Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
元禄江戸異聞 根来(五十八)
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「元禄江戸異聞 根来」 作:八十八十郎(はちじゅう はちじゅうろう)


(五十八)


 二の丸を吹き抜ける風に、羅紗は襟元を掻き合わせた。
 すでに長月(旧暦9月・新暦では10月ころ)に入ったにも関わらず、鶴千代の一件で季節の移ろいさえ忘れていたような気がする。
 欄干から身を乗り出して、羅紗は眼下に甲斐甲斐しく動く腰元たちを頼もし気に見つめた。
 無事若が城に戻ったことを契機に、本日遅れていた衣替えの着手を一同に申し渡したのである。

 ふとそんな羅紗の鼻先に、何故か芳しい香りを乗せた秋風がそよいだ。
 その小顔に愛らしい笑みを浮かべた春蘭が、いつの間にか背後に近付いていたのである。
「おめでとうございます、羅紗様」
「うん。鶴千代の元気な顔を見て、昨夜は久しぶりに良く眠れた」
「まあ……、それは何より」
 羅紗は思わず春蘭と手を取り合い満面の笑みで頷いた。
「今朝初めて若様に拝謁した折、私の身なりや生まれ育ちにたいそう興味をお持ちになり、機会があれば大陸の話をお聞きになりたいとの思し召しでした」
「ほうそうか……、それは鶴千代にとっても将来の糧になりそうじゃ。では部屋を設える故、よろしく頼みます」
「いえ、羅紗様……」
 春蘭の黒目がちな瞳が輝きを増す。
「いくら話や書物で学ばれても、実地での経験が無ければ身に着くものではございません。もしよろしければ、私が城下をご案内しながら清国との違いをお教えしたいと思うのですが」
「う、うむ……。お前の申すことは分からぬではないが、それは……」
 そう呟いた羅紗の顔を春蘭は笑顔で覗き込む。
「大丈夫でございますよ。城下のごく近くを廻るだけですし、もしご心配なら手練れの警護を二三名お付けになれば……」
 春蘭の言葉にしばし目を移ろわせた羅紗であったが、やがて意を決して顔を上げる。
「よし。では警護と腰元を数名随行させよう」
 春蘭はその顔を明るく輝かせた。
「はい、善は急げと申します。この度の一件、災い転じて福となさねばなりません。若の熱が冷めぬうちに明日にでも」
「わかった。大殿にもお伝えし、準備をさせていただく」
 そう表情を引き締めた羅紗に春蘭は濡れ光った眼差しを向けた。

「羅紗様におかれましては、このところ国境まで出向かれ、しばらくお楽しみもないままに遊ばされました。此度は無事若君を迎えられ、それまでの御心労も報われた今、もう心置きなく御心をお解き放ちください。せめて私の前ではご存分に……」
 春蘭のほっそりとした両手の指がするすると羅紗の指に絡み付いてきた。
「夜までお待ちくださいますか? それとも、とりあえずここで毒気をお抜きしましょうか……?」
「お、お前何を……?」
 音もなく身を摺り寄せて来た春蘭に、羅紗は戸惑い気味のつぶやきを漏らした。
「もしや、もう御身を固くしておられるのでは……?」
 しなやかな指が羅紗の手元を離れて、微かに膨らんだ帯下の合わせ目を摩った。
「お前、何をそのような!」
「お隠しになっても駄目ですよ。久しぶりに近くで私のにおいを嗅いで、もう思し召しでいらっしゃるのでしょう?」
「ち、ちが……」
 慌てて春蘭の手を払おうとした時、
「母上!」
 そう呼びかける声に、羅紗は欄干から下へ視線を落とした。

 鶴千代の無垢な眼差しが三階櫓の上に向けられていた。
「衣替えが始まったと聞き、久しぶりに皆の務めを学んでおります」
「そうですか、それは感心な事」
 羅紗は嬉しそうな笑顔を外から見上げる鶴千代に向ける。
「お帰りになったばかりだというのに、鶴千代様には本当に感服致します」
 そう羅紗に賛辞を送りながら、何故か春蘭は支那服の切れ目を開いてその場に身をかがめた。
「鶴千代……、皆の務めを学ぶのはよいが邪魔をしては、ひ……!」
「母上……?」
 欄干の腰板の陰で春蘭の両手が着物の裾を押し開いて、その間から羅紗の猛々しいものが突き出ていた。
「このままお世話いたしますがゆえ、羅紗様にはご遠慮なく若様とお話を……」
 上目遣いに囁きながら、春蘭は羅紗のものを右手で掴む。
「ば、馬鹿を申せ! こ、これ……う!」
 固くなったものをぬるぬると熱い口中に吸い含まれて、たまらず羅紗は身を震わせた。
「は、母上? どうかなされたのですか……?」
「な、何でもありません。お前も皆の邪魔をしてはなりませんよ」
「わかっています、母上……」
 みるみる顔を赤らめた羅紗を鶴千代は不思議そうに見上げる。
「うふふ。たくさんお溜めになって、もうすぐ出てしまいそう。この上もなく固とうなっておいでです。さあ、若とお話になりながら遠慮なく気をお晴らし下さい。畏れながら私の口でお受けいたします」
「や、やめ……」
「母上、誰かとお話なのですか……?」
 うつむいて咎めようとした羅紗は慌てて顔を上げた。
「い、いえ、誰も居ませんよ。その……本日のお勤めを考えていたのです。鶴千代、昼餉は初音に……うく!!」
 反り上がったものを吸われながらふぐりを揺さぶられて、羅紗は爪先だって背筋を震わせた。
 白魚の様な指先がまとわりついて、溢れるほど溜まった子種をふぐりから竿へと追い立てられる。
 泣きたいような快感が怒張の根元に押し寄せる。
「昼餉は初音ばあに頼めばよいのですか?」
 頑是ない鶴千代の視線に羅紗は必死で頷いた。
「ええ、もう初音にたの……ん………ぐ……」
 音を立てる様に、羅紗は最初の塊を春蘭の口中に放った。
 咥えたまま飛び出しやすい角度に怒張を向けて、春蘭は優しく睾丸を揺さぶる。
「では初音のところに行けばよいのですね?」
「ええ、……そ…そうで………す。……う……気を付けて……い、……うぐ……行き……な……さい……」
 爪先立って鶴千代に答えながら、羅紗は三度四度と春蘭の口中に精を放った。
「では母上、行って参ります」
 まだ怒張に残る雫を吸い出されるままに、羅紗の身体が小さく弾む。
「はあ……ふう……ふうう……」
 目くるめく快感が過ぎ去った後、羅紗は軽いめまいを覚えた。
 まだ脈打っているものをきれいに舐め上げると、春蘭はゆっくりと立ち上がる。
「もうお溜めになっていたものは全部いただきました。今宵はまた新しくおつくりになった子種を思うがまま私に……」
 羅紗は春蘭の顔からゆっくりと目を伏せた。
 我が子の前で気を晴らした後ろめたさと裏腹に、我が身の奥底に灯る妖しい炎を感じたからである。


 ふと眠りから覚めた帯刀紫乃は、眉をひそめて辺りを見回した。
 もう日も高くなっているのだろう、外に面した障子に庭の植え込みが濃い影を落としている。
 柔らかい弾力を頬に感じると同時に、甘い汗の香りが鼻をついた。

 “は……”
 慌てて顔をもたげた紫乃は、自分が春花の裸の胸に抱かれていることを悟った。
 前後の春花秋花ばかりか、自分も一糸まとわぬ裸のまま川の字で寝入っていたのだ。
 途端に昨夜の悪夢が脳裏によみがえってくる。
 “ああ……”
 たまらず紫乃はその目を固く閉じ合わせた。
 お蝶たちが姿を消した後、紫乃は両手を制されたまま双子の部屋に連れ込まれたのである。
 否応もなく二人の女に全身を弄ばれた。
 柔らかい女体に絡み付かれ、全身を指と舌が這いまわった。
 三度目の大きな愉悦の波に叫びを上げた後は、もう何度極みに揉まれたかも覚えていない。
 とっくに手首の枷が外れたにもかかわらず、処女を失くしたばかりの潤みを女たちに貪られるままに、相手に抱きすがって快感の泣き声を上げたのだった。

「うう……ん? 紫乃さん、目が覚めたのかい……?」
 身じろぎして朦朧とつぶやいた春花から、紫乃は急いで身を引いた。
「ああ……あ~~よく寝た……。昨夜は久しぶりに思いっきり満足したからねえ……」
 後ろの秋花も薄っすらと目を開いて大きな伸びをする。
 紫乃は急いで脱ぎ捨てた襦袢を肩から羽織った。
「うっふふふ、今更そんな体裁付けたってもう遅いよ。ほら、見てごらん……」
 その言葉に紫乃が恐る恐る振り向くと、春花が恥ずかしげもなく裸の両足を開いていた。
 内腿の抜ける様な白い肌に何やら赤い模様が見える。
 目を凝らしてよく見ると、小さな朱色のあざが半円型に並んでいた。
「分からないのかい? あんたに噛まれたんだよ。あたしあんたのそこを舐めながら“痛い!”って言ったんだけど、どうやら聞こえなかったみたいだねえ……」
「あっははは、ちょうど極みの最中で、噛みつきながら腰を振ってたからねえ」
「だ、だまれ! そんなこと嘘です!」
 紫乃はそう声を荒げると、話に割り込んで来た秋花から顔を背けた。
「あはは、もう昨夜の話はこれくらいにして。あたしお腹空いちまった。秋ちゃん、何か食べに行こうよ」
「ああ、そうしようか。紫乃さん、これから仲間になるんだから仲よくしようよ。身じまいが済んだら勝手場においで。この大店、いつも御馳走が用意してあるんだよ。じゃ、先に行ってるからね」
 春花と秋花は短い白ふんどしを締め、膝上までの単衣を腰のくびれに帯を巻いて座敷を出て行った。

 “伊織様……”
 その名前をつぶやいた時、紫乃は胸の内が締め付けられる思いがした。
 敵の目を欺くためとはいえ、獣の様に相手と情を交わしたのである。
 今も全身の肌が互いの唾液や体液の名残で粘つき、三人の甘酸っぱい体臭が離れないのだ。
 “私は何ということを……”
 そう思って紫乃が両手を握り締めた時、ふと頭の片隅にお蝶の透き通った眼差しが浮かんだ。
 “本当は……、伊織様には貴女のような方がふさわしいのです……”
 “伊織様を頼みます。紫乃さん……”
 帯刀紫乃は顔を上げた。
 庭に面した障子を細く開けてみる。
 三間ほど先にそう高くない六尺ほどの外塀が見えた。
 手前の大きな庭石に登れば、屋根に腰まで届きそうである。
 障子から顔を出して辺りを窺うと、商いで忙しい頃合いか屋敷の裏手に当たるこの庭には全く人気はない。
 “よし、今だ”
 紫乃は急いで部屋の隅に渦巻いていた褌を取り上げ、引き締まった尻に締め付けた。
 そのまま羽織はかまを着込むと、もう一度外を窺って大きく息を吸い込む。
 まなじりを決した紫乃は、大きく障子を開け外塀手前の庭石に向かって足を進めた。


「ではそろそろお昼にいたしましょうか。下調べではあの城壁が景色も良く、城下を一望できると思われます」
「おお、それはよい考えじゃ」
 春蘭の呼びかけに対して、護衛の一人が笑顔で頷いた。
 折からの好天で午前中の視察は滞りなく終わり、本日は城の外堀まで戻って昼餉をいただき帰城する予定である。
「本日はいろいろな話を聞き面白かった。また頼むぞ」
「はい、お喜びいただいて嬉しゅうございます。では、こちらへ……」
 鶴千代と春蘭を先頭に、護衛三名腰元一名は外郭の石垣の上に足を進める。
 城壁の上の草原に陣取ると、なるほど春蘭が言う通り城下を一面に見渡すことが出来た。
 城壁といってもまだ大手門より外に位置して、城を出た開放感がある一方、一般庶民は足を踏み入れぬ場所である。
 この空堀の上にそびえる石垣は城の内部からも目の届かぬ、いわばのんびりと足軽たちが休息する場所にもなっていた。

 城下を向いて鶴千代を先頭に腰を降ろすと、腰元が竹折を配り始める。
「苦しゅうない。皆の者昼餉をいただきなさい」
 鶴千代が箸を付けたのを合図に、一同折の蓋を開けて食べ始める。
 春蘭は降ろした背袋の中から何やら竹筒を取り出した。
「本日はお疲れ様でございました。もうお城も目前、昼餉の足しにと清国の酒を少々お持ちしました。お味見いただければ幸いです」
 護衛の一人が戸惑った表情を浮かべる。
「いやしかし、お役目の途中でそうゆう訳には……」
「なに、もうお城は目の前。一杯ずついただく位は別段ことのこともありませんよ。それに鶴千代様ご帰還後最初のお役に就いた私達ではありませんか。ここは私達だけのお祝いということで……」
 春蘭から視線を向けられた鶴千代は、箸を休めて一同を振り返る。
「うん、苦しゅうない。私に構わず飲むがよいぞ」
 護衛たちの顔に笑みが浮かんだ。
「そ、そうでございますか? ははは御一同、では遠慮なくいただくとしますか」
「どうぞどうぞ。ではこれを……」
 竹筒が回るのを見つめる春蘭は、やがてその眼差しをゆっくりと城壁の下へと向ける。
 そして城壁から城下へ出た先に、何やら人相の悪い駕籠かきの姿が見えたのである。

 茣蓙を擦る涼やかな音が目の前で止まった。
「苦しゅうない。面を上げなさい」
 片手をついて顔を歪めると、大石桔梗はようやく上体を起こす。
「大石桔梗。ただいま戻りました」
「大石……」
 凛々しく上げた桔梗の顔を見つめながら、羅紗の目にみるみる熱いものが溢れた。
「よ、よくぞ無事で戻った……。そして伊織様と共に鶴千代を助け出したこと、心より礼を申す……」
 再び痛々しく頭を下げる桔梗に、羅紗は膝を擦って近づく。
「も、もうよい桔梗。見れば深手を負っておるのに、すぐ傷の手当てをいたせ」
「は、はい。して、鶴千代様はどちらに……?」
「うん、本日は城下に学びに出ておる。今、清国から女の客が来ておってな。大陸のことを教えてもらっておるのじゃ」
「清国から……?」
 桔梗は怪訝な表情で羅紗を見つめた。
「うん。それが小浜で若を見たとか申してな」
「小浜で!」
 桔梗は大きく目を見開いた。
「うむ。し、潮影にもおったと申したが、それが……?」
 潮影の港で見た支那服の女が桔梗の脳裏に浮かんだ。
「今どこに!!」
 脇の大小を掴むと桔梗は唇を噛んで立ち上がった。
「どうしたのじゃ、桔梗! お前、その様に激しく動いては……」
「そのようなことを言っている場合ではありません。一同に伝えて、城下を隈なく探させるのです!!」
「わ、分かった」
「では私もこれにて」
「き、桔梗! お前、その身体で……」
 悲痛な声を背中に聞きながら、大石桔梗は痛む身体に鞭打って羅紗の桟敷を後にした。
元禄江戸異聞 根来(五十七)目次元禄江戸異聞 根来(五十九)

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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2018/04/26 07:28
    • 秋の晴天の城下
       情景が目に浮かぶようですね。

       しかし、秋に対する感じ方は……。
       太平洋側と日本海側では、大きく違う気がします。
       わたしが東京に出て、ひとつ驚いたことがあります。
       「秋、大好き」という子がたくさんいたのです。
       新潟の秋は、まさに冬の予兆を感じる季節です。
       木々が色づき、空気が澄んでくると……。
       間近に迫る冬を実感し、切なくなります。
       でも、太平洋側は違います。
       これは、東京に住んで初めて感じました。
       冬は、ちっとも嫌じゃなかったんです。
       なにしろ、ほぼ毎日晴れるんですから。
       ということは、秋が気鬱じゃなくなるということです。
       むしろ、暑かった夏が終わり……。
       秋は、さまざまなファッションが楽しめる季節。
       木々も色づき、街もおしゃれに変わります。
       その先に来る冬は、毎日晴天。
       秋は、ちっとも嫌じゃありません。
       「秋、大好き」が、よくわかりました。

       ↓今朝のNHKニュースでやってましたが……。
      https://twitter.com/twitter/statuses/988915757294612481

       江戸の町を映した最古の写真のネガが、オーストリアで見つかったそうです。
       4/29 (日) 21:00に、『NHKスペシャル 大江戸第1集「世界最大!!サムライが築いた“水の都”」』で……。
       ↓その写真も紹介されるようです。
      https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180429

       デジタル技術で彩色し、立体化した映像も見れるとか。
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