2019.8.16(金)
やがて、妻の腹部が起伏を始めた。
呼吸が荒くなっていた。
昂奮しているんだ。
横から見ても、それははっきりとわかった。
乳首が、指先のように突き出ていた。
勃起しきってた。
妻のナルシズムは、自分の身体に対してのものだ。
裸の身体を鏡に映して見るのは、日常的にあっただろう。
風呂あがりなどはもちろん……。
オナニーのときもだ。
しかし、そこで障害になるのが……。
「好きなところはひとつもない」と言っていた、顔だ。
素晴らしい肢体だけを見たいのに……。
鏡には、顔も映ってしまう。
まさに、「画竜点睛を欠く」思いだっただろう。
しかし、今は違う。
妻にとって邪魔者だった顔は、すべて覆われている。
目を逸らしたいものは、見えなくなってしまった。
わたしは、鏡の前の妻から離れ……。
旅行鞄から、もうひとつの土産を取り出した。
といってもこれは、コンビニで買ったものだけど。
「写ルンです」って、聞いたことないかい?
使い捨てカメラだよ。
紙製の箱に、レンズが付いている。
もちろん中には、フィルムが入っている。
映し終えたら、カメラごと現像に出すんだ。
デジカメの普及していなかった当時は、これが大流行だった。
再び妻の元に戻り、カメラを見せた。
「いいだろ?」
妻の顔はこっちを向いたが、言葉は発しない。
しかし、拒絶のそぶりは見えなかった。
わたしは、白い壁紙の前に妻を立たせた。
妻は、物をごちゃごちゃと置きたがらない性格だった。
部屋は、常に綺麗に整えられていた。
これから自殺する人の部屋みたいだと、からかったこともある。
それでも、画角に入りそうなカラーボックスなどはあったので、脇にどかす。
壁紙は、白い背景に変わった。
カメラを縦に構える。
ファインダーを覗く。
赤いマスクをした全裸の女が、白い壁紙を背に直立していた。
呼吸が荒くなっていた。
昂奮しているんだ。
横から見ても、それははっきりとわかった。
乳首が、指先のように突き出ていた。
勃起しきってた。
妻のナルシズムは、自分の身体に対してのものだ。
裸の身体を鏡に映して見るのは、日常的にあっただろう。
風呂あがりなどはもちろん……。
オナニーのときもだ。
しかし、そこで障害になるのが……。
「好きなところはひとつもない」と言っていた、顔だ。
素晴らしい肢体だけを見たいのに……。
鏡には、顔も映ってしまう。
まさに、「画竜点睛を欠く」思いだっただろう。
しかし、今は違う。
妻にとって邪魔者だった顔は、すべて覆われている。
目を逸らしたいものは、見えなくなってしまった。
わたしは、鏡の前の妻から離れ……。
旅行鞄から、もうひとつの土産を取り出した。
といってもこれは、コンビニで買ったものだけど。
「写ルンです」って、聞いたことないかい?
使い捨てカメラだよ。
紙製の箱に、レンズが付いている。
もちろん中には、フィルムが入っている。
映し終えたら、カメラごと現像に出すんだ。
デジカメの普及していなかった当時は、これが大流行だった。
再び妻の元に戻り、カメラを見せた。
「いいだろ?」
妻の顔はこっちを向いたが、言葉は発しない。
しかし、拒絶のそぶりは見えなかった。
わたしは、白い壁紙の前に妻を立たせた。
妻は、物をごちゃごちゃと置きたがらない性格だった。
部屋は、常に綺麗に整えられていた。
これから自殺する人の部屋みたいだと、からかったこともある。
それでも、画角に入りそうなカラーボックスなどはあったので、脇にどかす。
壁紙は、白い背景に変わった。
カメラを縦に構える。
ファインダーを覗く。
赤いマスクをした全裸の女が、白い壁紙を背に直立していた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/08/16 06:17
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今日は何の日
8月16日は、『キップ パイロールの日』。
医薬品、医薬部外品などの製造販売を手がける『キップ薬品㈱(東京都目黒区大岡山)https://www.sato-seiyaku.co.jp/kip/』が制定。
同社の軟膏剤「キップ パイロール」の「パ(8)イロ(16)ール」の語呂合わせから。
常備してる家庭では、使用期限や残り具合を確認してもらい……。
まだ知らない人には、記念日をきっかけに知ってもらうことが目的。
記念日は、2019(令和元)年、『(社)日本記念日協会』により認定、登録されました。
ほやほやの記念日ですね。
「キップ パイロール」は……。
軽度のやけど、切り傷や擦り傷、日やけによる炎症などの常備薬として、古くから使われてきたそうです。
3つの殺菌有効成分(イソプロピルメチルフェノール、フェノール、サリチル酸)を配合。
また、天然ハーブオイル、動物性油、鉱物油のすぐれた混合基剤を使用し……。
肌に白く残らないのが特長とのこと。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/108164.html)のページから転載させていただきました。
「キップパイロール」は元々、アメリカの『ロサンゼルスキップ製薬』という会社が製造してたそうです。
病院や軍隊をはじめ、警察、消防、鉄道などオフィシャルの場で用いられ……。
第二次世界大戦中にも、傷の手当てからひげそり後のケアまで、兵士のための万能薬であったと言われてます。
日本へは戦後になってから、進駐軍とともに来日したとか。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/08/16 06:17
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今日は何の日(つづき)
正直、初めて耳にする薬でした。
おそらく、新潟は、進駐軍と縁がなかったからでしょう。
戦後、薬の乏しかった時代……。
進駐軍の持ちこんだ「キップパイロール」は、魔法かと思えるほど効いたんじゃないでしょうか。
ということで、「キップパイロール」は、そういう地域の常備薬となっていったわけです。
太平洋側なんでしょうね。
わたしが子供のころの常備軟膏は……。
「メンタム」でした。
正式名称は、「メンターム」。
あと、これはつい最近、知ったことなのですが……。
「メンターム」と「メンソレータム」は別の薬でした。
「メンターム」は、『㈱近江兄弟社(http://www.omibh.co.jp/)』の製品。
「メンソレータム」は、『ロート製薬㈱(https://www.rohto.co.jp/)』の製品。
でも、中身はほぼ同じのようです。
「メンターム」は白色ワセリン、「メンソレータム」は黄色ワセリンを使ってるので……。
色合いが若干異なる程度だとか。
なんだかこのあたり、面倒ないきさつがあるようです。
興味がおありの方は、↓Wikiをご覧下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%85%84%E5%BC%9F%E7%A4%BE
そう云えば、昔はアロエというのがありましたね。
薬じゃなくて、多肉植物の鉢でした。
祖母ちゃんの部屋の軒先にありました。
切り傷などのとき、その厚い葉を折って、患部に塗ってたようです。
わたしは、薬を付けた方がいいと思うのですが。