2020.1.6(月)
万里亜がテーブルに近づくと、後ろで椅子の脚が鳴った。
振り向くと、女教授が起ちあがっていた。
テーブルを回りこみ、万里亜の前に立つ。
「福島です」
握手を求め、片手を差し出した。
さっきまで股間を触っていた手だった。
万里亜はサングラスを胸ポケットに挿したが、その手を差し出そうとはしなかった。
「有坂です。
握手は、お話がまとまってからにしましょう」
「ほほ。
それもそうね。
決裂ってこともあるものね。
ま、座ってちょうだい」
女教授は再びテーブルを回りこみ、元の椅子に腰を下ろした。
テーブルは、6人掛けだった。
長辺に3つずつ椅子が並んでいる。
女教授は、壁を背にした側の中央の席に座っていた。
万里亜は何のためらいもなく、女教授の正面の椅子に腰を下ろした。
「あなたたちも座って」
女教授にうながされ、由美は万里亜の右隣、美弥子は左隣に座った。
「この子たちの話を聞くと、あなたはまだ学生だそうね」
「3年です」
「とてもそうは見えないわ。
すごい貫禄。
お金を出してくれる先輩って云うから、どんなお嬢様かと思ってた」
「先生のお店は、S駅の方でしたわね」
「そうよ。
K町のあたり」
「山内さんはご存じですか?」
「え?
ええ、知ってるわよ」
「山内さんのワンちゃん……。
何て言ったかしら?
ミリーちゃんでしたっけ?」
「あ、ミニーちゃんよ。
トイプードルの。
でももう歳取っちゃって、散歩も出来なくなって来たって。
こないだなんて、山内さん、抱いて歩いてたわよ。
あれじゃ、自分の散歩よね」
「わかりました。
山内さんをご存じなら結構です。
出資いたしましょう」
「出資?」
「何か?
2人からは、そう聞いてますわ。
先生のお店に、500万円、出資したいって」
振り向くと、女教授が起ちあがっていた。
テーブルを回りこみ、万里亜の前に立つ。
「福島です」
握手を求め、片手を差し出した。
さっきまで股間を触っていた手だった。
万里亜はサングラスを胸ポケットに挿したが、その手を差し出そうとはしなかった。
「有坂です。
握手は、お話がまとまってからにしましょう」
「ほほ。
それもそうね。
決裂ってこともあるものね。
ま、座ってちょうだい」
女教授は再びテーブルを回りこみ、元の椅子に腰を下ろした。
テーブルは、6人掛けだった。
長辺に3つずつ椅子が並んでいる。
女教授は、壁を背にした側の中央の席に座っていた。
万里亜は何のためらいもなく、女教授の正面の椅子に腰を下ろした。
「あなたたちも座って」
女教授にうながされ、由美は万里亜の右隣、美弥子は左隣に座った。
「この子たちの話を聞くと、あなたはまだ学生だそうね」
「3年です」
「とてもそうは見えないわ。
すごい貫禄。
お金を出してくれる先輩って云うから、どんなお嬢様かと思ってた」
「先生のお店は、S駅の方でしたわね」
「そうよ。
K町のあたり」
「山内さんはご存じですか?」
「え?
ええ、知ってるわよ」
「山内さんのワンちゃん……。
何て言ったかしら?
ミリーちゃんでしたっけ?」
「あ、ミニーちゃんよ。
トイプードルの。
でももう歳取っちゃって、散歩も出来なくなって来たって。
こないだなんて、山内さん、抱いて歩いてたわよ。
あれじゃ、自分の散歩よね」
「わかりました。
山内さんをご存じなら結構です。
出資いたしましょう」
「出資?」
「何か?
2人からは、そう聞いてますわ。
先生のお店に、500万円、出資したいって」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/01/06 06:20
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今日は何の日
2020年1月6日は、『小寒』。
読みは“しょうかん”です。
二十四節気の一つで、第23番目にあたります。
年が改まって最初の節気なのに、なぜ23番目かと云うと……。
1番目が、『立春』だからです。
旧暦では、最初の節気が『立春』なわけです。
さて、「小寒」。
現在広まっている定気法では、太陽黄経が285度のときで1月6日ごろ。
「冬至(12月22日ころ)」と「大寒(1月20日ころ)」の中間にあたります。
期間としての意味もあり……。
その場合は、この日から、次の節気の「大寒」前日までとなります。
「小寒」から「節分(「立春」の前日)」までを「寒(かん)」または「寒中」「寒の内」と云います。
「小寒」の当日は、「寒の入り」ともいいます。
これから「大寒」に向かい、寒さが厳しくなっていきます。
暦の上で寒さが最も厳しくなる時期の前半にあたります。
『暦便覧』では「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」と説明してます(さっぱりわかりませんが)。
この日から、「寒中見舞い」を出し始めます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/101068.html)のページから転載させていただきました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/01/06 06:20
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今日は何の日(つづき)
さて、「寒の入り」ですね。
新潟市ではこの冬、まだ積雪を観測してません。
どうかこのままで、「寒」をスルーしてほしいものです。
積雪で大変になるのは、通勤なんですよ。
まず、雪が積もれば、自転車に乗れません。
駅までは徒歩となります。
パソコンの入った重いリュックを背負う身にとっては……。
けっこう辛いです。
腰痛持ちなので。
あと、もっと怖いのが、交通機関があてにならなくなること。
JR。
雪に弱いです。
定時運行、すぐに諦めます。
情けないです。
なんで先頭車両をラッセル車にしないんですかね。
出来れば、電車が動かないような日は、休みたいです。
家の雪かきもありますし。
しかし!
1月は1年で1番忙しい月なんです。
まず、月初は正月休みの余波。
さらに、中旬の月次決算が終われば……。
支払調書の作成と、償却資産税の申告。
まさに、矢継ぎ早です。
休みたいのは山々なんですが……。
休むと、仕事がいっそう辛くなってしまいます。
でも、忙しいのには、いいこともあります。
時間が早く過ぎること。
1月はほんと、あっという間に過ぎ去ります。
気がつけば、2月。
立春ですよ。
春です。
もう、1ヶ月を切ってます。
さて、本日は2020年、最初の出勤日。
年末の30日の記帳もしなければなりません。
自転車が使えそうなので、良かったですが。
ま、健康で新年を迎えられたことに感謝し……。
頑張っていきましょう。
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3. 手羽崎 鶏造- 2020/01/06 11:16
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学生ベンチャー。学生起業家。
1980年代は、「広告研究会」という
連中が主な大学で羽振りを効かせていました。
一番の稼ぎは、「人」の動員です。
行列の要員とか写真撮影のギャラリー役として、
「〇月〇日〇時に、〇〇に何人欲しい」
という企業の要請に応えて、学内はじめ知り合いの
学生を動員するシゴトをこなしていました。
代表者の学生たちは相当な収入を得て
いたと思います。
彼らはその後、どういう人生を送ったのでしょう。
日本では、学生起業家の成功例と
いうのはまだまだ珍しい。
任天堂の元社長・岩田聡氏(故人)ぐらいでは
ないでしょうか。
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4. Mikiko- 2020/01/06 19:15
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ほー
「広告研究会」が、そういうことをしていたとは知りませんでした。
企業側としても……。
有名大学の「広告研究会」を通せば、ある程度の「質」が確保できるということでしょう。