Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
カテゴリ:紙上旅行倶楽部/総集編 > 東北に行こう!
み「黙って聞け。
 その人の会社は、西成区にあるそうなんじゃ。
 知っとるけ、西成区?」
知っとるけ、西成区?

客「知ってますよ。
 釜ヶ崎のあるところでしょ」
み「今は、“あいりん地区”と呼ばれておる」
“あいりん地区”と呼ばれておる

み「路上生活者が、多く居住する。
 道を歩いてても、アンモニア臭がする街じゃ」
犬には効かないでしょう
↑釜ヶ崎の写真ではありません。犬には効かないでしょう。

客「行ったことあるんですか?」
み「ない。
 『探検バクモン』で見ただけじゃ。
 異常に安い弁当を売っておった。
 200円くらいだったかな」
1パック100円で、これで200円
↑1パック100円で、これで200円。

み「何が入ってるのかね?」
客「知りませんよ」
み「その弁当屋のおばちゃんが強烈だったな。
 虎柄のチュニックを着ておった」
虎柄のワンピ
↑探しましたが、似たものは発見できませんでした。これは、ワンピですね。

客「そんなの、どこに売ってるんですか?」
み「あっちでは、ポピュラーなアイテムなのであろう。
 でもって、『阪神ファン?』と突っこむ太田に対して、おばちゃんは……。
 『わたしゃ、巨人ファンや』とネタをかましておった」
いい勝負しそうですね
↑いい勝負しそうですね。

客「はぁ」
み「受けない?」
客「話の筋道に取りすがるのがやっとです。
 新潟に出張に来た人の会社が、西成区なんですよね?」
『あべのハルカス』が間近にそびえます
↑『あべのハルカス』が間近にそびえます。

み「さよう。
 その人が、日常目にする風景は、だいたい想像できるじゃろ?」
客「臭いもね」
正規の収集場じゃないので、収集されないのでしょうね
↑正規の収集場じゃないので、収集されないのでしょうね。

み「その人が新潟の街を歩いてて、驚いてた。
 『どうして、ホームレスがいないんですか?』って」
中国のホームレス女性だそうです。美人すぎ。
↑中国のホームレス女性だそうです。美人すぎ。やらせか?

客「大阪弁じゃないんですか?」
大阪弁じゃないんですか?

み「翻訳した」
客「通じるでしょ、そのままで」
み「『なじぇーに、ホームレスがいないまんねん?』」
『サラリーマン』の画像、少ないですね
↑『サラリーマン』の画像、少ないですね。やっぱり、短命キャラだったんですね。

客「何語ですか!」
み「で、取り締まってるのか、ほかの方法があるのか、そのあたりの行政のノウハウを知りたがってな」
そのあたりの行政のノウハウを知りたがってな

客「なるほど。
 東京の公園にも、ありますからな。
 ブルーシートのテント」
『代々木公園』の奥地
↑『代々木公園』の奥地。

み「でも、なーんもしてないのよ。
 行政」
客「NPO?」
路上生活者支援のNPOは、新潟に存在しません

み「路上生活者支援のNPOは、新潟に存在しません」
客「どういうことなんです?」
み「単に、いないんです。
 ホームレスが」
『鳥屋野潟公園』・新潟市中央区
↑ホームレスではありません。お花見です(『鳥屋野潟公園』・新潟市中央区)。

客「どうしてですか?」

み「理由はただひとつだと思われる」
客「なんでしょう?」
み「相槌がうまくなったではないか」
相槌

み「出世できるぞ」
客「もう、定年です」
もう、定年です

み「人間、一生勉強じゃ」
客「正論はいいですから、話を進めてください」
み「新潟にホームレスがいない理由は……」
客「理由は?」
み「冬を越せないからじゃ」
客「……」
み「相槌!」
相槌!

客「意表を突かれました」
み「新潟の冬にホームレスなんかしてたら……。
 間違いなく、凍死する」
間違いなく、凍死する

客「なるほど」
 それじゃ、冬の間だけ……」
み「どこか別の場所に移る?」
どこか別の場所に移る?

客「はい」
み「ここで、縄張りの話に繋がるんじゃ」
ここで、縄張りの話に繋がるんじゃ

客「珍しく、筋道を覚えてましたね」
み「珍しくは余計じゃ。
 良いか。
 ホームレスという生き方は、決して楽なものではないはず」
ホームレスという生き方は、決して楽なものではないはず

客「ま、そうでしょうね。
 収入がほとんど無いから、路上で生活してるわけですから。
 食べるだけで精一杯でしょう」
み「東京とか大阪なら、NPOの炊き出しとかもあるんだろうけどね」
炊き出しに並ぶ列
↑炊き出しに並ぶ列。東京の建設業界は、人手不足なんですよね。日雇い労働者がやれるような仕事は、重機がやった方が安いのでしょうか?

み「それでも、それだけで生活していけんでしょ」
客「それで生活出来たら、誰も働こうとしなくなります」
み「そゆこと。
 生きるためには、空き缶を拾ったり、残飯をあさったり……。
 自動販売機の返却口に手を突っこんで回らにゃならない」
千円札を2枚入れて返却レバーを押すと、千円札1枚と小銭で戻ってくるそうです
↑千円札を2枚入れて返却レバーを押すと、千円札1枚と小銭で戻ってくるそうです。ホンマか?

客「大変ですね」
み「当然、実入りの良い場所には、縄張りがあるはず」
自販機の空き缶入れからゲットするんでしょうか?
↑自販機の空き缶入れからゲットするんでしょうか? 道で拾ってたら、こんなには集められませんよね。

客「なるほど。
 生死に関わる権利ですね」
み「そういう縄張りに、ほかのホームレスが入ってきて、空き缶を拾ったりしたら……」
もちろん清掃活動です
↑ライバル出現! もちろん清掃活動です。

み「縄張りの主は、黙ってそれを見過ごすか?」
客「トラブルになるでしょうね」
達人同士の決闘?
↑達人同士の決闘?

み「無論。
 いい場所に縄張りを持ってるホームレスは、喧嘩も強いはず。
 入りこんできたヤツは、こてんぱんにやられる」
こてんぱんにやられる

客「厳しい世界ですね」
み「修行してみるか」
客「積極的にお断りします」
み「わかったじゃろ?
 冬の間だけ、ほかの場所になんか移れないってこと」
戦隊ものに登場した旅ガラス怪人
↑戦隊ものに登場した旅ガラス怪人。

客「そうか。
 1年中、縄張りに張り付いていられる場所でしか……。
 ホームレスという稼業は、成り立たないってことなんですね」
み「左様じゃ」
客「それで、新潟には、ホームレスがいないと」
み「大阪から来た人も、この理屈に大いに納得して帰ったそうじゃ」
この理屈に大いに納得

み「おそらく、大阪に帰ってから、100回くらい、このネタを披露したに違いない」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 さて、ここで一息つきましょう。
怪獣も一休み
↑怪獣も一休み。思い切り等身大です。

 実は今、『単独旅行記Ⅲ』の連載を書き終わったところなのです。
ハンコ
↑「み」

 すなわち、↑の★までの文章は、『単独旅行記Ⅲ』の連載前に書いてあった部分。
 でもって、『東北に行こう!』は、2016(平成28)年6月6日(月)の第1349回で中断し……。
 6月8日(水)から、『単独旅行記Ⅲ』の連載が始まったわけです。

 まさか、『単独旅行記Ⅲ』の連載が、ここまで長引くとは思ってませんでした。
 連載がようやく終わったのは、2017年(平成29)年4月8日(土)。
 実に、丸10ヶ月の長きにわたってしまいました。
 理由は、わかってます。
 写真を山ほど撮ってきたからです。
写真フォルダのごく一部です
↑写真フォルダのごく一部です。

 せっかく撮ったからには、やはり紹介したい。
 ということで、ほとんど9割方の写真を題材にしたんじゃなかったかな。
 撮った枚数は、430枚を超えてましたから……。
 紹介した写真は、400枚近くはあったはず。

 『単独旅行記Ⅰ』と『単独旅行記Ⅱ』のときは……。
 初日に健診を受けてました。
 これが上京の目的だったんです。
 『Ⅰ』のときは、心臓ドッグ。
心臓ドッグ

 『Ⅱ』のときは、アミノインデックス検査。
アミノインデックス検診を受け

 で、健診を終えたら、その日はそのまま宿に入り……。
 翌日、午前中に観光して、午後、新潟に帰ってました。
 『Ⅰ』では、大宮の『鉄道博物館』。
大宮の『鉄道博物館』を見学しました
↑「み」

 『Ⅱ』では、両国の『江戸東京博物館』。
両国の『江戸東京博物館』を見学しました
↑「み」

 どちらも見応えがありましたが、行ったのは、そこ1カ所だけ。

 しかるに!
 『Ⅲ』は、当初の目的だった健診が無くなり……。
 2日間、丸々観光というスケジュールにしてしまったんです。
 『Ⅰ・Ⅱ』では、東京行きの目的はあくまで健診で……。
 そのご褒美に、翌日観光を楽しむということだったんですがね。
そのご褒美に、翌日観光を楽しむということだったんですがね

 ま、いいじゃないですか。
 別に健康をないがしろにしているわけではありません。
 実はですね。
 職場で毎年受ける健康診断に、自腹でオプションが付けられるようになったんです。
 腫瘍マーカーによる、がん検診です。
腫瘍マーカーによる、がん検診
↑わたしが受けたのとは違うようですが、だいたいこんな感じ。

 去年の健診で、2回目でした。

 最初の年は、自覚症状の出ない膵臓がんと肝臓がんのオプションを付けました。
膵臓がんと肝臓がん
↑思ったより、上にありました。

 昨年は、そのほかのがんもひっくるめて、フルバージョンにしました。
 自腹での負担額は、12,000円弱になりました。
 でも、健康診断と一緒に受けられて、便利です。
 採られた血液で検査してもらえるので、健診時間も変わりありません。
 小心者で心配性なので……。
お父さんは心配性
↑80年代の漫画だそうです。『りぼん』連載。知りませんでした。

 安心料としては、安いものだと思ってます。
 で、健康面での心配は、少し無くなったわけです。
1割は起こっちまうじゃねーか
↑1割は起こっちまうじゃねーか。

 それなら、せっかく東京に行くんなら……。
 丸2日、遊んだ方が楽しいじゃーんとなったわけです。
 てなわけで、『Ⅲ』では、初日に『江戸東京たてもの園』。
江戸東京たてもの園
↑「み」

 2日目は、『国立科学博物館』。
国立科学博物館
↑「み」

 このセットは、わたしとしてもちょっと欲張りすぎだったと反省してます。
 どちらも、見て回るのに、丸半日はかかるスケールでした。
 しかも、写真撮り放題。
 というわけで……。
 すべてをご紹介するのに、10ヶ月かかってしまったと。
長すぎるつけま
↑長すぎるつけま。用途不明。

 今年(2017年)も、もちろん、東京に行くつもりでいます。
 でも、また10ヶ月も連載してたら、『東北!』はどうなる?
 なので、今年は、あまりボリュームの大きくならないところを見学しようかと思ってます。
 その代わり、すこし遠くまで足を伸ばして、移動の課程も楽しみたいなと。
移動の課程も楽しみたい
↑こんなに田舎までは行かないと思います。

 まだ、計画は立ててません。
 今年は、仕事の案配で、日程を組むのが難しそうなんです。
 いついくかも、まだ決められないです。
 ひょっとしたら、5月には行けず、6月に入ってしまうかも。
 となると、当然、梅雨の季節になりますので……。
 野外施設は避けた方が無難でしょう。
 ま、もう少し悩みます。
 楽しい悩みですね。

 さて、本編に戻ります。
 中断直前の場面は……。
 新潟にホームレスがいないのはなぜかという考察を……。
 大阪から出張してきた人に語ったというエピソードを、「み」さんが「客」さんに語るシーンでした(ややこしい!)。

 大阪、ホームレス、と来れば……。
 やはり、西成区の釜ヶ崎が連想されます。
『探検バクモン』で取りあげられました
↑『探検バクモン』で取りあげられました。左の茶髪の方が案内人。

 ホームレスじゃなくて、簡易宿泊所(いわゆるドヤ)におられるんでしょうか?


 それなら、ホームレス呼ばわりは大変失礼なわけですが……。
 地方の人間が、そう連想してしまうのも事実です。
 ちなみに、『釜ヶ崎』という地名は、現在存在しないそうです。
 元々は、大阪府西成郡今宮村に存在した字(あざ)でしたが……。
 1922(大正11)年、今宮村が、新町名に改編したことにより消滅したそうです。
 でも、通称としての『釜ヶ崎』は、今も残ってます。
 公的な呼び方は、『あいりん地区』になってますが。
あいりん地区

 『あいりん地区』は、JR新今宮駅南側、簡易宿泊所が集中する地区の愛称です。
あいりん地区エリア

 ところが……。
 この新今宮駅前において、2017年3月、驚くべきニュースが入ってきました。
 星野リゾートが、新今宮駅前の4,200坪の市有地を、18億円で買収したのです。
星野リゾートが、新今宮駅前の4,200坪の市有地を、18億円で買収

 もちろん入札でしたが、応札したのは星野リゾートだけだったそうです。
 1坪あたり、43万円。
 これは、大阪の一等地としては、破格の安さです。
 すぐ近くの道頓堀と比べると、70分の1の値段だそうです。
道頓堀と比べると、70分の1の値段

 18億は、市が設定した最低売却価格とほぼ同額。

 こんな一等地が、なぜこんなに安く、しかも競争もなく落札できたのかと云えば……。
 ひとえに、環境が悪すぎるということです。
 この土地は、昔、工場地域だったそうです。
 経緯はわかりませんが、大阪市の市有地となりました。
 しかし、警察署の建て替えなどのとき、仮庁舎があったことはあるようですが……。
 それ以外は使われることもなく、長く更地の状態だったそうです。
長く更地の状態

 早い話、問題物件。
 今回の売却を一番喜んだのは、橋本大阪市長だったとか。
今回の売却を一番喜んだのは、橋本大阪市長だったとか
↑売却が決まって万歳、という画像ではありません。

 星野リゾートがホテルを建てると聞いて、一番驚いたのは……。
 地元大阪の周辺住民だったようです。
 「“リゾート”の対義語は、“新今宮”ではないのか」という声すらあがったとか。

 星野リゾートの既存ホテルは、1泊7万円からという価格設定です。
『星のや 軽井沢』
↑『星のや 軽井沢』。川に沿うようにヴィラ風のゲストルームが並びます。

 さすがに新今宮では、1泊2万円程度に抑えるそうですが。
 20階建て、客室数は600だとか。
右側の道路の向こうが、釜ヶ崎です
↑ホテルの完成イメージ。右側の道路の対岸が、釜ヶ崎です。

 エントランスから安全地帯まで、シャトルバスでも運行しないとダメなんじゃないですか?
 あと、釜ヶ崎ネイティブが、敷地内に入りこまないようにする対策が必要でしょう。
 門を一カ所にして、衛兵でも立たせますか。
門を一カ所にして、衛兵でも立たせますか

 さて、それでは話を本編に戻します。
 わたしも、リハビリのために、ちょっと遡って読んでみましたが……。
 話があっちゃこっっちゃに飛んで、さっぱり筋道を掴めませんでした。
 どうも『津軽海峡冬景色』の歌詞にいちゃもんをつけてたようです。


 “こごえそうな鴎見つめ 泣いていました”という部分。
 「カモメなんかダウンジャケットを着てるようなものだから凍えるわけがない」と、「み」さんが決めつけ……。
カモメなんかダウンジャケットを着てる

 さらに、「羽根があるんだから、もし凍えそうなら、もっと南に行けばいい」と続けます。
もし凍えそうなら、もっと南に行けばいい

 で、渡り鳥みたいに一気に飛ぶ必要はない。
 1日10キロ飛べば、3ヶ月で900キロも移動できる。
 秋口から、海岸線を徐々に南下していって、真冬は九州あたりで過ごす。
 春先は、桜前線を追いかけるように徐々に北上し、真夏は涼しいところで過ごす。
 気楽な旅暮らしが出来るではないかと、持論(思いつき)を展開します。
かっぱえびせん、ゲット
↑かっぱえびせん、ゲット!

 で、それに対して「客」さんが応えます。
 しかし、この「客」さんって、いったい誰じゃ。
「客」さんって、誰じゃ

 どっから一緒なんだ?

 というわけで、かなり遡って読むはめになりました。
 『野辺地』駅から大湊線に乗りこんだとき……。
『野辺地』駅から大湊線に乗りこんだとき
↑懐かしい感じのホームです。

 空のボックス席が無く、初老男性が1人座るボックスに相席させてもらったんでした。
 本州最北端のディーゼル車に溶けこんだ風体からして、疑いもなくジモティと思っていたら……。
 なんと、ベテランの“鉄”さんでした。

 いかにも“鉄”として浮きあがるのを嫌い、カメラも持たず……。
 列車と風景に溶けこむことを信条とする、「溶け鉄」さんでした。
さすが宮脇俊三さん。ストーブ列車に溶けこんでます。
↑紀行作家の宮脇俊三さん。ストーブ列車に溶けこんでます。

 で、現在、列車が走ってるのは、『有畑』と『近川』の間。
『有畑』と『近川』の間

 『むつ市』に入ったあたりです。
 それではようやく、『東北に行こう!』、再開です。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

客「近川駅ですね」
近川駅です

み「シンプルさ、ここに極まれりという駅だな。
 最近、建て替えられたみたいだね。
 トイレさえ無いっぽい」
客「待合室だけですな」
「存続させるという目的で完結してるね。
 ま、致し方ないんだろうね。
 さらば、近川駅」
さらば、近川駅
↑反対方向(『野辺地』)に向かう画像かも知れません。

み「たぶんもう、ここに来ることは一生無いんだろうな」
客「まさに、旅の感慨は、そこに尽きます」
み「ちらちらと海が見えるね」
客「いい砂浜ですよ。
 海水浴場になってます」
浜奥内海水浴場
↑近川駅近くの『浜奥内海水浴場』。

客「山からの川が、何本も流れこんでますから」
山からの川が、何本も流れこんでますから

客「さっきの、近川駅も、近川という川のほとりにあるからです。
 この先の駅も、金谷沢、赤川と、川の名前が続きます」
み「あの海の向こうに見える、ずんぐりした山は?」
客「釜臥山(かまぶせやま)です」
釜臥山(かまぶせやま)です

み「おー、まさしくその名のとおりの山容だね。
 けっこう高そうだけど」
客「879メートルです。
 下北半島では最高峰ですよ。
 頂上近くに展望台があります。
 頂上には、航空自衛隊のレーダーも。
 通称、ガメラレーダーと呼ばれてます」
ガメラレーダー

み「なんじゃそれ?
 まさか、ガメラを発見するためのレーダー?」
海洋堂のフィギュアを使用した画像
↑海洋堂のフィギュアを使用した画像。

客「ガメラの由来は、レーダーの覆いが、ガメラの甲羅に似てるからです」

↑動画でご覧ください。

み「何のレーダー?」
客「空自のレーダーです。
 戦闘機はもちろん、弾道ミサイルも探知追尾できます。
 実は、このレーダー……。
 米軍最新鋭のステルス戦闘機『F22』をキャッチして、世界を震撼させました」
米軍最新鋭のステルス戦闘機・F22

み「ほー。
 そんなスゴいシステムがあるんだ」
客「大湊には海自の基地もあります。
 津軽海峡の監視基地ですね」
み「あぁ。
 津軽海峡は、公海だったね」
津軽海峡は、公海だったね

み「のどかな風景と思ってたら……。
 このあたり、国防上の要衝だったわけだ」
客「そうです。
 釜臥山の展望台に行ったときも、進入禁止の立て看板を見ました」
釜臥山・進入禁止の立て看板

客「展望台からは、大湊や下北の市街地から陸奥湾まで一望できます」
大湊や下北の市街地から陸奥湾まで一望

み「しかし、さっきからずーっと道路が並行して走ってるよね」
客「国道279号です。
 野辺地から、函館までの路線です」
国道279号

み「てことは、海上国道区間があるわけだ」
客「よくご存じですな。
 本州と北海道を結ぶ海上国道のうちの1路線です」
み「何路線あるの?」
客「3本です。
 あとは、280号、338号です。
 280号は、青森県外ヶ浜町の三厩港と北海道福島町の福島港間が海上区間です。
 でも、青函トンネルが開通して以来、フェリー航路が運航されてないんです」
青函トンネルが開通して以来、フェリー航路が運航されてないんです
↑錆びた看板が残ってるのが、なんとも荒涼たる風情です。

み「それでは、国道の体をなさんではないか」

客「現在、フェリー会社を募集してるようです」
み「採算が合わないから、就航してないんでしょ」
客「そうでしょうな」
み「そんなら、運航再開は無理ではないか。
 潔く、国道の看板を返上すべし」
高知県香南市『龍馬歴史館』
↑大政奉還の場面とのこと(高知県香南市『龍馬歴史館』)。こんな、こじんまりしたところでやったわけ?

客「そんな殺生な。
 国道になってるからこそ、国のお金で道路の維持管理が出来るんです。
 県道や町道になったら、そんなお金、出なくなりますよ」
広島県の県道です
↑広島県の県道です。

み「それが、これからの日本の定めです。
 2065年には、日本の人口は、今より30%も減るそうではないか」
こんな時代が来るなんて、高度成長期には考えもしなかったでしょうね
↑こんな時代が来るなんて、高度成長期には想像もしなかったでしょうね。

客「8800万人になるらしいですな。
 ま、わたしは生きてませんけど」
み「わたしは、生きてる可能性がある」
生きてたとしたら、おそらくこんな有様
↑生きてたとしたら、おそらくこんな有様。

み「わたしの年金は、ちゃんと払われるんだろうな」
客「微妙ですね」
み「人ごとだと思って。
 団塊の世代くらいが、一番幸せな一生なんじゃないかね。
 55歳で定年退職して、年金もすぐもらえて」
55歳で定年退職して、年金もすぐもらえて

客「すみません」
み「こうして、好きな旅行もできるわけだな。
 わたしが働いて払ってる税金で」
働けど働けど……
↑働けど働けど……。

客「なんで、こんな話になるんですか」
み「あーたが不景気なことを言うからでしょ」
客「海上国道に話を戻します。
 最後のひとつは、国道338号」
国道338号

み「海上区間は?」
客「279号と一緒です。
 青森県大間町から函館市ですね」
み「津軽海峡を渡るフェリーは、なくなったんでないの?
 青函トンネルが出来て」

↑青函トンネルと云えば、この曲です!

客「確かに、青函連絡船は廃止されましたが……。
 フェリー航路は残ってますよ。
 津軽海峡フェリーが、1日2便就航してます。
 所要時間、90分ですね」
津軽海峡フェリーが、1日2便就航してます

 ↓『青森-函館』航路もあります。
『青森-函館』航路もあります

み「そうなの?
 青函トンネルが出来たんだから、フェリーなんていらないでしょ」
客「誤解されてるようですが……。
 青函トンネルは、鉄道トンネルです。
 道路は通ってません」
本州側の入口
↑本州側の入口。

み「なぜじゃ!」
客「排気ガスとか、抜けないんじゃないですか?」
排気ガスとか、抜けないんじゃないですか?

み「じゃ、青函連絡船はなんで廃止したの?」
客「青函連絡船は、鉄道連絡線です」
干満の調整はどうやったんでしょう?
↑岸壁まで伸びる線路と船尾がくっつき、貨物列車がそのまま乗りこめました。干満の調整はどうやったんでしょう?

客「鉄道はトンネルが通ったので、鉄道連絡船が廃止されるのは理の当然でしょ」
鉄道連絡船が廃止されるのは理の当然

み「で、国道をつなぐ海上連絡線は残ってると」
客「左様です」
み「納得できん」
客「してくださいよ。
 ところで、お昼は食べられましたか?」
ところで

み「話題を変える気だな」
客「連絡船に執着してもしょうがないでしょう」
み「青森駅で、立ち食い蕎麦を食べた」
青森駅で、立ち食い蕎麦を食べた
↑青森駅ホームの『八甲田』(現在は、ホームのお店は無くなってます)。

客「それはまた、粋なものを食べましたな」
み「であろう。
 わたしの大好物、天玉そばじゃ」
わたしの大好物、天玉そばじゃ
↑『八甲田』のおしながき。

み「あーたは食べてないの?」
客「はい。
 ちょっと乗り換えが慌ただしくて」

客「大湊に下りたら、美味しい海鮮をいただこうかと。
 よろしければ、ご一緒にと思ったんですが」
み「やっぱり、海鮮攻撃だな」
こんなののどこがいいんですかね?
↑こんなののどこがいいんですかね?

客「なんです、それ?」
み「わたしは、生魚が苦手なのじゃ」
客「え。
 それは、もったいない」
み「生魚を食うヤツは、猫の血が混じってるに違いない」
欲張りすぎ
↑欲張りすぎ。

客「そんなことをここらで言ったら、怒られますよ」
み「海鮮丼とか、やたらと高いのも気に食わん」
客「ウニがてんこ盛りなんだから、仕方ありません」
『築地・鮨國』3,200円
↑『築地・鮨國』3,200円。途中で吐くと思います。

み「なんであんなのを食うかね」
客「美味しいからです」
み「ヒトデの血が混じってるに違いない」
仮面ライダーに出てきたヒトデンジャー
↑仮面ライダーに出てきたヒトデンジャー。造形、結構イケてますね。

み「天玉そばの方が、よっぽどいいです」
『新潟庵(新潟駅新幹線ホーム』の天玉そば
↑『新潟庵(新潟駅新幹線ホーム)』の天玉そば。いつか食べたい。ただし、ネギ抜きで。

客「青森まで来て、張り合いがありませんな」
み「名物に旨い物なし」
客「またそういうことを」
み「駅そばなら、どこも間違いありません」
ここで食べることを、今年のテーマのひとつにしたいと思います
↑『新潟庵(新潟駅在来線ホーム)』。ここで食べることを、今年のテーマのひとつにしたいと思います。

客「そりゃそうですが」
み「ところで、今、どのあたり」
客「『近川』を出てから、『金谷沢』『赤川』も過ぎました」
『金谷沢』『赤川』も過ぎました

み「もう過ぎたの?」
客「時間的にちょっとおかしいですがね」
み「仕方あるまい。
 おそらく、何も書くことがない駅だったんじゃろ」
客「それはそれで失礼ですよ」
み「すると次は……」
客「終点の『大湊』の一つ前、『下北』です」
『大湊』の一つ前、『下北』

み「なんと!
 下りねばならぬ」
客「え?
 『大湊』まで行かないんですか?」
み「『下北』からバスに乗る」
さとう珠緒さん、この撮影時は40歳
↑大間崎がゴールと云うことは、下北も通ったんですかね? さとう珠緒さん、この撮影時は40歳。若いですよね。

客「大湊線に乗ったのは、今日が初めてではない?」
み「初めてですが」
客「次に来る予定は?」
み「こんな地の果てに、何度も来るわけなかろ」
客「声が大きいです。
 それじゃ、もう一生、大湊線に乗ることはないかも知れないでしょ」
み「まず、ないですな」
客「そんな。
 それじゃ、『下北』から『大湊』を乗り残すことになりますよ」
『下北』から『大湊』を乗り残す

み「あのな。
 わたしは、JR全線踏破をしようってわけじゃないの。
 あなた、やっぱり宮脇俊三の亡霊じゃないの?」
さすが宮脇俊三さん。ストーブ列車に溶けこんでます。

客「宮脇さんは、わたしの心の師です。
 わたしは、大湊線は、今日で32度目ですが……。
 一度も終点まで乗らなかったことはありません」
み「アホじゃ」
アホじゃ

客「失敬な。
 棺桶に入るとき、後悔しますよ」
棺桶に入るとき、後悔しますよ
↑秩父の『ジャランポン祭り』。

客「あー、あのとき、大湊まで行かなかったのが、今生の名残りだと」
み「棺桶に入るとき、意識があったら大変じゃ」
棺桶に入るとき、意識があったら大変じゃ

客「ものの例えです」
み「31回も乗ったんなら、1回くらい途中下車してもいいでしょ」
客「そうはいきませんよ。
 これで、大鵬の優勝回数に並ぶんですから」
大鵬の優勝回数に並ぶ
↑巨人・大鵬・卵焼き。このフレーズの創作者は、堺屋太一だそうです。

み「どういうつながりがあるんじゃ!」
客「こだわりと言っていただきたい」
み「大湊を下りたら、病院を訪ねなさい。
 脳波が異常です」
脳波が異常です

客「残念ですが、ここでお別れですね。
 しかし、お連れの方、よく寝てますね」
み「無防備なヤツ。
 ティッシュを持ってないか?」
客「コヨリを作るんですか?」
コヨリを作るんですか?

み「なぜわかる?」
客「そのネタ、さっきやったばかりじゃないですか。
 コヨリで、鼻の穴をくすぐるんでしょ」
コヨリで、鼻の穴をくすぐるんでしょ

客「あまりにも馬鹿馬鹿しくて、脳の皺に刻まれました」
み「下らんことばかり覚えてると、大事なことを忘れるぞ」
周りの人は大迷惑
↑周りの人は大迷惑。

客「大事なことって何ですか?」
み「他人の大事なことが、わたしにわかるかい」
客「もういいです。
 早く起こしてあげてください。
 半分寝ぼけてると、タラップから転げ落ちたりしますよ」
半分寝ぼけてると、タラップから転げ落ちたりしますよ

み「先生、律子先生」
客「起きませんな」
み「先生、急患です!」
律「は、はい。
 すぐ行きます」
急患対応
↑急患対応。

客「跳ね起きましたな。
 医者の鏡です」
律「じ、地震?
 揺れてる」
み「騒がしいやつ。
 下りるよ」
東北に行こう!(122)目次【Mikipedia】フェムリバ!
み「選択肢⑤が、130メートルだったの。
 チミが、問題を遮ったんじゃ」
客「反則でしょ」
いや~ん
↑いや~ん。前袋が外れると“不浄負け”となりますが、後ろは大丈夫だそうです。

客「四択って言ったんだから」
み「頑是ないヤツ」
自分の子供がこういうことをしたら、間違いなく捨てて帰ると思います
↑自分の子供がこういうことをしたら、間違いなく捨てて帰ると思います。

客「普通、抗議しますよ。
 いかがです、先生?」
律「こういうのと、まともにやり合うというのが、そもそもの間違いです」
日本の歌謡曲が、一番元気だったころですね
↑夏木マリ『絹の靴下』。1973年(昭和48年)の作品。作詞は阿久悠。日本の歌謡曲が、一番元気だったころですね。

客「……確かに」
がっくし

み「抗議は却下。
 講義を進める」
客「どうぞ」
どうぞ

み「投げやりになってどうする」
投げやりになってどうする
↑これは、やり投げ。

客「ならざるを得ませんでしょ」
み「最終氷期における海面低下は、最大で約130メートルじゃ。
 次の試験に出すから」
「試験に出すから」と言うときの教師の顔
↑「試験に出すから」と言うときの教師の顔。

客「もういいです」
み「投げたらあかん!」
投げたらあかん!
↑お馴染みの光景ですが……。九州場所では見られません。九州場所のマス席では、4枚の座布団が繋がってるからです。

 ↓こんな塩梅です。
九州場所のマス席では、4枚の座布団が繋がってるからです

客「進めてください」
み「ノリの悪いヤツ」
客「十分、ノリすぎました」
ゴーゴーを踊る星飛雄馬
↑ゴーゴーを踊る星飛雄馬。

客「反省してます」
練習中でしょうか
↑練習中でしょうか。

み「続いて、第2問」
客「いりません!」
み「生徒が問題を拒否してどうする」
ホラーのようです
↑ホラーのようです。

客「生徒じゃありませんから」
み「良いか。
 最終氷期における海面低下がわかっただけでは、何の意味もないのだぞ。
 津軽海峡の深さとの比較が大切なんじゃ」
津軽海峡の深さとの比較が大切なんじゃ

客「降参ですから、答えを言ってください」
降参ですから、答えを言ってください

み「気力が足りん!」
気力が足りん!
↑幻想です。

客「精も根も尽き果てました」
精も根も尽き果てました

み「足腰の弱いやつ」
客「足腰は関係ありません」
み「足腰を鍛えに鍛えて癌で死に」
足腰を鍛えに鍛えて癌で死に

客「何ですか、それは?」
み「山川阿茶先生の川柳です」
この人のことではありません
↑この人のことではありません。

み「言っておくが、花菱アチャコとは違うぞ」
吉本興業の漫才師。大正から昭和にかけて活躍しました。
↑吉本興業の漫才師。大正から昭和にかけて活躍しました。

客「よくそんな芸人の名前、知ってますね。
 筋肉野郎を皮肉ってるわけですか?」
もちろん、ステロイド使ってます
↑もちろん、ステロイド使ってます。

み「未熟!」
宮本武蔵の奇襲を、鍋の蓋で受け止める塚原卜伝(ぼくでん)
↑宮本武蔵の奇襲を、鍋の蓋で受け止める塚原卜伝(ぼくでん)。有名な逸話ですが、この2人は同時代の人ではないので(武蔵の生年は、卜伝の死後)、まったくの作り話です。

客「川柳なんて、知りませんから」
1987年にスタートした『サラリーマン川柳(第一生命)』
↑1987年にスタートした『サラリーマン川柳(第一生命)』。これまでの投句数は、104万句だとか。

み「この阿茶先生は、文字どおりの先生なの。
 すなわち、女医さん。
 大正8年に東京女子医大を卒業しておられる」
なんでこんなに男がいるのかと思ったら、大学院は男女共学なんだそうです
↑なんでこんなに男がいるのかと思ったら、大学院は男女共学なんだそうです。

客「そのころの癌は、まさしく死病だったでしょうね。
 でも、女医さんなら、余計不謹慎じゃないですか?
 身体を鍛えてる人を馬鹿にしてるみたいで」
ネコと一緒にエクササイズ
↑ネコと一緒にエクササイズ(ネコはいい迷惑)。↓


み「だから、未熟者と言っておる。
 そんな、上っ面な句ではないわ。
 人生の無常を詠んでおる」
諸行無常
↑『諸行無常』は、仏教の根本思想。この世に存在するすべてのものは、同じ状態を保つことなく移り変わっていき、永久不変なものなどないということ。

客「はぁ。
 また、話がずれてますけど」
み「忘れておらんわい。
 津軽海峡の深さの話じゃ」
津軽海峡の深さの話じゃ

み「生徒がだらしないので、講義を進める。
 最終氷期における海面低下は、130メートル。
 しかるに!
 津軽海峡の底は、深さが140メートル」
津軽海峡の底は、深さが140メートル
↑その100メートル下を、青函トンネルが通ってます。

み「つまり、津軽海峡の中央部には、大河のような水路部が残ったのじゃ」
津軽海峡の中央部には、大河のような水路部が残った
↑130メートル海面低下のシミュレーション図。北海道は大陸と地続きになりますが、津軽海峡は残ってます。

み「おわかり?
 すなわち、動物は渡れないの」
客「でも、樹の幹とかに乗って、漂流することだってあるでしょ」
漂流することだってあるでしょ

み「パカモン!
 津軽海峡の潮流を知らんのか!
 今の広さがあっても、最大、秒速1.5メートルもあるのじゃ」
アイルランド人スイマーが、横断を試みたそうです
↑アイルランド人スイマーが、横断を試みたそうです(赤矢印が予定ルート)。残念ながら、潮流が強すぎて失敗。

客「時速にして、5.4キロ。
 人が早足で歩くほどの速さじゃ。
 これが、川のように細かったら、速さはどれほどのものになるか」
『闘竜灘(兵庫県加東市)』に、明治時代に掘られた水路
↑『闘竜灘(兵庫県加東市)』に、明治時代に掘られた水路。舟はこの水路を通ることにより、激流を避けることができました。

み「おそらく……。
 マッハ3にはなる」
ナンバーが『5』なのは、『Go』とかけてるのか?
↑ナンバーが『5』なのは、『Go』とかけてるのか?

客「なるわけないでしょ!」
み「そこまではいかんにしてもじゃ。
 氷河期の狭い津軽海峡は、激流に近い流れだったはず。
 そんなところに丸太が落っこちたら、あっという間に海のもずくです」
もずくは、なかなか美味しいものに当たりません
↑もずくは、なかなか美味しいものに当たりませんが、美味しいものは、驚くほど美味しいです。

客「藻屑でしょ」
磯野家の先祖だそうです
↑磯野家の先祖だそうです。幕末の人だとか。お盆のころ、波平の夢枕に登場します。

み「てなわけで……。
 津軽海峡を境に、北海道と本州の生物相が異なるわけじゃな」
津軽海峡を境に、北海道と本州の生物相が異なる

客「たとえば、どんな動物です?」
み「ブラキストン線を北限とする種はツキノワグマ、ニホンジカ、ニホンザル、ライチョウ、ヤマドリ、アオゲラ。
 逆に、この線を南限とするのが、ヒグマ、エゾシカ、エゾシマリス、ミユビゲラ、ヤマゲラ、シマフクロウ、ギンザンマシコなどである。
 また、タヌキ、キツネ、ニホンリスはこの線の南北でそれぞれ固有の亜種となっている」
大間崎にある説明板
↑大間崎にある説明板です。

客「コピペですね」
コピーロボットみたいです
↑コピーロボットみたいです。Tシャツにプリントされた“CTRL+C”“CTRL+V”は大変有効です。ぜひ覚えましょう。あと、“CTRL+A”もね。

み「ちなみに、これを提唱したのは……。
 イギリスの動物学者、トーマス・ブラキストンじゃ。
 幕末から明治にかけて、日本に滞在した」
イギリスの動物学者、トーマス・ブラキストン
↑函館山にある説明板。

客「でも、納得出来ないなぁ」
み「どこがじゃ?」
客「動物はわかりますよ。
 クマとかシカとか」
シカは木に登らないと思います
↑シカは木に登らないと思います。ついでに、キツネも。

客「でも、なんで鳥まで、種類が違うんですか?
 鳥には、羽根があるでしょ」
コウロコフウチョウの求愛ディスプレイ
↑コウロコフウチョウの求愛ディスプレイ。変態がコートの前を広げてるようにも見えます。

客「津軽海峡は、今よりずっと狭かったはずですよ。
 ひとっ飛びでしょ」
鳥に高所恐怖症は、いるんでしょうか?
↑鳥に高所恐怖症は、いるんでしょうか?

み「寒すぎて、飛べなかったんじゃないの?」
2015年初頭、アメリカを襲った寒波
↑2015年初頭、アメリカを襲った寒波。動物園のペンギンが、屋内に退避させられたそうです。

客「どうして、寒いと飛べないんです?」
み「羽根を広げたら、体温を奪われるではないか」
栃木県羽田沼。氷上です。
↑栃木県羽田沼。氷上です。どうして、もう少し南に行かないんですかね。

客「それは、住んでる場所でもそうでしょ。
 ヤマゲラが飛べなかったら、生きていけませんよ」
ヤマゲラ。けっこう大きいです。
↑ヤマゲラ。けっこう大きいです。自動車に接触してしまったようです。

み「わたしに聞くでない。
 ブラキストンに聞いてくれ」
客「都合の悪いことは、人のせいですか」
み「ところで、ブラキストン線が歌詞に入った名曲があるのを知っておるか?」
客「知りません。
 こんな特殊な用語、どんな歌に使えるんです?
 生物学部の部歌ですか?」
み「生物学部なんて部があるかい。
 理学部じゃろ」
“応用”が付きますが、生物学部がありました。東京工科大学です。
↑“応用”が付きますが、生物学部がありました。東京工科大学です。

客「じゃ、理学部生物学科ですか」
ホタルイカの研究をするんでしょうね
↑ホタルイカの研究をするんでしょうね。

客「科歌になるのかな」
み「そんな水戸黄門の高笑いみたいな歌があるかい」
客「何です、それ?」
み「カーッカッカッカ」
カーッカッカッカ

客「古いですね。
 東野英治郎じゃないですか」
み「やっぱり、水戸黄門といえば、この御方しかおらん。
 道で行き会ったお年寄りが、その場に土下座したことがあるという」
道で行き会ったお年寄りが、その場に土下座したことがあるという
↑若きもすなり。

客「ホントですか」
み「聞いた話じゃ
 でも、あれだけイメージが固まっちゃったら……。
 ほかの役とか出来なかったろうね」
別の役、ありました(『女7人あつまれば(1982年)』)
↑別の役、ありました(『女7人あつまれば(1982年)』)。特別出演ですが。

客「悪役は難しいですよね。
 ところで、何の歌なんですか?」
み「おぉ、そうじゃ。
 北海道新幹線の開通を記念した『カムイの風』という曲です」
客「知りません」
み「たわけ者!
 ↓『ニコニコ動画』に、ちゃんと載っておるわ」


客「ははぁ。
 北海道新幹線は、青函トンネルで津軽海峡を渡りますね」
北海道新幹線は、青函トンネルで津軽海峡を渡りますね

み「左様」

↓北海道側の入口がある今別町には、こんな神社が。地元住民が、自費で設置したとか。
北海道側の入口がある今別町には、こんな神社が

客「歌ってみてください」
み「♪ふかーさ、にひゃーくよんじゅーめーたー」
客「何でそんなに音が高いんですか。
 声がひっくり返ってますよ」
わたしは、すべて当てはまる気がする
↑わたしは、すべて当てはまる気がする。

律「はた迷惑よ。
 恥ずかしい女ね。
 みんな振り返ってるじゃないの」
背中に顔を描いて、前屈してるのです
↑振り返る画像を探してたら、妙なものを発見。なんだと思います? 腹踊りの反対。背中に顔を描いて、前屈してるのです。アメリカで流行ってるんだとか。

み「初音ミクの音程じゃから、仕方ないの」
初音ミクの音程じゃから、仕方ないの

み「超音波一歩手前の高音じゃ」
超音波一歩手前の高音じゃ

客「人が歌えないじゃないですか」
み「♪たっぴのうなそこにー」
律「やめなさいって」
わかっちゃいるけどやめられない
↑わかっちゃいるけどやめられない。

み「♪さんせんきじょうは、ひかーりかがやく、しろーがねーのやー」
叫ばないで

律「叫ばないで」
み「ノドから血が出そうじゃ」
ノドから血が出そうじゃ

客「静かに歌ってくださいよ」
み「高音が出せないじゃろ」
高音が出せないじゃろ

客「まだ出てこないんですか?
 ブラキストン線」
み「次に出るわい。
 ♪ブラキストンせん、つらぬきーわたる、せいかんとんねる」
客「こんな歌詞、知識がなければ、理解できないでしょ」
み「わからなければ、調べれば良いのじゃ。
 人間、一生勉強です」
人間、一生勉強

客「また、正論を言う」

 さて、みなさんはもう、お聞きになりましたか?
 名曲『カムイの風』。
 ぜひ、お聞きください。
 動画と歌詞のページは、こちらになります。

み「今、どのあたりじゃ?」
客「わたしも、大湊線に乗りながら……。
 これほど、車窓を見なかったのは初めてです。
 どうやらもう、『むつ市』に入ったようです」

↑『有畑』と『近川』の間で、『むつ市』に入ります。

み「確か、『むつ市』って、日本最初のひらがな名の市だよね」
面積は、864.2 km2で、佐渡ヶ島よりデカいです
↑面積は、864.2 km2で、佐渡ヶ島よりデカいです。

客「よくご存知ですね。
 ここまでには、いろいろ変遷がありましてね。
 まず、昭和34年9月に、 下北郡の『田名部町』と『大湊町』が合併し……。
 『大湊田名部(おおみなとたなぶ)市』となりました」
『大湊田名部(おおみなとたなぶ)市』となりました

み「長すぎだろ」
客「当時、5文字という表記は、日本一長い市名でした。
 読み仮名の8文字というのも……。
 『大和郡山(やまとこおりやま)市』と並んで日本一の長さでした」
福島県郡山市と区別するため、“大和”を冠したそうです
↑こちらは、現存してます。福島県郡山市と区別するため、“大和”を冠したそうです。

客「その後、文字数では、『かすみがうら市』『つくばみらい市』が6文字で並んでます」
み「『霞ヶ浦市』『筑波未来市』なら、3文字と4文字でないか」
客「全部ひらがななんですよ。
 どちらも」
どちらも茨城です。張り合ってる?
↑どちらも茨城です。張り合ってる?

み「インチキじゃないか。
 読み仮名の方はどうなんじゃ?」
客「その後に出来た『南九州(みなみきゅうしゅう)市』の9文字が日本一です」
『南九州市』は、イマイチ味わいのない市名ですね
↑『南九州市』は、イマイチ味わいのない市名ですね。いっそ、『さつまいも市』とかはどうです?

み「小さい“ゆ”が2つも入ってるではないか」
↑“キャ”“ショ”“ニュ”“クヮ”などのように、ヤ・ユ・ヨ、またはワの小さい字を添えて書き表されるものを、拗音(ようおん)と云うそうです。初めて知ったわい。

み「事実上、7文字じゃ。
 9文字とは認定できん」
客「あくまで、文字の数ですから」
み「でも、ま、長い方に固執せんで、『むつ市』にしてしまったのは利口じゃの」
標識も見やすいですね
↑標識も見やすいですね。

客「『大湊田名部市』じゃ、住所を書くのが大変です。
 覚えてもらえないでしょうし」
長い住所と云えば、京都
↑長い住所と云えば、京都。めんどくせー。

み「いつ、『むつ市』になったわけ?」
客「昭和35年8月です」
ダッコちゃん人形がブームになった年
↑ダッコちゃん人形がブームになった年。この人形の、どこが受けたんですかね?

み「すぐではないか」
客「11ヶ月後ですね」
み「よほど、市民からのブーイングが大きかったんじゃろ。
 陸奥湾に面してるから、『むつ市』というのは、実にわかりやすい」
神宮球場でのイベント。日付けに深い意味は無いようです。
↑神宮球場でのイベント。日付けに深い意味は無いようです。

み「でも、なんで平仮名にしたのかね?」
客「やっぱり、漢字だと、読み間違えられると思ったんじゃないですか?
 “みちのく”とも読めますし」
黄色い部分が、陸奥国。巨大な地域でした。
↑黄色い部分が、陸奥国。巨大な地域でした。

み「なるほど」
客「その後、相撲取りで陸奥嵐(むつあらし)という幕内力士が出ましたけどね。
 関脇までなりました。
 昭和40年代だったかな」


み「知らんわい。
 しかし今では、ひらがな市は、ぜんぜん珍しく無くなったな」
客「さいたま市なんて、政令指定都市まで出来ましたからね」
広島市や仙台市より大きいとはびっくり
↑広島市や仙台市より大きいとはびっくり。

客「『むつ市』が最初だって知ってる人も少ないんじゃないですか」
み「それじゃもう、これが一番ってものはないの?」
客「あります。
 『下北駅』です」
2010年に建て替えられ、風情ゼロになりました
↑2010年に建て替えられ、風情ゼロになりました。建売住宅みたいです。こんなこと書くと、地元の利用者には怒られるでしょうね。

客「本州最北端の駅なんです」
み「『下北駅』って、陸奥湾に面してるよね」
『下北駅』って、陸奥湾に面してるよね

み「てことは、その北側には、ぜんぜん駅がないってこと?」
客「昔はあったんですよ。
 津軽海峡側まで抜ける大畑線が」
津軽海峡側まで抜ける大畑線が

客「最初は、国鉄の路線でしたが……。
 1985(昭和60)年、下北交通に移管されます。
 下北交通はそれまで、下北バスというバス会社だったんです。
 大畑線を引き継ぐことになって、下北交通に改称しました」
み「純粋なバス会社が、鉄道を引き継ぐって、珍しいんじゃないの?」
昔の写真かと思ったら、2011年撮影でした
↑昔の写真かと思ったら、2011年撮影でした。時が止まってるようです。

客「ほかには無いんじゃないですか」
み「ノウハウも持ってなかったでしょうに」
客「ですよね。
 バス事業で関係のあった京浜急行から指導を受けたようです」
わたしにとって、ほとんど馴染みのない鉄道です
↑わたしにとって、ほとんど馴染みのない鉄道です。どこを走ってるんでしょう。

客「でも、その路線も、2001(平成13)年に廃止になりました」
み「わずか、15年あまりではないか」
客「車両や施設が老朽化してしまいましてね」
車両や施設が老朽化してしまいましてね
↑『大畑線』の機関車、ではありません。

客「新しくする余力は無かったようです」
み「それで、『下北駅』が、最北端に返り咲いたってわけか」
客「いえ、返り咲きじゃないです。
 初めてですよ」
み「でも、大湊線の方が、開業は先でしょ?」
客「大湊線の開業は、確か1921(大正10)年です」
開業90年は、2011年
↑開業90年は、2011年。もう少しで、100年ですね。

み「ほれ、見なさい。
 大畑線は、その後でしょ?」
客「1939(昭和14)年です」
『大畑駅』跡に残る駅名標
↑『大畑駅』跡に残る駅名標。10年くらい前の撮影のようです。今でも残ってるんでしょうか。

み「その間、28年間は、下北駅が最北端だったんじゃないの?」
客「それが、そうじゃないんです。
 大湊線が開通したとき、下北駅は無かったんです。
 下北駅は、大畑線の分岐駅として作られたんです。
 つまり、下北駅の開業は、大畑線の開業と同時です」
大畑線『田名部駅』。1976(昭和51)年早春。
↑大畑線『田名部駅』。1976(昭和51)年早春。ドラマの1シーンみたいな風景です。

み「ぬわんと。
 それでは、大畑線の廃業により、初めて本州最北端の駅となったわけだな」
客「そうなんですが……。
 大畑線があるうちから、最北端を名乗ってたんです」
み「なじぇに?
 詐称ではないか」
客「大畑線は、1985(昭和60)年、下北交通に移管されたでしょ。
 で、下北駅に、『JR東日本の「てっぺんの駅」』という看板が掲げられたわけです」
み「せこ」
看板はセコいですが、駅舎は風情があります
↑看板はセコいですが、駅舎は風情があります。

客「2001(平成13)年からは、名実ともに最北端になりました」
み「そんなに、最北端にこだわりたいのかね?」
北極点です。腹立つ寒さでしょうな。
↑どんなに頑張っても、ここには敵いませんが。北極点です。腹立つ寒さでしょうな。

客「青森県民は、そうみたいですね。
 実は、終点の『大湊駅』も名乗ってるんです」
こちらは、風情を保ってます
↑こちらは、風情を保ってます。古くからある民宿みたいですね。

み「なんでよ?
 『下北駅』の方が北なんでしょ?」
客「『下北駅』は、北緯41度16分48秒。
 『大湊駅』は、北緯41度16分40秒。
 わずか、8秒ですが、『下北駅』が北です」
わずか、8秒ですが、『下北駅』が北です

み「8秒って、距離にしてどれくらい?」
1秒は、3,600分の1度ということです
↑1秒は、3,600分の1度ということです。

客「緯度の1秒が約31メートルですから……。
 250メートル弱ですかね」
み「明確に違うではないか。
 なんで名乗れるわけよ」
客「『てっぺんの終着駅』と名乗ってるんです」
『てっぺんの終着駅』と名乗ってるんです

み「せこー。
 瀬古利彦」
こちらは楽太郎(現・円楽)でした
↑失礼。こちらは楽太郎(現・円楽)でした。

客「あなたも古いですね」
み「なぜか、年寄りとばかり話が合う。
 おかげで、うちのブログの読者は、ジジイばっかりじゃ」
ブログ閲覧時の想像図。見たら死ぬで。
↑ブログ閲覧時の想像図。見たら死ぬで。

み「デイサービスに通ってるのまでいる」
客「はっはっは。
 時代ですね。
 デイサービスに通う人が、パソコン使うんだから」
パソコンサロンのあるデイサービス
↑パソコンサロンのあるデイサービス。もちろん、デイの利用者が使うのです。

み「まさしく。
 でも、なんで青森県は、そんなに最北端にこだわるかね。
 北に北海道があるのに」
北斗市のゆるキャラ『ずーしーほっきー』
↑北斗市のゆるキャラ『ずーしーほっきー』。む、無敵……。北斗市のホームページからは、画像データがダウンロードできます(こちら)。何考えてんねん。

客「本州で最北端ということにこだわりたいんじゃないですか」
み「それは、ひょっとして、北海道は蝦夷の国で、本土じゃないという差別ではないか?」
北海道は蝦夷の国で、本土じゃないという差別ではないか

客「そんなつもりはないでしょう」
み「わかった。
 ブラキストン線で線引してるわけだ」
ブラキストン線で線引してるわけだ

客「そんなつもりは、もっと無いと思います」
み「ちなみに、本州最北端ってどこ?
 あ、竜飛岬か」
竜飛岬か

客「ぜんぜん違いますよ。
 下北半島が突き出してるでしょ。
 大間崎です」
大間崎です

み「じゃ、『津軽海峡冬景色』の歌詞はどうなるわけ?」

↑もう一度、どうぞ。わたしは、洋装の方が好きです。

み「“ごらん あれが竜飛岬 北のはずれと 見知らぬ人が指をさす”とあるではないか」
日本公開は、1983(昭和58)年
↑日本公開は、1983(昭和58)年。なんと、33年も前です。少年を演じたヘンリー・トーマスは、現在44歳。

み「あれは、嘘なわけ?」
客「嘘じゃないでしょ。
 実際、竜飛岬で本州が終わってるんですから。
 “ごらん あれが竜飛岬 本州最北端と 見知らぬ人が指をさす”と歌ってれば嘘ですけど」
見知らぬ人が指をさす

み「音数が合わんではないか。
 そもそも、なんで見知らぬ人が、わざわざ指をさすわけ?」
客「わたしに聞かないでください」
み「その前に、“北へ帰る人の群れは 誰も無口で”とあるではないか」
最近、犬の散歩をしてる人を見かけなくなりました
↑最近、犬の散歩をしてる人を見かけなくなりました。

み「知らない人に話しかけるってのは、全然無口じゃないぞ」
客「そういう人もいるでしょ」
み「“誰も”と言ってるではないか」
客「なんでわたしに絡むんです。
 やっぱり、飲んでるんじゃないですか?」
やっぱり、飲んでるんじゃないですか?

客「阿久悠さんに聞いて下さいよ」
阿久悠さんに聞いて下さい
↑シングル売り上げ枚数、6,831万9,000枚。

み「あんた、ちょっと死んで、あの世で聞いてきてくれるか?
 でもって、夢枕に立って教えちくれ」
何しに出てきたか、忘れてる幽霊がいるそうです。案外、向うも緊張してるのかも。
↑何しに出てきたか、忘れてる幽霊がいるそうです。案外、向うも緊張してるのかも。

客「バカ言わないでください」
み「早い話、これはナンパですな」
ナンパされたい女性は、7月8日、街に出陣しましょう
↑ナンパされたい女性は、7月8日、街に出陣しましょう。

み「若い女の1人旅で、しかも明らかに楽しい旅ではない」
若い女の1人旅で、しかも明らかに楽しい旅ではない
↑京都のようです。

み「これは付け入るチャンスだと。
 下心が見え見えじゃ」
指圧の心は下心
↑指圧の心は下心。

客「はいはい」
み「なんじゃ、そのあしらうような言いざまは。
 まるでわたしが、頑是ない酔っぱらいみたいではないか」
頑是ない酔っぱらいみたいではないか

客「違うんですか」
み「今日はまだ、1滴も飲んでおらんわい。
 そういえばこの歌詞、まだ気に入らぬところがある」
客「どこですか?
 名曲じゃないですか」
み「さては、小料理屋で歌いあげてるんじゃないか?
 はた迷惑な」
こんなところで歌われたら、大迷惑
↑こんなところで歌われたら、大迷惑。

客「小料理屋で歌える曲じゃないでしょ。
 唸らなきゃなりませんから」
み「皿小鉢が飛んでくるわ」
お皿を、コンクリート壁にぶつけて割れるそうです(6枚・2,000円)
↑京都の陶芸工房。お皿を、コンクリート壁にぶつけて割れるそうです(6枚・2,000円)。

客「どこが気に入らないんです?」
み「“こごえそうな鴎見つめ 泣いていました”」
こごえそうな鴎見つめ 泣いていました
↑撮影場所は不明です。同じ方向を向いてるのは、風に背を向けているからでしょう。

客「ここのどこがおかしいんです?」
み「カモメなんかダウンジャケット着てるようなものだろ」
カモメなんかダウンジャケット着てるようなもの
↑23,200円(こちら)。

み「凍えるわけないわい。
 第一、羽根があるんだから、もし凍えそうなら、もっと南に行けばいい」
南への風って、北風ですよね
↑南への風って、北風ですよね。

み「日本列島、ずーっと海岸線に沿って南に行けるんだから、気楽な旅暮らしが出来ると思うがね」
ハンバーグを食うカモメ
↑ハンバーグを食うカモメ。太り過ぎじゃね?

み「冬になったら、海岸線を徐々に南下していって……。
 真冬は、九州あたりで過ごすわけ」
このキャラのデザインで特筆すべきは、“目”だと思います
↑このキャラのデザインで特筆すべきは、“目”だと思います。

み「で、春から夏にかけては、花を追いかけて北上する。
 渡り鳥みたいに、1日で何百キロも飛ぶ必要はないんじゃ」
オオヒシクイは、時速100キロで10時間連続して飛べるそうです
↑オオヒシクイは、時速100キロで10時間連続して飛べるそうです。ひと飛び、1,000キロです。

み「せいぜい、10キロくらい飛んだら、その場で遊び暮らす」

↑ボールで一人遊びするカモメ。知能が高いんでしょうね。

み「それでも、3ヶ月あれば、900キロも移動できるではないか。
 気楽な稼業じゃ」
気楽な稼業じゃ

客「やっぱり、カモメにも縄張りがあるんじゃないですか?」
カモメにも縄張りがあるんじゃないですか?

客「人の土地に行ったら、ゆっくり休んでなんかいられないんですよ」
み「縄張りで思い出した」
客「また、話が飛ぶわけですね」
み「カモメのように」
カモメのように
↑渡辺真知子『かもめが翔んだ日』。

客「迷鳥ですよ」
み「しゃべってもいいか?」
客「どうぞ」
み「死んでも知らんぞ」
死んでも知らんぞ

客「何でですか!
 ほんとに酔ってるでしょ」
み「自らの話に酔ってる」
この人も、自己陶酔型じゃないでしょうか
↑この人も、自己陶酔型じゃないでしょうか。

客「病気ですよ。
 先生、どうにかしてください」
 あれ、ズルいな。
 寝ちゃってるや」
み「狸寝入りかも知れんぞ」
狸寝入りかも知れんぞ
↑体型は、完全にタヌキ化してます。

客「爆睡中に見えますが」
み「ティッシュ、持っとるけ?」
客「持ってますよ」
み「野糞をするためか?」
野糞をするためか?

客「違いますよ!
 何てこと言うんですか。
 ティッシュくらい、身だしなみでしょ」
ティッシュくらい、身だしなみでしょ

み「1枚、出してみ」
客「鼻でもかむんですか?」
み「こよりを作るのじゃ」
こよりを作るのじゃ

客「は?」
み「こより、知らんか?」
客「知ってますよ。
 紙を捻って細い紐状にしたものでしょ。
 そんなの作って、どうするんです?」
み「その先を、この先生の鼻の穴に挿しこむのじゃ」
その先を、この先生の鼻の穴に挿しこむのじゃ

客「何のためにそんなことするんです?」
み「狸寝入りかどうかの判別が出来る」
へぶしっ!
↑へぶしっ!

客「……」
その無言の意味を問いたい

み「その無言の意味を問いたい」
客「バカバカしくて、しゃべる気にもならんのです」
み「それでは、話を続ける」
客「続けますか」
み「大阪の会社の人が、新潟に出張に来ての」
『タケちゃんマン』で短命に終わったキャラ、『サラリーマン』
↑『タケちゃんマン』で短命に終わったキャラ、『サラリーマン』。

客「はぁ」
み「気のない相槌じゃな」
気のない相槌じゃな

客「縄張りの話なんですよね?」
建築現場での“地縄張り”
↑これは、建築現場での“地縄張り”。この後、地鎮祭が行われます。

み「もちろんじゃ」
客「一応確認しておかないと、話の筋道が、さっぱりわからなくなりますから。
 大阪から出張して来た人が、どうしたんですか?」
み「新潟の街を歩きながら、とても清潔だと言っておった」
信濃川沿いの『やすらぎ堤』から、柳都大橋を望む
↑信濃川沿いの『やすらぎ堤』から、柳都大橋を望む。高層ビルは、『ホテル日航新潟』。

客「すでに、筋道を見失いました」
CGではなく、福島県に実際にあるようです
↑CGではなく、福島県に実際にあるようです。予算が無くなったみたいです。ほんまか?
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