Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
カテゴリ: 八十八十郎劇場
「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(四十四)


 二の丸に朝陽が射し始めた。
 羅紗は欄干から二三尺身を引いて国境の山並を見つめている。
「羅紗様。皆の者、下に控えましてございます」
 背後の声に羅紗は長いまつげを二三度瞬かせた。
「そうか、すぐ参る」
 そう答えて、羅紗は腰元が階下へ遠ざかるのを待った。
「まだ、何も知らせは入らぬのか?」
「羅紗様……」
 茣蓙に膝を擦る音と共に、部屋に差し込む朝日の中に初音の姿が現れた。
「藩内からはまだ何も知らせは入っておりませぬ。ただ……、丹後のお庭番が小浜の街に何やら動きを認めております」
「なに、小浜に動きが?」
 目を見開いた羅紗を初音は見上げる。
「まだ確かなことは分かりませぬが、伊織様や大石様が何か事を起こされたやも……」
 胸に両手を握り合わせて、羅紗は初音の前に座った。
「は、初音!」
「羅紗様、どうか御心丈夫に……」
 初音は羅紗ににじり寄るとその肩を抱いた。
「すでに若の身が伊織様や桔梗様と共にあれば、たとえ丹後であろうと我がお庭番が賊に向かいます。さらに藩内に入れば家臣たちもその征伐に加わるとのこと」
 縋るような羅紗の目を初音はじっと見つめ返す。
「望みは、賊がこの丹波と丹後の長い繋がりを知らぬこと。伊織様達が若を賊の手から取り返しさえすれば……」
 初音と共に羅紗は窓の外に目を向けた。
「今私たちは……、ただ、ただそれを願うだけでございます」
 初音のつぶやきを聴いて、羅紗は再び欄干へ身を乗り出す。
 “伊織様……、私の、そして貴女が産んだお子をどうかお助け下さい……」
 朝陽に映えて流れる雲に、羅紗は悲痛な面持ちでそう祈ったのである。


 背後の息遣いが遠くなったのを感じて、蔓は山肌を上る足を止めた。
 振り返ると重い足取りの若の手を引いた桔梗と目が合う。
「少し休みましょう」
 周囲を見回した蔓は、山道脇に倒木を見つけてそう声をかけた。
「さあ、こちらへ」
 蔓は右手をかざして若と桔梗を倒木に誘う。
 赤く顔を上気させた桔梗は、やっと蔓に追い付いて若の手を離した。
「はあはあ……、若、しばしここに座って休みましょう」
「うん」
 童顔を火照らせた鶴千代が倒木に座り込むと、蔓と桔梗はその両脇に腰を降ろす。
「おみ足は如何ですか?」
「なに、大事ない」
 しかし桔梗は心配そうに若の顔を覗き込む。
「しかし先ほどは少々顔を歪めておられましたので、背負うてさしあげようかとも……」
 鶴千代はすまし顔を桔梗へ向けた。
「その時は、その……お前が苦しそうだったので可愛そうに思うたのじゃ」
 思わず桔梗は蔓と顔を見合わせた。
「それは有難うございます。しかし万が一おみ足が痛くて歩けぬ時は、ご遠慮なく私にお教えください。お助け致しますがゆえ……」
「私は大事ないが……。お前がそう言うのなら、うん、わかった」
「有難うございます」
 不本意そうな返事に大きく頷くと、桔梗は懐から白手拭いを取り出す。
 そして蔓と笑みを交わしながら、若のふくれ面の汗を手拭で吹き始めたのである。

 竹筒の水を飲んで一息ついた桔梗と蔓は、周囲の地形に視線を巡らす。
 初夏に国元を旅立った後、早いもので夏の終わりを告げる蜻蛉が目の前を飛び始めた。
 その先四五丁も離れているだろうか、右上がりになだらかに上る尾根が見える。
「あの尾根の向こうに、丹後の永谷坂に続く山道があります。道に出たら商人服に着替え、出来れば近くで荷車も手に入れましょう。若をお連れするのに便利です」
「なるほど。わかった」
 桔梗は尾根から蔓に視線を戻して頷いた。
「あ!」
 突然声を上げた鶴千代が、立ち上がって走り出す。
「若! どちらへ!?」
 思わず立ち上がった桔梗ではあったが、すぐにその表情を緩めた。
 群れ飛ぶ白い蝶は逃げ去ってしまったが、山肌に咲く黄色い花々の中に鶴千代はしゃがみ込んでいた。
「若。それより遠くへ行ってはなりませんよ」
 返事もせずに花を愛でる鶴千代を桔梗はじっと見つめた。
 “今までこの様に自由に野山を歩いたことはなかったであろう”
 ましてや暗い地下牢に幽閉された後である。
 蝶が飛び花が咲くこの野山は、鶴千代にとって夢の様な世界に違いなかった。

 再び腰を降ろした桔梗に蔓は口を開く。
「桔梗様は、私たちが初めて出会った茶店を覚えておられますか?」
「うむ覚えておるが、それが……?」
 桔梗は蔓に顔を向けた。
「丹後に入りましたら、先ずあの茶店に向かいます。あの茶店は以前より少々知己でございまして、丹波まで帰る食糧その他の備えに役立つはずです」
「そうか! それは助かる」
 桔梗はその少年の様な顔を輝かせた。
 そんな桔梗に頷くと、何故か蔓は真剣な眼差しで続けた。
「苦しい状況に陥った時は、仮に……私がいなくてもあの茶店をお訪ねください。きっと助けてくれるはず」
「蔓……、お前何を……?」
 訝し気な顔で桔梗が問いただそうとした時、
「大石、あれはなんじゃ……?」
 いつの間にか立ち上がった鶴千代が、尾根の方を指さしている。
 その先をたどった蔓の顔がみるみる険しく変化した。

 数丁先の尾根の上から、朝日を背にして四角く黒い影が姿を現わした。
 下から縄の様なものに繋がって、少しずつ上へと浮かび上がっていく。
「若! 早くこちらへ!」
 鶴千代が二人の間に走り込むと、蔓は忙しない視線を周囲に巡らせた。
 しかしあいにく森を伐採した辺りか、身を隠すような太い木立は三人から数十間も離れているのだった。
「あれは一体……?」
 少しずつ空へ登っていく黒い影を凝視しながら桔梗は言った。
「大凧です」
「大凧……?」
「きっと根来の一味が操っているに違いありません」
 三人が見守る中で、ゆっくりと大凧が回り始めた。
「身を低くして動かずに!」
 桔梗は片手で鶴千代をかばう様にして身をかがめる。
 最初に見た黒い影は凧の背中だった。
 こちらを向き始めた凧の中心に、大の字に手足を広げた女の姿が小さく見える。
 浅黒い顔の上で長い髪が風にたなびいている。
「どうする、蔓……?」
「このまま見過ごしてくれるのを願うしかありません。凧が向きを変えたらすぐ森の中へ……」
「わかった。幸いこのまま向こうを向きそうだ」
 まんじりともせずに桔梗たちが見つめる中、ゆっくりと回る凧の向こうに女の姿が消えていった。
「よし、うまく逃れたようだ。行こう」
 三人は急いで立ち上がると森の中へ走り込んで行った。

 ごうごうと耳元に風を切る音を聞きながら、沙月女はにんまりと片頬を緩めた。
「見つけたぞ……」
 凧から右手を離すと何やら何度か手で形を作る。
「見つけた。うん……うん……」
 両手で凧の縄を掴んだまま、上を見上げた蓬莱がつぶやく。
 大きな樫の木を背に座っていた飛燕が、やおら立ち上がって蓬莱に向き直った。
 黒い眼帯の上に斜に黒髪がかかって、残ったひとつの目が冷たい輝きを放っている。
「南西へ三丁ほど、若を入れて三人。近いよ、飛燕……」
 その言葉が終わらぬうちに、飛燕の姿は深い森の中へ消えていた。

 山肌の窪みから水がしたたり落ちている。
 左の崖を覗き込んだ蔓は、その下に小さな沢を見つけた。
「あと半里も行けば丹後への山道に出ますが、ここで少し休んでいきましょう。私はこの下で水を汲んで参ります」
「頼む」
 頷いて沢の方へ振り返った時、突然蔓の身体が固まった。
 いつの間にか崖の手前に、黒装束に身を包んだ片目の女が佇んでいた。
 その陰鬱な女に出会うのはこれが三度目だった。
「桔梗様! 若を!!」
 蔓の叫びで、反射的に桔梗は若を背中にかばった。
 背袋を地面に放り出すと、一緒に括り付けた藁筒を足で踏みつける。
 片方から手を突っ込んで、鞘も抜かずに大小の刀を抜き出した。
 間髪与えず放った蔓の十法手裏剣から素早く身を交わすと、帯から抜き出した小刀片手に飛燕があっと言う間に蔓との間を詰める。
 獣の様な動きの速さに、蔓は身をひるがえす間もなく落ち葉の上に倒れ込んだ。
 そのまま頭上から刀を振り下ろす直前に、危うく桔梗の太刀風が飛燕を蔓から飛び退かせた。
 そのまま出足鋭く左手の小刀が胴を切り裂く決め手も、片足のままさらに蜻蛉を切った飛燕に交わされる。
「く……」
 思った以上に手強い相手に桔梗が唇を噛んだ時、鈍い爆発音とともに周りに白い煙が立ち込めた。
「若! 早く向こうに!!」
 若が白煙の向こうに走り去ると、それを追おうとした飛燕は大小を構えて立ちはだかる桔梗の前で一瞬たじろいだ。
 ただでさえ俄か片目になった上に、白煙で桔梗との距離が測りかねたからである。
 再び背後から風を切って襲い来る手裏剣を、飛燕は身を翻して交わした。
 白煙の中で身構えている蔓を見つけると、飛燕は小刀片手に突き進んでいく。
 “まずはお前からだ”
 まさに蔓に刃先が届きかけた時、突然飛燕の姿が消えた。
 一瞬の間をおいて、下方から何かが落ち込む大きな水音が聞こえた。
「蔓、蔓、無事か!?」
 鶴千代と一緒に再び煙りの中に戻って来た桔梗が叫んだ。
 その声を聞いて、蔓は大地を踏んでいたはずの両足をだらりと下げた。
「はい、なんとか……」
 そのまま大きく両足を振ると、頃合いを見て頭上に小刀を振るう。
 宙を飛んだ身体が桔梗の横に着地した。
「蚕の糸をより合わせたものです」
 身体に巻いた白い糸を外しながら蔓は言った。
 桔梗が上を見ると、風で流されていく白煙の中に崖から伸びた太い枝が見え隠れしている。
「あいつ、この前まで片目ではなかったので」
 片目で視界の悪い相手を惑わして、蔓は空中に吊り下げた自分を餌に飛燕を崖下に落としたのである。
「組打ちでは分かりませんが、このような仕掛けは私どもの方が上かと……」
「うん」
 全く表情も変えぬ蔓を桔梗は頼もし気に見つめた。
「しかしこの程度であやつが退くとは思えません。早く進みましょう」
「うむ、そうしよう」
 三人は荷物をまとめると、再び若狭から丹後に向けて歩き始めた。
元禄江戸異聞 根来(四十三)目次【マッチロック・ショー】フェアリーズ・パーティ(Ⅰ)
「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(四十三)


「あっははは、まあいい格好だこと……」
「ひゃっははは!!」
 美津の高笑いに呼応して、周りの牢からも若い女の嬌声が巻き起こった。
 眉を寄せたお蝶が固くその目を閉じ合わせる。
 両足を左右に縄で引き絞られて、土間の上で丸裸のまま大の字にその身体が押し開かれたのである。
 抜けるような白い肌があちこち泥で汚れたものの、返ってそれが油の乗った女体の美しさを引き立てているようにさえ見える。
 縄の張り具合を確かめた春花と秋花は、意味深な笑みを浮かべてお蝶の横に腰を降ろす。
「ふふ……」
 春花の右手がやおらお蝶の乳房を掴み込んだ。
 誇らしく上向きに盛り上がった乳房が、春花の指で膨らみを増しながら小さく弾む。
「悔しいけど、こんないい女にはめったにお目にかかれないよ」
 そう言いながら秋花の右手が下腹部の茂みを逆撫ですると、黒々と盛り上がった繊毛が蝋燭の灯りに艶々と輝いた。
「ふふふ……じゃあとりあえず、このお乳の先を固く立たせてあげようか……?」
 そう言って春花が艶やかな唇をお蝶の乳首に近づけた時、
「待て」
 鷹の声に思わず春花と秋花は顔を上げた。

「そいつはもうそれでいい。お前たちはもう休んで明日の京行きに備えるんだ」
 鷹は美津たちに向かって不機嫌そうに顎をしゃくった。
「ええ……?!」
 不満そうな表情を浮かべた春花に、片膝から立ち上がった秋花が肩をすくめる。
「春ちゃん、もうお開きだってさ。お楽しみはまた後日、……さあ行くよ」
 春秋花姉妹は、何気なく鷹の様子を窺いながら出口の方へと姿を消した。
 続いて鷹の後ろへ廻った美津は、すれ違いざまにふとその足を止める。
「ふふ、まさかあんた……、まだあいつに未練があるんじゃないだろうね……?」
 その言葉に振り向いた鷹が美津を睨みつける。
「うっふふふ……」
 鋭い眼差しを苦笑いで(かわ)すと、美津は出口へと去って行った。
 やがて美津の足音も聞こえなくなり地下牢は再び静寂に包まれる。
 鷹は格子戸を抜けてゆっくりとお蝶に近付いて行った。

「久しぶりだね……」
 お蝶の脇に佇んだまま鷹はぽつりとつぶやいた。
 固く閉じていたお蝶の目が薄っすらと開く。
「もうやがて、20年か……」
 そう言いながら腰を降ろす鷹からお蝶は目を顔を背ける。
 片膝をついた鷹がお蝶の全身に視線を巡らせた。
「あの頃あたしたちは、まだ大人になる途中だった……」

 その日の修行を終えて谷川で水浴びをする少女たちの光景が、ぼんやりと鷹の脳裏に浮かんだ。
 夕日に光る黒髪に手拭いを使いながら、鷹は渓流に佇む一人の少女を見つめていた。
 真白な肌に川の水がきらきらと輝いて、なだらかに膨らみを帯びたその身体に鷹はそっとため息をつく。
 河原の大きな岩の上に上がると、その少女は濡れた身体を惜しげもなく夕日に晒した。
 鷹は改めて自分の身体に視線を落としてみる。
 胸こそ少し膨らみ始めてはいたが、色黒でぎすぎすした身体。
 胸の内に微かな痛みを感じたまま鷹は腰を上げる。
「お蝶。余分に持ってきたからこれ使いなよ」
「え……? あ、ありがとう……」
 お蝶はその顔に愛くるしい笑みを浮かべると、差し出された白い手拭いを受け取った。
 岩の上で立ったまま、お蝶は両手を上げてその黒髪を手拭いに包んだ。
 しかしふと自分の身体に視線が注がれているのに気付くと、お蝶はくるりと鷹に背を向ける。
「ねえ鷹……。あたし昨夜のことは忘れるから、あんたも……ね?」
 急に鷹は熱く顔が火照るのを覚えた。

 色白でなで肩の美しい体つきと、思わず(いだ)きたくなるような魅力的な顔立ち。
 鷹も筋肉質で伸びやかな肢体の持ち主ではあったが、自分にはないお蝶の女らしい美しさにある種の憧れを抱いていた。
 そしていつの頃からだろう、その憧れが胸を締め付ける感覚に変わり始めたのである。
 次第にそれがはっきりとした形を取り始めて、まだ若い昂ぶりを身体に感じるまま、鷹はお蝶を思い浮かべながら自分を慰めることがあった。
 そして昨夜夜半はとうとうその思いが募って、隣で寝息を立てているお蝶の身体に手を伸ばしてしまったのだ。
 しばらく夢うつつで自制していたお蝶も、とうとう股間に伸びた鷹の手を掴んだ。
 “だめだよ鷹、こんなこと”
 お蝶は身を起こして、二三人を挟んで離れた場所に寝床を移した。
 それから一年も経たぬうち、すでに伊賀の“くのいち”として名の売れた姉のお通と比較されるのに嫌気がさした鷹は、外の世界を求めて伊賀の里を飛び出していったのである。

 ふと我に返った鷹は改めてお蝶の横顔を見た。
「年月は経ったけど、あんたのことは分かってるつもりだ。今あんたが誘いに乗って仲間になると言っても、それがどこまで信用できることか……」
 相変わらず横を向いたままのお蝶の顎を鷹は右手で掴んだ。
 無理やり振り向かせたお蝶の目と鷹の目が向き合う。
「今までのお蝶のままじゃあ、あんたは仲間にはなれないのさ」
「え……?」
 思わずつぶやきを漏らしたお蝶に鷹は片頬を緩める。
「もうすぐあんたはお蝶じゃなくなるんだ。分かるかい?」
 不安げなお蝶の目が大きく見開かれた。
「ちくしょう!」
 とうとう叫びを上げたお蝶に鷹はゆっくりと頷いた。
「でもまだお蝶のうちに、一度あたしが落としてあげるよ。どうやらあの伊織といい仲らしいが、どこまで忠義だて出来るか……」
 鷹はお蝶の胸にゆっくりと顔を近づける。
「ふん! まだあたしに気があるんなら無駄だよ。あんたになんか……」
 顎を上げたお蝶の冷たい眼差しにも構わず、鷹は鼻先でお蝶の右の乳首を二三度嬲るとゆっくりと口に含んだ。
 静かに吸い離された乳首は、豊かな乳房のふくらみから微かに頭をもたげて濡れ光っていた。
「ふふ、あの時私を嫌がったけど、あんたのあそこは少し濡れてたんだよ。覚えてるかい?」
 お蝶は再び鷹から顔を背けた。
「その指を舐めるのさえもったいなくて、あたしはあんたの臭いを嗅ぎながら気持ちよくなった。今夜はたっぷり舐めて、あんたを気持ち良くしてあげるよ」
 一旦身を起こした鷹は、引き開けられたお蝶の両足の間に腰を降ろす。
 着物が汚れるのも構わずその場で腹這いになると、お蝶の太ももの付け根の茂みに顔を近付けていく。
 隠れた部分に温かい鷹の息を感じて、牢の石積みに目を細めながらお蝶は朱の唇を噛んだのである。

「く……」
 固く目を閉じたまま、お蝶は強張った息を喉の奥に詰めた。
 両脇から伸びた鷹の両手に乳房を揉み上げられて、その指先が戯れる乳首は先ほどとは比べ物にならないほど膨らみから弾き立っている。
 背中の曲線が土間との間に隙間を作って、お蝶の柔らかみを帯びた裸体に小さな戦慄(わなな)きが走った。
 溢れる熱い露を舐め上がった舌先が小さな強張りに纏いつく。
 鷹の鋭い眼差しが下からじっとお蝶の表情を窺う。
 それまでつれなく焦らしていた舌先が、今度はしつこく急所を嬲り続けた。
「ぐ……う……!!」
 みるみるお蝶の首から上が赤く染まり上がった時、お蝶の股間から鷹の顔が離れた。
「あの夜もこうしたかった……。だがもうすぐ、あんたは今までのお蝶じゃなくなる。あたしが今夜、最後の引導を渡してあげるよ」
 再び鷹の顔が伏せられた時、一糸まとわぬお蝶の裸身にぶるっと震えが走った。
 お蝶の陰部に吸い付いたまま、鷹の頭が小刻みに揺れ動き続ける。
 怒ったように弾き立った両の乳首が鷹の指先で弄ばれる。
 強張った背筋を反り上げると、お蝶は縄で縛られた両手を握り締めた。
 眉の間に苦し気な縦皺が刻まれる。
「ぐう!!!」
 喉の奥で低いうなりを上げると、真っ白い下腹部の柔らかみがさざ波を打った。
 歯を食いしばったまま、お蝶は熱い快楽の迸りに身を貫かれた。
「ん……く……!!!! ……ふう! ………はあ……はあ………」
 身を弛緩させて熱い息を吐いたお蝶から、鷹はゆっくりと顔を上げる。
「よく声を上げなかったね……。やっぱり見込んだだけのことはある。しぶとい女だ」
 お蝶の脇に身をずり上げると、鷹はお蝶の乳房に片頬を乗せた。
 右手が下腹部の肌をなぞって陰毛の中に分け入っていく。
「ふふふ、まだまだ……。今度はもっと強く可愛がってあげるよ」
「う……!」
 もうしとど濡れそぼったものを鷹の指に犯されるのを感じて、お蝶は絶望的な眼差しを冷たい石室の天井に向けたのである。


 空に薄っすらと山の端が浮かび始めて、垂れ込めた霧が早朝の冷気に流れていく。
 山肌の窪みに積まれた藁が微かに動いたかと思うと、中から農民の頬かむりが覗き出た。
 注意深く周りに視線を巡らせた女は、ようやくそこから身を乗り出して隣の藁積みに身を寄せる。
「桔梗様、桔梗様……」
 蔓の囁きに藁の一部が揺れ動くと、左右に頭を振りながら大石桔梗の顔が現れた。
「若様は……?」
 その問いかけに桔梗は口の前で人差し指を立てる。
 蔓が藁の中を覗き込むと、桔梗の胸にもたれたまま鶴千代はまだ小さな寝息を立てていた。
 微かな笑みを浮かべて桔梗と蔓は顔を見合わせる。
「久しぶりに外に出た上に山歩きで、お疲れになったのであろう」
 桔梗のささやきに頷くと蔓は再び口を開く。
「しかし今は早めに動く方が得策。いつまでも農民の姿では、長く移動するには不都合です」
「ふむ、お前の言うとおりだが、このままでは若のお御足もいつまでもつか分からぬ。丹波までの短い行程とはいえ、敵から逃げおおせるのは簡単なことではない……」
 桔梗の言葉に俯いて考え込んだ蔓だったが、やがて頬かむりを取って藁くずをはたき落とした。
「分かりました。ではもうしばらくしましたら寄り付きの良い道まで出て、そこで商人の衣装と荷車を私が調達して参ります」
「蔓……」
 桔梗はそう呟いて蔓の顔をじっと見つめた。
「桔梗様……、どうなさいましたか?」
「お前には何から何まで世話になって。すまぬ……」
 じっと見つめて来る桔梗の瞳から蔓は目を逸らした。
 青白くさえ見える蔓の顔がほんのりと赤らんだ様に見える。
「私も桔梗様のお役に立てて嬉しゅうございます……。では、私は道の検討をつけて参ります。桔梗様たちはここで動かずに……」
 そう言い残して歩いてゆく蔓の背中を、桔梗は眩し気に見送ったのだった。
元禄江戸異聞 根来(四十二)目次元禄江戸異聞 根来(四十四)
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