Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
東北に行こう!(62)
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食「もういいです。
 答えを言いますね。
 “イトウ”です」
“イトウ”です

み「伊藤?
 田中じゃなくて?」
食「何の話ですか。
 知りませんか?、イトウ。
知りませんか?、イトウ

食「『釣りキチ三平』にも出て来ますよ(参照)。
 国内最大の淡水魚です」
女の子は、劇場版『釣りキチ三平』のゆりっぺ役・土屋太鳳(たお)ちゃん
↑女の子は、劇場版『釣りキチ三平』のゆりっぺ役・土屋太鳳(たお)ちゃん

み「ほー。
 最大って、どのくらいになるわけ?
 10メートルとか?」
食「鯨じゃないんですから。
 それでも、1メートルから、1.5メートルになります。
 戦前には、十勝川で、2.1メートルの個体が捕獲されたこともあります」
十勝川で、2.1メートルの個体が捕獲されたこともあります

み「2メートルの淡水魚?
 そんなのが、ほんとに日本にいるの?
 何食ってるんだ?」
食「何でも食べます。
 悪食で有名なんですよ。
 ほかの魚はもちろん、共食いもします。
 カエルなんかはもちろんですが……。
 泳いでるヘビやネズミ、水鳥の雛なんかも丸呑みですね。
 アイヌの伝承には、鹿を呑んだという話もあります」
無料休憩する鹿
↑無料休憩する鹿

み「いくらなんでも、それは眉唾だろ。
 どのあたりに分布してるわけ?
 アイヌって云うからには、北海道にはいるんだろうけど」
アイヌって云うからには、北海道にはいるんだろうけど

食「昔は、岩手県や青森県の水系にも生息してましたが……。
 今は、北海道だけですね。
 残った河川でも、減少が続いてて……。
 絶滅危惧種に指定されてます」
絶滅危惧種に指定されてます

み「ちょっと待て。
 北海道だけって……。
 十二湖の名物料理なんだろ?
 北海道から、わざわざ取り寄せてるってこと?
 そもそも、絶滅危惧種を食べていいの?」
そもそも、絶滅危惧種を食べていいの?

食「すみません。
 説明が足りませんでしたね。
 十二湖では、養殖されてるんです」
十二湖では、養殖されてるんです

食「水が合ったんでしょうかね。
 人工池の中に、大小数百匹のイトウが飼育されてますよ」

↑養殖池の動画がありました。

み「共食いするんじゃなかったの?」
食「大きさごとに仕切られてるらしいです。
 大きいのは70センチくらい、5キロもあるみたいです」
み「ネズミまで食べる魚が、ほんとにウマいのかね?
 物珍しさだけじゃないの?
 新潟でも……。
 まさしく、幻の魚と書いて“幻魚(げんぎょ)”ってのがいるんだよ」
幻の魚と書いて“幻魚(げんぎょ)”ってのがいるんだよ

み「で、『うみてらす名立』って施設のレストランで……。
 『幻魚丼』ってのがメニューにあってね。
 一度、食べたことがあるんだけど……。
 はっきり言って、マズかった。
 あんなのなら、鯖缶の方が遥かにウマいよ」

 『幻魚丼』の画像を探しましたが、見つかりませんでした。
 メニューから外されたのかもしれません。
幻魚の干物。食欲わきませんよね
↑幻魚の干物。食欲わきませんよね。

み「どーも、“幻”ってのは、信用できん」
食「イトウを“幻の魚”と初めて呼んだのは、開高健らしいですね」
イトウを“幻の魚”と初めて呼んだのは、開高健らしいですね

食「『私の釣魚大全』の中の……。
 『釧路湿原で幻の魚を二匹釣ること』という章に収められてます(参照)」

み「いつごろのこと?」
食「確か、1968年ですね」
み「昭和43年?」
食「そうです」
み「大阪万博の前か。
 40年以上昔だよ。
 そのころから幻だったんなら……。
 よく絶滅しなかったとも言えるんじゃない?」
食「ですかね。
 現在の指定は、『絶滅危惧IB類』」
現在の指定は、『絶滅危惧IB類』

食「『20年後または5世代後に、20%以上の確率で絶滅の可能性あり』という定義です」
み「20%。
 けっこうヤバくない?
 ほんとに食っていいの?」
食「養殖ものですから。
 第一、ニホンウナギだって絶滅危惧種なんですよ(2013年の指定でした)」
第一、ニホンウナギだって絶滅危惧種なんですよ(2013年の指定でした)

み「なるほど。
 環境省も、ウナギを食うなとは言えんわな」
環境省も、ウナギを食うなとは言えんわな
↑うな丼くん、元気でやってるかな?

み「じゃ、チミも食したことがあるわけね?」
食「もちろんです」
み「お味の方は?
 食べてがっかり『幻魚丼』?」
食「とんでもない。
 いわゆる、食通だけが讃えるような味じゃなくて……」
いわゆる、食通だけが讃えるような味じゃなくて……

食「まさに、万人向けのど真ん中の美味しさです。
 別名、『川のトロ』と呼ばれてるんです」
み「トロってことは、生で食べるの?」
食「お刺身ですね」
お刺身ですね

食「白身ですが脂が乗ってます」
み「ほー。
 そんなにウマいんなら……。
 数を減らしたのは、乱獲のせい?」
食「いや。
 やっぱり、河川環境の変化が一番ですよ。
 イトウは、上流から下流までの多様な環境が揃ってないと、生育できないんです」
イトウは、上流から下流までの多様な環境が揃ってないと、生育できないんです

み「産卵は、上流?」
食「ですね。
 イワナやヤマメが棲むような上流部です」
赤い方が、婚姻色に染まったオス
↑赤い方が、婚姻色に染まったオス。

食「生まれた稚魚は川を下りますが……。
 稚魚の生育には、氾濫原のような緩やかな水域が必須なんです」
昭和17年の尼崎市だそうです
↑昭和17年の尼崎市だそうです。

み「護岸工事されたらアウトってことか」
護岸工事されたらアウトってことか

食「そうです。
 氾濫原は、農地化されることが多いですからね」
氾濫原は、農地化されることが多いですからね

食「もちろん、ダムが作られれば終わりですし」
み「じゃ、手付かずの川じゃなきゃ生きられないってこと?」
食「上流から下流まで、多様な河川環境が揃ってなければなりません。
 一部の個体は、海にも出るんですよ」
み「へー」
食「ロシアでのサケ漁で混獲されることも、減少の原因に数えられてます」
ロシアでは、8月がサケ漁のシーズンだとか。8月でもセーターなんですね
↑ロシアでは、8月がサケ漁のシーズンだとか。8月でもセーターなんですね。

み「ロシアまで行ってるのか!
 何年くらい生きるの?」
食「20年程度は生きるみたいです」
み「それは、長生きなわけ?」
食「もちろん、長い方でしょう」
ウナギが50年も生きるとは知りませんでした
↑ウナギが50年も生きるとは知りませんでした。

食「でも、それが減少原因のひとつとも言われてます」
み「なんで?
 長生きなら、いいじゃん」
食「長生きっていうか……。
 成熟してから長いんならいいんですけどね。
 成熟するまでが長いんです」
み「育ちが遅いわけ?」
食「いや。
 体は大きくなるんですが……。
 産卵行動を取るようになるまで、時間がかかるんです」
メスを巡って争う、2匹のオス
↑メスを巡って争う、2匹のオス。

み「奥手ってことか。
 何年かかるの?」
食「5年くらいだそうです。
 体長は、50センチくらいになってます」
体長は、50センチくらいになってます

み「図体だけデカくても、子供ってこと?」
食「ですね」
み「オトナになる前に死んじゃうイトウも多いんだろうな。
 童貞や処女のまま。
 可哀想じゃ……」
食「はぁ」
み「そう言えばさ……。
 シャケとかの産卵の時って……。
 並んで口開けるよね」
作:永井文雄/イトウ産卵シーン
↑作:永井文雄/【置き物】イトウ産卵シーン(台座、2体)/大きさ:約25×23×21(cm)/参考価格:¥350,000

み「あれって、イッてるわけ?」
食「知りませんよ。
 シャケに聞いてください」
み「やっぱり、気持ちいいのかなぁ?」
食「イトウと云う名前の語源はご存知ですか?」
み「話を逸らしたな。
 まぁ、いい。
 車中でもあるし。
 それは、あれだろ?
 伊藤さんが発見したからじゃないの?」
伊藤さんが発見したからじゃないの?

食「発見者の苗字が名前になるなら……。
 山下とか川上とか、そんな魚ばっかりになっちゃいますよ」
み「スズキがいるじゃん」
食「あれは……。
 鈴木さんが発見した訳じゃないと思います」
鈴木さんが発見した訳じゃないと思います

み「じゃ、なんだよ」
食「糸のような細い魚ってことで、糸魚(いとうお)と呼ばれたようです」
糸のような細い魚ってことで、糸魚(いとうお)と呼ばれたようです
↑確かに細いことは細いです。

み「糸って、裁縫の糸?」
食「そうです」
み「それは、ありえんだろ」
食「どうしてです?」
み「だって、1メートル以上になる魚だよ。
 細いったって、それを糸に例えるか?」
食「ま、言われてみればですけど。
 産卵後のやせ細った個体が、上流で多く見かけられるせいみたいです」
み「いくら細いったって、糸は無いだろ。
 だって、ウナギだって、糸魚とは呼ばれないわけでしょ」
ウナギだって、糸魚とは呼ばれないわけでしょ

み「いくら痩せても……。
 ウナギよりは太いイトウが、糸魚とは納得できん」
食「じゃ、どういう語源です?」
み「知らん。
 でもたぶん、アイヌ語だろ」
でもたぶん、アイヌ語だろ

食「アイヌ語でイトウは、“チライ”ですよ」
み「わかった。
 白井から伊藤に変化したんだ」
食「どんな変化ですか。
 北海道の猿払村には、知来別(ちらいべつ)という地名もあります」
北海道の猿払村には、知来別(ちらいべつ)という地名もあります
↑シネシンコは、“1本の蝦夷松”という意味だそうです。

食「今でも、日本有数のイトウ生息地です」
み「地名になるほど、アイヌの生活に根付いてたってことか」
食「皮が丈夫なんで、衣類や履物にも加工されてたようです」
これは、鮭皮のブーツ。ヒレがそのまま付いてる!
↑これは、鮭皮のブーツ。ヒレがそのまま付いてる!

み「それは……。
 生臭そうじゃ。
 でも、服になるってことは、そうとうな大物だね」
食「うーん。
 だって、一匹の皮を、そのまま着るわけじゃないでしょ」
サケ、カラフトマス、イトウなどの皮をはぎ合わせて作る『魚皮衣』
↑サケ、カラフトマス、イトウなどの皮をはぎ合わせて作る『魚皮衣』

み「着たら可愛いだろ。
 魚の着ぐるみみたいで」
魚の着ぐるみみたいで

食「可愛いかは、大いに疑問です。
 でも、昔はデカいイトウがいたことだけは、確かでしょうね。
 例の、鹿を飲んだというアイヌの伝承によると……。
 人や鹿を呑みこむ怪魚チライを、アイヌの勇者カンナカムイが退治したそうです」
人や鹿を呑みこむ怪魚チライを、アイヌの勇者カンナカムイが退治したそうです
↑日本昔ばなし『湖の怪魚』

食「怪魚の死骸が川を堰き止め、湖が出来たと伝えられてます」
み「昔話のそういう大風呂敷なとこって、いいよね。
 刺身はちょっとアレだけど……。
 別の料理なら、食べてみたいかも。
 どんな食べ方があるの?」
食「アオーネのレストラン『アカショウビン』では……」
アオーネのレストラン『アカショウビン』では……
↑アカショウビンは、カワセミ科の鳥の名前です。

食「『幻のイトウ御膳』が味わえます」
『幻のイトウ御膳』が味わえます

食「天ぷらやムニエル、カルパッチョなど、まさにイトウづくし」
イトウのカルパッチョ(左)と天ぷら(右)
↑イトウのカルパッチョ(左)と天ぷら(右)

食「これで、4,200円!
 どうです?
 降りて、食べてみますか?」
み「ふーむ。
 案外、お手頃な値段じゃない。
 先生、おごって」
律「お手頃なら、自分で食べなさい」
み「けち」
律「どっちが」

 ガッタン。

食「あぁ、列車、出ちゃいましたね」
あぁ、列車、出ちゃいましたね

み「うわーん。
 わたしの『イトウ御前』が……」

 ↓ちなみに、『十二湖駅』の全貌はこちら。
ちなみに、『十二湖駅』の全貌はこちら

 開業は、1959年(昭和34年)。
 駅舎は、2005年に改築されたものです。
 立派な駅舎に見えますが……。
 観光案内所や産直施設が入ってるからなんですね。
 実際には、無人駅です。

律「泣くな!
 バカ女」
食「イトウは、この先の『鰺ヶ沢』でも養殖してます。
 そこでも食べられますよ」
み「それを早く言わんかい。
 旅を続けよう」
食「立ち直りが早いですね」
み「車窓の風景を見たまえ。
 佳景ではないか」
食「誰の真似なんです?
 あ、あのあたりが『ガンガラ穴』です」
あのあたりが『ガンガラ穴』です

み「なんじゃ、それは?」
食「海蝕洞です。
 大岩を波がえぐり、洞穴が空いてるんです。
 奥行きは、50メートルもあります」
奥行きは、50メートルもあります

み「見えんぞ」
食「穴は海に向いてますから、あたりまえです」
み「じゃ、どうやって見るんだ?」
食「遊覧の小舟が出てます」
遊覧の小舟が出てます

み「中に入れるの?」
食「とば口だけじゃないですか」
とば口だけじゃないですか

食「奥に入ったって、真っ暗で何も見えませんよ」
み「ライトを点ければいいではないか」
食「洞穴の奥には、コウモリが群生してます。
 驚いて飛び出てきたら、大変ですよ」
驚いて飛び出てきたら、大変ですよ

み「やっぱりパス。
 あ、洞窟に入った!」
あ、洞窟に入った!

食「トンネルです」
トンネルです

 『森山トンネル』を抜けた列車は……。
 岩の点在する浦の風景を見ながら松原沿いに進みます。

↑五能線側面展望『十二湖』→『ウェスパ椿山』。トンネルは、1:45くらい。

み「また、鉄橋だ」
食「笹内川橋梁です」
み「第何?」
食「ナンバーは付いてません」
み「どーも、一貫性が無いのぅ」
食「そろそろ、次の駅です」
み「何て駅?」
食「『陸奥岩崎』です」
み「やたら、“陸奥”が付くね」
食「さっきの『白神岳登山口』駅も、元は『陸奥黒崎』でしたしね」
み「やっぱり、後発路線だから、『岩崎』も『黒崎』も、ほかに先を越されてたんだろうね」
食「ですね。
 『岩崎』駅は、福岡にありました」
み「ありました?」
食「廃止されたんです。
 明治45年に設置された香月線の駅です。
 昭和60年、香月線が廃止され、『岩崎』駅も無くなりました」
1973年(昭和48年)の『岩崎』駅
↑1973年(昭和48年)の『岩崎』駅(こちらのページから拝借)

み「そんなら、『陸奥岩崎』の“陸奥”を取ってもいいんじゃないの?」
食「いまさら、そうもいかないでしょ。
 馴染んじゃってますから」
み「『黒崎』駅は?」
食「これも、福岡県にあります」
み「廃止?」
食「いえ。
 こちらは、北九州市にある鹿児島本線の駅ですからね。
 バリバリの現役です」
鹿児島本線『黒崎』駅
↑なんか、ファッションが独特ですね。

食「あ、『陸奥岩崎』駅、通過します」
『陸奥岩崎』駅、通過します

み「通過かよ。
 一瞬しか見えなかったけど……。
 普通の、駅らしい駅だったね」
正面から見た『陸奥岩崎』駅
↑正面から見た『陸奥岩崎』駅

食「ここは、旧岩崎村の中心地でしたから」
み「あぁ。
 今の深浦町も合併して出来たのか」
食「2005年、平成の大合併で、岩崎村と合併しました」
み「デカそうな町だよね」
食「面積は、500平方キロ弱でしょう」
み「ありゃ。
 新潟市よりは小さいのか」
食「でも、五能線の駅が18もあります」
赤枠で囲った18駅が、深浦町にあります。
↑赤枠で囲った18駅が、深浦町にあります。

み「18!
 ひとつの町で?
 そりゃスゴいわ」
食「日本一、駅数の多い“町”です。
 でも、駅員さんがいる旅客駅は、深浦だけなんです。
 あとは全部、委託駅か無人駅です」
み「じゃ、今の駅も?」
食「無人駅です」
み「はぁ。
 人口はどれくらいなの?」
食「岩崎村と合併して、ようやく10,000人を越えたんですが……。
 今はもう、9,000人くらいになってしまったみたいです(町のホームページには、なぜか平成17年までの数字しか載ってません)。
 1965年ころには、20,000人近くいたようですから……。
 半減ですね」
み「半減は厳しいな。
 三セク作って、観光は頑張ってるみたいなのに」
食「観光客は来ても、住人は減り続けてるってことです。
 あ、列車の方向が変わったの、お気づきですか」
み「お気づきでない」
食「太陽の位置が変わったでしょ」
み「ほうか?」
食「瘤のように突き出した半島を巡ります」
み「男鹿半島?」
男鹿半島?

食「そんなわけないでしょ。
 艫作崎(へなしざき)です」
艫作崎(へなしざき)です

み「屁無崎?」
食「頭にヘンな漢字が浮かんでますよ」
み「聞いたことにゃいもん」
食「別名、黄金崎(こがねざき)とも云います」
み「あ、これはわかるな。
 日本海ってのは、夕日が沈むからね」
日本海ってのは、夕日が沈むからね

み「突き出た岬なら、遮るものもないだろうし」
律「あら、黄金崎って、青森にあるんですか?
 伊豆で学会があったとき、たしか黄金崎ってとこ、通りましたよ」
たしか黄金崎ってとこ、通りましたよ

食「そっちの黄金崎の方が、有名ですからね。
 安山岩が風化して黄色くなった岩に夕陽があたると、黄金色に輝くんですよ」
安山岩が風化して黄色くなった岩に夕陽があたると、黄金色に輝くんですよ

食「西伊豆の景勝地です」
み「あ、そうか。
 西伊豆は、西が海だから……。
 日本海と同じなんだ」
食「でも、こちら青森の黄金崎にも……。
 夕日を楽しめる、素晴らしい温泉があるんですよ」
み「ほー」
食「あ、もうすぐ駅に差し掛かります。
 『陸奥沢辺』です」
み「また、後発の悲しさか。
 本家の『沢辺』はどこ?」
食「宮城県の栗原町です。
 『くりはら田園鉄道』の『沢辺』駅」
『くりはら田園鉄道』の『沢辺』駅

み「JRじゃないの?」
食「最後は三セクになりましたけど……。
 元々は栗原電鉄という民営鉄道です」
元々は栗原電鉄という民営鉄道です

み「最後はって……」
食「2007年に廃止されました」
2007年に廃止されました

食「もちろん、『沢辺』駅も無くなったわけです」
み「でも、民営鉄道の駅名にあるからって……。
 JRが遠慮するかね?
 そもそも、昔はネットとか無いわけだし……。
 全国の民間鉄道の駅名って、どうやってチェックしたんだ?」
食「さー」
み「“さー”じゃねーだろ」
食「あ、通過します。
 ほらほら」
『陸奥沢辺』通過

み「誤魔化しおって。
 あれ。
 さっきも見たぞ、こんな駅」
『陸奥沢辺』駅
↑『陸奥沢辺』駅

み「どこだったかな?」
食「『大間越』駅ですね」
『大間越』駅

食「その少し前の、『東八森』駅も同じでしたよ」
『東八森』駅

み「そうだっけ?
 でも、『大間越』駅とは、形も色もそっくりだったな。
 当時の流行り?」
食「ていうか、カプセル型と云われてますが……。
 早い話、ユニットバスみたいなもんじゃないですか?」
み「工場で作って持ってきた?」
食「と思います」
み「味気ないのぅ」
食「国鉄末期の産物ですね」

 ↓こちらが、カプセル型駅舎の嚆矢となった『国包(くにかね)』駅(兵庫県加古川市)。
『国包(くにかね)』駅(兵庫県加古川市)

 ちなみに、奥羽本線の『撫牛子』駅(青森県弘前市)もカプセル式。
『撫牛子』駅

 ところで、『撫牛子』は、なんと読むでしょうか。
 わたしは、“なでうし”と読みましたが……。
 正解は、“ないじょうし”。
 難読駅名で有名とのことですが……。
 知ってない限り、読めねーだろ!

律「なんだか、また山に登ってきたわね」

↑五能線側面展望『十二湖』→『ウェスパ椿山』。4:35→『陸奥岩崎』通過。7:34→『陸奥沢辺』通過。

律「ほら、海があんなに下に見える」
み「んだなやー」
律「なんでいきなり東北弁なのよ」
み「そういう気分になってまいったぞい」
食「“ぞい”は東北弁じゃないと思います」
み「何弁?」
食「有り得ない弁です。
 ほら、海の向こうに、白神山地が見えますよ」
海の向こうに、白神山地が見えますよ

み「おー。
 お懐かしや」
律「ついさっきでしょ」
食「もうすぐ、五能線全線で一番高く登ります」
み「何メートル?」
食「海抜70メートル」
み「津波も大丈夫」
律「またそれを言う」
食「そろそろ、次の駅に停車です」
み「青森県、2つ目の停車駅だね。
 また、陸奥なんたら?」
食「違います。
 『ウェスパ椿山』駅です」
み「なんじゃそりゃ。
 いきなり雰囲気の違う名前じゃないの。
 でも、『陸奥ウェスパ椿山』にならなかったってことは……。
 先発の『ウェスパ椿山』駅が無かったってことだね」
律「あるわけ無いでしょ」
み「何でそんな小洒落た駅名になったわけ?」
食「おんなじ名前のリゾート施設が、真ん前にあるからです」
ウェスパ椿山

食「平成13年に出来た、新しい駅です」
『ウェスパ椿山』駅

み「民間施設?
 語呂合わせ系じゃないみたいだけど」
食「いえ。
 これも三セクです。
 『ウェスパ』の“スパ”は、温泉の“スパ”ですから」
み「あ、そうか。
 じゃ、“ウェ”は何のもじり?」
食「なんでしょう?」
律「わかった。
 “Welcome(ウェルカム)”よ」
食「惜しい!
 “Western(ウェスタン)”です」
み「惜しくねーだろ!
 でもそれだったら、官流ネーミングの王道だわ。
 これも深浦町?」
食「そうです」
み「頑張るのぅ」
食「ていうか……。
 さっきの『アオーネ白神十二湖』も『ウェスパ椿山』も……。
 両方とも、旧岩崎村にある施設です」
赤が、旧深浦町。青が、旧岩崎村。
↑赤が、旧深浦町。青が、旧岩崎村。

み「そうなの?
 じゃ、深浦町は丸儲けじゃないの」
食「さー。
 それはわかりませんよ」
み「あ、そうか。
 経営が順調とは限らないわな。
 村では支えきれなくて合併した可能性も?」
食「それもわかりません。
 でも、悪い噂は無いようですよ。
 貴重な雇用の場でもありますしね」
み「どのくらいの人が働いてるわけ?」
食「両方の施設で、150人くらいみたいです」
み「けっこう、いるね」
食「仕方ないですよ。
 両施設とも、広いんですから。
 ウェスパが14ヘクタール、アオーネが20ヘクタールかな」
み「そりゃ広いわ」
 あ、風車がある」
あ、風車がある

食「飾りじゃないですよ。
 本格的な風力発電施設です。
 あそこで作り出す電力の半分で、施設内の電力をまかなえるそうです」
み「残りの半分は、どうしてるの?」
食「もちろん、東北電力に売ってます」
み「てことは……。
 地震で停電になったら、避難施設としても使えるんじゃないの?」
食「ま、風車が被害を受けなければですが」
み「あ、そうか。
 でも、あの風車って、人間に悪影響があるみたいだね」
律「どうして?」
み「ヘンな振動が、地面の下から伝わるんだって。
 ほら、畑なんかに……。
 ペットボトルで作った風車が回ってるの、見たことない?」
ペットボトルで作った風車が回ってるの、見たことない?

律「わたしの住んでるあたり、畑自体無いから」
み「さいざんすか」
律「そんな風車回して、どうするのよ?」
み「モグラ避けだよ」
モグラ避けだよ

律「へー」
み「風車の振動が、心棒から地面に伝わるんでしょ。
 それをモグラが嫌って、近づかない」
律「風力発電装置も一緒ってこと?」
み「ですよ」
律「ほんとですか?」
食「低周波音が起きるのは確からしいですね」
低周波音が起きるのは確からしいですね

食「これが、人の自律神経に悪影響をもたらすそうです」
人の自律神経に悪影響をもたらすそうです

食「人家近くに設置された場合……。
 めまい、動悸、耳鳴りなどの症状を訴える人が出るみたいです」
めまい、動悸、耳鳴りなどの症状を訴える人が出るみたいです
↑上の3枚の画像は、こちらのページからお借りしました。

律「怖いわね」
食「でも、この風車の周りには民家がありませんから……。
 大丈夫なんじゃありませんか?」
み「ま、そういうことか。
 風車の隣の建物は何?」
風車の隣の建物は何?

食「展望台ですよ。
 白神山地まで一望できます」
白神山地まで一望できます

み「ほー。
 見たことあるみたいじゃない」
食「見ましたよ」
み「ウソこけ。
 あんな山の上じゃん。
 チミが登れるわけなかろ」
食「失礼な。
 でも実は……。
 駅前からスロープカーが出てるんです」
駅前からスロープカーが出てるんです

食「最大斜度25度。
 距離561メートル。
 高低差は102メートル。
 時速4.8キロ。
 所要時間約8分の、短くてゆっくりとした旅です」
所要時間約8分の、短くてゆっくりとした旅です

み「おー、そりゃ楽ちんそうだ」
おー、そりゃ楽ちんそうだ

み「で、リゾート施設って、何があるわけ?」
食「基本的には、コテージですね。
 おとぎの国みたいな建物で、女性や子供に人気です」
おとぎの国みたいな建物で、女性や子供に人気です

み「ふむ。
 この駅舎からしてそうだもんね」
この駅舎からしてそうだもんね

食「ここも、物産館を兼ねてます」
屋根に小人が!
↑屋根に小人が!

み「コテージって、何人くらい泊まれるの?」
食「4人用と、6人用があります」
4人用と、6人用があります

み「2人用は無いのか?」
食「全部、メゾネットですから」
全部、メゾネットですから

食「でも、2人なら……。
 4人用を借りて、2階の寝室を使わなけりゃいいだけですから」
4人用を借りて、2階の寝室を使わなけりゃいいだけですから

み「安くしてくれるのか?」
食「同じじゃないですか。
 1棟あたりの値段だと思いますよ」
1棟あたりの値段だと思いますよ

み「おいくら?」
食「4人用が1万5千円くらいかな(14,700~16,800円)。
 6人用で、確か2万円ちょっとだったと思います(21,000~23,100円)」
み「ふーむ。
 4人で15,000円だと……。
 1人、いくらになるんだ。
 ほら、電卓電卓」
食「3,750円です」
み「ほー。
 6人で、2万円だと?」
食「1人、3,333円」
み「安いじゃない」
律「家族連れには持って来いね」
み「コテージは、何棟くらいあるの?」
食「20棟くらい並んでたと思います」
20棟くらい並んでたと思います

み「なんだ、案外少ないじゃない。
 はやらないの?」
食「アオーネとウェスパで、年間30万人が訪れるそうです。
 世界遺産への拠点ですから……。
 日本だけでなく、外国からのお客さんも多いみたいです」
み「それじゃ、20棟じゃ足りんのじゃないか?」
食「コテージが満室の時は、ゲストハウスも利用できます」
コテージが満室の時は、ゲストハウスも利用できます

み「なんじゃ、それは?」
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