Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
カテゴリ:紙上旅行倶楽部/総集編 > 東北に行こう!
律「あんたにぴったりじゃないの。
 ずっとここにいなさいよ」
み「酒のないところには長居せん主義じゃ。
 しかし、無限って、ヒドすぎませんか?」
この記号は、無限大
↑この記号は、無限大を表すようです(習った記憶なし)。

み「恩赦とかないわけね?」
『感謝祭』前に恩赦を受ける七面鳥
↑『感謝祭(11月第4木曜日)』前に恩赦を受ける七面鳥(感謝祭の定番料理は『七面鳥の丸焼き』)。4600万羽中の1羽だそうです。

婆「文字は、有限無限の無限ではないぞ。
 “げん”の漢字は、“間(あいだ)”を当てる」
み「どういう意味になるわけ?」
婆「間断が無いという意味の“無間(むげん)”じゃ。
 ひっきりなしに苦しみに襲われるわけじゃな」
ひっきりなしに苦しみに襲われる

み「救いがおへんがな。
 有限会社にまけてくれ」
婆「有限会社は、廃止された。
 新しく設立することはできん」
有限会社は、廃止された
↑うちと取引がある有限会社は、みーんな有限会社のまんまです。

み「なんでそんなことまで知ってるんじゃ?」
婆「わしのせがれは、司法書士じゃでな。
 さて、次に行きますぞ」

 ↓現在位置は、このあたり。
現在位置は、このあたり

婆「ここが、慈覚大師を祭る『大師堂』じゃ」
慈覚大師を祭る『大師堂』

み「ここですか?」
婆「不満か?」
み「しかし、あーた。
 仮にも、ここの開祖でしょ?」
婆「仮にもとはなんじゃ!」
み「“堂”って云っても、スカスカの吹きっさらしですがな。
 しかも、『無間地獄』のお隣。
 ガラガラの岩場の真っ只中ですよ」
婆「慈覚大師さまは、常に苦しむ罪人に寄り添っておられるということじゃ」
み「助けないわけ?」
お釈迦様の気まぐれとしか思えません
↑お釈迦様の気まぐれとしか思えません。

婆「罪は罪じゃでな」
み「そんなもんですか」

婆「この裏に、『大師説法之地の碑』があるが、見るか?」
み「こんなとこで、誰に説法したんです?」
湯郷温泉(岡山県美作市)にある『円仁法師像』
↑湯郷温泉(岡山県美作市)にある『円仁法師像』。西国巡礼中の円仁が、白鷺が足の傷を癒しているのを見て、発見したとか。

婆「信者に決まっておる」
み「ほんまですか?
 昔は、バスもないわけでしょ。
 さっきの、うねうねの山道を延々と登ってくるしかおまへんで」

↑恐山へ続く山道。

婆「当たり前じゃ。
 大師のおられたころはもちろんじゃが……。
 戦前までは、みんなそうやって登ってきたんじゃ」
映画『砂の器』の1シーン
↑映画『砂の器』の1シーンです。

み「信仰とは、恐ろしいものですな。
 おや?
 今も歩いて登ってくる人がいるんでないの?
 草鞋がくくりつけてあるぞ」
草鞋がくくりつけてある

婆「これは、亡き人が無事にあの世へ旅立てるよう、お供えした草履じゃ」
み「道理で、すり切れてませんな」
婆「表の売店で売っておる」
み「おいくらで?」
婆「わら草履が、600円。
 白緒の草履が、800円じゃ」
表の売店で売っておる

み「風車の2倍ですな。
 これで、『恐山』の焼き印でも入ってれば買うのじゃが。
 これじゃ、どこで買ったかわからんではないか。
 『網走刑務所』じゃ、刻印入りの雪駄を売っておったぞ」
刻印入りの雪駄
↑もちろん買って帰りました。母には呆れられ、玄関に出すことを固く禁じられたので、ベランダの水やりに使いました。水には強くないようで、ほどなくバラバラになりました。

婆「刑務所と一緒にするでないわ。
 土産に持ち帰る草履ではなく、お供えする草履じゃ」
み「まさか、ここから外して、売店に戻してませんよね?」
婆「つくずく、失敬なやつじゃな。
 どうするんじゃ?
 『大師説法之地の碑』、見んのか?
 ほれ、あそこに見えておる」
『大師説法之地の碑』

み「そんなら、それでいいや。
 省略~」
婆「すな!」
み「わたしはまだ、その碑の前に立つ準備が出来ておりません。
 修業を積んだ後、拝することにいたします」
ほぼ、打たせ湯ですね
↑ほぼ、打たせ湯ですね。これならやってみてもいいです(ただし夏)。

婆「口八丁なやつ。
 永遠に拝することなど出来んではないか」
み「決めつけるな!」
婆「まぁ、良い。
 それでは、次に行きますぞ。
 そちらのお人。
 ずいぶん静かじゃが、大丈夫か?」
律「あ、すみません。
 やっぱり、この臭いが」
やっぱり、この臭いが
↑恐山の画像ではありません(たぶん)。

婆「毒にあてられたかの」
み「そんなタマじゃおまへんぜ」
婆「お主には聞いておらんわ。
 ハンカチを口にあてなされ」
姿勢を低くしてハンカチを口にあてる
↑猿の頭上の手みたいなのは、煙のようです。姿勢を低くしてハンカチを口にあてるという講義(もちろん、相手は幼稚園児です)。

婆「ガスが溜まってるところもありますでな」
み「わたしのお腹です」
ガスが溜まってるところもあります

婆「お主も少しは毒にあたらんか」
み「ガイドの言うことか」
婆「ほれ、着きましたぞ」
み「なんか、この景色……。
 どこかで見たことがあり申す」
『賽の河原』

婆「『賽の河原』じゃ」
み「やっぱりー」
婆「親に先立って他界した子供が……。
 償いのため小石を積み続ける場所じゃな」
修善寺にある『伊豆極楽苑』の展示
↑修善寺にある『伊豆極楽苑』の展示。幼くして死んだ子が、なんでこんなに丸々と太ってるんですかね?

婆「積み石を完成させると、成仏できると云われておる」
積み石を完成させると、成仏できる

み「でも、あれでしょ。
 鬼が来て、崩すんでしょ?」
婆「そうじゃ」
救いがないです
↑救いがないですね。

み「どうしてそういうことしますかね。
 地獄に落ちますよ」
婆「鬼は地獄の住人じゃ」


み「それで思い出した」
婆「また脱線か?」
み「祖父ちゃんの葬儀のとき……。
 火葬場で、焼きあがりを祖母ちゃんと待ってたの。
 そしたら、祖母が懐から熨斗袋を出して、こう言ったわけ」


み「『あの鬼に渡して来てくれ』。
 はぁ?、と思いましたよ。
 もちろん、鬼なんかどこにもいません。
 連れ合いを亡くして、頭が狂ったのかと思った」


律「どういうこと?」
み「祖母の出身地では……。
 火葬場の職員を、『鬼』と呼ぶらしいんだ。
 火葬場は町営だったから、公務員の『鬼』ですな」

↑『火夫(かふ)』と云うようです。

律「なんか、土俗的な臭いがするわね。
 新潟らしい」
み「祖母の出身地は、新潟ではないわ。
 栃木県じゃ。
 昔は、土葬だった土地柄でね」


み「わたしは一度、母の代参で、祖母の実家の葬儀に出て来たことがある。
 山間の部落で、駅から延々とバスに乗ってたどり着いた。
 今でも覚えてるけど、バス料金が990円だった。
 1000円札を両替して、10円しか手元に残らなかったよ」

↑未だに、これで手間取ってる人がいます。運賃を差し引いたお釣りが出てくると思ってるようです。

律「ほんと、どうしてそんなことだけ覚えてるかしらね。
 ケチなんだから」
み「それだけ覚えてるわけではないわ。
 お墓が、山の斜面にあったのよ」

↑こんな感じ。拝借画像です。こちらは東北地方みたいですね。

み「雪が残っててね。
 フォーマルのパンプスが滑って恐ろしかった」


↑これは楽そうです。

み「ま、わたしが行ったときはさすがに火葬だったんだけど……。
 お墓でのしきたりに、土葬時代の名残りを感じたね」
律「どんな?」
み「お墓の林立する中に、ちょっと開けたところがあって……。
 土饅頭みたいに土が盛られてるわけ」
土饅頭みたいに土が盛られてる

み「そこを、参列者が数珠つなぎになって、ぐるぐる回るのよ。
 なんか、先祖からの血のつながりみたいなものを感じたよ。
 胸が熱くなった」
胸が熱くなった
↑これは胸焼け。

律「殊勝なこと言うじゃないの」
み「これがわたしの真の姿です」
これがわたしの真の姿です

律「そうは思えません」
み「やかまし。
 とにかく、狭い斜面でね。
 一緒に参列してたおじいさんが教えてくれたんだけど……。
 亡骸を横たえては埋められなかったんだって。
 だからみんな、樽みたいなのに入って、膝を抱えて埋まってるんだってよ」
樽みたいなのに入って、膝を抱えて埋まってる

み「なんかさ。
 それ聞いたら、頭にイメージが浮かんじゃって。
 先祖たちが、山の斜面にずらっと並んで……。
 体育座りして、同じ方向を見てるのよ」
体育座りして、同じ方向を見てる

律「ちょっと、シュールね」
み「だしょー?
 なんか、イースター島のモアイ像を連想してしまった」
イースター島のモアイ像

律「ほんと、連想が突飛なんだから」
婆「そろそろ、説明に移って良いかな」
律「あ、すみません。
 また脱線してましたよね」
また脱線してましたよね

婆「慣れたようじゃ」
み「ほー、なかなか適応力があるではないか」
婆「ここが、語りの“サワリ”じゃでな」
み「おー。
 その“サワリ”は、『おっパブ』のことではあるまいな?」
婆「なんじゃそれは?」
み「『おさわりパブ』のことじゃ。
 早い話、女の子の上半身に触り放題の店じゃな」
おさわりパブ

婆「そんな店が、どこにあるんじゃ?」
み「遙か西方の浄土よ」
『お面かぶり』
↑『九品仏浄真寺(世田谷区)』の『お面かぶり』。信者が臨終の夕べ、阿弥陀さまが二十五の菩薩さまを従えて西方浄土よりお迎えに来るという浄土真宗の教えを行事にしたもの。

婆「浄土にそんなものがあるか!」
み「ここから遙か西方にある、東京とかってことじゃ」
おさわりパブ
↑こういう店構えのようです。

み「新潟でも、そんな店は聞いたことがないわい。
 あ、そうそう」
脱線の兆候
↑脱線の兆候。

み「西方といえば、最近、気づいたんだけどね。
 日本列島の形。
 東京のあたりで、曲がってますでしょ。
 逆“く”の字に」
東京のあたりで、曲がってます

律「今に始まったことじゃないじゃない」
み「極端に云うと、東京から東北方面は、北に上がってて……」
東京から東北方面は、北に上がってて

み「東京から九州方面は、西に伸びてるわけよ」
東京から九州方面は、西に伸びてる

律「それがどうかしたの?」
み「早い話」
婆「ちっとも早くないではないか」
み「適応せい!
 東北新幹線に乗ると、どんどん北に向かうわけだ。
 どんどん寒い地域に行くわけよ。
 でも東海道山陽新幹線に乗ると、西に向かうわけだ。
 思ったほど、暖かくならない」
全新幹線

律「話が見えないわね」
み「例えば、サクラの咲く季節。
 博多から新幹線に乗って、東京に向かっても……。
 サクラの開花状況は、ほとんど変わらないんじゃないかな」
サクラの咲く季節

律「かも知れないわね。
 東京なんか、九州より早かったりするから」
み「だしょ。
 ところが、東北新幹線に乗って北に向かったら……。
 開花状況は、ぜんぜん違ってるんじゃないの?
 東京が散ってしまったころに乗ったら……」
東京が散ってしまったころ

み「列車が進むにつれて、どんどんサクラの花びらが枝に戻ってきて……。
 仙台あたりで満開になり、岩手で咲き始め、青森では蕾とかさ」
岩手で咲き始め……

み「まるで、映像を逆回転するみたいに、季節が戻っていく感じがするんじゃないかな」
律「なるほど。
 新幹線は速いから、いっそうそんな感じがするかもね」
み「いつか乗ってみたいな。
 その季節の東北新幹線。
 4月の中旬くらいかな」
遠い目
↑遠い目

婆「さて。
 よろしいか」
み「おー、待たせたの」
婆「何を偉そうに」
み「次はどこじゃ?」
婆「まだ、ここの説明をしておらんがな」
み「見ればわかりますよ。
 『賽の河原』であんしょ」
『賽の河原』

み「説明も、さっき聞きましたがな。
 親に先立って亡くなった子供が、償いのために小石を積むわけでしょ。
 でも、イケズな鬼が、その石を崩すわけだ。
 納得いきませんな」
納得いきませんな

婆「何がじゃ?」
み「子供は、自ら死を選んだわけじゃないじゃないの。
 死にたくなんかなかったはずですよ。
 なんで、死んでまでそんな報いを受けなければならないわけ?」
婆「反抗的じゃな」
反抗的じゃな

婆「親不孝の罪は、それだけ重いということじゃ」
み「だから、本人に責任はないじゃないすか。
 そもそも、少年法で罰せられないはず」
少年法で罰せられないはず

婆「地獄に少年法があるか」
み「だいたいやねー」
竹村健一
↑髪型がまともなら、いい男だったんじゃないでしょうか?

婆「なんでいきなり、竹村健一になるんじゃ。
 古すぎじゃろ」

↑タモリによる、竹村健一のマネ。

み「それじゃさ。
 最近はやりの、虐待はどうなのよ?」
虐待はどうなのよ

み「虐待で子を殺してしまう親がいるわけよ。
 するってえと、なんですか。
 親に殺された子も……。
 親不孝ってことで、ここで石積みをせにゃならんのですか?」
婆「そういう子は、地蔵菩薩さまがお救いになるわ」
『恐山菩提寺』の地蔵菩薩
↑『恐山菩提寺』の地蔵菩薩。

み「そしたら、どういう子が石積みするわけ?
 親不孝の罪があるとしたら、自殺くらいでしょ。
 学校にもあがらないような子が、自殺なんかしますか?」
学校にもあがらないような子が、自殺なんかしますか?

婆「〽これはこの世のことならず
 〽死出の山路の裾野なる
 〽さいの河原の物語
 〽聞くにつけても哀れなり
 〽この世に生まれし甲斐もなく
 〽親に先立つありさまは
 〽諸事の哀れをとどめたり」
み「いきなりなんじゃ?、そりゃ」
婆「『地蔵和讃』の出だしじゃがな」


↑なんと、CDがありました。

婆「ここが話の“サワリ”じゃと言っとったではないか」
み「これを聞かせようという魂胆だったか。
 道理で引っ張ると思った。
 じゃ、これで気が済んだであろう。
 次に行くぞ」
婆「『地蔵和讃』は、まだまだ延々と続く」
み「ケッコーです。
 これって、誰かのギャグだったっけ?」
結構毛だらけ猫灰だらけ
↑この人じゃないですよね。

律「知らないわよ」
み「ま、タダのガイドの祝儀じゃな。
 3番までなら歌ってもよし。
 許可する」
東京特許許可局

婆「いらんわ。
 語る相手を間違えたわい」
み「〽間違いはあのとき生まれたっ」


婆「ええい、昭和の歌を歌うな!」
み「お主はさっき、金井克子を歌ったではないか」
婆「“振り”だけじゃ」
金井克子

婆「まぁ、いい。
 それなら、かいつまんで説明してやるわ」
み「これ以上、何を説明するんじゃ?」
婆「『賽の河原』のほんとうの意味に決まっておる」
み「こんな悲惨な話に、意味なんかあるかいな」
婆「あるんじゃ!
 良いか。
 当たり前のことじゃが、『賽の河原』の説話は……。
 生きている人間のためにある。
 すなわち、子を失い、嘆き悲しむ親のためにじゃ」
嘆き悲しむ親のために

み「救いがなさすぎでしょ。
 死んだ子が、河原で石を積んでる話なんて」
死んだ子が、河原で石を積んでる話

婆「なぜ、石を積まねばならん?」
み「早死にして、親不孝したからってんでしょ?
 好きで死んだわけじゃないのに。
 しかも、石を積みあげて成仏しようとすると……。
 鬼が来て、蹴り倒すわけだ」
鬼が来て、蹴り倒す

み「終わりがないじゃないの。
 いつまで石を積み続けるわけ?」
婆「石を積むのは、親を悲しませた罰じゃ。
 すなわち、親が悲しみ続け、子の死から立ち直れん限り……。
 子供は、石を積み続けなければならん」
『正観寺(徳島県牟岐町)』の地獄巡り
↑『正観寺(徳島県牟岐町)』の地獄巡り。

み「ひどい話ですじゃ」
婆「逆に考えてみなされ。
 親が、我が子の死を受け止め……。
 新しい一歩を踏み出したとき、子は石を積みあげることが出来る。
 地蔵菩薩さまの暖かい衣に包まれることができるのじゃ。
 わかるか?
 すなわち、この教えの主旨はこうじゃ。
 子供の死を嘆き悲しむ自分から立ち直れない限り……。
 死んだ子は、河原で石を積み続けなければならん。
 死んだ子は、どれほど嘆いても、もう戻らない。
 それなら、一刻も早く、地蔵菩薩さまの元に送ってやるのが親の努めである。
 そのためには、おまえが立ち直り、自分の足で歩き出すしかないのじゃぞ」
『賽の河原』

婆「これが、『賽の河原』のほんとうの意味じゃ」
み「ほー。
 語りたがるのがわかりますな。
 これこそが、“サワリ”ってことですな」
婆「この意味を聞いて、涙を流す人もおられる。
 ぽかーんとしておるのは、お主くらいじゃ」
ぽかーんとしておる

み「それじゃ、悲しまない親はどうなんすか?
 虐待とかで子供を殺した親」
婆「親が悲しまないのなら、子に罪はない。
 すなわち、河原で石を積む必要はなく……。
 即座に地蔵菩薩さまに救われる」
即座に地蔵菩薩さまに救われる

婆「殺した親はもちろん、無間地獄行きじゃ」
殺した親はもちろん、無間地獄行き

婆「わかったか。
 それじゃ、次に行くぞ」
み「その前に補足」
これは蛇足
↑これは蛇足。

婆「なんじゃ?」
み「“サワリ”についてである」
婆「それがどうかしたのか?
 聞かせどころということではないか」
み「おー、さすがに、亀の甲より年の功」
亀の甲より年の功

み「よう知っておるな。
 義太夫節なんかでは、“クドキ”とも呼ばれる」
義太夫節は、人形浄瑠璃の語り
↑義太夫節は、人形浄瑠璃の語りとして成立した三味線音楽です。創始者は、竹本義太夫(1651~1714)。

み「歌謡曲では、“サビ”とも云うな」
婆「それがどうしたんじゃ?」
み「ところが現在では、そういう意味に解してない者がはなはだ多い」
律「それ、聞いたことがあるわ。
 最初の部分が、“サワリ”だと思ってる人が多いってことでしょ」
おさわり
↑やっぱり、「おさわり」からの連想でしょうね。

み「そうそう。
 今では、6割の人がそう思ってるらしい」
婆「仕方あるまい。
 言葉は生き物じゃ。
 意味が転じていくのも、生きている証拠ではないか」
み「さすが、寿命が近いと達観しておるな」
寿命が近い

婆「誰が寿命じゃ。
 あと、50年は生きるわい」
み「欲張りすぎだろ。
 130歳は」
婆「誰が80じゃ。
 まだ、70になったばかりじゃ」
沢田研二(ジュリー)です
↑沢田研二(ジュリー)です。今年70歳。いい歳の取り方じゃないでしょうか。

み「大して違わんではないか」
婆「無礼者。
 大違いじゃわ。
 さて、次に行きますぞ」
み「どうも『無間地獄』に『賽の河原』と続いちゃ……。
 辛気くさくて敵わん。
 もうちょっと、ぱーっと愉快なところはないの?
 『秘宝館』とか」
別府温泉『秘宝館』
↑別府温泉『秘宝館』。なんと、館内写真撮影オッケーだそうです。『単独旅行記』なら、ここだけでそうとう引っ張れます。

婆「恐山にそんなものがあるか!
 しかし、地獄があれば、極楽もある。
 こっちじゃ」
宇曾利山湖

律「まぁー。
 綺麗な湖ですね」
婆「『宇曾利山湖』じゃ。
 そしてこの白い砂浜を『極楽浜』と云う」
この白い砂浜を『極楽浜』と云う

み「典型的なカルデラ湖ですな」
湖は、綺麗なハート型
↑湖は、綺麗なハート型です。ハートの上の窪みに、霊場恐山があるわけです。

み「深さはどれくらい?」
婆「最深部で、23.5メートルじゃ」
み「カルデラ湖にしては、あんまり深くないすね。
 流入河川がないのかな?」
婆「外輪山からは、数十本の河川が流れこんでおる。
 流出河川は、正津川1本じゃ。
 来るときに見んかったかな?
 赤い太鼓橋が掛かっておったじゃろう」
橋下の杭みたいなのは、水力発電所があったころの導水柵
↑橋下の杭みたいなのは、水力発電所があったころの導水柵だそうです。

み「三途の川か!」
律「ほんとに綺麗な水ですね」
綺麗な水

婆「透明度は、13メートルある」
み「水が綺麗だと云うことは、生物が少ないということじゃな」
婆「ほー。
 なかなか物知りではないか」
み「“水清ければ魚棲まず”と云うではないか」
餌を与えられる場所なら、清くてもいっこうにかまいません
↑餌を与えられる場所なら、清くてもいっこうにかまいません。

婆「なにしろ、PH3.5じゃでな」
なにしろ、PH3.5じゃでな
↑お酢の一歩手前です。

み「強酸性ではないか。
 やっぱり、硫化水素が出てるせいか?」
婆「湖底から噴き出ておる」
やっぱり、硫化水素が出てるせいか?
↑これが湖底で起こってるわけです。

婆「流れこむ沢にも、PH3以下の強酸性のものがあるしの。
 流出河川が正津川1本ということもある」
太鼓橋のすぐ下流には、立派なコンクリート橋がかかってます
↑太鼓橋のすぐ下流には、立派なコンクリート橋がかかってます。バスはこの橋を渡るのでしょう。

み「それでは、魚は棲めないであろう」
婆「ところがどっこい。
 ウグイが住んでおる」
ウグイです。フツーの魚としか言いようがありません。
↑ウグイです。フツーの魚としか言いようがありません。

み「PH3.5にか!」
婆「左様じゃ。
 世界中の魚類の中で、最も酸性度の強い湖に棲む魚と云われておる。
 ここのウグイには、特殊な塩基細胞がエラにあることが研究によりわかっておる」
ここのウグイには、特殊な塩基細胞がエラにある
↑よーわかりません。

み「魚は、ウグイだけ?」
婆「然り。
 これ、ただ1種じゃ」
み「すなわち、敵がいないということね」
婆「鳥にだけ気をつけてればええじゃろう」
宇曾利山湖を一周する遊歩道
↑宇曾利山湖を一周する遊歩道が整備されてます。周辺で確認される鳥類は、コチドリ、ツツドリ、ウグイス、コガラ、アオジ、ベニマシコ、ホオジロ、トビ、エナガ、ヒガラ、コゲラ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、カッコウ、キビタキ、キジバト、カワウ、カイツブリ、アオサギ、イソシギ、マガモなど。

み「それじゃ、増えすぎるんじゃないの?
 だって、卵を食べる魚がいないんでしょ?」
婆「産卵場所は、ここではない。
 中性の流入河川に遡って行われる。
 6月になると、沢を遡上する真っ黒な魚群で、川底が見えなくなるほどじゃ」
産卵期、オスは婚姻色を纏います
↑産卵期、オスは婚姻色を纏います。フーツーの魚じゃなくなるわけですね。

み「中性ということは、ほかの魚もいるわけね?」
婆「ニジマスやエゾイワナが生息しておるな」
ニジマスです。ほんとに虹色なんですね。
↑ニジマスです。ほんとに虹色なんですね。

み「わざわざ、卵を食べる敵の多いところで産卵するわけね」
婆「それすなわち、長い年月をかけて、酸性に適応してきたという証しじゃな。
 卵や小魚のうちは、まだ適応できないんじゃろ。
 成長するに従い、特殊な塩基細胞がエラに増えていくわけじゃ」
み「でも、この強酸性の湖で、何を食べてるんだ?」
婆「ヤゴなどの水生昆虫や、プランクトン、プラナリアは確認されておる」
プラナリアは、どこで切れても1匹に再生します
↑プラナリアは、どこで切れても1匹に再生します。まるごと食べてしまわないで、ちょっとずつ囓ってれば、永遠に餌には困らないですよね。ま、魚には無理でしょうが。

婆「食べ物がなければ、生きていけんわな。
 決して豊富ではなかろうが。
 食べ物より、敵がいない場所を選んだということじゃな」
律「湖の砂浜に、風車が回ってる風景って、不思議ですよね」
湖の砂浜に、風車が回ってる風景

律「なんか、気持ちがしーんとする」
婆「まさに、『極楽浜』じゃな」
律「どうしてこんなに、砂が白いんですか?」
どうしてこんなに、砂が白いんですか?
↑こんな風景、世界中でここだけでしょうね。

み「ひょっとして、骨でないの?」
律「また、そういうことを言う」
婆「湖水が強酸性ということと関係しているのかも知れんな」
み「漂白されたって?」
漂白されたって?

み「ほんまかいな。
 これはぜひ、ブラタモリで来てもらわなくてはならんな」
ぜひ、ブラタモリで来てもらわなくてはならん

婆「ま、いろいろと難しいじゃろうな。
 ここには、切実な思いを抱いて来ておられる方も多いからの」
切実な思いを抱いて来ておられる方も多い

み「おー、いい東屋があるではないか」
おー、いい東屋があるではないか

律「ここだけ見ると、南国のビーチみたいね」
み「南国の白砂は、サンゴとかの死骸だよね」
西表島の「星の砂」
↑西表島の“星の砂”。有孔虫の殻が堆積したものです。

み「てことはやっぱり、ここのも骨でないの?」
律「こんなところにサンゴがあるわけないでしょ」
み「人骨でがすよ」
律「なんでこんなところに人の骨があるわけ?」
み「散骨よ」
散骨

み「昔から、ここにはそういう風習があったんでないの?」
律「馬鹿馬鹿しい。
 もしそうなら、もう少し大きなカケラがあってもいいはずよ」

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律「砂粒しかないじゃないの」
実際の極楽浜の砂です
↑実際の『極楽浜』の砂です。持ち帰り禁止の札が立ってるそうです(画像が見つかりませんでした)。

み「食うやつがおるんでごじゃるよ。
 毎夜、ここに来て。
 地獄をさまよう餓鬼ですな」
地獄をさまよう餓鬼

み「人骨を拾って食って、砂のうんこをする。
 虚しいのぅ」
律「あんたの発想の方が、よっぽど虚しいわ。
 綺麗な景色じゃないの」
み「確かに、この東屋でビールが飲めたら、ちょっといいかも知れん。
 売りに来んかな?」

↑球場ビール売り子のピットイン。

律「来るわけないでしょ」
み「でも、トイレが遠すぎるわな」
トイレが遠すぎる
↑間に合いません。

み「砂に掘ってやるか?」
律「猫じゃあるまいし」
トイレをしてるわけじゃないようです
↑トイレをしてるわけじゃないようです。

み「ここは、泳げるのけ?」
律「ダメに決まってるじゃないの。
 PH3.5なんでしょ」
み「温泉だって、それくらいだろ」
『薬師の湯』の実測値
↑『薬師の湯』の実測値。PH2.11!コーラがこのくらいのようです。

婆「泳ぐことは可能じゃろう。
 しかし、顔は着けん方がいいな」
律「泳いでみれば?」
み「酸性だろうが、アルカリ性だろうが……。
 わたしは、泳げんでな」
わたしは、泳げんでな
↑わたしは海賊じゃないので大丈夫。

み「ライフジャケットの貸し出しは、しておらんのか?」
ライフジャケットの貸し出し

婆「するかいな」
律「でもほんと、南国の浜辺みたいよね」
風車がシュールです
↑風車がシュールです。

み「夏だったら、サンダル脱いで浸したくなるだろうね。
 あ、また思い出した」
律「脱線注意報発令」
脱線注意報発令

み「ドラマのシーンで……。
 男と女が、波打ち際を走る場面があるよね。
 女性が、脱いだサンダルを片手に持ってさ」
女性が、脱いだサンダルを片手に持って

み「それを、男性が追いかけてる。
〽誰もいない海
〽2人の愛を確かめたくって~
〽あなたの腕をすりぬけてみた~の」

↑南沙織『17才』。色が黒い!

婆「昭和の歌を歌うな!
 しかも音痴じゃ」
わたしが2次会に行かないのは、この流れを恐れるから
↑わたしが2次会に行かないのは、この流れを恐れるからです。
東北に行こう!(126)目次東北に行こう!(128)
み「なんじゃ、そのポーズは?」
婆「知らんのか?
 金井克子の『他人の関係』の振り付けじゃ」
み「昭和の話をすな!」
婆「お主だって、どっぷり昭和じゃろ。
 ほれ、行きますぞ」
み「ちょい待て。
 両側にある、掘っ立て小屋は、なんじゃ?」
掘っ立て小屋
↑3人は「現在位置」のあたりにいます。

婆「湯小屋じゃがな」

み「ひょっとして、温泉か?」
婆「ひょっとしなくてもそうじゃ。
 左手前にあるのが、『古滝の湯』。
 男湯じゃ。
 左奥が、『冷抜(ひえ)の湯』。
 こちらは、女湯」
『古滝の湯』『冷抜(ひえ)の湯』
↑ネットでは、男湯・女湯が逆になった情報もあります。不定期で変わってるのかも?

婆「右にあるのが、『薬師の湯』」
『薬師の湯』

み「待て!
 男湯と女湯があって、さらにもうひとつあると云うことは……。
 混浴じゃな!」
ペリー艦隊の『日本遠征記』の挿絵
↑ペリー艦隊の『日本遠征記』の挿絵。下田にあった公衆浴場だそうです。ペリー提督は、混浴文化に仰天したとか。

婆「目の色を変えるでないわ。
 『薬師の湯』は、男女交代制じゃ」
み「なんじゃ、つまらん」
婆「しかし!
 温泉はもうひとつあるぞい」
み「3つしか見えんぞ」
婆「もうひとつは、右手の宿坊の裏手に……。
 ぽつんと、離れて建っておる」
み「皆まで言うな!
 そこは、間違いなく、混浴じゃな?」
1975(昭和50)年の『谷地(やち)温泉(青森県十和田市)』
↑1975(昭和50)年の『谷地(やち)温泉(青森県十和田市)』。この密着状況はスゴいです。

婆「そんなに混浴に入りたいか?」
み「入るとは言っておらん。
 純真な興味があるだけじゃ」
純真な興味

み「混浴なら……。
 わたしが扉を開けても、咎められることはないわけじゃろ?」
扉を開けても、咎められることはない

婆「そうじゃな」
み「そしたらそこに、素っ裸の殿方がおっても……」
そこに、素っ裸の殿方がおっても……

み「わたしは痴漢ではないと云うことではないか」
『逢夜雁之声(おうよかりのこえ)』
↑『逢夜雁之声(おうよかりのこえ)』の挿絵(画・歌川豊国)。

婆「頭の中身は、立派な痴漢ではないか。
 しかしまぁ、壮年の殿方が入ってる確率は……。
 甚だ低いじゃろうな」

み「壮年じゃないと云うことは……。
 萎びておるということか?」
萎びておる

婆「何が萎びておるのじゃ?」
み「わかっとるくせに。
 ぷぷ」
ぷぷ

婆「このおなご、何とかならんか。
 そばにおるだけで、罰が当たりそうじゃ」
律「すみませんね。
 ほんとに、一度、雷にでも撃たれればいいんだわ」
雷にでも撃たれればいいんだわ

み「一度撃たれたら、それっきりではないか。
 ところで、この温泉の入湯料は、いくらなんじゃ?」
婆「無料じゃ」
無料じゃ

み「にゃんとー。
 混浴もか?」
婆「左様」
み「萎びたもの、見放題じゃな」
萎びたもの、見放題

婆「そんなもん、そんなに見たいか?」
み「もちろん、萎びてない方、希望じゃ」
萎びてない方、希望

み「しかし、昔はみんな、混浴だったんじゃないのか?」
婆「もちろん、そうじゃろうな。
 しかし、昔は……。
 男は褌、女は湯文字を着けて入ったそうじゃ。
 菅江真澄が随筆に書いておる」
み「おー、マスミン」
マスミン
↑マスミンこと、菅江真澄です。

み「こんなところまで来ておったのか!」
婆「誰のことを言ってるのか、わかっておるのか?
 江戸時代の人じゃぞ」
み「知っとるわい。
 湯文字ってのは、腰巻きみたいなもんだよな」
湯文字

み「そんなのを着けてたんじゃ、身体を洗えないではないか」
婆「ここは、身体を洗うために入る湯ではない。
 身を清めるための湯じゃ。
 じゃから、お山(『恐山』)に来て、湯に入らない者はおらんかったんじゃ」
み「今も?」
婆「今は、入る人間の方が希れじゃな」

み「うーむ。
 タダというのに、大いに惹かれる」
婆「萎びたのにも惹かれるんじゃろ?」
み「あくまで、萎びてない方、希望じゃ」
婆「タオルは持っておるのか?」
み「タオルハンカチなら持っておるが?」
高校時代が全盛期だったという選手
↑結局、高校時代が全盛期だったという選手は、少なからずいるものです。

婆「それで全身を拭くのは難しかろう」
それで全身を拭くのは難しかろう

み「備え付けてないのけ?」
婆「タダなんじゃぞ。
 そんなものが備え付けてあるわけないわ」
み「うーむ。
 入るのは難しいか。
 でも、中がどうなってるか、見てみたいもんだな。
 女湯なら、咎めもなかろ?
 確か、こっちじゃったな?」
そっちは『古滝の湯』で男湯じゃ

婆「わざと間違えておるじゃろ。
 そっちは『古滝の湯』で男湯じゃ。
 女湯は向こうに見える『冷抜(ひえ)の湯』じゃ」
み「あ、右側のは、男女交代制だったな」
婆「『薬師の湯』はそうじゃ」
み「今はどっちかな?
 お、『男湯』と出てるぞ」
お、『男湯』と出てるぞ

み「『男湯』の時間ではないか。
 しかし……。
 何時から何時までが、『男湯』なんじゃ?」
婆「わからん」
み「なんでわからんのじゃ!
 ガイドじゃろ」

 実は、これについて、ネットで調べてみたんですが……。
 どこにも情報がないのです。
 時間制なのか、日にちによるのかわかりませんが……。
 そうしたものを書いた貼り紙のようなものは、おそらく、どこにも無いんじゃないでしょうか。
 つまり、湯小屋の入口に、『男湯』『女湯』のいずれかの札が掲げられてるだけではないかと。
 時間制にすると……。
 時間オーバーして入ってる人がいたりして、トラブルが起こりかねません。
 特に年寄りは、時間なんてあんまり気にしませんからね。
 日替わりにしたら、『薬師の湯』に入れない日に当たってしまうこともあるわけです。
 思うに……。
 お寺の人が、誰も入っていないときに、札を付け替えているんじゃないでしょうか?
 つまり、ある程度の目安はあるものの、厳密な時間制にはなっていない。
 だから、あえて公表もしていないんじゃないでしょうか。

婆「ここに『男湯』と掲げてあれば男湯で……。
 『女湯』とあれば、女湯じゃ」
み「いい加減な。
 入ってる途中で掛け替えられたらマズいではないか」
婆「誰もいないときに、替えてるんじゃろ」
み「あの札は、ひょっとして……。
 裏返すと『女湯』になるんじゃないのか?」
裏返すと赤字(外出)になります
↑特命係のです。裏返すと赤字(外出)になります。

婆「何か、悪いことを考えておるじゃろ」
み「あれを『女湯』に裏返して入ったら……。
 中に殿方がいても、言い訳が出来るではないか」
婆「確かに、そういう不届き者がおらんとも限らん。
 裏返し方式ではないはずじゃ」
み「ほんまかー。
 ちょっと見てくるかな」
律「いい加減にしなさい。
 ほんと、子供より手間がかかるんだから」
婆「それじゃ、行きますぞ」
律「どうしたのよ」
み「今、あの窓に、人影が見えた」
あの窓に、人影が見えた

み「裸の背中じゃった」
婆「湯小屋の中なんじゃから、裸で当然じゃろ」
み「窓の外を誰か通ったら、見られ放題ではないか。
 露出狂か?」
露出狂か?

婆「恐山温泉では、窓を開けて入らなければならん」
み「なんでじゃー。
 露出狂温泉ではないか」
婆「アホなことを言うでないわ。
 硫黄泉じゃからじゃ。
 入浴中は、換気しなければならんのじゃ」
入浴中は、換気しなければならん

み「なるほど。
 恐山で成仏してしまっては、洒落にならん。
 しかし、堂々と露出できるとは……。
 恐山は、露出狂の天国じゃな」
恐山は、露出狂の天国

婆「後で、いくらでも入りなされ」
み「わたしが露出狂だと言いたいのか?」
婆「そうじゃないのか?」
み「見るのは好むが、見られるのは好まぬ」
婆「ただの痴漢ではないか」
痴漢ではないか

み「やかまし」

婆「ほれ、行きますぞ」
現在位置

婆「目の前に見えるのが、『地蔵堂本殿』じゃ」
地蔵堂本殿

婆「ご本尊の地蔵菩薩がおわしまする」
み「見れるの?」
婆「ダメじゃ」
延命地蔵菩薩
↑特別にご紹介。衣を着たお地蔵さまです。左に「掌善童子像(仏心を育てる)」、右に「掌悪童子像(煩悩を滅ぼす)」。

み「案外、ケチじゃの」
律「地蔵菩薩って、どういう仏様なんですか?」
婆「こういう質問を待っておった。
 サンスクリット語では『クシティガルバ』と云う」
クシティガルバ像(チベット製)
↑クシティガルバ像(チベット製)。日本の地蔵菩薩とは、だいぶ違います。

婆「“クシティ”は大地、“ガルバ”は胎内、子宮の意味で……。
 意訳して『地蔵』としておる」
意訳とは、原文の一語一語にこだわらず、全体の意味をとって翻訳すること
↑意訳とは、原文の一語一語にこだわらず、全体の意味をとって翻訳すること。

み「おー。
 地蔵の“蔵”は、内臓の“蔵”だったのか!
 ホルモン菩薩じゃな」
美味しいんですが、臭いがねー。噛み切れないし。
↑美味しいんですが、臭いがねー。噛み切れないし。

婆「罰あたりめ。
 大地が、全ての命を育む力を蔵するように……。
 苦悩する人々を、その無限の大慈悲の心で包みこみ、救うところから名付けられたとされておる」
興福寺『木造地蔵菩薩立像(重要文化財)』
↑興福寺『木造地蔵菩薩立像(重要文化財)』。

み「内臓で包むわけね。
 ソーセージじゃな」
翌朝トイレで、これと同じものを見る
↑翌朝トイレで、これと同じものを見るんじゃないでしょうか。

婆「無視して進める。
 日本における民間信仰では、道祖神としての性格を持つ。
 道端におわしますじゃろ。
 一般に、親しみを込めて“お地蔵さま”と呼ばれておる。
民間信仰では、道祖神としての性格を持つ

婆「これ以上知りたければ、自分で勉強しなされ」
み「ま、それは端折りましょう」
端折りましょう
↑歌川広重『大はしあたけの夕立』の一部。雨に濡れないよう、着物の裾を折って帯に挟むことを“端折る”と云いました。

み「ところで、この恐山は、いつごろ開かれたわけ?」
婆「開山は貞観4年と伝えられる。
 西暦862年じゃ。
 平安時代初期じゃな」
平安時代は、江戸時代よりずっと長かった
↑平安時代は、江戸時代よりずっと長かったんですね。

婆「恐山の開祖は、最澄の弟子、円仁と伝えられる」
恐山の開祖は、最澄の弟子、円仁
↑鶴竜?

婆「最澄は、知っておるな?」
み「さいちょう秀樹?」
さいちょう秀樹?

婆「馬鹿たれ。
 天台宗の開祖、伝教大師さまじゃ」
天台宗を開いた伝教大師さま

婆「比叡山延暦寺を開かれた」
比叡山延暦寺を開かれた

婆「円仁は、比叡山で最澄から直接教えを受けた弟子じゃ。
 のちに、第3代天台座主になられておる。
 諡号は、慈覚大師」
み「痔核?
 イボ痔だったのか?」
AV出演の奥さまに、たまにいらっしゃいます
↑AV出演の奥さまに、たまにいらっしゃいます。

婆「黙って、聞かっしゃれ!
 円仁は、下野国の豪族の子に生まれた」
円仁は、下野国の豪族の子に生まれた
↑今の栃木県です。

婆「兄からは儒学を勧められたが……。
 早くから仏教に心を寄せ、9歳で、大慈寺に入って修業を始めた」
大慈寺は、栃木県栃木市に今もあります
↑大慈寺は、栃木県栃木市に今もあります。本堂が最近落成したようです。

律「9歳で、自分からお寺に入ったんですか?」
婆「そういうことじゃ」
み「あり得ん。
 豪族の子なら、遊んで暮らせたろうに」
婆「歴史に名を残す偉人の行いを……。
 自分らと同じ目線で考えてはいけませんぞ。
 15歳のとき、唐より最澄が帰国して比叡山延暦寺を開いたと聞くと……。
 直ちに比叡山に向かい、最澄に師事した」
『比叡山高校』。延暦寺の経営です。
↑甲子園でおなじみの『比叡山高校』。延暦寺の経営です。

婆「円仁は、学問と修行に専心し、師の最澄から深く愛された。
 最澄が、『止観(しかん)』という高度な概念を学ばせた弟子は、10人おったが……」
止観(しかん)

婆「最澄の代講を任せられるようになったのは、円仁ひとりじゃった」
み「ちょっと、端折ってくれませんか」
端折り方
↑端折り方。

婆「忙しないやつ。
 仕方がない。
 それじゃ、遣唐使船で、唐へ渡る場面から語るか」
み「浪曲師か!」
東大出だそうです
↑東大出だそうです。

み「もう少しあと!」
婆「最初に渡航を試みたときで、すでに円仁、42歳じゃぞ」
み「80くらいから」
婆「亡くなっておるわ、バカもんが。
 とにかく、2度の渡航失敗にもくじけず、ようやく3度目に唐に渡った」
遣唐使船
↑こんな船に、150人も乗ってたそうです。成功率は、50%くらいだったとも。

婆「最初に渡航を試みてから2年後、円仁、44歳のおりじゃ。
 以来、まったく中国語が話せないというレベルから、約10年間に渡り修業を積んだ。
 中国は、とにかく広い」
中国は、とにかく広い

婆「当然のことながら、当時は、どこへ行くにも自分の足で歩くほかはない。
 五台山への巡礼には、58日間かけて、1,270キロを歩きとおした」
律「1日、どれくらい歩いたんですか?」
婆「40㎞は、平気で歩いたそうじゃ」
律「えー。
 マラソンと同じくらいじゃないですか」
婆「しかも、毎日じゃぞ」
み「足が磨り減って、半分くらいになってしまうわ」
“マラソン”の語源
↑ギリシャの『マラトン』という都市が、“マラソン”の語源です。『マラトン』での戦勝を伝える伝令が『アテネ』までを走り抜き、「われら勝てり」と告げて息絶えたそうです。その距離が、42.195㎞。

婆「1日40㎞を、歩いて移動するということに驚くのは……。
 今は、ほかに移動手段があるからじゃ。
 当時は歩くしかないのじゃから、選択肢はない。
 何の疑問もなく、歩いたはずじゃ」


婆「で、修業も深まったある日のこと。
 円仁は、夢を見た。
 夢告と云うやつじゃ」
これは、夢告とは違いますね
↑これは、夢告とは違いますね。

婆「神仏が夢に現れ……。
 直接言葉で意志を伝え、指示を与えるんじゃな」
み「仙人か?」
仙人か?

婆「なんで仙人なんじゃ?
 仙人は道教じゃろ」
み「荒川静香が、夢で仙人に教えを受けた」
夢で仙人に教えを受けた

律「なんでここで、荒川静香が出てくるのよ?」
婆「聞いたことないぞ」
み「トリノオリンピックで金メダルを取る前のことじゃ。
 荒川選手は、信州は伊那市のリンクで特訓を重ねていた」
市街地を流れる天竜川が見事でした
↑わたしは、1度だけ行ったことがあります。市街地を流れる天竜川が見事でした。

み「しかし、なかなか自分の目指す滑りが出来ない」
なかなか自分の目指す滑りが出来ない

み「鬱々として眠りに就いたある夜。
 リンクで滑っている夢を見た。
 リンクは、霧に包まれていた。
 昼間の滑り同様、上手く滑れない夢じゃった。
 夢の中でも苦闘する荒川選手は……。
 霧の中から、近づいてくる人影を見た」
ブロッケン現象
↑これは、ブロッケン現象です。

み「人影は、スケート靴を履いて滑らかに滑ってきた。
 ようやく、顔が確認できるところまでやってきたとき……。
 荒川選手は、その場で固まってしまった。
 人影は、白髪の老人じゃったんじゃ。
 しかもその老人は、オレンジ色のチュチュを纏っておった」
オレンジ色のチュチュを纏って

婆「変態の話か?」
変態の話か?

み「黙って聞かっしゃれ!
 凝固する荒川選手の前で老人は、スケート靴を左右180度に開くと……。
 両腕を上げ、大きく背を反らせた」
両腕を上げ、大きく背を反らせた

み「信じられないほど美しいポーズじゃった。
 老人は、そのポーズのまま、再び霧の中に消えて行った」
律「ちょっと、それって……」
み「黙らっしゃい!
 我に帰った荒川選手は、夢の中ですぐさまそのポーズを真似てみた。
 観客の喝采が聞こえた。
 これで理想の滑りが出来る!
 その後、特訓により技を我が物とした荒川選手は……。
 伊那で啓示を受けたその技に、『イナバウアー』という名を付けた」
伊那バウアー

み「その後、この技に磨きをかけ、トリノオリンピックで金メダルを取ったわけじゃ」
トリノオリンピックで金メダル

み「日本選手のトリノでのメダルは、この荒川選手の金メダル、たった1個だったんじゃからな」
トリノでのメダルは、荒川選手の金メダル、1個

み「彼女はまさしく、日本人にとって、女神となった」
荒川の長身(166センチ)が際立ちます
↑左はアメリカ、右はロシアの選手。荒川の長身(166センチ)が際立ちます。

み「どうじゃ」
どうじゃ

 ↓金メダルを獲った、荒川静香のフリーの演技をどうぞ。


婆「そのヨタと、円仁に何の関係があるのじゃ?」
み「夢のお告げじゃろ。
 荒川選手の場合は、仙人じゃったが」
婆「変態の老人じゃないのか?」
変態の老人
↑『亀仙人(ドラゴンボール)』です。

み「失敬な!」
婆「よく恥ずかしげもなく、長々とヨタ話が出来るもんじゃ。
 そもそも、『イナバウアー』というのは……。
 信州の伊那とはまったく関係がないわ」
み「じゃ、何だと言うんじゃ?」
婆「人名ではないか。
 体操でも、新しい技には、それを初めて行った選手の名前が付く。
 昭和30年代前半に活躍した西ドイツの女子選手に……。
 イナ・バウアーがいた」
イナ・バウアー
↑美人ですね。

婆「彼女が開発した技だから、彼女の名前が付いたのじゃ」
彼女が開発した技

み「ぎょぎょ。
 なんで、そんなに詳しいんじゃ。
 不自然ではないか」
婆「何が不自然じゃ。
 ここ青森は、スケートも盛んなんじゃ。
 かくいうわたしも、昔はスケート選手じゃった」
み「なに!
 まさか、フィギュアではあるまいな。
 それは、絶対に許されんぞ。
 想像だにしたくないわ」
婆「なんで頭を振っておるんじゃ?」
み「想像した瞬間、脳が爆発してしまう」
脳が爆発
↑映画『スキャナーズ』。

み「必死に振り払ってるんではないか」

婆「安心せい。
 わたしは、スピードスケートじゃ」
み「まさか、あのぴったりしたユニフォームを着てたんじゃあるまいな」
ぴったりしたユニフォームを着てた

婆「悪いか」
み「悪い!
 あー、想像してしまいそうじゃ」
首を振るな、馬鹿者

婆「首を振るな、馬鹿者。
 おぬしが、いかに人の話を聞いてないか如実にわかるわい。
 さっき、おぬしがイタコのフィギュアがどうのとか言ったときに……」
イタコのフィギュアがどうのとか

婆「わたしはスケートなどせんと言っておいたではないか。
 わたしが詳しいのは、姪がやってたからじゃ」
み「たばかりおって」
たばかりおって

婆「詳しいついでに言うが……。
 イナバウアーというのは、背を反らせる技ではない。
 足技じゃ」
イナバウアーというのは、背を反らせる技ではない

み「そこまで知っておるのか!」
婆「ボランティアガイドを舐めるでない」
み「関係おまへんがな」
婆「イナバウアーというのは……。
 脚を前後に開き、前脚は膝を曲げ、爪先を外に向ける。
 後ろ脚は真っ直ぐ伸ばし、これも爪先を外に向ける。
 スケートのブレードは180度反対を向き、平行となる。
 これによって、真横に滑れるわけじゃ。
 イナバウアーとは、こういう技じゃ」
これが、本来のイナバウアーです
↑これが、本来のイナバウアーです。

み「さて、次に行きますかな」
婆「円仁の話が終わってないわ」
み「まだする気きゃ」
婆「おぬしが、まったく関係のないヨタをかましたからじゃろ。
 思いつきだけでしゃべるでない」


↑自分がしなくていい仕事だと、ほんとに好き勝手なことを言います。

み「それがわたしの信条じゃ」
婆「そんな信条があるか。
 続けるぞ。
 ……。
 どこまで話したか忘れたではないか!」
み「円仁の夢枕に、カメハメハ大王が立ったというところまでじゃろ」
カメハメハ大王
↑『カメハメハ大王(1758~1819)』像。1810年、ハワイ諸島を統一してハワイ王国を建国し、初代国王となりました。

婆「なんじゃそりゃ?」
み「あ、亀仙人じゃったな。
 でもって、円仁に『かめはめ波』を伝授した」
円仁に『かめはめ波』を伝授した

婆「デタラメを、こくな!
 黙って聞かっしゃれ。
 枕元に立った老翁は、円仁にこう告げた。
 『汝、国に帰り、東方行程30余日の所に至れば霊山あり。地蔵大士一体を刻しその地に仏道を広めよ』」
み「ははぁ。
 わかったでおます。
 この夢の意味」
納得したとき、どうしてこの動作をするのでしょう?
↑納得したとき、どうしてこの動作をするのでしょう?

婆「だから、夢告じゃ」
み「ちゃいまんがな。
 早い話、里心がついたんでしょ。
 ホームシックですよ。
 日本に帰りたくなったんです」
駅のホームで反対方向行きの電車が入ってくると、乗ってしまいたくなります
↑朝、駅のホームで反対方向行きの電車が入ってくると、乗ってしまいたくなります(逆方向は、また空いてるのよ)。

み「でも、志願して遣唐使となり渡った身で、そんなことは言えない。
 言うどころか、考えることさえ許されない。
 おそらくは円仁自身も……。
 自分が日本に帰りたがってるなんて、思ってなかったんじゃないかな。
 その無意識下の願望が、夢告という夢になったわけよ」
無意識下の願望が、夢告という夢になった

婆「偉人の言動を、自分の身に引きつけて解釈してはならんと言うに」
み「ま、いいでしょう。
 恐山を開いたわけだから、無事日本に帰り着いたわけよね」
婆「簡単には帰れんじゃった」
み「また、海難?」
婆「それ以前の問題じゃ。
 唐朝に100度も帰国を願い出るが、すべて却下された」
唐朝に100度も帰国を願い出るが、すべて却下

み「なんでまた?」
婆「高僧となった円仁を手放したくなかったんじゃろう。
 しかし、新たに即位した武宗が、道教に傾斜し……」
キョンシーは、道教の妖怪
↑キョンシーは、道教の妖怪です。

婆「『会昌(かいしょう・当時の元号)の廃仏』という宗教弾圧を行った。
 これによって、仏教の外国僧が追放されることとなったんじゃ」

婆「こうして、思いがけぬ形で帰国が叶うことになったのじゃ。
 円仁、54歳のおりじゃ。
 唐には結局、10年いたことになる」
み「船は、どうしたわけ?」
婆「新羅商人の貿易船に便乗させてもらったそうじゃ。
 朝鮮半島沿岸を進みながらの90日間の船旅を経て、博多津に到着した。
 小型ながら、高速で堅牢な新羅船に驚いたそうじゃ」
高速で堅牢な新羅船

み「遣唐使船より、遙かにマシだったわけね。
 なんか、今と逆ですな」
秋田に漂着した北朝鮮の漁船
↑秋田に漂着した北朝鮮の漁船。こんなので冬の日本海に出るのは、死にに行くようなものです。

婆「帰国した円仁は、夢で告げられた霊山を探し歩いた。
 苦労の末、恐山にたどり着いたといわれる」
『宇曾利山(うそりやま)』
↑かつては、『宇曾利山(うそりやま)』と呼ばれてました。“ウソリ”はアイヌ語で、入江や湾の意味があるそうです。

み「ま、唐に比べれば狭いでしょうがね。
 それでも、博多に着いて、下北半島まで行ったわけね」
博多に着いて、下北半島まで行った

み「歩いたんでしょうな?」
婆「歩くほかに方法はない。
 円仁が開山したり再興したりしたと伝わる寺は……。
 関東に209寺、東北に331寺あるとされる。
 浅草の浅草寺もそのひとつじゃ」
浅草寺『宝蔵門』
↑浅草寺『宝蔵門』。『雷門』から『仲見世』を通った奥にあります。

み「そりゃ、無茶でないの?
 何歳で亡くなったんだっけ?」
婆「70歳じゃな」
慈覚大師

み「帰国したのが、54歳でしょ。
 ということは、16年。
 えーと、関東の209と東北の331を足すと……。
 540ですよ。
 16で割ると、年間33.75。
 一ヶ月に3つくらい寺を作った計算になるぞ。
 どんなスーパーデベロッパーでも、無理でんがな」

↑バブル絶頂期の日本。ほんとに、24時間戦ってた人もいたかも知れません。

婆「ま、それが伝承というものじゃて。
 偉い人が開いた寺となれば、箔が付くわけじゃでな」
箔が付く

み「早い話、恐山も“伝承”のひとつってことね」
婆「ほれ、次に行きますぞ。
 日が暮れてしまうがな。
 こんなに話が脱線する客は初めてじゃて」
脱線注意
↑脱線注意。

み「お褒めにあずかりまして」
婆「褒めとらんわ」
み「いよいよ参道から外れるわけね。
 お、ますます臭いが増して来ましたな。
 わたしのおならより強烈じゃわい」
わたしのおならより強烈

律「あんたのは、臭いより音がスゴいのよ」
み「風圧もスゴいのじゃ。
 もうすこし体重が軽かったら、身体が持ちあがってるかも知れん」
風圧もスゴいのじゃ
↑ほんとに、こんな感じのときがあります。

み「宇宙でやったら、銀河系の彼方に発射されてしまうじゃろう」
銀河系の彼方に発射

み「わたしの切れ痔は、たぶん、おならの威力で切れたんだと思う。
 必殺かまいたちじゃ」
必殺かまいたち

律「必殺って、自分が斬られたんじゃないの」
み「そういえば、宇宙服着ておならしたら、臭いんですかね?」
おならによる死亡事故(たぶん)
↑おならによる死亡事故(たぶん)。

律「知らないわよ」
婆「着きましたぞ」
み「なんじゃここは。
 ひどい岩場ではないか」
ひどい岩場ではないか

律「色が変わってるわね」
婆「硫黄泉の湧出によるものじゃ」
硫黄泉の湧出によるもの

婆「昔は、熱泉が噴きあがってたそうじゃ」

↑アイスランドの間欠泉、『ゲイシール』。迫力が違います。

律「どうして、風車が備えてあるんです?」
どうして風車が備えてある?

婆「恐山では、蝋燭も線香も御法度じゃ。
 硫化水素が噴出しておるでな。
 着火の恐れがある」
着火の恐れがある

婆「花を備えても、火山ガスですぐに枯れてしまう。
 そんなわけで、代わりに風車を備えるわけじゃ。
 風車には、風向きを見るという役割もある」
風向きを見るという役割もある

婆「火山ガスの風下に立たないようにな」
火山ガスの風下に立たないように

み「火山ガスって、具体的な成分はなんなんすか?」
婆「二酸化硫黄じゃ。
 別名、亜硫酸ガス。
 恐山を参拝したさい、頭痛や倦怠感を覚える者がおる」
頭痛や倦怠感を覚える者がおる

婆「これを、霊的現象と考える者がおるが……」
霊的現象と考える者もおるが……

婆「大間違いじゃな」
“大間”違い
↑これは、“大間”違い。

婆「有毒ガスによる、軽い中毒症状なんじゃ」
ぜんそくの方は発作を起こす場合もあるそうです
↑侮ってはいけません。ぜんそくの方は発作を起こす場合もあるそうです。

婆「特に、高齢者や身長の低い子供は要注意ですぞ」
み「ふむ。
 ま、長く立ち止まるところではないことは確かですな」
律「この風車、どこかで売ってるんですか?」
婆「総門前の売店で売っておる」
『明寿屋(みょうじゅや)』
↑『明寿屋(みょうじゅや)』さんです。

み「おいくら?」
婆「400円」
この風車、どこかで売ってるんですか?

み「ほー。
 ま、良心的と言えましょうな。
 さて、次に行きましょう」
婆「おっと。
 わしとしたことが。
 ここの名称を言っておらんかったな」
み「名称なんてあるんすか?」
婆「万物にはすべて名前がある。
 ここは、『無間地獄』と云う」
『無間地獄』

婆「生前に大きな罪を犯した者が、永遠の苦しみを受ける地獄じゃ」
生前に大きな罪を犯した者が、永遠の苦しみを受ける
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