Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
カテゴリ:八十八十郎劇場 > 元禄江戸異聞 根来
「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(三十六)


 襦袢を脱いだ伊織は上品な胸の膨らみを片手で覆った。
 腰巻を残したままかがみ込むと、脱いだものを足元にたたむ。
「さあここへ……」
 そう促されて、伊織は表情を硬くしたまま二人の間に身を運ぶ。
 おずおずと上向きに身を横たると、固く目を閉じた
「うっふふふ、あたしに脱がす楽しみをお残しになったんで……?」
 含み笑いとともに、胸を隠した伊織の手をお竜の右手がゆっくりと取り払う。
「まあ……」
 片肘をついて上体を起こしたお竜の口から小さなため息が漏れた。

「ほんとにきれいなお乳……」
 伊織の乳房をお竜はうっとりと見つめる。
「ねえ咲様ごらんなさいよ、これで子供を産んだだなんて……」
 お竜の目の前で、上向きにもかかわらず形の崩れぬ膨らみが息づいていた。
 しかしそんなお竜の呼びかけにも、咲は二人に背を向けて黙り込んだままである。
「ふふふ……」
 お竜は握った伊織の右手を自分の乳房に誘う。
「ほら、うふふふ……」
 耳元の熱っぽい含み笑いと共に、伊織は手の平に自分より一回り大きいお竜の胸の弾力を感じた。
 二三度揉まされるうちに、その膨らみの中にみるみる乳首の強張りを感じ始める。
「このまま……」
 念を押すように伊織の手を自分の乳房に押し付けると、お竜は右手を伊織の腰巻に伸ばした。
 蝶結びが訳もなく解けて、お竜の右手が腰巻をゆっくりと左右に引き開ける。
 目にもまぶしい真白な肌の中に淡い陰りが目に入った。
 お竜が右のつま先を膝の間に競り込むと、閉じ合わされていた両太ももが僅かに開く。
 お竜の指が下腹を撫で降りたかと思うと、微かに繊毛をなぞられる感触に伊織は眉を寄せた。
「ふ……」
 その表情を鼻で笑ったお竜は、茂みに分け入るかと思われた右手を伊織の乳房に滑り上げる。
「う……」
 いきなり乳房にお蝶の手を感じた伊織は、しなやかな身体に小さな震えを走らせた。
「本当にきれいな身体……。それにお乳もまるで、あたしの手に吸い付いてくるよう……」
 緩んだ右足を両足に挟まれて、お竜の陰毛が太ももの肌に押し付けられるのを伊織は感じた。
 ざらついた感触の中に、すでに熱い湿り気を感じる。
 いつもの非情な表情と打って変わって、女ざかりの色気を漂わせてお竜が口を開く。
「咲様……、こっちを向いて」
 しかし咲は背を向け口を閉ざしたままである。
「ねえ咲様ったら……、ああもう……」
 依然として返事をしない咲にお竜はじれったそうな声を上げた。

 お竜も女三人での色事とはほとんど経験がなかった。
 金さえ払えば、いや、今のお竜なら金など払わなくともその程度の遊びは十分可能なはずである。
 しかし遊郭の手解き役の女から女同士の味を覚え、それなりの経験も積んだお竜にとって、唯々諾々の遊女たちを何人侍らせても、それは味気ないことに違いなかったのである。
 それに引き換え、好みであるお堅い侍の内儀、それも三人一緒に情欲に耽るなど夢のような話だった。
 今回は偶然菊という妙齢の奥方が現れて、奇しくもお竜の淫夢が現実のものとなりつつあったのである。

「ようし、じゃあ分かりましたよ」
 ふいにお竜の身体が伊織から離れた。
 畳を歩く音がしたかと思うと、
「あ、いや! やめて!!」
 上がった咲の声に伊織は目を見開く。
「菊様、こっちを見て」
 お竜の声に導かれて左を見た伊織の瞳がゆらゆらとさ迷った。
 丸裸の咲の身体がこちらを向いて、後ろから抱きしめたお竜の両手がその乳房を掴み上げていた。
「ああ……、後生です、見ないでください……」
 固く目を閉じたまま、咲は細身の体を細かく震わせた。
「うっふふふ……」
 咲のうなじの後ろで、お竜はその顔に淫らな笑みを浮かべた。
 伊織の反応を見ながら、お竜の右手がゆっくりと咲の裸身を下へと降りていく。
 暗がりを好む虫の様に、黒光りした咲の陰毛をお竜の指がかき分けた。
「う……」
 悲し気に眉を寄せた咲の顔から伊織は目を伏せた。
「ふふふ……そろそろいつもの様に、裸ん時は五分の付き合いにしようか。ええ、咲……?」
 お竜の口調が変わった。
「恥ずかし気なことをお言いだけど、この人はあたしの口を吸いながら何度も腰を振って気を遣ってるんだよ。ねえ咲、そうだろう……?」
 股間に割り込んだお竜の指が微妙にうごめく。
「いや……」
「ふふふ、本当に嫌なのかい…? ほら、菊様……」
 お竜は咲の股間に潜り込んでいた指を伊織の目の前に掲げた。
「う……」
 思わず息を詰めた伊織の目の前で、蝋燭の灯に映ろう指が山吹色に濡れ光っていた。
 そのままお竜はその指を咲の胸元にさ迷わせる。
「後ろから見えないけど……、ここかい……?」
「あ……」
 探り当てた薄紫の起伏を円を描く様になぞると、その指に誘われて濡れた乳首が頭をもたげる。
「さあ菊様、これを吸ってやんなよ」
「え……?」
 伊織は目を見開いてお竜の顔を見た。
「そんなことも出来なきゃあ、一緒にてごなんかさせられないよ。さあ!」
 そう促された伊織は、仕方なく手の平に馴染むほどの咲の乳房に顔を近づけていく。
 整った唇が薄っすらと開いて、その間から白い歯がのぞいた。
「うっふふふ、ぞくぞくするねえ……。さあ、ほら……」
 お竜の左手が咲の左の乳房を掴むと、その先の乳首が伊織を迎える様に弾き立った。
 ゆっくりと唇を寄せていくと、やがて白い前歯が乳首の先に微かに触れる。
「あ……!」
 伊織の口に乳首を吸い含まれた途端、咲は乳房を震わせて切なげな声を上げた。

「くううう……」
 咲は後ろからお竜に抱かれ、伊織に乳首を吸われながら切なげに身を捩らせる。
 畳と身体の間から回った右手で右の乳房を揉みしだかれ、上から回った左手で濡れたものをお竜にまさぐられているのだ。
 遠慮がちに吸い舐めされることで、かえって乳首から切ない快感が走ることも確かではあったが、初対面の女三人で恥戯に耽ることで、心の奥底に淫らな官能の火が燃え付いたことも咲は否定できなかった。

「ふむう……」
 身の戦慄きに連れて逃げる咲の乳首を吸い付けながら、何故か自分の息が荒くなっていくのを伊織は感じた。
「ふふふ……、ほらこれを御覧なよ」
 お竜は咲の潤みから抜き上げた左手を伊織のわき腹に擦り付けた。
「んふっ!!」
 弾き立った乳首を含んだまま、伊織は咲の乳房の膨らみに鼻息を吹き付けた。
 咲の生暖かい粘液をわき腹の肌に感じたからである。
「菊さんにお乳を吸われたとたん、どうだいこれ、じくじく濡らしちまって……」
「いや、そんな……」
「なに言ってるんだか……」
 お竜は愛液で濡れた手で咲の顎を掴んだ。
「ねえ菊さん。この人たあ、こんな女なんだよ。嫌がりながらこんなに濡らしちまってさあ……」
「いや、もう許してください」
「ふふ……そんなこと言って、本当はあたしの唾が欲しいんだろ。ねえ、菊さんにあたしたちが仲のいいとこを見てもらおうじゃないか。ほれ、さあこっちを向いて……、ほらほら……」
「ああいや、ややめ……んぐうっむううう……」
 唇を合わされたのだろう、咲の泣き声が粘り付くうめきに変わった。
 伊織は胸の鼓動が高まるのを覚えながら、咲の左の乳首から右の乳首へと唇を移した。
 “しっかり取り入らねば……”
 胸の内でそう呟きながら、一方では身の内に息苦しい情動を感じる。
 この血が沸き立つような感覚は、役目を果たそうとする意気込みだけなのだろうか。
 そんな迷いを振り切るように弾き立ったものに舌を這わすと、咲は子供が駄々をこねる様に身をくねらせる。
 “そんな……”
 伊織は小さく眉を寄せた。
 仲間に取り入るための方策とは言え、咲に快感を与えることに伊織は肌がざわつく様な喜びを覚えたからである。

 お蝶との夫婦のような睦み合いでも、以前のように愛技を受けるばかりの関係ではなく、近頃は伊織から攻めて果てさせる事も多くなっていた。
 女同士であっても、相手を快楽の淵に落とす喜びを覚えたと言っていいのかもしれない。
 勿論お蝶にせがまれてのことなのだが、尻を叩いたりして苛めた後の交悦は得も知れぬ快感を覚えることも確かだった。
「ふう……ねえ咲……、菊様にも口を吸ってもらいたいだろう?」
 その声で伊織は我に返った。
「菊様、あたしの目の前で咲の口を吸って見せてくださいよ。そいつが仲間の証しだ」
 お竜は後ろから咲の身体を抱きあげて膝立ちさせると、その細いの身体を背中から抱いた。
「出来なきゃ、仲間入りは棚上げだよ」
「分かりました……」
 身を起こして二人に正対すると、伊織は膝を送って二人の前に進む。
 ゆっくりと顔を近づけた伊織は、そのまま咲の頬に頬を添わせる。
 五寸ほどの間近で淫らな輝きを放つお竜の目を、伊織はじっと見返した。
 頬の肌を擦り合わせながら、ゆっくりと互いの唇を近づけていく。
「ふ……む……」
 とうとう伊織は咲にみっちりと唇を重ねた。
 頤を上げた咲の身体が小さく震えた。
 薄っすらと開いていく咲の唇に誘われるように、伊織は咲の中に舌を覗かせる。
「んふう……!」
 大きな鼻息を漏らしながら、咲は微かに伊織の舌を吸った。
 身の内から突き動かされる情動を覚えて、我知らず伊織は舌で咲の口中を深く犯していた。
 薄めの舌に渦を巻く様に交わると、思いもかけず咲は舌の根が切れるほどにそれを吸い返してくる。
「んぐうう……」
 堪らず伊織はくぐもったうめき声を漏らした。

 間近に深く口を吸い合う女二人を、お竜は呆けたような眼差しで見入っていた。
「ああもう、たまんないよう!」
 お竜は急いで伊織の右手を取ると、咲の濡れそぼったものに導く。
 そこはもう熱く潤んで、訳もなく伊織の指を包み込んだ。
 伊織は深く舌を吸われながら、敏感な強張りを人差し指と中指で挟み込む。
「んぷ……ああ!」
 熱い露を滑らせて伊織の右手が細かく動き出すと、咲は舌を吸い離して声を上げた。
 後ろからまたの間をくぐって来たお竜の指が、伊織の指の廻りから熱い滑りを掬いとる。
 そのままその指が後ろに滑り込んだ途端、
「あぐぐううう!!」
 咲の裸身が強ばって痙攣した。
 お竜の指が後ろから咲の肛門を犯していた。
「ああ……ああもう……」
 咲の泣き声につられて、伊織も泣き顔でその顔を見つめる。
「ああもう……もうだめ!!」
 初めての女三人の交わりに、咲は早くも極みに縛られつつあった。
 そんな咲を責めながら、お竜と伊織は熱い眼差しを交わす。
「咲にあたしと菊様の唾を。さあ菊様、来て……!」
 湯気が立つように上気した顔で、お竜は薄っすらと唇を開いて伊織を誘う。
 伊織が顔を寄せると、お竜は噛みつく様にその唇を奪った。
「んふうう……」
 夢中で舌を絡め合った後、お竜は交じり合った二人の甘酸っぱい唾を伊織の口の中に移す。
 意に反して、ぞくぞくとした興奮が伊織の背筋を這い上がる。
 深く唇を合わせながら、前後から咲を苛む二人の手が動きを速めていく。
「ああ~~~だめ!!!」
 泣き声を上げた咲の身体が反りかえって戦慄く。
 急いでお竜の唇を吸い離した伊織は、左手で抱き寄せた咲に唇を重ねた。
 浅ましく抱きすがった咲の両手の指が伊織の背中の肉を掴む。
「ふむう!! ……んぐ~~~う!!!」
 口移しに受け取ったものを飲み下しながら、咲は獣のようにうなりを上げて華奢な裸身を震わせた。
「ああ~~~、締まる締まる!」
 咲の後ろでお竜がそんな声を上げた時、伊織の腕の中で咲の身体がびくびくと跳ねた。
 潤みにあてがった伊織の指が熱い極みの飛沫を浴びる。
 伊織は極みに跳ねる咲の身体をしっかりと抱きながら、同時に自分の秘部から溢れ出る熱い露を太腿の肌に感じていた。
元禄江戸異聞 根来(三十五)目次【マッチロック・ショー】フェアリーズ・パーティ(Ⅰ)
「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(三十五)


「勝負は明日午後の一瞬にかかっています」
 伊織はそう言って、車座の面々を見回した。
「荷の移動で根来や天竜一家が落ち着かぬうちに事を成さねば、屋敷の蔵奥に囚われた若を救い出すのは至難の業……」
 一同はまなじりを決して頷く。
「若はあの蔵のどこかに囚われているに違いありません。その時までに、何としても私が居場所をつきとめます」
「わかりました。では先ほどの手筈通り……」
 お蝶の言葉に、伊織は改めてその背筋を伸ばした。
「明日、日が傾く前の七つ下がり。遊郭の世話に若衆が出かけ、港から根来が帰る前の屋敷が手薄になる一瞬。お蝶さんが店で一家の気を引いている間、私が若を蔵から連れ出します」
「その時、私と蔓は裏の塀の外で……」
 待ちきれずに口を開いた桔梗に伊織は大きく頷く。
「蔵の裏手十間ほど離れた塀の外の竹藪に隠れて、私が合図に石を投げた後、肩車で塀の上に乗った若を受け取ってください」
「して、その後は……?」
 静かに口を開いた蔓に伊織は顔を向ける。
「私たちには構わず、一路丹波へ……」
 じっと見つめる桔梗の横で、蔓は一重瞼の冷たい目を瞬かせた。

「い、伊織様! こいつを信じてそんなことを……」
「お蝶さん!」
 お蝶の咎める言葉を遮って伊織は声を上げた。
「お蝶さん……、今あなたの目は濁っていますよ。この人は真の忍びです。報償には無縁ですが、桔梗に受けた恩を返そうとしていることが私には分かります」
 頷く桔梗の横で蔓はゆっくりと顔を上げた。
「蔓とやら。桔梗様とのご縁とはいえ、心から礼を言います。よろしく頼みます」
 頭を下げた蔓は伊織を上目遣いに見上げる。
「承知しました。若を連れて桔梗様が城門をくぐるまで、見届けさせていただきます」
「しかし、あんた……」
 横からお蝶の低い声がかかる。
「勝手に動くと、抜け忍と見られやしないかい? そうなったら前も敵、後ろも敵……。命は無いよ」
 蔓は斜にお蝶を見ながら答える。
「そうなったら、そうなった時……。とりあえず、行きがけに猿にだけは伝えていくよ」
「猿だって!」
 お蝶の顔色が変わった。
「生きてるわけがないじゃないか!」
 蔓の顔に微かな笑みが浮かぶ。
「そっちが昔死んだからって、同じとは限らないんだ。猿は、死なないんだよ……」
「そんな馬鹿な……。じゃあ近くに居るっていうのかい?」
 お蝶をじっと見返しながら蔓は頷いた。
 二人のやり取りに伊織も割って入る。
「猿というのは一体なんのことですか……?」
 その問いかけに、お蝶を片手で制して蔓は口を開く。
「大事とは関係のない、こっちのことですよ。それでその後、伊織様とお蝶さんは?」
 伊織は思い出したように話し始める。
「若の救出を気づかれぬまま姿を消すのが一番ですが、そううまくいくかどうか……。もし救出に手間取るようなら、表で見張り役の紫乃さんに根来の帰りを少しでも遅らせる方策をとってもらうしかありません」
 一同を前に伊織は居住まいを正した。
「とにかく紫乃さんにはあまり危うい役は……。若の救出まで私の衣装と武器を預け、それから根来の追っ手を防ぐのは私とお蝶さんで……」
 頷く三人に伊織は続ける。
「ただし、それは若をうまく救い出せた場合。悪くすればその場で双方斬り合いになることも覚悟せねばなりません。それから……」
 顔を向けられたお蝶は、片手を茣蓙について伊織の言葉を待つ。
「この手筈を紫乃さんに伝え、万が一私たちの意志が潰えた時は丹波へ事の成り行きをお知らせいただくのです」
「わかりました」
 再び沈黙に包まれた部屋に、遠くから夜回りの拍子木の音が聞こえた

 あらためて伊織は三人の顔を見回した。
「もう帰らねば怪しまれます。ほかに聞くこと言うことは……?」
「いいえ」
 お蝶の返事と共に桔梗と蔓も伊織の顔を見つめる。
「では明日七つを目安に……」
 一同が頷くのを確かめると伊織は立ち上がった。
 しかし出て行こうとする伊織を蔓は手で制する。
 部屋の隅に灯った蝋燭を消すと部屋の中は闇に包まれた。
 雨戸を細く開けた蔓の横にお蝶も身を寄せる。
 注意深く外を窺った二人は伊織に小さく頷く。
「では……」
 闇の中を外へと伊織は姿を消した。


「遅くなりました」
 小さな声が聞こえて、代貸は頬杖をついた顔を上げた。
「ああ奥さん、届けてきやしたか?」
 伊織は頭を上げて代貸しに答える。
「ええ、半金でもとりあえずの急場はしのげるようで助かりました」
「ふん、そりゃあ何より……。まあせいぜい気を入れて奉公して、残りの半金をもらうんですな」
「はい、よろしくお願いします」
 胸元への粘っこい視線を不快に感じながら、伊織はそう答えた。
「今夜からは勝手場横の支度部屋に寝起きしていただきましょうか。おっと、それから……」
 意味深に口元を緩めた代貸は続ける。
「親分から、奥に来てもらうよう言われてたのをつい忘れてました。えへへへ……」
「そうですか……」
 下卑た笑みを背中に感じながら、伊織は廊下の奥へと向かった。

 奥の座敷に近づくにつれ、何やら小さな話し声が聞こえてくる。
 戸襖の前に立つと、伊織は中の声に耳をそばだてた。
「いえ、もう、もう帰ります」
「いいからもうちょっと、もうちょっとだけですよう……」
 伊織は足音を忍ばせて奥へ進むと、廊下に細い光の筋を描いた引き戸の隙間を覗き込む。
 一分ほどな隙間に女の白い身体が蠢いていた。
 “あ……、あの人は……”
 一人は今朝がた蔵の中で見失った女に違いなかった。
 着物を取ろうとする裸身を、やはり一糸まとわぬお竜に後ろから絡み付かれていた。
「ねえもうちょっとだけ……。ね? お刺身好きでしょう、奥様、ね? もう一回……ほらほらお刺身……んむ………」
「ひや……ひゃめ……ああ……んんむ……」
 どうやら強引に口を吸われたのだろう、再び布団に倒れ込んだ下半身の淡い陰りが垣間見える。
「んぐう……」
 艶のある陰毛にお竜の白い指が分け入った途端、女のくぐもった呻きが上がった。
 小鳥が餌をついばむように細かく唇を吸い合わせる音が聞こえる。
「む……ちゅ……お願い……ふむ……もう……ぢゅ……帰してください……ちゅ……」
 とうとう深く舌を吸わせたのか、二人の荒い鼻息の音だけが聞こえてくる。
 やがて大きく息を吐く音と共にお竜の声が聞こえて来た。
「はあ、ふう………今夜はもう少しだけ……。あの子のお世話では、奥様には感謝してるんですよ。だから破格のお礼も差し上げてるじゃありませんか……」
 伊織は目を見開いた。
「うまい具合にもう一人、手伝ってくれそうな方が見つかったんでね。今夜はその方とお引き合わせしようと……」
「え!」
 女は驚きの声を上げた。
「それならなおさら、このような事をしていては!」
「いいからいいから……、もう仕込みは済んでるんですから……うっふふふ」
「いや、離してください……」
 伊織はもう迷わなかった。
「え、えへん……」
 伊織の小さな咳払いとともに、部屋の中が沈黙に包まれた。

「菊様、お帰りになったんで?」
「ええ、遅くなりましたが、無事金子を届けて参りました」
「そりゃあよかった。遠慮はいりません、どうぞお入りください」
 伊織はゆっくりと戸襖を引き開けた。
 目にもまぶしい二つの白い女体が布団の上に絡み合っていた。
「いや!!」
 そう叫ぶと、女は胸を隠して背を丸めた。
「こ、これは……」
 目を逸らした伊織を、お竜は淫靡な笑みと共に見上げる。
「こちらは咲様とおっしゃって、少し前からあたしとはこんな仲なんですよ」
 強張った肩先を片手で撫でながら、お竜はきつく目を閉じた咲の顔を覗き込んだ。
「咲様には今あることをお手伝いいただいておりましてね、もし菊様にも一緒にお手伝いいただけるようなら、そのうち残り半金も差し上げようかと……」
 背けた顔の中で、伊織の目が輝きを増す。
「わかりました。それで、私に何をせよと……?」
 お竜は咲から片手を離すと、三十路女ざかりの裸身を伊織に向けた。
「そいつは、もう少しお互いに気心が知れないと……。どうです? 菊様もこちらにいらっしゃいませんか……?」
「い、いやです、そのような!!」
 咲の叫びを聞くと、お竜は一転して強く咲の肩口を掴んだ。
「もうあたしの言うことは断れないはずですよ、咲様」
 唇を噛んで押し黙った咲から、お竜は再び熱い眼差しを伊織に向ける。
「さあ、菊様。どうなさいます……?」
 お竜は咲との間に一人分の隙間を開けて伊織を見上げる。
「分かりました」
 情欲に燃えるお竜の目を見返しながら、伊織はゆっくりと自分の帯を緩め始めたのである。
元禄江戸異聞 根来(三十四)目次元禄江戸異聞 根来(三十六)
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