Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
センセイのリュック/幕間 アイリスの匣 #154
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戯曲『センセイのリュック』作:ハーレクイン



幕間(小説形式)アイリスの匣#154



 あからさまな志摩子の言葉に、道代は今更の様に狼狽(うろた)えた。

「これもさっきの、京大の学生はんに聞いた話しなんやけどな」

 志摩子は、上体を起こしながら語り継いだ。志摩子は後部座席に、道代は車の床に座している。志摩子が道代を見下ろす形になった.

「へえ、姐さん」
「さぶ(寒)いとき、いっちゃん(一番)ええのんは抱き合うことや、て」
「へえ?」
「それも服着たままやとあかん。裸で抱き合うのが、いっちゃんぬく(温)いそやで」
「そない、どすかいな。姐さん」
「互いの体温で、お互いを温めあうんやて」
「へええ」
「しやから道、帯緩めて、脱がしてえな。ほんで、あんたも脱ぐんや。裸で二人抱きおうて、脱いだ着物をぜえんぶ(全て)上から羽織るんや。ほうやって、この急場を凌ぐで」

 そう言われた道代には、返す言葉は一つしか無かった。

「へえ! 姐さん……」

 志摩子の言葉は、従者に命ずる主(あるじ)のものだった。
 道代は、遅滞なく志摩子の帯を解(ほど)いた。帯締めも帯留めも、腰紐の類も、すべて緩め、外し、解いた。
 志摩子の上半身の前面が露わになった。その下半身と同様、志摩子の胸から腹にかけての肌は白かった。道代は目の眩む思いがした。これまで、志摩子の肌を見たことが無いわけではない。志摩子が着替える、その殆んどの場に道代は傍にいた。だが、今、この異様な状況の中で目にする志摩子の裸体は、それだけに、これまで目にしたことのないような美しさだった。
 道代は実際、眩暈のようなものを感じた。その目は、表情は、至高の美人図に、裸体画に、女神の彫刻に魅入られる者のそれだった。
 道代にとって、志摩子の半裸体はそのように見えた。もちろん道代は、絵画や彫刻などを鑑賞した経験は全くなかったのだが……。

「道……」
「へえ、姐さん」
「お乳、吸う前に、口、吸うてえや」
「へ。お口……どすか」
「せや。吸うてえな、道」

 さすがに道代は躊躇(ためら)った。従(しもべ)の身で、主(あるじ)に口づけするなど……。

「姐さん……よろしいんどすか」
「ええも悪いもあるかいな。うちがそないし、ゆ(言)うとるんやで、道」

 道代は、志摩子に視線を合わせようとした。
 志摩子の視線は真っ直ぐに道代に向かっていた。
 二人の視線が絡み合った。それ以上、言葉は不要だった。
 志摩子の表情が柔らかく溶け崩れた。
 道代の顔は、引き寄せられるように、自ら求めるように、志摩子の顔に近づいた。
 二人の唇が触れ合う寸前、道代は小さく囁いた。

「小まめ……姐さん」

 志摩子は無言だった。
 志摩子の両の唇が軽く開き、言葉の代わりに舌先が転(まろ)び出た。志摩子の舌先は、道代の唇の中央に軽く触れた。
 道代の両の唇は、軽くではあるが閉ざされていた。それは、志摩子の侵入を許さない、そのような拒否の姿勢ではもちろんなかった。

 主(あるじ)が、前触れもなく従(しもべ)の居宅を訪(おとな)った。気紛れにか、戯れにか、訪(おとな)いを入れる主。従は屋内にあって、信じられない主の声を耳にした。動転した従は、思わず門(かど)を閉ざしてしまう。

(斯様〔かよう〕な荒家〔あばらや〕に)
(お迎えするなど……)

 閉じた門(かど)の内側に凍り付く従(しもべ)。
 しかし、門の外の気配は立ち去る様子も無い。主(あるじ)をいつまでも立たせておくわけにはいかない。全身を縮こまらせた従は、そっと門を開く……。
 道代の両唇は、そのように開いた。軽く、おずおずと開いた。主(あるじ)を迎えた従(しもべ)の門(かど)は、静かに、ひっそりと、小さく開いた。従は……道代の舌は、まだ門の奥にあって主を恭しく出迎えた……。

 主(あるじ)は、門内(かどうち)に入ろうとはしなかった。確かめるように、探るように、主は従(しもべ)の門扉を探り回った。志摩子の舌先は、道代の両の唇を隈なく這った。

「はああ……」

 道代の両唇の間から、かすかな吐息が漏れた。その吐息に乗って、道代の舌は自身の両唇を割った。転(まろ)び出た。
 従(しもべ)は、ようやく主(あるじ)を出迎えた。
 二人の舌先が挨拶を交わした。

(邪魔するぞ)
(御出でなさいませ。斯様なむさい住まいに……)

 ようこそ、の語は出なかった。
 主と従に、それ以上の会話は不要だった。
 二人の舌は、互いを確かめるように突き合い、絡み合い、舐め合い……。その縺れ合いは次第に激しくなった。激しく絡み合う二つの舌は、次第に多量の唾液を纏い始めた。とともに、舌の戯れはより滑らかに、より激しくなっていった。

「ぐぶ」

 二人の口元から、共に唾液が零れ出た。粘性のある液体は、混じりあい、溶けあい……舌と同様に絡み合い、一体になって滴り落ちて行った。それは、水源を異(こと)にする二本の流れが、合流して一本の川になり、流れ下るさまを思わせた。

「あは」
「はああ」
「かはあ」
「ぐふう」

 二人の唇がぴったりと、隙間なく合わさった。唇は、隈なく唾液を纏っていた。粘性のある液に塗(まみ)れた四枚の唇は、少しの隙間も無く密着した。主従、どちらのものとも知れない喘ぎは、一つになった二人の口腔内にくぐもり、反響し、鼻孔から外に漏れて行った。
 志摩子の舌が、道代の口腔に侵入した。
 悠然と、従(しもべ)の居宅内に歩み入る主(あるじ)。土下座をせんばかりに畏まり主を迎え入れる従。主は、珍しいものを見るように、点検するように、従の居宅をゆったりと、時に早足で歩き廻った。しかし、従の居宅はさほど広いものではない。見廻りを終えた主は、悠然と従の前に立った。畏まる従。

(どうれ)
(あれ、そのような)
(よいではないか)
(お戯れを)

 這いつくばる従(しもべ)を、主(あるじ)は悠然と、力強く、有無を言わさず引き寄せた。抱き寄せる。

(可愛がってやろうと言うのではないか)
(なりませぬ)
(何を今さら)
(お、お許しを)
(憎き奴、逆らうか)
(お許し……ひぃっ)

 従(しもべ)の居宅に踏み込んだ主(あるじ)志摩子の舌は、その従、道代の舌を嬲り、蹂躙した。逃げまどい、縮こまろうとする道代の舌は、舐められ、擦られ、叩かれ……。
 しかし、道代の舌はすぐに従順になった。好きなように愛撫を続ける志摩子の舌に、道代の舌はその身を委ねた。
 いや、それは始めの内だけだった。道代の舌は、すぐに積極的に動き始めた。道代の舌は、志摩子のそれを逆に追い始めた。舐め、吸い、噛み……。
 志摩子の舌は撤退した。自らの口腔内に逃げ込んだ。
 道代の舌は後を追い、志摩子の口腔に踏み込んだ。二つの舌の関係は逆転した。先ほどの相手の振る舞いを再現するように、道代の舌は自在に志摩子のそれを嬲った。

「がぶ」
「げぶ」
「ごぶ」
「ぐはあ」

 二人の唇が大きく開いた。開いた二人の口は、僅かの隙を置いて対峙した。それぞれの口腔から転(まろ)び出た二本の舌は、その隙間で縺れあい、絡み合い、追い、追われ……その様は、小型戦闘機の空中戦を思わせた。上昇し、下降し、回転し、反転し、自在に絡み合った。
 二人の舌から、口元から、先ほどと同様、いや、より多量の唾液が漏れ出た。舌と同様、こちらも空中戦を展開しながら零れ落ち、急降下していった。
 志摩子と道代。主従の舌の戯れは倦むことなく続いた。
センセイのリュック【幕間 アイリスの匣 #153】目次センセイのリュック【幕間 アイリスの匣 #155】

コメント一覧
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    • ––––––
      1. とざい東西HQ
    • 2016/06/28 09:51
    • 雪の貴船山中
       志摩子-道代、主従コンビの戯れが続きます。
       半ば遭難しかけ、という切迫した状況下、そない呑気なことしとってええんかい、と余計な口を挟みたくなります。がしかしこれは、二人の生への執着の表れなのかもしれません。
       それと、↓これは志摩子のセリフ。

      「さぶ(寒)いとき、いっちゃん(一番)ええのんは抱き合うことや」
      「互いの体温で、お互いを温めあうんや」

       これはどうもその通りのようですが、舐めたり吸ったりまでは……どう考えても余計です。
       これはもちろん、いかなる場面でもエロくする、という作者の心構えでおま。しかし、なかなかそうならない場合も多い『アイリス』。これは反省。
      反省猿は次郎くん。

       今回、志摩子・道代のそれぞれの舌を主従に見立てた、“ミニなぞらえドラマ”が出てきます。どこか“悪代官と腰元”“帯解きコマ廻し”なんてのも思わせますが、これは作者のちょっとした気まぐれ、お読み飛ばし下さい。久々の八十八十郎さん、『元禄』に影響されたようです。

       しかし、長くなっております「志摩子物語」。まあ、この貴船の場はあと少しで終わりますが、そのあとが長い(まだ続くんかい!)。
       残念ながら続きます。この機会に確認しておきましょう。この、若き日の志摩子のエピソードを書くそもそもの目的は、「あやめを地獄に落としたいほどの志摩子の恨み」これです。これを書くための(でっちあげるための)「志摩子物語」なんですね。

       読者諸兄姉におかれましては、なにとぞ辛抱強くお付き合いいただきますよう、伏して御願い奉ります。
                             作者軽薄、いや敬白

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2016/06/28 19:47
    • これと似たシーンを……
       読んだことがあります。
       漫画です。
       『ゴルゴ13』。
       厳冬の山小屋に、ゴルゴと女性が1人、取り残されます。
       小屋には薪1本、ありません。
       そのうち、女性がうつらうつらし始めます。
       このまま寝入ってしまったら、間違いなく凍死です。
       で、ゴルゴがどうしたか。
       ま、語るまでもないでしょうね。
       女性を裸に剥き、自らも裸になり……。
       女性を眠らせないため、ハゲしい行いをやるわけです。
       その後の場面が、どうなったかは……。
       さーっぱり覚えてません。

    • ––––––
      3. 山岳救助隊HQ
    • 2016/06/28 21:36
    • そんな場面、ありましたか
       まあ、ゴルゴはほぼ毎回やりまくってますから、そのシチュのバリエーションも半端なものではないでしょうね。
       しかし、書きましたように、こういう状況で抱き合うのは暖を取るため。舐めたり吸ったり、ナニしたり、は余計です。

       村上もとかの山岳漫画『岳人(クライマー)列伝』に、こんな一編があります。
       雪山は初めてという若造。冬の北アルプスの単独行で遭難しかかります(当たり前や、愚か者め)。そこを助けたのが、やはり単独行の、しかしこちらはベテランの美人クライマー。二人は雪洞(テントだったかな)内で夜を明かすことに。
       極寒に震える若造。美人クライマーは自分の寝袋に若造を引き込みます。もちろん、やるためではなく、抱き合って暖を取るため……。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2016/06/29 07:28
    • 美人クライマー
       引き込んだということは、着衣のままですか。
       それは、理にかないませんな。
       漫画的には……。
       寝袋の中で脱ぎながら、衣類を外にポイポイ投げるってのが面白い絵になると思います。
       1枚脱ぐごとに、若造が少しずつ元気になっていくわけです。

    • ––––––
      5. 着衣のマハHQ
    • 2016/06/29 13:21
    • 引き込み美人
       もちろん着衣のままです。
       極寒の冬の北アルプス山中、脱いでどうする。
       貴船あたりなら、脱いだ方が温いんだけどね(ホンマかいな)。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2016/06/29 19:43
    • で……
       寝袋に入ってから、どうなったんですか。
       どうもならんかったのなら、腹立たしい漫画です。

    • ––––––
      7. 『吹雪』ハーレクイン
    • 2016/06/29 22:03
    •  ↑この作品のタイトル

      お怒りに油を注ぐようですが……
       どうもなりまへんでした。
       で、何事も無く朝を迎えた二人。
       連れ持って歩き始めますが、美人クライマーが雪庇*を踏み抜き、谷底に転落しちゃいます。声を限りに呼び掛ける若造……、で幕になります。
         *雪庇(せっぴ):山道の縁から、廂のように張り出した雪の塊。
                   その下には地面はありません。

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2016/06/30 07:14
    • この話は……
       話になりません。
       まさに、男が描いた漫画ですね。
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