Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
元禄江戸異聞 根来(六十二)
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「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(六十二)


 薄暗い中にゆらゆらと大石桔梗の顔が浮かび上がる。
「日が短こうなったの」
「はい」
 燭台に種火が移ったことを確かめると、桔梗は欄干にもたれた羅紗に顔を向けた。
「もう京や丹後へ書面は届いたであろうか」
「夕べ夜半には早馬が発っております。もう日が落ちる前には意向が伝わっておることと存じます」
「そうか……」
 羅紗は欄干から身を起こすと、そのまま上座にも向かわず桔梗の前に膝を折った。
「桔梗。お前が無事城に戻り心よりうれしく思うぞ」
「羅紗様……?」
 首をかしげて窺う桔梗から、つい羅紗はその黒目勝ちの瞳を伏せる。
「年を経て初音も気が弱くなって参った。このような時わらわ一人であれば、どんなに心細い思いをしたことか……」
 桔梗の顔が微かにほころんだ。
「どうかご心配なく。私がいつも羅紗様のおそばでお守りいたします」
「もうどこへも行かず、私のそばにおってくれるか?」
 大石桔梗はゆっくりうなずくと、凛々しい眼差しで羅紗を見つめた。

 ふと羅紗は桔梗から目を逸らして外の宵闇に目を向けた。
「私はいつまでもお前がそばにおってくれるのは嬉しい。しかし私のために、まだ若いお前の自由を奪ってしまうのではないかと、私はふと不安になる時があるのじゃ……」
「羅紗様………」
 顔をうつむかせた羅紗に向かって、大石桔梗は意を決したように口を開いた。
「今まで私は、父から続く忠義でお役目に努めて参ったと思うておりました。しかしそれが心の中で揺らぎ始めたことに、正直私自身戸惑うております」
「な、何と申す、桔梗……」
 顔を上げた羅紗は、驚きの表情を桔梗に向ける。
「鶴千代様をお助けする一心であの曲者と戦いながら、いよいよ己が命を投げ出そうとした時、羅紗様、あなた様のお顔が目に浮かんだのでございます」
 桔梗は夢見る様な眼差しを宙に浮かべた。
「あの白い霧の中で聞こえたのは、父の言葉であると同時に、私自身の言葉だったのかもしれません」
 羅紗は桔梗の横顔をじっと見つめる。
「羅紗様にお仕えするのは刀ばかりではない。私の心の奥に隠れていたものが、父の声を借りて……」
「桔梗……」
 ふと我に返った桔梗の顔が、うっすらと赤く染まった。
「ではお前は、もうその武芸で鍛えた力を使わぬと」
「いいえ」
 顔を上げた桔梗の瞳が再び輝きを放つ。
「もしやの時は、私の武術でどのような曲者であろうと羅紗様に指一本触れさせませぬ。しかしあなた様と二人だけの時は、何故かこの身を柔らかく感じ、行灯に灯す火種の縄さえこの手に重く感じるのです」
 羅紗は炎の陰影に揺らめく桔梗の顔を静かに見つめた。
「おそらく伊織様たちは今夜から明日が正念場かと……。羅紗様には私がついております。どうか今宵はお心安くお休み召されますよう……」
「桔梗………」
 緊迫した夜を迎えたにも関わらず、羅紗は両手をついた桔梗を見つめる顔が火照るのを覚えたのである。


 “動いた……”
 門口のかがり火も灯さぬまま、数名の若衆が暖簾から姿を現した。
「伊織様、伊織様!」
 部屋の暗がりから月明かりの中に陣内伊織の細面が現れる。
 窓辺の帯刀紫乃の肩越しに、伊織は下の往来に目を凝らした。
 周囲に目を配る若衆の後から、懐手の女親分が姿を現す。
 “お竜………“
 伊織はきつく唇を噛んだ。
 一度ならず身体を貪られた相手である。
 そしてその手管に悦楽の涙さえ流した記憶が生々しく蘇って、伊織は刺すような心の痛みを覚えた。
「さあ参りましょう」
「はい」
 頷き合った伊織と紫乃は、明かりを消した待合の一室を後にした。

 船荷の数を改めた沙月女が船べりに姿を現した。
 五百石もあるだろうか、さすがに大陸から渡ってくるだけあって思いのほか大きな船である。
「中身と数に間違いはなさそうだ。手を打っていいよ」
「わかった」
 桟橋から沙月女を見上げて頷くと、鷹は無言で脇の荷車に向かって顎をしゃくる。
 清国の人間だろう、途端に相好を崩した数人の男たちが荷車を船に運び始めた。
「ほら、どうやら引き取りに来たようだよ」
 船首で見張っていた春花から声がかかる。
「ああ」
 鷹が目を向けた先に、月明かりに照らされて近づいてくる一団が見えた。
「もう取引は済んだのかい?」
 険のある目を細めてお竜が口を開く。
「ああ荷を改めて、今代金を渡したところだ」
 鷹の返事に片頬を緩めると、お竜は後ろの子分たちを振り返った。
「よし。お前たち、暗いうちに品物を屋敷まで引き上げるんだよ」
 頭を下げた若集たちが一斉に船に乗り込んでいく。
「あっははは、さあ急いで急いで。早くしないと夜が明けちまうよ」
 鋭い眼光で様子を見守る沙月女の横で、いつ船尾から近寄ったのか、秋花の嬌声が響いた。
「お蝶の姿が見えないようだが……」
 周囲を見回したお竜が鷹に問いかける。
「お蝶を気に入った載寧が、品物の仕入れの間むこうに一緒に連れて行くと言ってね。もう先に船の中さ」
「へえ……」
 お竜は少々驚いた体で鷹の顔を斜に見つめた。
「あんたそれでいいのかい?」
 鷹はお竜の顔を一瞥すると、暗い沖合へ目を向ける。
「ああ、載寧は今回の仕事で大事な役割だし。それに………」
「それに?」
「それにあたしは、正直まだお蝶には分からないところがある」
「ふ………、なるほどね」
 お竜はその言葉を鼻で笑うと、心得たというように小さく頷いた。
「もう少し安心できるまで向こうで躾けてもらおうと思ってる」
「わかった。じゃあ載寧とお蝶は別として、物を引き取った後の段取りを相談しようじゃないか」
 頷いた鷹は桟橋からほど近い漁具小屋に目を向ける。
「沙月女だけ見張りに残して、他はあの小屋に集まるんだ。春花、薬の件もあるから載寧も呼んできてくれ」
「わかった。その代わり賭場で遊ぶ小遣いをおくれよ。明日は親分の店でたらふく稼ぐつもりなんだからさ。あっはははは………」
 苦笑いを漏らすお竜を目で催促すると、鷹は海辺にひっそりと建つ木小屋へと足を進めた。

 船の小部屋に足を踏み入れた沙月女は、袖口で鼻を覆って甲板へ続く尺五寸角ほどの換気蓋を押し上げた。
 みるみる熱気を帯びた部屋の空気が、白い澱みとともに上へと抜けていく。
 船に乗り込むや否や阿片を吸ったのだろう、髪も身づくろいもそのままのお蝶が布団の上でまどろんでいる。
 三十路半ばとはいえ、いやその年頃だからこそ、しどけなく床に横たえた身体からしっとりと落ち着いた女の色気が伝わってくる。
 “いい女………”
 ふと沙月女は腰を落としてお蝶の寝顔を見つめた。
 軽く閉じ合わされた長いまつげがふるふると震えて、襟元から上の白い肌にほんのりと赤みがさしている。
 三笠屋で見た霜降りの体が目に浮かぶ。
 すらりとした若い女の体もきれいだったが、それを抱くお蝶の裸身はまさに目が眩むほど美しかった。
 今度は自分がその体を抱いて雌の声を上げさせてみたい。
 沙月女は体の奥に熱いほてりが沸き起こるのを感じた。
 蓬莱をなくして以来、しばらく色事から遠ざかっているのも確かだったのである。
「い……、伊織様………」
 沙月女はお蝶の顔を見た。
 “伊織………。そうかこいつの色だったな”
 うっすらと笑みを浮かべたまま、沙月女はお蝶の寝顔を見つめた。
 “浪人の内儀に身を変えて入り込んだ女だった……”
 ふとその顔から笑みを消すと、沙月女は立ち上がって着ているものを脱ぎ始めた。
 黒っぽい衣装の下から、浅黒く引き締まった女の体が現れる。
 腹部の肌には筋肉の形さえ見えて、その上に思いがけず量感のある乳房が弾んだ。
 そして再び腰を落とした沙月女は、そっとお蝶の着物の帯を解き始めたのである。

 沙月女はゆっくりと震える息を吐き出した。
 雪のように白い裸身が目にもまぶしく輝いて、忍びで鍛えた伸びやかな肢体を霜降りの柔らかみが包んでいる。
 自分の下半身が熱く潤いを増すのを感じた。
「ご、ごめんなさい。許して伊織様………」
 何のことかは分らぬが、悲しげに眉を寄せたお蝶からそんなつぶやきが漏れた。
 沙月女はもうたまらずお蝶の裸身を掻き抱いた。
 もうお蝶が気付こうが気付くまいがどうでもよいことだと思った。
 その身体を抱き寄せると、思い切り互いの乳房を揉み合わせていく。
「ぐう………」
 お蝶の口から苦しげなうめきが漏れた。
「許さぬぞ、お蝶」
 交情の喜びに軽いめまいを覚えながら、沙月女はお蝶の耳元にささやく。
「い、伊織様……、ゆるんんぐ………」
 お蝶の返事に覆い被せるように、その艶やかな唇を吸いふさいだ。
「ふんん~!」
 深く唇を重ねながら、思わず沙月女も興奮のうめきをお蝶の口中に響かせる。
 じくじくと熱いものが溢れ出すのを覚えて、お蝶の太ももを股間に挟み込む。
「あは………!」
 沙月女はお蝶の唇を吸い離して、胸の奥から詰まった息を吐いた。
 自分の女がお蝶の肌にぬめぬめと吸い付き、そこから背筋が震えるような快感が這い上がってきたからである。
 沙月女はもう夢中でお蝶のものに右手を伸ばした。
 果たしてそれは沙月女の情欲を迎え入れるように、もう熱いしずくを溢れさせていたのである。
「はああ……、伊織様………」
 お蝶の泣き声を聞きながら、沙月女はその熱い潤みにゆっくりと指を沈めていった。
「こうか……? これが好きか?」
「そう、それが好き。それが好きなの、伊織様.………あああ……」
「許さぬぞ、お蝶。私より先に果ててはならぬぞ」
 そう言い渡しながら、沙月女は熱い露をお蝶の弾き立ったものに絡めていく。
「ああだめ、伊織様。あたしもう………」
「許さぬぞ………はあ………まだ許さぬぞ、お蝶……」
「ああ、意地悪!! ああもうだめよ……くう……お願い………!」
 お蝶の反応にぞくぞくとした喜びを覚えながら、沙月女はますますその右手の動きを速めていく。
「ああ~~~! …いやあ、もう……だめ………」
「先に果ててはならぬぞ、お蝶! はあ……ほれ、唾を飲ませてやる。好きだろう?」
「ああ好き、好きよ! あうう……飲ませて、伊織様、飲ませて!」
「お願いしますと言え」
「お願いします。飲ませて、伊織しゃんぐうう……」
 沙月女は再び荒々しくお蝶に唇を重ねた。
 思う存分舌を絡め合うと、吸い含んだ甘い唾液を己が唾と混じり合わせる。
 母親がかみ砕いた食べ物を与えるように、沙月女は二人の唾をお蝶に与えた。
「うむうううう!!」
「んぐんぐう………」
 たっぷりと唇を吸い重ねながら、沙月女は中指と薬指をお蝶の中深くに抉り込ませた。
 同時に親指でその上の弾き立ったものを押し転がしていく。
「んぐうう!!」
 二人の唾を飲み下しながら、沙月女の腕の中でお蝶の背筋が強張って震えた。
「ぷは、ああ!! だめええ!!」
「許さぬぞ、お蝶!! 私より先に果ててはならぬ!!」
「ああ、ごめんなさい!! 許して! ああもうだめ!!」
 お蝶の裸身に極みの痙攣が走るのを感じて、沙月女も己が身の内に嗜虐の喜びが燃え上がるのを感じた。
「あくう………許して伊織………ああ! …ああもうだめ!!!
 唇を振り切って叫びを上げたお蝶をさらに責めさいなもうとした時、
「あ………くうう!!」
 どこからか蛇のように忍び込んできたお蝶の指が、もうこの上もなく熱く疼いている沙月女の女を犯してきたのである。
 あっという間に潤みを貫かれ、泣きたいように弾き立ったものごと激しく揺さぶられた。
「あ……あはあ!!」
 稲妻のように極みの快感が五体を貫いた。
「あ、あおおおお~~!!」
 沙月女はまるで獣のように快感に吠えた。
「いくうう!!!」
 息もつけぬ快感に身を弾ませながら、沙月女はお蝶が悲鳴とともに極の飛沫を太股に浴びせるのを感じた。
 まさにお蝶は相手の注文通り、沙月女の極みの直後に自分も快楽に果てたのである。


 お竜一家の子分たちが荷車を引いて行ったあと、まだ夜も明けやらぬ船着き場は、寄せては返す波の音があたりに響くだけとなった。
 浜辺が砂地から土に変わる辺りで、伊織と紫乃は深い藪の中に身を潜めていた。
 船の様子を確かめた伊織が背後の紫乃を振り返る
「おそらく船の中は大陸の船員が四五名と、それにあのくせ毛で色黒の女のみ」
「お蝶さんの姿が見えぬところを見ると、まだ船の中に囚われているのかもしれません」
 紫乃の言葉に伊織の目が輝いた。
「この上は力づくでも、救い出すなら今しかありません」
「はい。参りましょう」
 二人は頷き合うと、身を低めたまま未明の砂浜を桟橋へと向かった
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2018/06/21 05:34
    • お城のトイレ
       またしても下の話で恐縮ですが……。
       どうしても、興味がそちらに引かれてしまうので。

       まず、天守ですが……。
       ここに、トイレは無かったようです。
       天守は居住スペースではないので、当然と言えば当然です。
       普段は、武器倉庫のような施設です。
       籠城戦になったときだけ、守備の拠点や逃げこみ場所として使われるわけです。

       平時の殿様たちの居住スペースは、本丸御殿になります。
       平屋造りの建物ですね。
       それでは、ここのトイレはどうなっていたか。
       もちろん、無かったわけはありません。
       が……。
       わたしが一番気になるのは、排泄物の処分方法です。
       当時は、水洗などありません。
       お城は高いところにある場合が多いので、水は貴重です。
       うんこを流すために使えるわけがありません。
       それでは、うんこを放っておいたらどうなるか。
       ウジがわき、ハエが飛び回ります。
       ギョウ虫もウヨウヨいたでしょう。
       病原の塊です。
       お城のような閉ざされた空間で感染病が発生したら、大変なことになりますから……。
       汚いという以上に、危険極まりない代物です。
       当然、お城の外に運び出さなければなりません。

       続きは次のコメントで。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2018/06/21 05:34
    • お城のトイレ(つづき)
       しかし、その方法が問題。
       何を使いますか?
       荷車のようなものに肥桶を積んで行けばいいでしょうか?
       でも、お城の構造を考えてみましょう。
       荷車のようなものが、城の内外を自由に往来できるでしょうか?
       防御上、そういうことが出来ない構造になってるのではないですか。
       となれば、人が背負って出なくてはなりません。
       溜めてしまったら、大仕事になりますよね。
       おそらく、毎日、運び出してたんじゃないですかね。
       大便器の下は、カセット式の箱のようになっていて……。
       毎日、取り外して集めたんじゃないでしょうか?

       さてそれでは、城外に出たら、どう処分してたのでしょうか?
       農村地帯が近くにあれば、農民に売るということも考えられます。
       殿様たちは良いものを食べてますから、高く売れたはずです。
       担いで行った肥桶を下ろすと、農民が洗っておいた別の桶を担いで城に帰る。
       そんな仕組みがあったんじゃないでしょうか。
       でも、山城など、農村が近くにないところではどうしてたでしょう?
       やっぱり、川に流してしまうのが一番簡単だし、衛生的でしょうかね(川は汚れますが)。

    • ––––––
      3. 手羽崎 鶏造
    • 2018/06/22 00:14
    • 川には流しません。川は貴重な水源であることは
      分かっていましたし、洗濯場も有ったでしょうから
      川に流すことは禁じられていたと思います。
      人力で運び出して、野壷(のつぼ)に
      貯めると思います。
      小学生の頃は結構残ってました。
      四角形で、道の傍(運搬しやすい)で、
      田畑の傍でした。
      国宝姫路城は飽きるほど遠足の目的地
      でした(ちょっと贅沢?)、厠は、少し離れで
      別棟だった記憶があります。
      不浄は、館と離していたように思います。
      風向きや方位とも関係あるかもしれませんね。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2018/06/22 07:29
    • 流しませんか
       確かに、山城のあるあたりでは、水流も細いでしょうしね。

       姫路城は、天守があまりにも有名ですが……。
       殿様たちが暮らした本丸御殿は、残ってないようです。
       復元の話もあるみたいですけどね。
       天守には、地階に厠が残ってるようです。
       でも、使われた跡はないとか。
       戦がなければ、当然でしょうが。
       戦時しか使わない施設なので……。
       糞尿を運び出すことは考えてなかったんでしょう。
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