Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
福島に行こう!(2)
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 駐車場に駆けこむと、ちょうどお客さんを降ろしたタクシーがありました。
 前にも書いたように、大内宿には宿屋もあります(写真は、蔵造りの民宿「本家扇屋」さん)。
本家扇屋

 16時半近くなって着くお客さんは、きっとお泊まりですよね。
 わたしたちは、運良くその帰り車に転げこむことができました。
 って……、都合良すぎるよな……。
 みなさんは、もっと余裕ある旅程を組みましょう!

「びっくりすたなや。
 いきなり転げこんで来てからに。
 何事だべ?(すいません。福島弁がわかりません。これは、タクシーの運転手さんのセリフのつもりです)」
「はぁはぁ。
 湯野上温泉駅まで……。
 16:46の会津若松行きに乗ります。
 間に合いますよね?」
「まだ、25分もあるでねえか。
 大余裕だべ。
 10分で着くだからな。
 普段は……」
「ぎく。
 今日は、普段の日……ですよね?」
「うんにゃ。
 今日は、年に何日もねえ普段でねえ日だ。
 紅葉時期の4連休の初日でねえか。
 春のゴールデンウィークと並んで、東西の横綱だべ」
「普段でねえ場合……。
 どのくらいかかるんですか?」
「今日中に着かんかも知れん」
「そんな!」
大内宿の渋滞

「というのは、冗談だがの。
 それでも、下手すりゃ3時間かかることもあるでな。
 歩いた方が、はるかに早いわな」
「歩くと……。
 どれくらいかかります?」
「まぁ、1時間ちょっとじゃろな」
「それじゃ間に合わないじゃないですか」
「あんたら、走って行ったらどうかね?
 さっきはえらい勢いで走って来たでねえか」
「走ったら……、20分で着きますか?」
「自転車より速く走れれば、着くじゃろ」
「そんなぁ……」
「ははは。
 安心しなされ。
 ほれ、もう駅が見えてきた」

 どうやら、この運ちゃんにからかわれてたようで……。

 湯野上温泉駅で、なんとか会津若松行きに乗ることができました。
 さっき、トロッコ列車で来たばかりの会津線を戻ります。
 もちろん帰りの車両は、トロッコ列車ではなく普通の電車です。
 同じ線を使って出発地に戻っちゃうってのは、芸の無い旅程ですが……。
 どうも、会津若松に帰らないと、その後のアクセスが良くないんです。

 会津若松着、17:25です。
夜の会津若松駅

「もう外、真っ暗ですね。
 今日のお泊まりは、会津若松ですか?」
「うんにゃ」
「Mikikoさん……。
 さっきの運転手さんが、乗り移ってますよ……」
「わたしは影響を受けやすいの!
 ほら、急ぐぞ!
 もうバスが出る」
「また、急ぐのぉ」

 泣き言を言う由美を引きずって、駅前のバスターミナルへ。
 会津バスが並んでます。
 目指すは、17:30発。
 5分あれば、乗り継ぎ可能でしょう。
 たぶん……。
 ま、これを外しても、18:00発がありますから。

「はぁはぁ。
 なんとか乗れた……」
「もうわたし、急ぐのいやですから」
「大丈夫。
 あとは宿に着くだけだから」
「ところで、どこに行くんです?」
「バス停の標識見て、気づかなかった?」
「そんな余裕、あるわけないじゃないですか」
「それなら教えて進ぜよう。
 これから行く先は……。
「行き先は?」
「会津の奥座敷!

 ★゚・*:.。.:*・゜東山温泉 ゚・*:.。.:*・゚★」
東山温泉

「なんじゃ、その無表情は?」
「知らないんだもの」
「東山温泉も知らんのか!」
「知りません」
「威張って言うな。
 東山温泉は、今から1,300年前、名僧行基によって発見された名湯じゃ。
 山形県の湯野浜温泉、上山温泉と並び、奥羽三楽郷に数えられておる。
 竹久夢二や与謝野晶子などの文人にも、こよなく愛された湯の街なのじゃ」
「カンペ見ながらしゃべらないでください」
東山温泉街

 さて、あれほど苦労して乗ったバスですが……。
 わずか15分の乗車で到着しました。
 東山温泉駅で降車します。
 駅と云っても、鉄道が通っているわけではなく……。
 ただのバス停です。
 今日のお宿は、バス停から徒歩10分。

「また歩くの……」
「文句言わない!」

 ようやく本日の終点、「東山パークホテル新風月」に到着。
東山パークホテル新風月

 前2回の「紙上旅行倶楽部」では……。
 露天風呂付き客室にこだわったせいで……。
 目の玉の飛び出るような宿代を払ってきました。
 今回は、露天風呂付きはきっぱりと諦め……。
 リーズナブル路線。
 と言っても、もちろん露天風呂付き大浴場があります。
新風月・大浴場

 さっそくお風呂に直行……。
 しようと思ったら……。

「わたし行かない……」
「どうして!」
「恥ずかしいもの」

 紅葉時期なので、お客さんがたくさんいます。
 お風呂も混んでるでしょう。
 パイパンの由美ちゃんは、入りづらいでしょうね。
 やっぱり……。
 奮発して、露天風呂付きの客室にすれば良かったか……。

「わたしが、ずっと前に立って隠してあげる」
「そんなことしたら、よけい目立つでしょ。
 Mikikoさん、ひとりで行ってきてください。
 わたしは、お部屋でシャワー浴びます。
 大丈夫。
 慣れてますから、こういうの」

 ゴメンよぉ。
 わたしが、パイパンなんて設定にしたせいだね。
 沈んだわたしの肩を、由美ちゃんが押してくれました。

 申し訳ないので……。
 家にいるときのようなカラスの行水で、部屋に戻ります。

 お風呂でシャワーを使う音が聞こえてます。
 思いっきり扉を開けると……(↓新風月のバスルームではありません)。
バスルーム

「きゃぁぁぁ!!」

 由美ちゃんが胸を抱えてうずくまりました。
 尖ったお尻に萌えます!
 たまらずチン入しようとしたわたしですが……。

「うひゃぁ!」

 シャワーをぶっかけられました。

 ふふふ。
 後でたっぷり可愛がってくれる……。

「さ、ご飯食べに行くぞ」

 まだふくれてる由美を連れて、レストラン「花鳥風月」へ。

「え?
 これって……」
「そう。
 大内宿で、飲食を禁じたわけが、わかっただろ?
 今日の夕食は……。

★゚・*:.。.:*・゜アルコール飲み放題付バイキングプラン ゚・*:.。.:*・゚★」
アルコール飲み放題付バイキングプラン

「うわー、美味しそう♪
 これなら、好きなのだけ選んで食べれるから、すっごいお得かも」
「うんうん。
 アルコール飲み放題だし」
「セーブしてくださいよ」
「夜のお楽しみのためにか?」
「あんたは、オヤジか!」

 う~。
 食い過ぎた……。
 妊婦のようになっちゃいました。
 由美ちゃんに、背中を押されて部屋に戻ります。
 書き忘れてたけど……。
 お部屋は和室です。
新風月和室

 ホームページでは、「眺望難あり」なんて注意書きがあったけど……。
 暗くなってから着いて、朝早く出るんだから……。
 ぜんぜん問題なしです。

 お部屋には、もう布団が敷いてありました。

「ふっふっふ。
 由美。
 やっと2人っきりになれたな……。
 さ、こっちへ来い」
「いや~。
 美弥ちゃん、助けてぇ~」
「と言いながら……。
 なぜ、ひとりでくるくる回ってるんだ?」
「帯、解かれてるとこ」
「案外ノリがいいじゃないか。
 そんなら遠慮無く、賞味してくれよう」

 以下、描写自粛。

 1時間経過。

「はぁはぁ。
 もうダメ……」
「Mikikoさん、何回イッたんですか?」
「わかんない……」

 味わい尽くすつもりが……。
 骨の髄までしゃぶられてしまった。
 美弥子と連日やってるだけあって……。
 異常に上手い……。
 後で、ストリップ劇場にでも行ってやろうかと思ってたんだけど……。
東山温泉・ストリップ劇場

 余力、ゼロです。
 欲も得もなく、眠りにつきます。


◆11月1日(日曜日)【2日目】

「Mikikoさん、目覚めました?」
「もう起きてたの?」
「さっき起きて、思い切ってお風呂に行ってきました。
 やっぱり、大きいお風呂は気持ちいいですね」
「人、いなかった?」
「少しいましたけど、混んでなかったから平気。
 Mikikoさんも、朝ご飯の前に入って来たら?」
「おー、もう7時過ぎてる。
 それじゃ、ひとっ風呂浴びてきますか」

 朝食は、7時半から。
 もちろん、バイキングです。
 また妊婦になりそうなほど詰め込みたい気分を、ぐっと我慢。
 今日は日程の都合で、お昼が早いんです。
 ご飯2膳で、箸を置きましょう。

 8時15分、チェックアウト。

「あれ?
 バス停通り過ぎちゃうんですか?」
「バスの便が悪いんだよ。
 歩くぞ」
「えー。
 またぁ」
「文句言うな。
 15分くらいだよ」

 ほどなく、本日最初の目的地に到着。
 会津武家屋敷です。
会津武家屋敷

 そう言えば、松江でも武家屋敷に行きましたね(277のコメント参照)。
 あっちは、本物の武家屋敷を公開したものでした。
 それに対し、会津の武家屋敷は、一種のミュージアムパークです。
 敷地は、7,000坪。
会津武家屋敷・構内図

 中心となる家老屋敷は、幕末の家老・西郷頼母の邸宅を、忠実に復元したものです。
会津武家屋敷・家老屋敷

 全部で38部屋あるそうです。
 掃除のこと考えると、気が遠くなりますが……。
 もちろん、女中さんがいっぱいいたんでしょうね。

 実はわたし、この武家屋敷、実際に行ったことあるんです。
 新潟から会津は……。
 磐越西線で行くと、4時間近くかかっちゃいますけど……。
 磐越自動車道を使えば、2時間かかりません。
 ちょっとしたドライブの距離なので……。
 何年前か前の春に、ひとりでクルマ運転して行ってきたんです。
 そのときは、高速ではなく国道49号線を使いました。
 会津の町は、花盛りの季節。
 沿道には、桐とタニウツギ。
 山の斜面には藤。
 そして武家屋敷には、大手鞠が咲いてたのを覚えてます。
大手鞠

 さて。
 1度行ったことがあるところへ……。
 なぜ、もう1度立ち寄るかと言うと……。
 気に入っちゃったんですね。
 なにがって?
 それは……。
 人形です。
 武家屋敷の各部屋は、当時の暮らしぶりを再現するため……。
 生活調度が配され……。
 加えて、人形が置かれてるんです。
武家屋敷の人形

 人形っていうか、マネキンですよね。
 これがいいのよ。
 妙に無表情なとこが、異様に萌えます。

 開館時刻の8:30と同時に入館したので……。
 まだ、ほとんど人がいません。

「由美ちゃん……。
 人が来ないか、そこで見てて……」
「なんでです?」
「お人形見てたら、我慢できなくなった。
 ここで、オナニーする」
「ちょ、ちょっと!
 ダメです!
 ぜったいダメ!」
「いいじゃない。
 素っ裸になんかならないからさ」
「なられてたまりますか!」
「痛い、痛い!
 耳なんか引っ張らないでよ!」
「退場!」

 とうとう、館の外まで引きずり出されてしまいました。

「意地悪!」
「当たり前でしょ。
 信じらんない。
 さ、次はどこに行くんです?
 人形のあるとこはダメですよ」
「くそー。
 次は、飯盛山に行く」
「人形、ありませんよね?」
「ないわい!」

 せっかく盛り上がった気分に水を差され、すこぶる機嫌が悪い。
 時計を見ると、9時15分。
 それでも、武家屋敷には45分くらい居たんだな。

「ちょっと、Mikikoさん。
 バス停前、通り過ぎちゃいましたよ」
「だから、午前中は、バスの連絡が悪いの」
「じゃぁ、どうやって行くんです?」
「歩くに決まっとろうが」
「なんだ。
 飯盛山って、この近くなんですね」
「あんまり、近くではない」
「え?
 なんか嫌な予感……。
 どのくらい歩くんです?」
「ま……。
 軽く30分くらいかな?」
「うそ!」
「30分くらいなんだ!
 いい腹ごなしだろ!」

 ぶーぶー言う由美を引きずり、ようやく飯盛山に到着。
 9時45分です。
飯盛山

 山と言っても、標高は314メートルしかないので……。
 登山するわけじゃありません。
 頂上までのエスカレーターまで備わってます(有料:250円)。
飯盛山・エスカレーター

 もちろん若い衆は、階段で上りましょう。
飯盛山・階段

 飯盛山と言えば……。
 もちろん、白虎隊ですね。
白虎隊

 戊辰戦争のおり……。
 旧幕府軍の白虎隊20名は……。
 新政府軍に押され、飯盛山に追い詰められました。
 16,7歳の若者たちです。
 彼らが、ようようのことで崖をよじ登り……。
 振り返ると……。
 市中が黒煙に包まれてました。
会津若松市中

「若松城が燃えている!」

 そう思った彼らは……。

「もはやこれまで……」

 と、白刃で互いの胸を突き合ったのです(無惨……)。
白虎隊・自刃

 20名の内、たったひとりだけ生き残りました。
 この飯沼貞吉の証言で、白虎隊の悲劇が伝えられることとなったのです。
 実際には、若松城は燃えてなかったんですね。
 追い詰められた少年たちが見た、あまりにも悲しい錯覚でした。

 ここで、ウンチクをひとつ。
 会津藩には、白虎隊のほかに、玄武隊、青龍隊、朱雀隊もあったんです。
 それぞれの隊の違いはと言うと……。
 単に年齢ですね。
 玄武隊が最年長で、50歳以上。
 青龍隊が、36歳から49歳。
 朱雀隊が、18歳から35歳。
 白虎隊が、15歳から17歳。

 さて、付け焼き刃の知識を披瀝しておりますが……。
 わたしは歴女では無いので……。
 正直、幕末に詳しいわけじゃありません。
 なので、白虎隊の話はこれでおしまい。
 そんなら、なぜ飯盛山に来たかというと……。
 1カ所だけ、ぜひ見ておきたい建物があったんです。
 飯盛山は、小学校の修学旅行で来てるんだけど……。
 そんときに見た記憶がありません。

 わたしが見たかったのは、さざえ堂と云う建物です。
 「サザエさん」とは、なんの関係もありません。
さざえ堂

 この「さざえ堂」が建てられたのは、寛政8年(1796年)。
 11代将軍、家斉のころですね。
 正式名称は「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」と云うそうです。
 飯盛山にあった正宗寺の住職、郁堂(いくどう)が考案しました。
 外見は、そんなに不思議な感じがしませんが……。
 中に入ると、不可思議千万。
 堂の高さは、16.5メートルですが……。
 階段はありません。
 どうやって上るかというと……。
 螺旋状のスロープです。
さざえ堂・スロープ

 「さざえ」の名前がついた理由、わかりました?
 つまり、内部がさざえの殻の中に似てるからなんです。
 しかもこのスロープ、不思議なんですよ。
 上りと下りのスロープが、まったく別の通路になってるんです。
 スロープを一回転半して天辺までのぼると、そのまま下りのスロープにつながります。
 で、一回転半して下まで下りる。
 すなわち、スロープは一筆書きみたいに繋がってて……。
 上る人と下る人が、すれ違わないんですね。

 わたしの大好きな作家、高橋克彦さんの作品に、「星の塔」という短編があります。
「星の塔」

 この中に、「さざえ堂」がちらっと出てきます。
 高橋さんの小説なので、当然SF風味の作品です。
 ほんとに……。
 このお堂を上がって下りると、別の世界に出てしまいそうです。

 ちなみにこの「さざえ堂」ですが……。
 建築デザイン誌「Casa BRUTUS」の「建築家が選ぶ日本建築人気番付」で、東の横綱に称されてます。

 さて、「さざえ堂」さえ見れば……。
 もう満足です。
 ふもとに下りましょう。
 ふもとには、お土産屋さんが並んでます。
飯盛山の土産物屋

 バスの時間までは、もう少し間があるので、お土産でも見ましょうか。
 うーむ。
 小学校の修学旅行を思い出しますね。
 男子どもはここで、「白虎刀」を買ってました。
白虎刀

 もちろん、鞘から刃からみんな白木で出来たおもちゃです。
 のちに鶴ヶ城で、バカ男子どもに取り囲まれ……。
 「白虎刀」で滅多切りにされたことは、以前に書きました(263のコメント参照)。
 わたしの頭に刃を当てて、ギコギコと引くやつまでいた。
 お土産、急激に購入意欲がなくなりました。

「Mikikoさん!」

 呼ばれて振り返ると、額に衝撃が……。
 「白虎刀」で、真っ向から切られてました。

「ギコギコ」
「引くな!」

 バカ女を引きずり、「飯盛山下」バス停へ。

「まだ、お土産買ってないぃぃぃ」
「買わんでいい!」

 ようやく、10:34のバスが来ました。
 バスの行き先は、会津若松駅。
 きのう、会津若松に着いて……。
 大内宿を見た後、会津若松に戻り……。
 そして翌日、東山温泉から飯盛山を経て、またもや会津若松に戻ります。
 つくずく芸のない旅程ですが……。
 どうも、会津若松を起点にしないと、繋がらないんです。

 会津若松駅前、11:05着です。
 これから乗る列車は、12:02の発車。
 小一時間あります。
 朝ご飯も早かったし……。
 飯盛山に登って、お腹もこなれたので……。
 ここで、昼食を済ませてしまいましょう。
 駅の構内に「一會庵(いちえあん)」という食堂があります。
 前に載せた、会津若松駅の構内図を再掲します。
会津若松駅構内図

 改札を出て、右手ですね(図では下)。
 お腹がこなれたと言っても、ご飯ものはちょっと……。
 やっぱり、お蕎麦でしょうね。
 「ざるそば(上)」と「天ざる(下)」を頼みました。
一會庵・そば

 もちろん、天ぷらは分け合って食べます。
 それと、ビール1本。
一會庵・ビール

 なぜかラベルは、野口英世でした。

「午前中から飲むんですか!」
「駅の食堂で、昼前からビールを飲む。
 まさしく、旅行の醍醐味じゃないか」
「1本だけですよ。
 おしっこ近いんだから」
「はいはい」

 しかし……。
 ビールと天ざるって、完璧にオヤジだよね。

 さて、ビールでノドを潤した2人は……。
 12:02発の磐越西線・郡山行きに乗りこみます。
磐越西線・郡山行き

 何の変哲もない普通電車です。
 郡山着、13:15。

 ここで、磐越東線・いわき行きに乗り継ぎます。
磐越東線・いわき行き

 これも普通電車。
 発車は、13:18。
 あまりにも接続が良すぎて、逆に心配ですけど……。
 たとえ郡山着が遅れたとしても、発車は待ってくれるはずです。
 いわき着、14:52。

 ここから、常磐線に乗り換えます。
 いわき発、15:12。
常磐線

 普通電車です。
 この電車の前、15:08発のスーパー日立46号にも乗れますけど……。
スーパー日立

 3駅しか乗らないのに、特急券がもったいないからパス。
 到着も7分しか違わないし。
 さて、3駅目の泉で降ります。
泉駅

 15:26。
 駅前からは、タクシー。
 行き先は……。

「アクアマリンふくしま!」

 運転手さんに行き先を告げると、由美が肘で脇腹をつつきます。

「何なんです、そこ?」
「水族館だよ」
「えー。
 水族館見るために、3時間半も電車乗ったんですか?」
「そのとおり」
「『アクアマリンふくしま』は……。
 新潟市の『マリンピア日本海』と、友好提携水族館になっておるのだ。
 福島県に来たからには、表敬訪問せにゃなるまい」
「市長でもないのに……。
 提携水族館なら、新潟市民は割引なんですか?」
「それは……。
 ない。
 しかし、『マリンピア日本海』の年間入館パスポートを持ってれば、300円割引になる」
「Mikikoさん、持ってるんですか?」
「持ってるわけないだろ。
 3,500円もするんだ。
 でも、1回の入館料が1,500円だから……。
 年3回行けば、元が取れるんだよ」
「友達同士で使い回せば?」
「ダーメ。
 バスポートだから、顔写真入りなの。
 本人しか使えません」

 ちなみに、泉駅からのアクセスですが……。
 もっと早い時間なら、直行のシャトルバスがあります。
 ところが、最終が13:18。
 もちろん、普通の路線バスもあります。
 でも、接続が悪くて、16:07まで便がありません。
 てことで、タクシーを使うしかないわけ。

 入館前に……。
 「アクアマリンふくしま」がある、いわき市の小名浜についてひとこと。
 小名浜は、太平洋に臨む漁港です。
 福島県の最南端にあり、すぐ南は茨城県。
 関東と東北の境目ですね。
 わたしは昔、理科年表の気温データを眺めるのが好きだったんですが……。
 一番住みやすいとこはどこかなーなんて、調べてたわけ。
 目に留まったのが、小名浜でした。
 ここは、日本中で住むのに一番快適な地域じゃないでしょうか?
小名浜の気候

 太平洋側だから、冬は毎日晴天。
 冬の朝晩はさすがに冷えるけど、昼間は十分暖かい。
 夏は、沖を寒流が流れ下るので涼しい。
 夏の気温を、東京と比べてみてください。
 クールビズなんて不要ですよね。
 つまり、冬暖かく夏涼しい。
 避寒も避暑も不要。
 一年中快適に暮らせる土地ってわけです。

 さて、2人を乗せたタクシーは……。
 大内宿のように渋滞にも遭わず、無事アクアマリンふくしまに到着しました。
 15分くらいでしたね。
アクアマリンふくしま

 カッコいー!
 入館料を払って中にはいると、15:45を回ったところ。
 閉館は17:30。
 閉館ちょっと前には出なきゃならないから……。
 正味、1時間半。
 よーし、楽しむぞ!

 まずは、「潮目の海」。
「潮目の海」

 小名浜沖では、親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかるんです。
 従って、魚の宝庫。
 その2つの潮流がぶつかるところを表現した水槽が、「潮目の海」。
 2つの水槽の間に、三角形のトンネルが造ってあります。
 2つあわせて水量2,050トンの水量は、ド迫力。
 と言っても、2,050トンがどれくらいの水量かって、わかりませんよね。
 小学校にある25メートルプールで計算してみましょう。
 長さ25メートル、幅15メートル、深さ1.2メートルとすると……。
 25×15×1.2=450立方メートル。
 水は1立方メートルが1トンですから、すなわち450トン。
 つまり「潮目の海」の水槽は、小学校プールの4.5倍ってことです。

 さて続いては、「珊瑚礁の海」。
「珊瑚礁の海」

 なぜ、福島に「珊瑚礁の海」なんだ……。
 って、ギモンもありますが……。
 それは、置いといて。
 ここには、わたしのお目当てちゃんがいるんです。
 それは……。
 コイツ!
チンアナゴ

 きゃわいぃぃ!
 その名も、チンアナゴ。
 砂から顔を出して、流れてくる動物プランクトンなんかを食べます。
 びっくりすると、砂の中に引っこんじゃいます。
 この形状から連想するに……。
 チンアナゴのチンは……。
 間違いなく、男性の「チン」だとお思いでしょうが……。
 違うんですね。
 犬の狆から来てるんです。
 顔が似てるからだそうです。
チンアナゴ・アップ

 そうきゃなー?
 この顔から犬の狆を連想するってのは、かなり特殊な人間ではないか?
 やっぱり、どう考えても……。
 オトコの「チン」……。

「Mikikoさん!
 いつまで見てるんです!
 そんなに時間無いんでしょ?
 また、大内宿みたいになるとイヤですからね!」

 うぅ。
 未練が残る……。
 やっぱ、1時間半じゃ堪能しきれないよな……。

「そうだ!
 お土産買わなくちゃ!」

 売店に直行。

「これ、買うぅ!」
チンアナゴ・抱き枕

「ダメですっ!
 こんなでっかい抱き枕かかえて、どうやって旅行続けるんです!」
「由美のけち!」
「けちで結構」
「じゃ、これ」
チンアナゴ・吸盤飾り物

「なんです、これ?」
「ただの飾り物だよ。
 吸盤が付いてるだろ。
 これで、テーブルとかに立てるの」
「立ててどうするんです?」
「とりあえず立てるの!
 とにかく、チンは立てなきゃダメなの!
 これ、何かに似てない?」
チンアナゴ・吸盤立ち姿

「何かって?」
「とぼけちゃって……。
 ディルドゥだよ。
 吸盤で、テーブルとかにくっつけて使うやつがあるだろ」
ディルドゥ

「信じらんない!
 そんなの、想像してたんですか」
「そだよ。
 このチンアナゴからディルドゥ想像するのは……。
 ごく健全な連想力だと思う」
「思いません」

 さて、なごり尽きませんが……。
 もう閉館の17:30が近づいてきました。

 閉館5分前には出ましょう。
 一番近くのバス停、福島銀行小名浜支店前まで、歩いて10分もかかります。
 行きは、早く着きたいからタクシー使ったけど……。
 帰りはバス。
 17:36、ほぼ時間どおりにバスが来ました。
 泉駅着、17:50です。
 ここから、常磐線に乗ります。
 泉発、18:19。

 この日の宿をどこにしようか迷いました。
 泉の隣の駅は、湯本駅。
 ここには、いわき湯本温泉があります。
 道後温泉、有馬温泉と並び、日本三古湯のひとつにあげられる、由緒ある温泉です。
 「フラガール」で有名になった、「スパリゾートハワイアンズ」もある。
スパリゾートハワイアンズ

 もう1日あったら、遊んでみたいけど……。
 泣く泣くカット。
 それに、いわき湯本温泉には……。
 安い宿が、あんまり無いみたいなんです。
 前2回の個室露天風呂路線だったら……。
 間違いなく、ここに泊まったでしょうね。
 でも今回は、節約旅行なので……。
 パス。
 いわきまで戻って泊まることにしました。
 
 いわき着、18:35。
いわき駅

 今日のお宿は、駅から徒歩7分。
 お宿と言っても、ビジネスホテルです。
 「いわきワシントンホテル」さん。
" alt="いわきワシントンホテル">

 ここの、「仲良しカップルプラン」というコースを選びました。
「仲良しカップルプラン」

 朝食付きで、8,000円です。
 これ、1人分の値段じゃありません。
 2人で、朝食が付いて、8,000円なんです。
 ホテルには、夕食が食べられるレストランは無いので……。
 食べに出ましょう。
 お部屋に荷物だけ下ろしたら、そのまま外出。
 もう、19:00近いです。
 お昼も早かったし、お腹ペコペコですね。
 こんなときは、居酒屋に限る!

 というわけで、選んだお店は「隠れ庵 忍家 いわき駅前店
隠れ庵 忍家 いわき駅前店

 ホテルからは、徒歩5分。

~つづく~
福島に行こう!(1)目次福島に行こう!(3)


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