Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
東北に行こう!(45)
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 車両間の扉が開き、食い鉄くんが入って来ました。

み「なんだ、あいつ。
 へろへろじゃん」

 座席に、へたり込みます。
座席に、へたり込みます

食「ま、間に合ったぁ」
み「何してたんだよ?」
食「これですよ、これ」
み「それってまさか……。
 弁当じゃないだろうな」
食「ほかに何に見えるんです?
 能代駅名物!
 ミキ寿司の『季節のばらちらし』です」
ミキ寿司の『季節のばらちらし』です

み「今、何と言った?」
食「だから、『ばらちらし』ですって。
 ほら」
み「その前!」
食「能代駅名物」
能代駅名物

み「ワザと外してるだろ」
食「は?
 何か言いましたっけ?」
み「弁当屋の名前だよ」
食「あぁ。
 ミキ寿司ですか」
み「どんな字、書くんだ?
 三本の木?」
三本の木?

食「カタカナで、“ミキ”じゃなかったかな?」
カタカナで、“ミキ”

み「すんばらしい名前ではないか」
食「どうしてです?」
み「わたしのご芳名だよ」
食「あぁ。
 三木さんって云われるんですか。
 三木と云えば、三木のり平」
三木のり平

食「何は無くとも、江戸むらさき」
何は無くとも、江戸むらさき

み「人の話を聞いてるのか!
 苗字では無いわ」
食「あ、これは失礼しました。
 お名前が“ミキ”さんですか。
 ミキと云えば……。
 ミキゴルフ」
み「ニキだろ!」
ニキだろ!

み「とにかく!
 その素晴らしい名前は別にして……。
 弁当買うには早すぎだろ。
 まだ、10時前だぞ」
食「ちょうどいい時間じゃないですか。
 10時のおやつ」
昭和のワイドショー
↑これは、昭和のワイドショー

み「さっき、“鳥わっぱ”食べたばっかりじゃない」
“鳥わっぱ”食べたばっかりじゃない

食「昔のことは忘れました」
昔のことは忘れました

食「とにかく!
 能代駅には、いい駅弁があるんです。
 でも、買うためには、予約しておかなきゃならないんですよ」
み「してたわけ?」
食「はいなー。
 だから、あんなに慌てたんじゃないですか」
み「そんなら、バスケットなんかしなきゃいいのに」
食「この記念グッズも、どうしても欲しかったんです。
 ほんとうに、ありがとうございました」
この記念グッズも、どうしても欲しかったんです

み「ま、取っときたまえ」
食「あなたに貰ったんじゃありません。
 あなたからは、ボールの直撃を貰いましたけどね」
ボールの直撃を貰いました

食「ムチ打ちになりそうでしたよ」
ムチ打ちになりそうでしたよ
↑これは、意味が違うが……。

み「大げさじゃのぅ。
 とにかくそれ、開けてみんさい。
 天下の“ミキ寿司”」
天下の“ミキ寿司”

食「天下のってほどじゃありませんけどね。
 それじゃ……。
 ご開帳。
 ほら」
“ミキ寿司”ばらちらし

み「おー、綺麗じゃん」
律「ほんと、美味しそう」
食「でしょー。
 どれにしようか、ちょっと迷ったんです。
 ほかにも、美味しそうなお弁当が揃ってますから。
 山久の『食彩人弁当』とか……」
山久の『食彩人弁当』

食「シャトー赤坂の『能代牛ステーキ弁当』とか」
シャトー赤坂の『能代牛ステーキ弁当』

食「前に来たときは、これの2個食いをやりました」
2個食い

食「幸せだったなぁ」
幸せだったなぁ

み「聞いてるだけで、胸が悪くなってくる」
食「2個食いのときは、お昼でしたけど……。
 今日は、おやつですからね。
 小腹抑えには、チラシ寿司がピッタリというわけです」
小腹抑えには、チラシ寿司がピッタリ

み「大腹だろ」
タイの布袋さん
↑タイの布袋さん

食「少しお分けしましょうか?
 言っときますけど、こちらの先生にだけです。
 あなたにはやりませんよ」
み「なんでじゃ!」
くれくれ

食「あなたには、借りがありませんからね」
あなたには、借りがありませんからね

食「逆に、ボールをぶつけられた貸しがあります」
逆に、ボールをぶつけられた貸しがあります

み「案外、根に持つタイプだね」
食「貸し借りの感覚を持つことは、社会人として重要なことですよ」
貸し借りの感覚を持つことは、社会人として重要なことです

食「こちらの先生には、貴重な記念グッズを頂いたという、大きな借りがあります。
 ですから、分けてさしあげるとしたら……。
 こちらの先生だけです」
律「ありがたいけど、遠慮しとくわ」
み「なんで?」
律「間食の習慣が無いので」
間食の習慣が無いので

食「なるほど。
 それでそんなにスマートなんですか。
 ボクは、完食の習慣しかありません」
ボクは、完食の習慣しかありません

食「意味、わかります?
 このスマートな洒落。
 一粒残らず食べる完食のことですよ」
一粒残らず食べる完食のことです

律「鬱陶しい解説、せんでいい」
食「それじゃ、仕方ありません。
 ひとりで、ぜーんぶ食べちゃいますから。
 ガツガツガツ。
 まいう~」
まいう~

律「えーい、鬱陶しい。
 何でこんなのと、向かい合わせで座ってなきゃならんのだ」
食「すみませんね。
 しばし、食事に集中させていただきます」
しばし、食事に集中させていただきます

律「でも、ほんとに美味しそうな食べっぷり。
 お嫁さん、きっと作る幸せを感じると思う」
お嫁さん、きっと作る幸せを感じると思う

み「そんなのは、最初のうちだけ。
 家計簿付けたら、エンゲル係数の高さに仰天して……」
家計簿付けたら、エンゲル係数の高さに仰天して……

み「幸せが怒りに変じるのに、長くはかからないね」
幸せが怒りに変じるのに、長くはかからないね

律「夢の無い人ね。
 だから、結婚出来なかったのか」
み「出来なかったのでは無い!
 しなかったのだ」
そーゆー男は、あんたを選ばない
↑そーゆー男は、あんたを選ばない

み「しかもなんで、“出来なかった”って過去形なわけ?」
律「まさか、するつもり?」
み「まさかとは何よ。
 可能性はあるだろ」
律「確かに、富士山が噴火する可能性だってあるわけだしね」
富士山が噴火する可能性だってある

律「でも、赤ちゃんは難しいかもよ」
赤ちゃんは難しいかも

み「あ、知ってる。
 こないだ、NHKでやってたね。
 卵子の老化って問題でしょ?」
卵子の老化って問題でしょ

律「そうそう。
 お気の毒な夫婦が多いのよ」
お気の毒な夫婦が多いのよ

律「あー、仕事、気になって来ちゃった」
み「それはイカン。
 せっかく取れたお休みなのに。
 話題を変えよう。
 あ、そうだ。
 能代工業で思い出した」
能代工業で思い出した

み「新潟も、けっこう高校バスケは強いんだよ」
律「そうなの?」
み「インドアスポーツなら、雪国のハンデが無いからね」
旭川工業野球部の雪上練習
↑旭川工業野球部の雪上練習。大変じゃのぅ。

み「だから、秋田も強いんじゃないの。
 新潟では……。
 新潟商業が、インターハイで優勝してる(1999年)」
新潟商業が、インターハイで優勝してる

律「へー。
 スゴいじゃない」
み「だろー。
 この新潟商業ってのは、古い学校でね……。
 全国でも、6番目に開校した商業学校」
開校(1883年)ころの新潟商業
↑開校(1883年)ころの校舎前にて

み「昔は高校野球も強かったんだよ。
 甲子園にも、8回くらい出てるんじゃないかな」
新潟商業/大正15年、3回目の甲子園出場メンバー
↑大正15年、3回目の甲子園出場メンバー

律「あんまり聞かないけど」
み「最後に出てから、たぶん30年以上になるからね(昭和50年が最後)」
律「弱くなっちゃったの?」
み「県立の商業高校だから。
 全国的な傾向だろうけど……。
 生徒が女子ばっかりになっちゃったのよ」
律「ふーん」
み「お待ちどう様です!
 ただいま、完食しました」
ただいま、完食しました

み「早っ」
食「おやつですから」
み「一心不乱に食べてたからだろ」
食「とんでもない。
 食べながら、ミキ寿司のキャッチフレーズを考えてました」
み「どんな?」
食「ミキミキミキミキ、ミキの寿司。
 ウマくてどーも、すいません(こちらの1959年をご参照ください)」
み「完全なパクリだろうが!
 あ、そうそう。
 値段聞いて無かった」
食「1,000円ですよ」
み「高け~おやつ」
食「旅行に出たときは、食事をケチらない。
 それがボクの主義です」
み「都合のいい主義だな」
食「これがなきゃ、食い鉄なんて名乗れませんよ」
食い鉄なんて名乗れませんよ

み「ま、そりゃそうだ。
 ところで、能代名物は、バスケットだけ?」
食「とんでもない。
 いっぱいありますよ。
 何からいきます?」
み「じゃ、日帰り温泉はあるの?」
食「温泉かぁ。
 そうそう。
 その名も、『湯らくの宿 のしろ』」
『湯らくの宿 のしろ』

食「昔の国民年金健康保養センターです」
昔の国民年金健康保養センター
み「もちろん、300円?」
食「いえ。
 ここは、400円でしたね」
み「いかんじゃないか、統一してもらわなきゃ」
食「ボクに言わないでくださいよ」
み「温泉探査に、お金がかかったのかな?」
食「昭和41年に、石油を掘ってたら熱湯が噴きだしたそうです」
み「また石油か!」
また石油か!

み「森岳温泉もそうだったじゃないの」
食「ですね。
 昔は、けっこうあったんじゃないですか」
み「石油ねー。
 それじゃ今は……。
 偶然、温泉が湧くってことは、無くなっちゃったわけか」
食「温泉が湧きそうだって場所、どうやって調べるんでしょうね。
 人の土地を、無闇矢鱈と掘れないですもんね」
み「温泉探知犬とか、いるんじゃないの?」
これはにゃんと、シロアリ探知犬
↑これはにゃんと、シロアリ探知犬

食「ここ掘れワンワン?」
ここ掘れワンワン

み「そうそう。
 温泉玉子を嗅がせて、探させるんだよ」
温泉玉子を嗅がせて、探させる

食「硫黄温泉ばかりとは限らないでしょ」
硫黄温泉ばかりとは限らないでしょ

み「うーん。
 人のお尻ばかり嗅いだりしてね」
人のお尻ばかり嗅いだりしてね

律「お下品!」
食「食事したばっかりなのに」
み「悪うござんしたね、下品で。
 ところで、市営の温泉施設は無いわけ?」
食「さぁ。
 あんまり聞かないなぁ。
 あ、市営の保養所ならありますよ。
 『はまなす荘』」
“皆様の憩いの館”。すばらしいキャッチです。
↑“皆様の憩いの館”。すばらしいキャッチです。

み「なんとなく……。
 外観が想像できそうな名前だね」
食「ご想像通りの佇まいでしたね」
ご想像通りの佇まいでしたね

食「内部も、思い切り昭和でした」
内部も、思い切り昭和でした

み「いろんなとこ寄ってるね」
食「鉄道ファンは、温泉フリークも兼ねてる場合が多いんです」
鉄道ファンは、温泉フリークも兼ねてる場合が多いんです

食「もちろん、安い日帰り温泉ですけど。
 夜行列車と日帰り温泉があれば、宿に泊まる必要がありませんからね」
夜行列車と日帰り温泉があれば、宿に泊まる必要がありませんからね

み「青春の旅路じゃのぅ」
青春の旅路じゃのぅ

食「最近は、夜行列車がどんどん廃止されて……。
 そういう旅も出来なくなってきましたね」
寝台特急:日本海(2012年3月廃止)
↑寝台特急:日本海(2012年3月廃止)

み「最近の夜行列車は、豪華路線だよね」
食「ですね。
 トワイライトエクスプレスに……」
トワイライトエクスプレスに……

食「カシオペア」
カシオペア

み「高いんだろ?」
食「確かにね。
 カシオペアのスイートは……。
 運賃、特急料金、寝台料金を合わせると、1人5万円近いです(正確には、46,360円)」
カシオペアのスイートは……

み「どひゃー。
 2人で10万!
 カシオペアって、どっからどこまで?」
食「上野から札幌です」
上野から札幌です

み「何時間、かかるわけ?」
食「上野を、16:20分に出て……。
 札幌着が、翌朝の9:32分です。
 約17時間ですね」
約17時間ですね

み「飛行機なら、1時間くらい?」
食「1時間半です」
1時間半です

み「料金だって、飛行機の方が安いよね」
食「正規運賃でも、3万5千円くらいでしょう。
 格安航空券なら、もう1万くらい下がるんじゃないかな」
み「5万円って、個室露天風呂付きの高級旅館に泊まれる値段じゃん」
『由布院・玉の湯』
↑すぐ近くまで行った『由布院・玉の湯』

み「カシオペアって、お風呂も無いんでしょ?」
食「シャワーだけです」
シャワーだけです

食「食事代は、別料金ですし……。
 確かに、高級旅館よりも高いかも知れませんね」
カシオペアの食堂車
↑カシオペアの食堂車。フランス料理コースは、7,800円(お酒の値段は不明)。

み「なぜに、乗るわけ?」
食「そこに、カシオペアがあるからです」
そこに、カシオペアがあるからです

み「カシオペアがあっても……。
 財布に金が無い」
財布に金が無い

食「ある人が乗るんです」
ある人が乗るんです

食「とにかく、リビングみたいにゆったり座ってですね。
 お酒飲みながらですよ。
 目の前の景色が、飛ぶように動いていくのを見れば……」
目の前の景色が、飛ぶように動いていくのを見れば……

食「それだけで、5万の価値がありますって」
それだけで、5万の価値がありますって

み「そんならさ。
 夜行列車じゃなくて、昼行列車にすればいいのに」
青空の下を疾走する『ゆふいんの森』
↑青空の下を疾走する『ゆふいんの森』

食「何です、それ?」
み「カシオペアは……。
 16:20分発の、翌朝9:32分着でしょ」
16:20分発の、翌朝9:32分着

み「冬なんか、窓の外が見えるのは……。
 ほんの数時間だよ」
12月ころなら、出発後10分くらいで日没となります
↑12月ころなら、出発後10分くらいで日没となります。

食「ま、確かにそれはありますね」
み「だから、夜行列車じゃなくて……。
 昼間走るようにするわけ。
 発車は……。
 そうだね、朝の3時くらいか。
 夜明けを車中で迎えたいからさ」
夜明けを車中で迎えたいからさ

食「でも、上野まで3時に来なきゃいけませんよ」
み「今さらケチるでないわ。
 タクシー奮発するか、前泊すればいいじゃないの。
 上野3時なら、札幌20時よね。
 夏なら、たっぷり丸一日、車窓が楽しめるよ」
夏なら、たっぷり丸一日、車窓が楽しめるよ

食「確かに、それは悪くないですね」
み「でしょ。
 眠くなったら、お昼寝すればいいわけだし。
 ぜったい、受けるって。
 企画書出さない?」
食「実現すれば……。
 ボクも、ぜひ乗りたいですね。
 でも……。
 ムリだろうな」
み「何でよ?」
食「夜中に走るから……。
 ダイヤの隙間に嵌めこめるわけです」
ダイヤの隙間に嵌めこめるわけです

食「真昼間に、こんな列車走らせるの、ぜったいムリですよ」
み「その発想が間違っとる!
 まず、カシオペアのダイヤを、バーンと取る」
まず、カシオペアのダイヤを、バーンと取る

み「ほかの列車は、その後に嵌めこめばいいじゃない」
食「そんな無茶なこと出来ませんよ。
 公共交通機関なんだから」
み「株式会社だろ」
株式会社だろ

み「よし。
 これから、社長に談判しに行こう」
これから、社長に談判しに行こう

食「青森に向かいながらそんなこと言ったってムリです。
 社長は、東京ですから」
み「そんなら、わたしが社長になる」
食「朝から、酔ってるんじゃないですか?」
朝から、酔ってるんじゃないですか?

み「あ、鉄橋だ」
あ、鉄橋だ

み「何て川?」
食「米代川です」
米代川です

食「この橋は、米代川橋梁」
この橋は、米代川橋梁

み「けっこう大きな川だね」
けっこう大きな川だね

食「この先の河口が、能代港になります」
この先の河口が、能代港になります

食「古くから栄えた港町なんですよ」
み「ふーん。
 川港か。
 新潟と似てるね。
 冬は、風が強いんだろうな」
冬は、風が強いんだろうな

食「『風の松原』が有名ですよ」
『風の松原』が有名ですよ

食「見事な、黒松の砂防林です」
見事な、黒松の砂防林です

み「いつごろ植えられたの?」
いつごろ植えられたの?

食「江戸時代前期ですね。
 地元の廻船問屋が、私費を投じて植え始めたようです」
海鮮丼屋に非ず
↑海鮮丼屋に非ず

み「ま、儲けたんだろうから、そのくらいしなくちゃね」
ま、儲けたんだろうから、そのくらいしなくちゃね

食「その後、さまざまな人が植え継いで……。
 今の『風の松原』となりました。
 幅1キロ、延長14キロほどのエリアに……。
 黒松が700万本植えられてるそうです」
黒松が700万本植えられてるそうです

み「そりゃ、スゴいわ。
 ↓新潟にも、西海岸公園って黒松林があるけど……」
新潟にも、西海岸公園って黒松林があるけど……

み「規模が段ちだね。
 新潟のは、幅が100メートルくらいしか無いんじゃないかな。
 でも、大丈夫なのかな?」
律「何が?」
み「マツクイムシよ。
 西海岸公園じゃ……。
 毎年、梅雨のころ、大規模な薬剤散布が行われてるみたいなんだ」
毎年、梅雨のころ、大規模な薬剤散布が行われてるみたいなんだ

み「近くに住んでる友達がいてね。
 松林の中を、毎日ジョギングしてるんだって」
律「走りづらそうね」
み「ちゃんと遊歩道が作られてるよ。
 固い砂地だけど……」
固い砂地だけど

み「松の枝に遮られて、日が差さないから……」
松の枝に遮られて、日が差さないから

み「紫外線を避けたい女性ジョガーには人気なのよ」
気持ちはわかるが、怪しすぎ
↑気持ちはわかるが、怪しすぎ

み「で、毎年、梅雨ころになると……。
 マツクイムシ防除の予告看板が出るんだって」
マツクイムシ防除の予告看板が出るんだって

み「1ヶ月おきに、2回やるって言ってた」
1ヶ月おきに、2回やるって言ってた

律「空から撒くの?」
空から撒くの?

み「無理無理。
 松林のすぐ際まで、住宅街だし……。
 反対側は海水浴場。
 上からなんか撒けっこない」
律「じゃ、どうやるのよ」
み「そのジョガーの子ね、一度、探索に行ったんだって。
 どんなふうにするのかって」
律「立入禁止じゃないの?」
又剣山(奈良県)にある看板。なんで禁止なんだ?
↑これは、又剣山(奈良県)にある看板。なんで禁止なんだ?

み「散布中って看板は出るらしいけど……。
 入れなくなってるわけじゃないんだって」
入れなくなってるわけじゃないんだって

み「で、こっそり入ってみたんだって。
 すると……。
 大きなタンクを背負ったトラックが、松林の際に付けられててね」
大きなタンクを背負ったトラックが、松林の際に付けられててね

み「ゴム引きみたいな雨合羽着た人が……」
ゴム引きみたいな雨合羽着た人が……
↑これとはちょっと違うかも

み「ホース持って松林に入って……。
 下から農薬を噴き上げるんだって」
下から農薬を噴き上げるんだって

み「スゴい勢いらしいよ」
スゴい勢いらしいよ

み「なにせ、松の高さは、30メートルくらいあるそうだから。
 そこまで噴き上げにゃならんわけよ。
 マツクイムシは、新芽にいるからね」
マツクイムシは、新芽にいるからね

律「妙に詳しいわね」
み「これは、叔父さんからの受け売り。
 わたしの園芸の先生なの。
 石灰硫黄合剤をクルマの中にこぼしたり……」
ものすごく臭い薬です。まさに硫黄泉の臭い。
↑ものすごく臭い薬です。まさに硫黄泉の臭い。

み「失敗ばかりしてる先生だけど」
失敗ばかりしてる先生だけど

律「そもそも、マツクイムシって、どんな虫なの?」
み「松を枯らす虫は……。
 マツノザイセンチュウっていう、小さな線虫」
マツノザイセンチュウっていう、小さな線虫

み「元々、日本にはいなかった虫なんだって。
 北米からの木材に入って、日本に渡ってきたわけ」
北米からの木材に入って、日本に渡ってきたわけ

み「で、日本の松には、この線虫に対する耐性が全くない。
 なので、線虫に入りこまれた松は……。
 通水障害を起こして、ほぼ100%、枯れてしまうのよ」
通水障害を起こして、ほぼ100%、枯れてしまうのよ

律「へー。
 そこまでは知らなかったな」
み「大したもんじゃろ。
 さらに!
 わたしの海よりも深い知識をご披露しよう」
律「海よりも深い受け売りでしょ」
み「聞きなさい!」
聞きなさい!

み「松を枯らすのは、マツノザイセンチュウ。
 でも、薬剤散布で殺すのは、別の虫なのよ」
食「は?」
律「どういうわけ?」
み「おわかりにならんようね。
 それじゃ、質問を変えましょう。
 線虫って、どんな虫か知ってる?」
食「文字通り、線みたいな虫なんじゃないですか?」
文字通り、線みたいな虫なんじゃないですか?

み「That's Right.
 テレビで、松枯れの被害報道とか、見たことあるでしょ?
 海岸の松が、次から次へと枯れていく。
 まるで伝染病みたいに」
まるで伝染病みたいに

食「あぁ、その光景なら、海岸沿いを車で走ってると、ときどき見ますよ」
み「だろ?
 それでは、どうして、被害が広がっていくのか?」
それでは、どうして、被害が広がっていくのか?

律「線虫が、松から松へと移っていくからじゃないの?」
線虫が、松から松へと移っていくからじゃないの?

み「That's Right.
 それでは、どうやって、松から松へと移っていくのでしょう?」
律「どうやってって、飛んで行くんじゃないの?」
飛んで行くんじゃないの?

み「ブ、ブー。
 激しく外れです。
 答えからは、5万光年離れてます」
答えからは、5万光年離れてます

律「腹の立つ女ね」
み「線虫は、文字通り、線みたいな虫だって……。
 さっき、このカニ道楽くんが言ったでしょ」
さっき、このカニ道楽くんが言ったでしょ

食「は?
 ボクのことですか?」
み「ほかに誰がおる。
 食道楽と言おうとして、口が滑っただけじゃ」
食「どんな滑り方ですか」
どんな滑り方ですか

み「バラチラシに、カニの姿が見えた」
食「え?
 どこに?」
み「そこじゃ、そこ」
食「あ、ほんとだ。
 目がいいですね。
 鳶みたいだ」
油揚げをさらう鳶(江ノ島付近)
↑油揚げをさらう鳶(江ノ島付近)

み「油揚げも好物じゃが……。
 カニも好むのだ。
 それを一切れ、わたしに食わせてみないか?」
食「一切れしかないじゃないですか」
北海道の紋別にあるそうです。作るとき、誰も止めなかったのか?
↑北海道の紋別にあるそうです。作るとき、誰も止めなかったのか?

み「それじゃ、ちょうどいいだろ」
食「イヤですよ」
み「カニは、痛風に悪いんだぞ」
カニは、痛風に悪いんだぞ

食「痛風なんかありませんよ」
み「その体型なら、間違いなく出る」
その体型なら、間違いなく出る

食「嫌なこと言わないでくださいよ」
み「未来からの警告じゃ」
食「それじゃ、今のうちに食べておこうっと」
み「どうしてそういう発想になるわけ?
 未来の自分のために、節制しようとは思わないの?」
未来の自分のために、節制しようとは思わないの?

食「若いうちから、そんな発想してるヤツいませんって。
 とにかく、カニはあげません」
み「そんなら、イクラは?」
いくらの根付。その名も『いくらちゃん』。
↑いくらの根付。その名も『いくらちゃん』。

食「好物です」
み「嫌いなもの無いの?
 そんだけ具が入ってたら、ひとつくらいあるだろ?」
食「強いて食べられないものをあげるとしたら……。
 折り詰めの箱と、割り箸くらいかな」
折り詰めの箱と、割り箸くらいかな

律「ちょっと……。
 ↑の記述、おかしくありません?
 さっき、完食なさったでしょ?」
食「ボクもそう思うんですが……。
 なぜかまた、わいてきたんです」
律「どうなの、“み”さん?
 何、知らんぷりしてんのよ」
み「昔のことは忘れた」
昔のことは忘れた

律「ほんとに忘れてたんだわ。
 自分が書いたこと。
 呆れた人」
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