2020.4.4(土)
「で、美弥ちゃんに電話して発散?
美弥ちゃんなら、気が抜けるんだ」
「高校の後輩だからじゃないの。
東京で、気を張って仕事してると……。
地元で一緒だった子としゃべったら、ホッとするんじゃない?
うちの高校から東京に進学する子、少ないから」
「でも、万里亜さんの話なんか……。
美弥ちゃんと会ってから、ぜんぜん聞いてなかったよ」
「言ってなかったっけ?
ほら。
夏休みの最初、由美が静岡に帰省したでしょ。
東京にひとりでいてもしょうがないから、わたしも地元に帰ったの。
で、高校時代によく通ってた大きな書店で、偶然声をかけられたのよ。
わたしの顔、覚えてたみたいで。
わたし、目立つから。
そのときは、喫茶店でいろいろ話して……。
そこからの繋がりで、東京に戻ってから、万里亜さんのスタジオでバイトすることになったの。
由美がお葬式で、また静岡に帰っちゃったときよ。
だから、再会してからの時間は、由美と出会ってからより、ずっと短いのよ」
「ふーん。
そんなふうには見えないんだけど」
「それより……。
行くでしょ、お店?」
「あんまり気が進まない」
「なんで?」
「やっぱり、トラウマじゃん。
女教授のお店、のこのこ見に行ったせいで、こんなことになったんだから」
「出資してるんだから、見てもらわなきゃダメだって」
「万里亜さん?」
「そう。
見て、感想もほしいって。
アイデアとか」
「だって、福島先生がやってるんでしょ。
もう、先生じゃないけど。
プロ以上のアイデアなんて、出るわけないよ」
「素人の視点からの意見がほしいんだって。
あの先生、業界の体質にどっぷり浸かってしまってて……。
好きにやらせてると、いかにもなお店にしかならないって言ってた」
「それは……。
なんとなくわかる」
「今日、来ないかって」
「これから?」
「授業が終わってからよ。
何か、予定ある?」
「ないけど……」
「じゃ、行きましょ。
いずれは行かなきゃならないんだから。
早いこと済ませた方が、気が楽になるわよ」
美弥ちゃんなら、気が抜けるんだ」
「高校の後輩だからじゃないの。
東京で、気を張って仕事してると……。
地元で一緒だった子としゃべったら、ホッとするんじゃない?
うちの高校から東京に進学する子、少ないから」
「でも、万里亜さんの話なんか……。
美弥ちゃんと会ってから、ぜんぜん聞いてなかったよ」
「言ってなかったっけ?
ほら。
夏休みの最初、由美が静岡に帰省したでしょ。
東京にひとりでいてもしょうがないから、わたしも地元に帰ったの。
で、高校時代によく通ってた大きな書店で、偶然声をかけられたのよ。
わたしの顔、覚えてたみたいで。
わたし、目立つから。
そのときは、喫茶店でいろいろ話して……。
そこからの繋がりで、東京に戻ってから、万里亜さんのスタジオでバイトすることになったの。
由美がお葬式で、また静岡に帰っちゃったときよ。
だから、再会してからの時間は、由美と出会ってからより、ずっと短いのよ」
「ふーん。
そんなふうには見えないんだけど」
「それより……。
行くでしょ、お店?」
「あんまり気が進まない」
「なんで?」
「やっぱり、トラウマじゃん。
女教授のお店、のこのこ見に行ったせいで、こんなことになったんだから」
「出資してるんだから、見てもらわなきゃダメだって」
「万里亜さん?」
「そう。
見て、感想もほしいって。
アイデアとか」
「だって、福島先生がやってるんでしょ。
もう、先生じゃないけど。
プロ以上のアイデアなんて、出るわけないよ」
「素人の視点からの意見がほしいんだって。
あの先生、業界の体質にどっぷり浸かってしまってて……。
好きにやらせてると、いかにもなお店にしかならないって言ってた」
「それは……。
なんとなくわかる」
「今日、来ないかって」
「これから?」
「授業が終わってからよ。
何か、予定ある?」
「ないけど……」
「じゃ、行きましょ。
いずれは行かなきゃならないんだから。
早いこと済ませた方が、気が楽になるわよ」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/04/04 06:30
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今日は何の日
4月4日は、『トランスジェンダーの日』。
性同一性障害(GID)、トランスセクシュアル(TS)、トランスジェンダー(TG)の支援、自助グループである「TSとTGを支える人々の会」が、1999(平成11)年2月に制定。
日付は、3月3日の女の子の「桃の節句」と、5月5日の男の子の「端午の節句」の中間の日であることから。
「男と女」だけでは捉えきれない性の多様性について、社会的な理解を深めてもらうことが目的。
トランスジェンダーの国際的な記念日としては……。
11月20日が、「トランスジェンダー追悼の日(Transgender Day of Remembrance)」となってます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/104045.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「言葉の意味について」を引用させていただきます。
性同一性障害(Gender Identity Disorder:GID)は……。
体の性と心の性が一致せず、違和感や嫌悪感が強く続く状態を指します。
トランスセクシュアル(Transsexual:TS)は……。
体の性と心の性が一致せず、外科的手術により性を一致させることを望む人を指します。
トランスジェンダー(Transgender:TG)は……。
体の性と心の性が一致しないが、外科的手術までは望まない人を指します。
また、身体的、社会的な性別に違和感を感じている人たちの総称としても使用されてます。
トランス(trans)は、ラテン語で「乗り越える」や「逆側に行く」を意味し……。
ジェンダー(gender)は、英語で社会的、文化的に形成された性別を意味します。
以上、引用終わり。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/04/04 06:30
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今日は何の日(つづき)
トランスジェンダー。
なんだか、SF的な語感があります。
↓梶尾真治(「黄泉がえり」の作者)の小説に、「クロノス・ジョウンターの伝説」というのがあります。
https://shop.r10s.jp/comicset/cabinet/07266806/bkwxepnb8orisdd1.jpg
↑残念ながら、新刊では手に入らないようです。
もちろんSFで、タイムマシンものです。
でも、それ以上に切ないラブストーリーです。
お勧めします。
しかし、『トランスジェンダーの日』、4月4日でいいんですかね?
この日はもととも、「オカマの日」と呼ばれてました。
理由は、まさしく同じ。
3月3日と5月5日の間の日だから。
性同一性障害(GID)、トランスセクシュアル(TS)、トランスジェンダー(TG)。
わたしは、3つの「T」として覚えてました。
なので、最初の「GID」はなし。
代わりあったのが、トランスヴェスタイト(Trans Vestite:TV)です。
「Vest」は、名詞だとチョッキですが……。
自動詞では、服を着るという意味。
つまり、反対側の性の服を着る人ということ。
男装や女装のことです。
この「TV」が抜けたのは……。
趣味でやってるというか、悩んでない人たちだからですかね。
なお、この3つの「T」につては……。
『Mikipedia(https://mikikosroom.com/archives/2596552.html)』の『 トラ!トラ!トラ!(https://mikikosroom.com/archives/2770060.html)』で解説してます。
ぜひ、お読み下さい。