2018.11.28(水)
小さなワゴンの前、2人はベッドに並んで座りました。
太腿同士が擦り合います。
わたしはワゴンから缶ビールを取りあげ、プルトップを引いて志津子に渡しました。
もう1缶も開けます。
「よし、乾杯」
「何に?」
「2人の門出に」
志津子は吹き出しました。
「演歌みたい」
「『みちづれ』とか?」
「古いわね」
「知ってる方も古いだろ」
「あの2人さ……」
「誰のこと?」
「『みちづれ』に出てくる2人よ。
歌詞はすっごく可憐だけど……。
実際は、やってるのよね。
セックス」
「当たり前だろ。
あの歌詞の合間は、全編セックスだよ。
お酒がたまの驕りなんだから……。
ほかに贅沢なんか出来ないからね。
することはひとつだよ。
タダで楽しめること。
きっと、獣みたいな声出してたさ。
隣の部屋の住人は、辟易したろうね。
貧乏学生とかだったら可哀想だ。
あ、そうそう。
さっきの工場の子、どっちの部屋?」
志津子は頭の上に手をあげ、人差し指で後ろを指しました。
「彼氏がいるんだろ?
聞こえる?」
「しょっちゅうよ。
盛りがついてるとしか思えない」
「いつも聞かされてるわけね。
じゃ、今日は聞かせてやろうか」
「もう寝ちゃってるって。
夜勤明けなんだから。
ほら、乾杯」
缶ビールを合わせ、乾いた喉に流しこみます。
「旨い」
ほんとに、それまでの人生で一番美味しいビールでした。
志津子がコンビニ袋からサンドイッチを取り出します。
「どれがいい?」
「カツサンド」
太腿同士が擦り合います。
わたしはワゴンから缶ビールを取りあげ、プルトップを引いて志津子に渡しました。
もう1缶も開けます。
「よし、乾杯」
「何に?」
「2人の門出に」
志津子は吹き出しました。
「演歌みたい」
「『みちづれ』とか?」
「古いわね」
「知ってる方も古いだろ」
「あの2人さ……」
「誰のこと?」
「『みちづれ』に出てくる2人よ。
歌詞はすっごく可憐だけど……。
実際は、やってるのよね。
セックス」
「当たり前だろ。
あの歌詞の合間は、全編セックスだよ。
お酒がたまの驕りなんだから……。
ほかに贅沢なんか出来ないからね。
することはひとつだよ。
タダで楽しめること。
きっと、獣みたいな声出してたさ。
隣の部屋の住人は、辟易したろうね。
貧乏学生とかだったら可哀想だ。
あ、そうそう。
さっきの工場の子、どっちの部屋?」
志津子は頭の上に手をあげ、人差し指で後ろを指しました。
「彼氏がいるんだろ?
聞こえる?」
「しょっちゅうよ。
盛りがついてるとしか思えない」
「いつも聞かされてるわけね。
じゃ、今日は聞かせてやろうか」
「もう寝ちゃってるって。
夜勤明けなんだから。
ほら、乾杯」
缶ビールを合わせ、乾いた喉に流しこみます。
「旨い」
ほんとに、それまでの人生で一番美味しいビールでした。
志津子がコンビニ袋からサンドイッチを取り出します。
「どれがいい?」
「カツサンド」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2018/11/28 07:17
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豊山考
月曜日の、「2018年大相撲九州場所総括」で、あえて書かなかったことがあります。
ていうか、書く気力が湧きませんでした。
西前頭十枚目の豊山。
新潟市北区出身です。
わたしの予想では、9勝6敗でした。
しかるに!
結果は、5勝10敗。
来場所は、十五枚目あたりまで落ち、後がなくなります。
とにかく……。
進歩してないどころか、退歩してるんじゃないかという相撲内容でした。
思うに……。
この人は、突き押し相撲には向いてないんじゃないでしょうか。
突いてるときのバランスが悪いです。
身体が伸びきってしまいますから、すぐに前に落ちます。
突き押しの威力自体も、大したことありません。
突いた後の、フォロースルーがないんです。
相手の身体にあたったところで終わり。
肘が悪いせいもあるかも知れませんが……。
突いた後の腕が伸びません。
本来、突き押しには……。
突いた手が相手の身体を突き抜け、背中から突き出るようなイメージが必要なはずです。
野球のバッティングと一緒です。
打球に勢いを付けるのは、フォロースルーなんです。
豊山の突きには、それがありません。
突いたところで終わり。
野球で云えば、「あてただけ」というバッティング。
突き放されないので、相手は下がりません。
逆に豊山が、突きながら下がっていきます。
そんな相撲ばっかりでした。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2018/11/28 07:18
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豊山考(つづき)
とうてい突き押し一本で、幕内上位で通用するとは思えません。
親方は、どういう指導をしてるんですかね?
「廻しを取るな、突きに徹底しろ」ですか?
苦手なことでも、無骨に努力していけば、ある程度までにはいけるでしょう。
しかし……。
相撲人生は、あまりにも短いです。
会得したときはもう晩年ということもあり得ます。
それより、自分に合った相撲を伸ばしていく方が、よっぽど可能性が高まります。
それでは、突き押し以外に、どんな相撲がいいでしょうか?
何もわたしは、四つ相撲を取れと言ってるわけじゃないです。
でも、相手と密着する相撲でなければなりません。
離れてると、バランスの悪さが如実に現れますから。
まずひとつは、押し相撲。
ハズ押しです。
わたしは、YouTubeでよく昔の相撲を見るのですが……。
↓大関までなった大受という力士の相撲が、この良い手本だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=iZFqnHNSjDQ
でも、この相撲でも、何となく……。
つっかい棒を外されて前に落ちそうな予感がします。
一番いいのは、差して寄る相撲じゃないでしょうか。
しかも、寄るときに“がぶる”のがいいと思います。
いわゆる、「がぶり寄り」です。
“がぶる”利点は、腰が下りることです。
突っ立ったままじゃ、がぶれませんから。
↓現役力士では、琴奨菊が最良の見本です。
https://www.youtube.com/watch?v=1ccm_abrYgU
体型も似てるし、この相撲が一番合ってるんじゃないですかね。
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3. 手羽崎 鶏造- 2018/11/29 00:35
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本編について。
そういう二人きりのシチュエーションだと
時には口移しで、お酒を飲んでました。
(この後の展開だったりして。)
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4. Mikiko- 2018/11/29 07:10
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近い展開ですが……
ちょっと違います。