Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
センセイのリュック/幕間 アイリスの匣 #128
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戯曲『センセイのリュック』作:ハーレクイン



幕間(小説形式)アイリスの匣#128



 全裸の道代は、志摩子の室内に転がり込んだ。
 志摩子から声が掛かる。

「おーや、お道やないかい。何してまんねん、そないなとこ(そんなところ)で」

 道代は跳ね起きた。その場に蹲(うずく)る。正座である。
 全裸の道代は、両手を畳に突いた。深々と頭を下げた。

「すっ、すんまへん。すんまへん、女将はん。すんまへん」

 同時に花世が悲鳴を上げた。

「ひええええええ」

 全裸の道代は、志摩子女将の部屋の片隅に縮こまった。
 だが、四肢を拘束されている花世には、身を隠す術(すべ)がない。

「いやあああああああ」

 悲鳴を上げるしかない花世であった。
 道代の横に、悠然と源蔵が歩み寄った。

「裸の女が三人そろうたのう。歳も風貌も、体つきも、見事に三者三様や。華やかなこっちゃ」

 道代は畏まり、蹲(うずくま)り、全身を縮こめて頭を下げるばかりだ。土下座の体勢である。その体の下はもちろん土ではなく、畳なのだが……。
 道代は一言も発しない。

「ひいいいいいいいいい」

 花世は悲鳴を上げ続けた。縄に拘束された四肢は、もちろん身を覆うことは叶わない。花世は悲鳴を上げ続けた。花世は、仄暗い室内の灯りを欺くように、その白い全身を余すことなく晒しながら悲鳴を上げた。

「もう。喧しい子やねえ」

 志摩子は花世に躙(にじ)り寄り、その口を自らの口で塞いだ。舌を捻じ込む。

「あぐ、う、ぐ」

 花世は激しく鼻から息を噴き上げ、呻きを漏らした。花世の呻きは、自らと志摩子の口内全体に反響する。その呻きは、二人の傍らに仁王立ちの源蔵と、土下座のまま身じろぎ一つしない、いや指一本すら動かさない道代の、それぞれの耳にはっきり聞こえた。
 志摩子が口を離した。

「か、はあああ」

 自由になった花世の口から、大きな喘ぎが吹き零れた。花世は、瀕死の魚のように大きく口を開いた。幾度も首を左右に振りたくる。それは、より多くの空気を求めているようにも、強い拒否の意思を明確に表明しているようにも見えた。
 志摩子が、真上から花世を見下ろした。

「花、大人し、しいや(しなさい)」
「せやかて、女将はん」
「せやかて、やない。なんでそないに、逆らうような真似するんや」
「せやかて女将はん……恥ずかしい」
「せやかて、やない。何が恥ずかしいのん」
「せやかて……」
「知らん仲、ゆ(言)うわけやなし。源蔵はんとお道やないの」
「せやかて……いっつもは服、着てるもん」

 花世の抗議は、小学生の、いや、学校前の頑是ない少女のようであった。

 いやや、嫌や、いやなもんはいやや。

 志摩子は、莞爾として笑った。噴き出すのをこらえるような、そんな笑みだった。再び、上から花世の顔を見下ろす。両掌で花世の両頬を挟み込んだ。

「は・な。はあな。ええ子やねえ」
「おかみ、さあん」

 志摩子は、花世の顔を両手で捕らえたまま、首だけで背後を振り返った。源蔵に声を掛ける。

「ええで、源ちゃん」
「おう」

 源蔵は、悠然と花世に歩み寄った。花世の足元から近寄る。
 志摩子が、花世の顔から両手を外し、一膝遠ざかった。
 花世の目に、上から傲然と見下ろす全裸の源蔵の姿が入った。改めて悲鳴を上げる。魂を絞り出すような悲鳴であった。

「ひいいいいいいいいいいいいいいっ」

 源蔵は意に介さず、花世のつま先のあたりに膝を突いた。両腕を伸ばし、花世の足首を縛める縄の結び目に手を掛けた。花世の足首の皮膚に源蔵の指先が触れる。
 花世は絶叫した。

「いやあああああああああああああっ」

 源蔵は、花世などいないかのように手を動かし続けた。花世の両足首を固定していた縄は、あっさりと解けた。
 足先が自由になったことに気付いた花世は、すかさず膝を折り、両脚を体躯に引き付けようとした。縮こまろうとする。
 源蔵は、花世のその動きを許さなかった。素早く花世の両足首を両手で捉える。両腕を、一気に引き広げた。源蔵の両手に引かれ、花世の両脚は大きく広げられた。花世の股間が剥き出しになった。

「ぎゃああああああああああああああっ」

 花世の両腕は、その背後で縛められている。そして花世の両脚は、先ほどまでの縄に代わり、源蔵の両腕で力強く固定された。花世は変わらず身動きできない。花世にできることは、狂ったように頭を左右に振りたくることと、呻きとも喘ぎとも、悲鳴ともつかぬ絶え絶えの声を上げ続けることだけだった。その声は掠れていた。花世の声は、年老いた老婆のように嗄れていた。


 志摩子は、花世と源蔵に半ば背を向け、蹲(うずくま)る道代に声を掛けた。

「みち」

 道代は動かない。

「おみち」

 道代は、蹲(うずくま)った姿勢のまま、更に首を下げた。だが、それ以上に首が下がるわけもない。道代は、畳に額を捻じ込むように、下がらない首を下げようとした。

「み・ち・よ、ゆ(言)うとるやろ!」

 志摩子の呼びかけは、少し苛立ちの色を帯びた。
 志摩子の声の変化を、道代は敏感に感じ取った。道代はようやく返答した。

「へえっ」
「顔、上げ」
「へええ」

 返事とは裏腹に、道代の顔は上がらなかった。逆に、その動きは更に首を下げるような色合いを帯びたが、もちろん道代の首は下がらなかった。

「ええかげんしいや、道。顔上げ、ゆうてん(言っている)のが分からんのか!」

 志摩子の声は、明らかな苛立ちを示していた。その声は、明らかに叱咤であった。
 道代の首は、反射的に持ち上がった。返答する。

「すっ、すんまへん」

 返答し、一瞬志摩子を見詰めた後、道代は再び深々と頭を下げた。そのまま、詫びの言葉を呪文のように繰り返した。

「すんまへん、すんまへん。すんまへん、女将はん。すんまへえん」

 道代の声は譫言(うわごと)の様な色を帯びてきた。半ば泣いているようである。

「すんまへん、すんまへえん。ほんまに、すんまへん。す……すっ、うっ、うひ、うひいいい」

 志摩子の声が柔らかくなった。この人には珍しい声音であった。

「お道……うち、怒っとるんやない。叱ろっちゅうんやないんや。ええから……顔、上げ」

 道代は、ようやくしっかり顔を上げ、志摩子を見詰めた。
 道代と志摩子。二人の視線が絡み合った。
センセイのリュック【幕間 アイリスの匣 #127】目次センセイのリュック【幕間 アイリスの匣 #129】




コメント一覧
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    • ––––––
      1. ハーレクイン
    • 2015/11/24 09:26
    •  何してまんねん(何をしているのですか)と言われてもねえ、お道姐さん。答えよう、おませんわなあ。
       できることは、ひたすら身を縮込めるだけ。
       とっとと逃げ出せばええのに、とは思いますが、源蔵・志摩子コンビに睨まれていては、それもかないませんわなあ
      「すんまへん、すんまへえん。ほんまに、すんまへん。す……すっ、うっ、うひ、うひいいい」
       あーあぁ。泣きだしちゃいました、お道姐さん。
       可哀そうによう。
       で「詫びの言葉を呪文のように繰り返」すお道姐さんですが、「呪文のように」ときますと↓これ
      ♪窓を開ければ緑が飛ぶの
       快速特急音を立てる
       扉の近くに陣取りながら
       呪文のようにつぶやくの
       I came from横須賀
       あなたに会いに来た……
         (山口百恵『I came from横須賀』。もう、誰も知らんか)
       一方、花世姐さん。
      「ひいいいいいいいいいいいいいいっ」
      「いやあああああああああああああっ」
      「ぎゃああああああああああああああっ」
       絶叫、また絶叫です。
       実は当初、花世姐さんは源蔵ともええ仲、という設定だったのです。でも、よう考えたら、それではあまりにしたたか過ぎる。ちょっとは可愛げも、ということでこうさせていただきました。
       可愛がってやって下せえ、お道&お花。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2015/11/24 19:44
    •  この歌は知りません。
       B面ですか?
       なんとなく、『プレイバック Part2』に似てますね。
       作詞作曲とも、同じ作者のようです。
       しかし……。
       “陣取りながら”ってのは、どんなもんでしょう?
       なんとなく、甲冑を着て、軍扇を振りかざしてそうなんですが。

    • ––––––
      3. ハーレクイン
    • 2015/11/24 20:05
    • ♪緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ……
       あるんですねえPart1
      ♪あれは真夏の出来事でした
       今から話すけど
       もらい泣きなどしないでくださいね
       
       「聞いてね」
       思い出の中の遠い季節Play Back
       痛みを覚えた若い季節Play Back……
       百恵姐さん。
       御年56におなりだそうです。
       隔世の感がありますなあ。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2015/11/25 07:41
    •  ↓わたしが一番好きなのは、『イミテーションゴールド』です。
      http://www.youtube.com/watch?v=n02z8pqFZA0
       このときの彼女は、18歳。
       眉が色っぽいです。
       この歌詞、今なら、淫行になるんでないの?

    • ––––––
      5. ハーレクイン
    • 2015/11/25 10:38
    • ♪シャワーのあとの髪のしずくを
       乾いたタオルでふきとりながら……
       ここだけだろ。
       それにこれ男(彼)だし。
       ま、状況は淫行かも知れんが。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2015/11/25 19:51
    •  彼でも、しちゃいかんのではないか?
       彼が成人なら、犯罪だろ?

    • ––––––
      7. ハーレクイン
    • 2015/11/25 20:28
    • ♪勝手にしやがれ(沢田研二)

    • ––––––
      8. Mikiko
    • 2015/11/26 07:24
    •  対象は、18歳未満のようです。
       従って、『イミテーションゴールド』の相手は、お咎め無しですね。

    • ––––––
      9. ハーレクイン
    • 2015/11/26 08:57
    • 「プレイバックPart2」「イミテイション・ゴールド」「ひと夏の経験」「横須賀ストーリー」「秋桜」「いい日旅立ち」「ラスト・ソング」「乙女座宮」「しなやかに歌って」
       こんなとこかな、思いつくまま書いてみました。
       なんか、最も有名なのを忘れてる気がします。
       デビュー曲も、忘れちまったなあ。

    • ––––––
      10. Mikiko
    • 2015/11/26 19:51
    •  わずか21歳で引退。
       引退から34年、1度も表舞台に出てません。
       とくれば……。
       往年の大女優、原節子さん。
       9月5日に亡くなられてたそうです。
       95歳だったとか。
       引退したのは、42歳。
       こちらは、53年間、1度も表舞台に出なかったわけです。
       小津安二郎の映画でしか見たことありませんが……。
       確かに美人ですよね。
       日本美人というより、西洋的な美人です。
       でも、演技は……。

    • ––––––
      11. ハーレクイン
    • 2015/11/26 22:26
    •  「永遠の処女」とも称されたとか。
      >でも、演技は……
       お、きついなあ。
       先日、BSで成瀬巳喜男監督『めし』をやっていました。
       原作、林芙美子。
       主演は原節子&二枚目俳優上原謙。
       録画してありますので、明日あたり演技ぶりを拝ませていただきましょう。
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