史恵さんは、女将の太腿を跨いでしゃがみこむと、両手を相臀に置いた。
割り開く。
「大丈夫。
中には出てないわ。
きっちり外出しされてる。
でも、精液って不思議よね。
出したときはネバネバで白いのに……。
しばらくすると透明になって、水みたいにサラサラに変わる。
なんでだろ?
看護師なら習った?」
「さすがに、そんなことまでは正式には習わないわ。
でも、産婦人科時代の先輩に教えられた。
最初に粘り気があるのは、子宮口に貼りつくためなんだって。
でも、この状態では、精子も抜け出せないの。
それで、しばらくすると粘性が失われて、精子が出られるようになるってわけ」
「なるほどー。
なんだか、モリアオガエルの卵を連想しちゃった」
「やだ」
「このあたり、モリアオガエルの生息地なんだって」
「イヒー」
最後の奇声は、佳代ちゃんだった。
布団の向こうの畳に仰向き、オナニーの真っ最中だ。
腰がアーチを描いて持ちあがっている。
片手は、忙しなく股間を掻き回していた。
「人の一生って、何なのかしらね?」
「え?」
「なんだか最近、無性に虚しくなるときがあるの。
歳かしら」
「そんなことないですよ。
十分若くて、魅力的です」
「ふふ。
そんなこと言ってくれるの、あなただけよ。
可愛い子。
そうね。
若いうちは、存分に楽しまなきゃ。
こうやって」
史恵さんの唇が近づいてきた。
いつもなら、目をつぶって待つところだが……。
わたしは、身体をぶつけるように迎え、そのまま押し倒した。
今夜は、わたしが責める。
割り開く。
「大丈夫。
中には出てないわ。
きっちり外出しされてる。
でも、精液って不思議よね。
出したときはネバネバで白いのに……。
しばらくすると透明になって、水みたいにサラサラに変わる。
なんでだろ?
看護師なら習った?」
「さすがに、そんなことまでは正式には習わないわ。
でも、産婦人科時代の先輩に教えられた。
最初に粘り気があるのは、子宮口に貼りつくためなんだって。
でも、この状態では、精子も抜け出せないの。
それで、しばらくすると粘性が失われて、精子が出られるようになるってわけ」
「なるほどー。
なんだか、モリアオガエルの卵を連想しちゃった」
「やだ」
「このあたり、モリアオガエルの生息地なんだって」
「イヒー」
最後の奇声は、佳代ちゃんだった。
布団の向こうの畳に仰向き、オナニーの真っ最中だ。
腰がアーチを描いて持ちあがっている。
片手は、忙しなく股間を掻き回していた。
「人の一生って、何なのかしらね?」
「え?」
「なんだか最近、無性に虚しくなるときがあるの。
歳かしら」
「そんなことないですよ。
十分若くて、魅力的です」
「ふふ。
そんなこと言ってくれるの、あなただけよ。
可愛い子。
そうね。
若いうちは、存分に楽しまなきゃ。
こうやって」
史恵さんの唇が近づいてきた。
いつもなら、目をつぶって待つところだが……。
わたしは、身体をぶつけるように迎え、そのまま押し倒した。
今夜は、わたしが責める。
「佳代ちゃん、外れてない?」
「大丈夫です」
「ご苦労さまでした」
「オナニーしてもいいですか?」
「いいわよ。
もう、誰も見てないから。
あ、女将は?
まぁ。
潰れちゃってる」
畳の上で、バックスタイルで番っていた女将夫婦だったが、いつの間にか、事が終わっていたようだ。
女将は、その豊満な身体を畳にうつ伏せていた。
相臀が、丘のごとく盛りあがっている。
ノーブルだった顔は、見る影も無く崩れていた。
死体のようだった。
閉じかけた目蓋のあわいに、眼球が新月のように覗いていた。
その隣に、ご主人である支配人が仰向いている。
すでに陰茎は萎んでいた。
「あ」
わたしは、あることに気がついた。
布団を起ち、女将の傍らに身を移す。
やっぱりだ。
高々と盛りあがった相臀に、溶けた水飴のような液体が、筋になって伸びている。
精液だ。
射精から時間が経ち、透明に変わったのだろう。
「中に出すの、失敗しちゃったみたいですよ」
わたしが史恵さんに報告すると、史恵さんも寄ってきた。
「失敗じゃないのよ」
「え?」
「この2人、夫婦じゃないってこと。
だから、外出し」
「どういうこと?」
「この旅館、潰れちゃってね。
元の持ち主は、身ひとつで夜逃げしちゃったらしいの。
今は、一番の債権者だった人が管理しててね。
売り先を探してるんだけど……。
ちょっと不便な場所だし、なかなか買い手がつかないんだって。
で、今回のツアーで、居抜きで借りたってわけ」
「じゃ、あの妹さん夫婦も?」
「そうよ。
あの2人の本職は、お座敷ストリップ。
今日みたいに、白黒ショーも見せて回ってるわけ」
いったい、史恵さんの人脈は、どこまで広がっているのだろう。
空恐ろしい気すらした。
「大丈夫です」
「ご苦労さまでした」
「オナニーしてもいいですか?」
「いいわよ。
もう、誰も見てないから。
あ、女将は?
まぁ。
潰れちゃってる」
畳の上で、バックスタイルで番っていた女将夫婦だったが、いつの間にか、事が終わっていたようだ。
女将は、その豊満な身体を畳にうつ伏せていた。
相臀が、丘のごとく盛りあがっている。
ノーブルだった顔は、見る影も無く崩れていた。
死体のようだった。
閉じかけた目蓋のあわいに、眼球が新月のように覗いていた。
その隣に、ご主人である支配人が仰向いている。
すでに陰茎は萎んでいた。
「あ」
わたしは、あることに気がついた。
布団を起ち、女将の傍らに身を移す。
やっぱりだ。
高々と盛りあがった相臀に、溶けた水飴のような液体が、筋になって伸びている。
精液だ。
射精から時間が経ち、透明に変わったのだろう。
「中に出すの、失敗しちゃったみたいですよ」
わたしが史恵さんに報告すると、史恵さんも寄ってきた。
「失敗じゃないのよ」
「え?」
「この2人、夫婦じゃないってこと。
だから、外出し」
「どういうこと?」
「この旅館、潰れちゃってね。
元の持ち主は、身ひとつで夜逃げしちゃったらしいの。
今は、一番の債権者だった人が管理しててね。
売り先を探してるんだけど……。
ちょっと不便な場所だし、なかなか買い手がつかないんだって。
で、今回のツアーで、居抜きで借りたってわけ」
「じゃ、あの妹さん夫婦も?」
「そうよ。
あの2人の本職は、お座敷ストリップ。
今日みたいに、白黒ショーも見せて回ってるわけ」
いったい、史恵さんの人脈は、どこまで広がっているのだろう。
空恐ろしい気すらした。