肘を引っかけます。
こうすると、脚を開いたまま、指先が使えるんです」
「まぁ。
それは、見ものね。
ちょっと、やってもらいましょ。
黒谷さん、悪いけど起きてちょうだい。
浅井さんと交代」
黒谷さんは不平そうな顔もせず、素直にその場を譲った。
万里亜の言いなりに振る舞うことが、すでに彼女の第一義になっているようだ。
「ダメ!」
万里亜が、その手首を蹂躙する。
「自分でやってたら、いつもと同じでしょ。
毎日、してるんでしょ?
自分で。
正直になりなさい。
みんなの前で、自分をさらけ出すの。
ほら、言ってごらん。
わたしは毎晩、自分で自分を慰めてますって。
言ったら、いじってあげる」
「な、慰めてます。
毎晩」
「付き合ってる男性はいないの?
あなたくらいな美人なら、寄ってくるでしょうに」
「ダメなんです。
わたし、プライドが高すぎて。
男に弱みを見せられなくて。
拒絶のオーラが出まくってるみたいで……。
近づいてもくれません」
「なるほど。
それで、黒谷さんみたいな、男好きのしそうな女性に敵意を持つわけね」
「そうです。
自然に媚びられる女が、憎くて憎くて」
「いいわよ。
そうして自分をどんどんさらけ出すの。
男に弱みを見せられないあなたは……。
毎晩、自分で自分を慰めてるわけよね」
「晩だけじゃありません。
朝もです。
その日1日、物欲しそうな顔をしたりしないよう、朝、思いっきり満足してから出勤するんです」
「ベッドで?」
「部屋の床です。
フローリングの。
全裸になって仰向いて……。
大形の姿見の角度を倒して、映った自分の姿を見ながらします」
「まぁ、お下劣」
「思いっきり、はしたなくします。
両脚を開けっぴろげて、膝の内側に肘を引っかけます。
こうすると、脚を開いたまま、指先が使えるんです」
「まぁ。
それは、見ものね。
ちょっと、やってもらいましょ。
黒谷さん、悪いけど起きてちょうだい。
浅井さんと交代」
黒谷さんは不平そうな顔もせず、素直にその場を譲った。
万里亜の言いなりに振る舞うことが、すでに彼女の第一義になっているようだ。