2019.3.8(金)
「録音は、スマホでなくたって出来ますよ。
ICレコーダーなんて、今、ほんと小さいすから。
それで、何時間も連続で録音できるんすよ」
「妙に詳しいじゃない」
「工場には持ちこんでませんよ。
使ってるのは、プライベートですから」
「危ない男だね。
ま、いいわ。
でも確かに、危険の種は除くべきね。
あんた。
そういうの、持ってたら出しなさい」
「持ってません」
「それで、はいそうですかとはいかないのよ。
検査させてもらうわよ。
あんたたち、この女を押さえて」
「いいんすか?
セクハラでっせ」
「被疑者には当然の処置よ」
「社命とあらば、やむを得ませんな。
それじゃ、失敬して」
「あんたじゃ押さえられないでしょ。
ほら、ボーッと突っ立ってないで、押さえなさいよ」
ひょろっと背の高い男と小太りの男が、姪に押し出されました。
「両脇から、腕を取って。
ちょっと。
結婚式で腕を組んでるわけじゃないのよ。
もっとがっしり押さえつけて」
「やめて」
「ボディチェックさせてもらうわ」
姪の手の平が、胸や脇のポケットを叩きます。
引き出されたハンカチやティッシュが、床に投げ捨てられます。
姪は両手で、わたしの尻から腿まで探り始めました。
「やめてください!」
「うるさいね。
どうやら、レコーダーは持ってないみたいだね」
「深田さん、甘いっす」
「何がよ。
隠せそうなところは、みんな探したわよ」
「だから、すっげー小さいんすよ。
それに、こんなこと言ったら何ですけど……。
女性には、取って置きの隠し場所があるでしょ」
「何よそれ?」
「男にはないところ」
「だからどこだっての」
「もう。
察してくださいな」
「じれったい男ね。
早く言いなさいよ」
ICレコーダーなんて、今、ほんと小さいすから。
それで、何時間も連続で録音できるんすよ」
「妙に詳しいじゃない」
「工場には持ちこんでませんよ。
使ってるのは、プライベートですから」
「危ない男だね。
ま、いいわ。
でも確かに、危険の種は除くべきね。
あんた。
そういうの、持ってたら出しなさい」
「持ってません」
「それで、はいそうですかとはいかないのよ。
検査させてもらうわよ。
あんたたち、この女を押さえて」
「いいんすか?
セクハラでっせ」
「被疑者には当然の処置よ」
「社命とあらば、やむを得ませんな。
それじゃ、失敬して」
「あんたじゃ押さえられないでしょ。
ほら、ボーッと突っ立ってないで、押さえなさいよ」
ひょろっと背の高い男と小太りの男が、姪に押し出されました。
「両脇から、腕を取って。
ちょっと。
結婚式で腕を組んでるわけじゃないのよ。
もっとがっしり押さえつけて」
「やめて」
「ボディチェックさせてもらうわ」
姪の手の平が、胸や脇のポケットを叩きます。
引き出されたハンカチやティッシュが、床に投げ捨てられます。
姪は両手で、わたしの尻から腿まで探り始めました。
「やめてください!」
「うるさいね。
どうやら、レコーダーは持ってないみたいだね」
「深田さん、甘いっす」
「何がよ。
隠せそうなところは、みんな探したわよ」
「だから、すっげー小さいんすよ。
それに、こんなこと言ったら何ですけど……。
女性には、取って置きの隠し場所があるでしょ」
「何よそれ?」
「男にはないところ」
「だからどこだっての」
「もう。
察してくださいな」
「じれったい男ね。
早く言いなさいよ」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/03/08 06:43
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『淋しい人はボケる』
↓そういう本があるそうです。
https://books.rakuten.co.jp/rb/12852861/
高齢期にかかるうつ病とボケには、相関関係があるのだとか。
特に、離婚後に独身を貫いた人は認知症になりやすいそうです。
ボケるリスクは6倍に高まるとのこと。
これはおそらく、会話がなくなることと関係があるんじゃないでしょうか。
ま、離婚することになるわけですから……。
あまり楽しい会話ではなかったかも知れません。
でも、たとえ罵り合いであっても、脳の活性化には有用だったということですかね。
それが、離婚でひとりになる。
最初は、「あーせいせいした」と感じたかも知れません。
しかし、会話のない暮らしが続くうち……。
しだいに、脳が機敏に働かなくなる。
これによって、ボケが進むんじゃないでしょうか。
それなら。
最初から独身の人はどうなのよ、ということです。
わたしは、リスクは低いんじゃないかと思います。
ずっとひとりでいたから、その生活には慣れてる。
離婚による生活構造の落差はない。
独身の人の脳が、ひとりの部屋にいる時、働いてないかと云うと……。
ぜったいに、そんなことはありません。
むしろ、ひとりでいながら、頭を使うという訓練が出来てるんだと思います。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/03/08 06:44
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『淋しい人はボケる』(つづき)
わたしの場合、子供のころから、その訓練は日常的に行われてました。
訓練と云うより、習慣ですかね。
つまり、頭の中で、常に会話が飛び交ってるのです。
傍から見れば、ひとりぽつねんとしてて……。
淋しい子供に見えたかも知れません。
でも、本人は、決してそんなことはありませんでした。
頭の中の会話に忙しかったんです。
ひとりでいて、孤独感を感じたことなどないのです。
その習慣は、今でも続いてます。
そして今は、その頭の中の話題を、文章にするようになりました。
すなわち、このコメントです。
週に9本、『愛と官能の美学』さんのある週は、10本書きます。
1本は、かならず1,000字以上になるように書いてます。
平均すると、1,200字くらいでしょうか。
週に10本で、12,000字。
400字詰め原稿用紙に換算すると、30枚になります。
でもこれは、空白を入れない字数ですので……。
実際に原稿用紙にすれば、もっと多い枚数になります。
そのほかに、『由美美弥』と『単独旅行記』の連載をしてるんですからね。
これで、ボケろと云う方が無理です。
この『Mikiko's Room』を始めた自分に、感謝しなければなりませんね。
そしてもちろん、それを続けさせてくださった読者のみなさんに、感謝です。
ありがとうございます。
これからも、好き勝手な世迷い言を書きつつ……。
思い切り長生きしたいと思ってます。