Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
東北に行こう!(67)
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食「そんなわけないでしょ。
 11,500円です」
み「高いではないか!」
食「5枚綴りになってます。
 つまり、1枚、2,300円です。
 この1枚、つまり、2,300円で、丸1日、普通列車に乗り放題になります」
この1枚、つまり、2,300円で、丸1日、普通列車に乗り放題になります

み「どっからどこまで乗っても?」
食「そうです」
み「ふむ。
 そりゃ、安いかも知れんな」
食「ですよ。
 2,300円っていうと、東京から沼津くらいですからね」
2,300円っていうと、東京から沼津くらいですからね

食「この料金で、1日、どこまででも乗れるわけです」
み「沼津食わずで?」
食「ずいぶん古いギャグですね。
 あ、そうそう。
 この5枚綴りの切符は、複数人でも使えるんです。
 つまり、5人のグループでの日帰り旅行も可能ということです」
5人のグループでの日帰り旅行も可能ということです

み「ふーん。
 便利そうな切符だな」
律「1綴り買って持ってれば、何かのときに使えるかもね」
食「残念ながら……。
 利用には、さまざまな制限があるんです。
 まずは、利用期間です」
み「使えない期間があるってこと?」
食「ていうより、使える期間が限られてるんですよ。
 すなわち、学校が休みになる、春、夏、冬の一時期です」
み「一時期とは、いつからいつまでじゃ?
 これは、一般読者に有益な鉄道情報を提供する番組である。
 曖昧なことではいかんぞよ」
食「番組ってなんです?」
み「『日本の車窓から』」
もちろん、『世界の車窓から』のパロです。
↑もちろん、『世界の車窓から』のパロです。

食「聞いたボクがバカでした。
 でも確かに、曖昧な情報は、時には害になったりしますからね。
 それでは、正確な利用期間を発表します」
み「ダラダラダラダラ」
食「何です、それ?」
み「ドラムロールのサービスです」


食「いりません。
 発表します。
 まず、春は……」
み「曙」
曙

食「だから……。
 そういうの、やめてくれます?」
み「間を置くから、合いの手を入れたくなるんじゃないか。
 間髪入れずに進めんかい」
食「春は、3月1日から、4月10日までです」
春は、3月1日から、4月10日までです

み「なるほど、春休みに合わせたということだな」
食「ただし、注意事項があります」
み「なんじゃい」
食「発売期間です」
み「今、3月1日から4月10日までって、言ったではないか」
食「それは、利用できる期間です。
 発売期間は、また別なんです。
 すなわち!
 2月20日~3月31日までです」
み「期間の10日前ってことか」
食「そうです。
 2月20日に買っても、使えるのは、3月1日からになります。
 逆に、4月に入ってしまうと……。
 利用期間はまだ残ってますが、切符は買えないわけです」
み「なるほど。
 ややこしな」
ややこしい食べ方
↑ややこしい食べ方。

食「まだ付け加えたいことがあるんですが……。
 とりあえず、あと2回の発売期間だけ、先に発表させてください」
み「ダラダラダラダラ」


食「それはいいですって。
 続きまして……。
 夏は!」
み「曙」
曙

食「止めてくださいって。
 それに、夏は曙じゃないでしょ」
み「それじゃ、なんじゃい?
 武蔵丸か?」
武蔵丸か?

食「話題が古いんですけど」
み「そんなら、大砂嵐」
そんなら、大砂嵐

食「新し過ぎます。
 今は、2010年の10月ですよ。
 大砂嵐は、まだ入門してないじゃないですか(2012年3月初土俵)」
み「なら、何でわたしが知ってるのじゃ?」
食「進めます。
 夏の利用期間は、7月20日~9月10日までです」
夏の利用期間は、7月20日~9月10日までです

み「おー。
 春より長いな。
 やっぱ、休みが長いからだな。
 で、発売期間は例によって、10日前か。
 てことは、7月10日からだな」
食「いえ。
 7月1日からです」
み「なんでじゃ!」
食「うーん。
 これはよくわかりませんね」
み「7月1日に買っても、使えるのは20日からなんだろ?
 その20日間、切符を眺めて暮らせってわけ?」
その20日間、切符を眺めて暮らせってわけ?

食「夏場は、窓口が混むからかな?」
夏場は、窓口が混むからかな?

み「はっきりせんやつ。
 そんなら、発売期間の終わりも、20日前?」
食「いえ。
 そっちは、10日前です。
 すなわち、7月1日~8月31日までが発売期間です」
み「イマイチ、納得できん」
イマイチ、納得できん

食「納得してください。
 続けていいですか?」
み「納得できん分は、貸しにしておく」
食「何でボクが、借りを作らなきゃならないんですか」
み「調査不足だから」
食「理由まで知りませんよ。
 情報をお伝えしてるだけなんですから」
み「いいから、続きをお伝えせい」
食「じゃ、いきます。
 冬は……。
 曙じゃないです」
み「いらんこと言わいでいい」
食「冬の利用期間は、12月10日~1月10日までです」
冬の利用期間は、12月10日~1月10日までです

み「一番短いな」
食「丸1ヶ月ですね。
 でも、年末年始も使えますからね。
 発売期間は、利用期間の10日前。
 すなわち、12月1日~31日までです」
み「ずいぶん期間が限定される切符だな」
食「でも、合計すれば案外長いですよ。
 春が、41日。
 夏は、53日。
 冬が、32日。
 合計、126日です。
 1年の3分の1以上あります」
み「ま、ひとつの期間に2枚くらいずつ使えば……。
 けっこう、楽しめるな」
食「ここで、重大な注意事項を発表します」
ここで、重大な注意事項を発表します
↑狙いではないと思います。

食「さっき、まだ付け加えたいことがあるって言いましたでしょ」
み「ダラダラがいる?」
食「いりません」
 いいですか。
 最重要ポイントですよ」
み「穴の空くほど丸?」
食「何です、それ?」
み「高校の時の、英語教師の口癖」
食「続けます。
 5枚綴りの切符は……。
 ひとつの期間で、すべて使い切らなきゃダメなんです!」
み「なんじゃとー。
 そんなの聞いてないぞー」
食「聞いてなくても、券面に書いてありますよ」
み「切符に書いてある文字なんか、読むわけなかろうが」
食「なんでです!
 読みましょうよ」
み「まぁ、いい。
 余ったら、払い戻してくれるんだろ?」
食「だから……。
 ダメなんですって。
 1枚でも使ったら、もう払い戻しはできません」
み「悪徳商法じゃないか」
悪徳商法じゃないか

食「なんでですか。
 切符にそう書いてありますよ」
切符にそう書いてありますよ

み「だから、読まんだろうが」
食「読んでくださいって」
み「クーリングオフ、効く?」
食「有効期間内で、しかも1枚も使って無ければ、払い戻しが効きます。
 ただし、210円の手数料がかかりますけど」
み「1枚も使わないんなら、買わなきゃいいだけの話だろ。
 あ、わかった。
 JRの悪どい魂胆が」
食「何ですか?」
み「これは、ワナだな」
これは、ワナだな

食「何のことです?」
み「すなわち、次の期間にまたがって使えると思って……。
 券を使い切らない人が、必ずいるわけだ。
 そういう善良な庶民をたぶらかし、結局は高くつく切符を買わせようという所業……。
 不届き千万。
 成敗いたす」
成敗いたす

食「何でですか!
 ちゃんと確認して買わない方が悪いでしょ」
み「なぜにJRの肩を持つ?
 金もらってるんじゃないか?
 そうか。
 『青春18きっぷ』の受託販売をしてるな。
 懐に、100枚くらい束があるんじゃないか?」
懐に、100枚くらい束があるんじゃないか?

み「1枚売ると、いくら入るわけ?
 JRが、そんなに高い手数料出すわけないよな。
 1%か?
 なら、1枚売って、115円か。
 安っ!
 10枚売っても、1,150円じゃないか。
 よくそんな安い商売するな」
よくそんな安い商売するな

食「だから、してませんって。
 ま、素人向けの切符じゃないことは確かです。
 素人が、注意書き見ないで旅行したら、トラブルばっかり起こすでしょうね」
み「例えば?」
食「例えば……。
 時刻表の都合とかで、どうしても、急行や特急に乗らなきゃならなくなった」
時刻表の都合とかで、どうしても、急行や特急に乗らなきゃならなくなった

食「『青春18きっぷ』で、乗れると思いますか?」
み「そんなの簡単じゃ。
 急行券や特急券を別に買えば、乗れるに決まっとるじゃないか」
食「残念ながら……。
 あなたは、車掌さんと一悶着起こしますね」
この車掌さんは、一言もしゃべらなかったそうです
↑この車掌さんは、一言もしゃべらなかったそうです。

み「なんでじゃ!」
食「急行や特急に乗る場合は……。
 急行券や特急券は当然のことながら!
 乗車券も、別に買わなきゃならないからです」
乗車券も、別に買わなきゃならないからです

み「なんじゃとー!」
食「つまり、急行や特急に乗る場合……。
 『青春18きっぷ』は、何の効力も無いということです」
み「やっぱり成敗いたす」
本当のセリフは、何でしょう?
↑本当のセリフは、何でしょう?

食「よく調べて乗りましょう」
み「じゃ、この『リゾートしらかみ』にも乗れないわけ?」
食「これは、快速列車ですから大丈夫です。
 ただし、指定席券を別に買わなきゃなりませんけど」
覚えてますか?、『東能代駅』。
↑覚えてますか?、『東能代駅』。これならタダで乗れます。

み「うーむ。
 わけのわからん切符じゃ」
食「わかるでしょ。
 単純に考えればいいんです。
 快速を含む普通列車にだけ、1日2,300円で乗り放題という切符です。
 さっきも言ったとおり、2,300円っていうと、『東京→沼津』間くらいです」
『ぬまづ燦々レディー』。意外に美人度高し!
↑『ぬまづ燦々レディー』。意外に美人度高し!

食「この料金で、どこまででも行けるんですよ」
み「待てい。
 1枚の切符は、1日しか効力が無いわけだろ?」
『ひろしまドリミネーション2010』より。靴がデカすぎだろ。
↑『ひろしまドリミネーション2010』より。靴がデカすぎだろ。

食「そうです」
み「普通列車だけ乗りついでたら……。
 そんなに遠くまで行けっこないじゃないか」
食「ほー。
 案外、鋭いですね」
み「案外とはなんじゃ!」
案外、鋭いですね

食「『青春18きっぷ』が発売されたのは、1982年。
 もちろん、国鉄の時代です」
今のヤクルトの前身が『国鉄スワローズ』。しかし、80円って……(昭和37年)。
↑今のヤクルトの前身が『国鉄スワローズ』。しかし、80円って……(昭和37年)。

食「そのころは、長距離を走る普通列車が、けっこうあったんです」
み「あ、叔父に聞いたことがある。
 上野と新潟間で、直通の普通列車があったんだって」
上野と新潟間で、直通の普通列車があったんだって
↑1964年5月号。上野発9:14分の普通列車『新潟』行きがあります。こちらのページに、詳しいタイムテーブルが載ってます。新潟着は、18:58分ですね。叔父が乗ったのは、これより15年くらい後になると思います。

律「今は無いの?」
み「おまへんがな。
 そんな呑気な列車。
 新幹線で2時間かからないのに。
 叔父の話によると……。
 上野を、朝9時過ぎに出るんだけどね。
 山の上の駅で、1時間くらい、急行の通過待ちで停車するんだって」

↑プラモ『田舎の駅』。残念ながら、メーカーが倒産してます。

み「結局、新潟に着くのは、夕方の4時半ごろだったって」
律「7時間?」
み「そういうこと」
律「のんびりしてていいじゃない」
み「ま、ね。
 夏休みの帰省に使ったらしいけど……。
 冷房もなく、天井に扇風機が回ってるだけ」
冷房もなく、天井に扇風機が回ってるだけ

み「結局、使ったのは、その1回きりだったって」
律「『青春18きっぷ』、使ったのかしら?」
み「まだ売ってなかったと思うよ。
 ま、売ってても、買わなかっただろうけど」
律「どうして?
 東京新潟間を、2,300円で行けたら、そうとう割安じゃない」
み「帰省の往復で2回分使うとしても……。
 あと、3回も乗らなきゃならないでしょ」
律「あ、そうか」
み「普通列車なんて、座席のリクライニングも無いし……」
津軽鉄道『ストーブ列車』の車内
↑津軽鉄道『ストーブ列車』の車内。

み「長時間乗るのは、楽じゃないわよ」
律「それはそうね」
み「あと、5回分ってのが、JRも意地が悪いよな。
 4回分なら、スゴく使い勝手がいいのに。
 2人で買えば、帰省の往復にぴったりじゃない」
食「ぴったりすぎですよ」
ぴったりフィット
↑ぴったりフィット。

食「そんな使われ方したら、大損です」
み「だから、わざと奇数にしてあるんだな」
“丁”は、丁度の“丁”。“半”は、半端の“半”だそうです。
↑“丁”は、丁度の“丁”。“半”は、半端の“半”だそうです。

食「ですかね。
 さーて。
 トンネルを4つ過ぎましたよ。
 見逃さないでください。
 あっという間ですから」
み「どーれ」
食「あ、そっちじゃないです。
 駅は、山側になりますから、反対側の窓を見てください」
み「立った方がいいか?」
食「そこまでしなくても……」
み「すでに立っておる」
すでに立っておる

食「はい。
 来ましたよ」
み「……。
 何も来ないぞ」
食「もう過ぎましたって。
 通ったでしょ、駅」
み「小屋みたいなのは見た」
小屋みたいなのは見た

食「それが駅です」
み「さっきから、あれだけ引っ張っておいて……。
 これだけきゃ?」
食「やっぱり、降りなきゃダメですね」

↑動画『驫木駅を散策してみた』。

み「『青春18きっぷ』と、どう関係するんだ?」
食「ポスターになったんですよ。
 2002年の春バージョンでした」
2002年の春バージョンでした

食「列車から駅を見ようとすると、後ろが山になっちゃいますけどね。
 山側から見ると……。
 駅舎があって、線路があって、そのすぐ向こうが日本海なんです。
 あのポスター見て旅に出たくなった人、たくさんいると思いますよ」
あのポスター見て旅に出たくなった人、たくさんいると思いますよ

み「そんなもんかのぅ。
 そう言えば、駅名を聞いてなかったな」
食「『驫木(とどろき)』です」
『驫木(とどろき)』です

み「おんなじ駅、世田谷にあるよな」
食「あぁ。
 等々力ですね」
等々力ですね

食「字が違いますけど……。
 語源は一緒ですね。
 世田谷の等々力には、等々力渓谷があります」
世田谷の等々力には、等々力渓谷があります
↑世田谷区にあるんですよ。

食「川の近くには、よくある地名ですね。
 水音の轟きから来てます」
み「ここにも、そんな川があるのか?」
食「ここは、波の音の轟きですよ。
 時化の時は、駅舎が波を被ることもありますから」
時化の時は、駅舎が波を被ることもありますから

み「カニが飛んでくる?」
カニが飛んでくる?

食「何です、それ?」
み「叔父が、出雲崎で見たって言ってた」
食「出雲崎って、新潟県のですか?」
み「そう。
 良寛さんで有名な出雲崎。
 冬、そこの工事現場に通っててね。
 海っぱたに公園を作ってたのよ。
 その公園の池に、ある朝、カニが沈んでた」
後ろ姿は、子供時代の良寛さん。その前に見えるのが池だと思います。
↑後ろ姿は、子供時代の良寛さん。その前に見えるのが池だと思います。

み「甲羅が手の平くらいもある、明らかに海のカニなわけ。
 池は、普通の淡水の池なんだよ」
律「淡水にも住めるの?」
み「住めませんがな。
 カニは、死んでたんです」
カニは、死んでたんです

み「叔父は、地元の子供が、イタズラで投げ込んだんだろうと思ったわけ」
律「違ったの?」
み「ある風の強い日。
 その真相がわかったそうよ。
 波しぶきが、頭上はるかまで上がって……。
 その波濤を目で追ったら、波頭に乗ってた何かが、池に飛びこんだ。
 それが、カニだったわけ」
その波濤を目で追ったら、波頭に乗ってた何かが、池に飛びこんだ

律「波で打ちあげられたの?」
み「左様です」
律「ほんとかしら」
み「かように、日本海の冬の波は強烈なわけよ。
 あ、そうそう。
 ちょっと前、外人の演歌歌手がいたじゃない?
 ジェロニモだっけ?」
ジェロニモだっけ?

食「ただのジェロだと思います」
み「それそれ。
 ジョロ」
おそらく日本で唯一のジョロ製作専門店
↑おそらく日本で唯一のジョロ製作専門店(山里ジョロ)。“ジョーロ”ではなく、あくまで“ジョロ”なんですね。

食「ジェロです。
 わざと間違ってるでしょ」
み「そのジェロの歌に、『海雪』ってのがあったわけ(2008年大晦日、『紅白歌合戦』で歌われました)」
そのジェロの歌に、『海雪』ってのがあったわけ

み「冬の出雲崎が舞台なんだけど……。
 2時間ドラマに出てくるみたいな断崖で、女性が海に降る雪を見て泣いてる歌よ。
 秋元康め、出雲崎の冬の海を見てないなと思ったわけ」
律「何で?」
み「出雲崎の冬に……。
 雪が海になんか降らないっての」
律「どうしてよ?」
み「暴風が吹いてるからよ」
暴風が吹いてるからよ

み「雪なんて、頭上を真横に通りすぎて行くわよ。
 そんな中、断崖なんかに立ってられますかって。
 コートの裾は吹き捲られ、髪の毛は総立ち。
 ズラなら、間違い無く吹っ飛んでるね」
カツラーなワシ。冬の日本海を飛ぶのはやめましょう。
↑カツラーなワシ。冬の日本海を飛ぶのはやめましょう。

み「吹き付ける風で、顔の皺なんか、みんな伸びて……。
 どんな美人でも、ウーパールーパーみたいな顔になるのよ」
どんな美人でも、ウーパールーパーみたいな顔になるのよ

律「うそばっかり」
み「ほんとです。
 今度、冬の出雲崎でやってみる?
 わたしが、写真撮ってやるから。
 脅迫に使えそうなほどオモロい顔になるから」
脅迫に使えそうなほどオモロい顔になるから

食「話を戻していいですか?」
み「何の話だっけ?」
食「『驫木駅』です。
 どんな字を書くと思います?」
み「世田谷の『等々力』でも、車が3つの轟木でもないわけだな」
食「そうです」
み「ヒント!」
食「車が3つに似てます。
 ある文字が、下に2つ、上に1つですね」
み「そんな字、ほかにあるか?」
食「まず使いませんけどね。
 車以外で、轟くものです」
み「太鼓か?」
太鼓か?

食「2文字じゃないですか」
み「鼓が3つ」
至芸『三つ鼓』。明治時代の写真。
↑至芸『三つ鼓』。明治時代の写真。

食「そんな字、書けませんって」
そんな字、書けませんって

み「じゃ、滝は?
 轟くぞ。
 ぜひ、旧字の瀧にしてもらいたいものじゃ」
食「書けませんって」
書けませんって

み「もういいから、答え言って」
食「馬です。
 馬が3つで、驫き。
 駅名には、樹木の木が後ろに付きますけど」
駅名には、樹木の木が後ろに付きますけど

み「じゃ、“とどろき”ではなく、“とどろ”ではないか」
食「『驫木』は、駅あたりの集落名です。
 その地名自体に木が付いてますから、昔からそうなんでしょう」
み「わかった。
 ここらには、車が無かったわけだな。
 轟くものを例えるには、馬しかいなかった」
冬の日本海で、まれに網にかかるアシカウマ
↑冬の日本海で、まれに網にかかるアシカウマ。

食「ま、そこまでは与り知りませんが……。
 駅名に使用されてる漢字では、最も画数が多い文字です。
 30画ありますから」
み「で、その駅がポスターになったわけね」
食「そうです。
 駅の周りに何にもありませんから、絵になるんですよ。
 あ、昔は、美味しいラーメン屋が1軒ありましてね。
 駅の待合室の時計の下には……。
 “時計が遅れてきたら『龍龍亭』へおしえて下さい”って貼り紙がされてたんですよ」
時計が遅れてきたら『龍龍亭』へおしえて下さい

み「異様に詳しいではないか」
食「駅に泊まりました」
み「やっぱり」
食「硬いベンチに寝てると、波の音が聞こえるんですよ。
 海まで10メートルくらいですから」
海まで10メートルくらいですから

み「津波が来たら助からんな」
食「津波の話は止めましょうって。
 こないだ、ネットで駅の情報を調べてたら……。
 その『龍龍亭』が無くなってることを最近知って、ショックでした(無くなったのはだいぶ前のようで、画像がまったく見あたりませんでした)」
み「そのラーメン屋が、駅の時計の管理もしてたわけ?」
食「と思います」
み「わかった。
 電波時計になったので、時間合わせの仕事が無くなったんだ。
 で、廃業」
貼り紙が消えてます
↑貼り紙が消えてます。

食「そんなわけ無いでしょ。
 メニューは少なかったけど、美味しかったんですよ。
 400円のジャンボ餃子、懐かしいなぁ。
 さくらさんも食べたかも知れません」
み「誰じゃ、それ?」
食「『男はつらいよ』の“さくら”ですよ。
 倍賞千恵子が演じた」
倍賞千恵子が演じた

み「ずいぶん、古いネタを持ちだしたね」
食「ま、確かに。
 あれは確か、第7作でした。
 『男はつらいよ 奮闘編』」
『男はつらいよ 奮闘編』

食「昭和46年公開ですから……。
 40年も前ですね」
み「“さくら”って、いつも『とらや』にいるんじゃないの?」
葛飾柴又にある『寅さん記念館』
↑葛飾柴又にある『寅さん記念館』

み「その“さくら”が、驫木まで来たわけ?」
食「その回のマドンナは、榊原るみでした」
その回のマドンナは、榊原るみでした

食「驫木出身の花子という設定でしてね。
 その花子に振られたと思った寅さんが、旅に出た青森から、自殺でもしそうな葉書を寄越す。
 心配になった“さくら”が、青森に向かうという筋立てです」
心配になった“さくら”が、青森に向かう
↑詳しくは、こちらを御覧ください。

み「ふーん。
 でも40年前じゃ、逆にまだラーメン屋は無かったかも知れんぞ」
食「あ、それは有り得ましたね。
 でも、もし『男はつらいよ 奮闘編』を視聴する機会があったら……。
 目を凝らして見てください。
 実は、『驫木駅』は、2008年に改修されまして、綺麗になっちゃってるんです」
『驫木駅』は、2008年に改修されまして、綺麗になっちゃってるんです
↑改修から1年後、2009年11月の画像です。

み「ポスターの駅とは違ってるってこと?」
食「ですね。
 でも、外観のフォルムや板張りは一緒ですから……。
 すぐにまた、風情のある駅舎になってくれますよ。
 なにしろ、冬の波しぶきがスゴいですから」

 ここで、驫木駅の内部を、見てみましょう。
 画像の多くは、『きまぐれ宿日記49』さんのこちらのページから拝借しました。
 これらの写真が撮られたのは、2007年8月22日前後のようです。
 つまり、改修前の旧駅舎ですね。
 この時点で、ラーメン屋『龍龍亭』は無くなってたようです。

 ↓まずは、外観から。
まずは、外観から

 右手にある白いボックスは、トイレでしょうか?
 工事現場とか、イベントの仮設で見かけるやつですね。
 臭いっぽいです。
 その他は、見事に何も無し。
 海だけ。
 もし、列車を乗り過ごして、この駅に取り残されたことを考えると……。
 心が凍りますね。
 寂しすぎ。
 乗り過ごしたら、マジで大変ですよ。
 ↓これが、駅構内にある時刻表(2012年3月17日改定)。
これが、駅構内にある時刻表(2012年3月17日改定)

 通勤通学に使えるのは、上下1本だけですよね。
 冬場、波が荒いと運休するみたいだし……。
 どうすんだろ?
 学校なら、休んじゃえばいいでしょうが……。
 会社は、マズいよね。

 ↓ホームから見ると、こんな感じ。
ホームから見ると、こんな感じ

 高波が来れば、駅舎まで届くでしょうね。

 ↓駅舎の中。
駅舎の中

 シンプルと云うことも可能ですが……。
 早い話、何もありません。
 長椅子のベンチがあるだけ。
 寝るとしたらここになるのでしょう。
 ↓実際、『きまぐれ宿日記49』さんでは、このベンチで寝ておられます。
『きまぐれ宿日記49』さんでは、このベンチで寝ておられます

 ↓自炊までなさっておられました。
自炊までなさっておられました

 これはちょっと、マズいかなと。
 ↓現在、駅にはこのような貼り紙が。
現在、駅にはこのような貼り紙が

 良い子のみなさんは、決して真似をしないように。
 『五所川原駅長』となっているのは……。
 無人駅の『驫木駅』を管理するのが、『五所川原駅』だからです。
 ちなみに、2010年の3月までは、管理駅が『深浦駅』でした。
 管理駅が変わったことにより、宿泊に対する姿勢が変わったのかどうかは……。
 わかりません。

 しかし、この細いベンチで……。
 朝まで、落ちずに眠れるとは思えませんよね。
 背中も硬そうだし……。
 新聞紙でも敷いて、床に寝た方がいいんじゃないすか。
 冬だと、凍死するでしょうが。

 なお、駅構内には、駅ノートが備え付けられてます。
駅構内には、駅ノートが備え付けられてます

 読んでみたい気もしますが……。
 寂しさのあまり書き付けた文章は、こっ恥ずかしい場合が多々ありますのでね。
 読まない方がいいかも。
 なお、こういうノートを備え付けて置くのは……。
 決して、JRの好意では無いのではないかと思います。
 ノートを置いておかないと……。
 駅構内が、落書きだらけになるからではないでしょうか。
 ↓実際、掲示板には落書きがいっぱいです。
掲示板には落書きがいっぱいです

 こんなところに落書きするヤカラには……。
 “ニセ鉄”の称号を贈りましょう。
 さて、それではそろそろ、『驫木駅』を出発しましょう。
 さらに番組は続く!

食「次も、風情のある駅名ですよ」
み「駅名だけ?」
食「ま、駅舎は……。
 ほぼプレハブ小屋ですが。
 難読駅名のひとつです。
 通り過ぎるとき、駅名標を読んでみてください」
み「駅は、また山側か?」
食「ですね。
 線路が海っぱたを走るので、駅は山側になります」
線路が海っぱたを走るので、駅は山側になります
↑こちらは、『リゾートしらかみ』“ぶな”編成。

み「立った方がいいか?」
食「すでに立ってるじゃありませんか」
すでに立ってるじゃありませんか

み「まだ?」
食「そろそろです」
み「今、ブレーキかけられたら、ひっくり返るな」
今、ブレーキかけられたら、ひっくり返るな

食「何で爪先立ちしてるんです?」
み「心せくのじゃ。
 駅は、まだきゃ!」
食「まだ見えませんって」
律「Mikiちゃん、ふくらはぎが震えてるわよ」
ふくらはぎが震えてるわよ

み「げ、限界が……」
食「座って見ましょうって」
み「あ、あぎゃ」
あ、あぎゃ

律「どうしたの?
 何かの顔マネ?
 わかった。
 目玉ザル」
み「そんなサルがいるか!」
食「メガネザルだと思います」
メガネザルだと思います

み「冷静に訂正するな!
 あ、足が吊ったぁぁぁ」
あ、足が吊ったぁぁぁ

律「無理な格好するからよ」
み「医者だろ!
 何とかして!」
律「整形外科医じゃないもん」
み「し、死ぬるぅ」
律「足が吊ったくらいで死なないわよ。
 バナナがいいって聞くけど」
バナナがいいって聞くけど

み「バナナは、予防!
 吊ってから食べても間に合うかい!」
吊ってから食べても間に合うかい!
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