2018.1.14(日)
かなえは、手の平の上に顔を翳した。
手の平で温められた精液が、蒸気となって揺らめくのが見えるようだった。
「臭い……。
臭いです」
かなえは、両手の平を閉じた。
両手を、乳液を伸ばすように摺り合わせた。
再び開く。
一瞬、静止した。
両手の平を、つぶらな瞳が見つめている。
刹那……。
両手が跳ねあがった。
顔面が、両手の平で覆われた。
始動する。
手の平が、顔面を撫で回す。
まさに、乳液を塗り拡げているようだ。
しかし、塗っているのは乳液ではなく……。
精液なのだ。
「はふぅ」
手の平から垣間見えるかなえの目は、すでに正気ではなかった。
ひょっとしたら……。
この酒蔵の男子に伝わる精液には、特殊な効力があるのかも知れない。
それは明らかに、女性の精神に変調を来す作用だ。
歩から聞いた、麹室での作業の場面を思い出した。
精液を塗りこんだ麹米を、歩の母と女弟子は、顔から全身に塗りたくったと云う。
全身に?
「あ」
かなえも同じだった。
歩の精液を塗りたくる手は、すでに乳房まで下りていた。
首筋から肩甲骨にかけての肌が、照り輝いていた。
肌で温められた精臭が、ゆらゆらと立ちのぼり……。
陽炎のように空気が揺らめいていた。
かなえの両手は、肉厚な腹部にまで下りていた。
「ちょっと」
由美は、声をかけた。
歩の母と女弟子の両手は、最後には自らの性器に酒米を練りこんだと云う。
薄められ、酒米の熱で蒸された精子からは、生殖能力は失われていただろう。
しかし、歩の精液は、出したてのほやほやで、薄められてもいない。
それが、もしかなえの性器に付着したら……。
妊娠しかねない。
手の平で温められた精液が、蒸気となって揺らめくのが見えるようだった。
「臭い……。
臭いです」
かなえは、両手の平を閉じた。
両手を、乳液を伸ばすように摺り合わせた。
再び開く。
一瞬、静止した。
両手の平を、つぶらな瞳が見つめている。
刹那……。
両手が跳ねあがった。
顔面が、両手の平で覆われた。
始動する。
手の平が、顔面を撫で回す。
まさに、乳液を塗り拡げているようだ。
しかし、塗っているのは乳液ではなく……。
精液なのだ。
「はふぅ」
手の平から垣間見えるかなえの目は、すでに正気ではなかった。
ひょっとしたら……。
この酒蔵の男子に伝わる精液には、特殊な効力があるのかも知れない。
それは明らかに、女性の精神に変調を来す作用だ。
歩から聞いた、麹室での作業の場面を思い出した。
精液を塗りこんだ麹米を、歩の母と女弟子は、顔から全身に塗りたくったと云う。
全身に?
「あ」
かなえも同じだった。
歩の精液を塗りたくる手は、すでに乳房まで下りていた。
首筋から肩甲骨にかけての肌が、照り輝いていた。
肌で温められた精臭が、ゆらゆらと立ちのぼり……。
陽炎のように空気が揺らめいていた。
かなえの両手は、肉厚な腹部にまで下りていた。
「ちょっと」
由美は、声をかけた。
歩の母と女弟子の両手は、最後には自らの性器に酒米を練りこんだと云う。
薄められ、酒米の熱で蒸された精子からは、生殖能力は失われていただろう。
しかし、歩の精液は、出したてのほやほやで、薄められてもいない。
それが、もしかなえの性器に付着したら……。
妊娠しかねない。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2018/01/14 08:18
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今日は何の日
『左義長(さぎちょう)』だそうです。
地方によって呼び方が異なりますが(「どんど焼き」など)……。
小正月に行われる火祭りの行事のことです。
正月飾りや門松を取り外して燃やすようです。
「毬杖(ぎっちょう・長い柄のついた槌・毬を打つ遊戯に使われた)」を、3本立てて焼いたことから……。
「三毬杖(さんぎっちょう)」が語源だとか。
「左義長」の字が当てられた由来はわかりませんでした。
明日、1月15日は小正月なので、年越しの祝いでもあったようです。
『タロとジロの日』。
1959(昭和35)年1月14日。
南極に置き去りにされた南極観測隊の2匹のカラフト犬「タロ」と「ジロ」の生存が確認されました。
これについては、改めて書くと辛いので……。
『単独旅行記Ⅲ・総集編(12)→https://mikikosroom.com/archives/19134384.html』をご覧下さい。
しかし、寒いです。
わたしの住む区には、気象観測地点がありません。
なので、隣の秋葉区のデータなのですが……。
昨日の最低気温、マイナス13.2度。
今朝も、マイナス10.2度でした。
わたしの区も大差なかったと思います。
ラニーニャ現象と黒潮大蛇行で、寒い冬になるとの予想は出てましたが……。
これほどまでとは思いませんでした。
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2. ハーレクイン- 2018/01/14 11:49
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精神変調精液
歩自身は大丈夫なんだろうか。
まあ、元々変態ですが。
左義長
一発変換できました。有名なんだ。
しかし、どうしても詐欺師の親分をイメージしちゃいます。
さすがに「さんぎっちょう」は、参議っ町と出ました。
タロとジロ
わたしが小学生の頃です。
歌までできまして、大ヒット。
♪よかったよかった生きていた
南極基地のカラフト犬
吹雪と嵐の毎日を
生き抜いてきたんだタロ~ジロ~
不思議だまるで神業だ
ニュースを聞いて僕たちは
てんでに小躍りしたという
てんでに泣けてきたという
ここまで覚えてました
>しかし、寒い
冬の新潟が寒いのは当たり前、と思ってましたが、マイナス10℃ではねえ。
〔ちんちんも凍る寒さHQ〕
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3. Mikiko- 2018/01/14 12:16
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樺太犬を置き去りにしたことで……
越冬隊は、激しい非難を浴びることになりました。
しかし、犬を置き去りにすることは、救助に来たアメリカ海軍艦長の命令だったのです。
今日も、リュックを背負って買い出しに行って来ました。
気温は低いのでしょうが、さほど寒さは感じません。
なぜなら、風が無いからです。
平地に雪が積もる降り方を、「里雪型」と云うのですが……。
特徴は、風が無いことなんです。
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4. ハーレクイン- 2018/01/14 14:18
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置き去り避難
アメリカさんの命令以前に、事は「人と犬、どちらの命を選ぶ」という単純な話です。
そのあたりの理屈がわからない輩が、無責任に騒いだということ。その手の輩は、いざ自分のことになれば、犬どころか、他の隊員もほっぽって、真っ先に救助船に乗り込むものです。
無風新潟
ふむ。
風があると、体感温度はない時に比べ、格段に低下します。
雪は降っているようですね。
関係ありませんが「あるとき、ないとき」というテレビCMがありますね。豚まんがメイン商品の「551(ごーごーいち)の蓬莱」ですが、そちらでは流れないかな。
しかし「リュックを背負って買い出し」って、終戦直後みたいですな。無論、わたしは経験ありませんが。
〔♪とんとんとんからりと隣組HQ〕
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5. Mikiko- 2018/01/14 18:28
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リュック担いで乗りこむ……
スーパーマーケット。
雪道では、両手をフリーにしておくことが大切です。
転んだとき、手をつくためです。
厚手の手袋をして、ポケットには入れません。
手でバランスと取りながら歩きます。
なんだか山下清みたいですが……。
格好を気にしてはいられません!
もちろん、長靴!
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6. ハーレクイン- 2018/01/14 19:01
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乗り込む……
買い出し列車、じゃないのか(だから、終戦直後じゃ……)。
>手をつく
下手すると手首を挫きます。
わたし、一昨年の年末にやらかしまして、昨年末にようやく痛みが去りました。完治に一年かかったわけです。
受け身を取るのが最良の対策ですね。
〔技あり、合わせて一本、が復活したそうですHQ〕
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7. Mikiko- 2018/01/15 07:30
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手首捻挫
パソコンを打つのに支障が出たら、大問題ですね。
といっても、とっさの反応ですので……。
柔道未経験者が、受け身を取るのは難しいでしょう。
手首が頭を守ってくれたと思うしかないです。
しかし……。
貴殿は、弱小ながら経験者でしょうが。
なんで、受け身を取らなかったんですか?
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8. ハーレクイン- 2018/01/15 08:33
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なんで受け身を……
事情があります(書きませんでしたっけ?)。
一人じゃなかったんですよ。近所の人が拙宅を訪ねてきた帰りがけ、見送りに出た玄関近くの板の間でした。
どういうはずみか、わたしが足を滑らせ、仰向けに倒れかけました。酔ってはいなかったんだけど……柔道だと、小外刈り(または小内刈り)を掛けられた感じでした。
そしたら、そのお人が咄嗟にわたしの、えーと、左手首のあたりを掴み、支えようとします。然しそのお方(おばちゃん)は、わたしの重さを支えきれない。
一方、わたしは倒れかけで中途はんぱに片腕を掴まれたものですから、腰から上、体の上半分が宙に浮いたまま。つまり、受け身を取れない体勢になっちゃったんですね。
しょうがないから、残った右腕の手(要するに右手)を床に突いて上体を支えるしかありませんでした。この時に右手首をやっちゃったんですね。
>弱小ながら……
こういうのを、一言多い、と称します。
〔有効!HQ〕
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9. Mikiko- 2018/01/15 19:46
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良かったですのぅ
言い訳のできるシチュで。
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10. ハーレクイン- 2018/01/15 22:42
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>言い訳のできる……
コノヤロ。
〔教育的指導!HQ〕