2015.11.17(火)
道代は舐めた。
自在に舌を動かし、舐めた。
道代は、源蔵の肛門を舐めた。
愛し気に、縋るように、挑むように……。
道代は舐めた。
道代は、源蔵の肛門を舐めた。
「げへ」
源蔵の肛門は、かすかに便臭がした。
気にならなかった。
道代は気にならなかった。
転げまわるように戸外で遊び、呼び声に応えてようやく戻ってきた泥まみれの我が子。
その子を心から慈しむ、そのように、道代は源蔵の肛門を舐めた。
舐めた。
「がふ」
道代は舐めた。
源蔵の汚れも、悪意も、狂気も、そのすべてを許す。
源蔵そのものを許す。
そのように舐めた。
清濁併せ呑む。
そんな言葉が道代の脳裏をかすめた。
(海や)
(海なんや)
(うちは海なんや)
(うちは海になるんや)
(人には、ええとこも悪いとこもある)
(呑むんや)
(うちは呑むんや)
(うちは源蔵はんを呑むんや)
(このお方の)
(なんもかんも〔何もかも〕呑むんや)
「ぐぶ」
(しやけど〔だけど〕)
(しやけどこのお方に)
(このお方に)
(あるんやろか)
(ええとこ)
(このお方に)
(このお方に、ええとこてあるんやろか)
(ええねん)
(ほれで)
(ほれでええねん)
(かめへん〔かまわない〕)
(かめへんねん)
(海や)
(うちは海や)
(呑むんや)
(なんもかんも〔何もかも〕呑むんや)
(うちは)
(うちは海や)
「げぶ」
道代は、激しく舌を使った。
道代は、激しい勢いで舐めた。
舐めた。
肛門を舐めた。
源蔵の肛門を舐めた。
道代は、源蔵の肛門を舐めた。
舐めた、吸った、舐めた。
舌を、唇を、口全体を。
自らの存在そのものを源蔵の体内にねじ込もうというように、舌を使った。
源蔵の肛門。
それは道代にとって、
新たな世界への誘(いざな)いであった。
見知らぬ世界への入り口であった。
異界への扉であった。
道代はその扉を、躊躇(ためら)いなく開けた。
「ぇへえええええええええええ」
道代の意識が遠のいた。
源蔵は、廊下に横たわる道代の帯を解いた。
道代の和装は、既にしどけなく着崩れていた。
道代の裾は大きく捲り上げられ、腿から尻まで剥き出しになっていた。
その襟元も、裾も広げられ、両の乳房が剥き出しになっていた。
源蔵は、着崩れた道代の和服を容赦なく剥がした。
道代は丸裸になった。
その様は、中途半端に着物を纏っているより、かえって潔いとも云えた。
しかし、道代の裸体は貧相であった。
道代の両の乳房の盛り上がりは、ほとんどなかった。
乳首の色は、乳房の色とほとんど変わりなかった。
その胸は、学校に上がり立ての小学生、その男児のようであった。
道代の腰の括れは、ほとんどなかった。
道代の腹から腰にかけてのラインは、直であった。
寸胴、という容器がある。
大量の煮物、汁物を作るための容器。
十数リットルの容量を持つ円筒形の容器、寸胴。
料理屋の厨房には馴染みのある調理用具、寸胴。
道代の体躯は、その寸胴を思わせた。
道代の尻も、腿も貧相であった。
女らしい柔らかな曲線は、道代の体躯のどこにも無かった。
しかし……。
「こら」
「しっかりせんかい」
源蔵は、道代の頬を軽く叩いた。
道代は反応しない。
「しゃんとせんかい、お道」
源蔵は、道代の頬をさらに叩いた。
かなり強く叩いた。
それは、容赦ない、ともいえる勢いであった。
「あは」
道代が目を開けた。
道代の目は、源蔵の顔を捉えた。
「源蔵……はん……」
「気ぃ付いたか、お道」
「へえ、……あ」
道代は、全裸の自分に気付いた。
反射的に縮こまろうとする道代を、源蔵は制した。
「いまさら、恥ずかしがることないがな」
「せ、せやかて……(そうは言っても)」
「立つんや、お道」
源蔵は、道代を抱き起した。
その力は圧倒的であった。
道代は、抗う余裕もなく、いや、抗おうという気もなく、立たされた。
源蔵は、全裸の道代を廊下に立たせた。
室内から声が掛かった。
「入りよし(入りなさい)、源ちゃん」
志摩子の声であった。
道代の全身が緊張した。
(いや)
(いやあ)
(いいやああああああああああ)
源蔵が、廊下と室内を隔てる襖を引き開けた。
源蔵は、道代を室内に突き飛ばした。
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2015/11/17 09:44
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顔を顰める向きもおられるようですが、わたし好きです、肛門。
舐められる側としては、その快感もそうですが、なんといっても精神的なものが大きい。こんなとこまで舐めてくれるんや、という喜び。こんなとこを舐めさせてるんやという、嗜虐感。
舐める側としては……わたしは経験ありませんので想像するしかないのですが、やはり被虐感ではないですかねえ。
圧倒的に力のある者。その者の思いのままに嬲られ、いたぶられる被虐感。そこに得も言われぬ快感が……。
いやいや、わかりません。
どうなんでしょうねえ。
実体験のない者が想像で書く。
このあたり、限界なのかもしれません。
それにしても……。
「うちは海や」
との、お道姐さんの独白。
どうなんでしょうねえ、開き直りとも取れますが、
やはり、実感なんじゃないですかねえ。
でなけりゃ、舐められませんわなあ、肛門。
「かめへんねん」
「海や」
「うちは海や」
しかし、道代姐さんの体躯を「寸胴」。
ちょっと失礼過ぎたかなあ。
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2. Mikiko- 2015/11/17 19:47
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するんですかね?
ウォシュレットしてないんですよね。
ピリッと来そうですよね。
酒の肴に、嘗め味噌というのがあります。
金山寺味噌が有名なようです。
残念ながら、食べたことがありません。
砂糖を使わないレシピもあるようです。
スーパーで、売ってませんかね?
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3. ハーレクイン- 2015/11/17 21:40
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炒った大豆を引き割り、これに麦こうじと塩を合わせ、塩押ししたウリ、ナス、ショウガなどを刻んで混ぜて仕込み、さらにウイキョウ、サンショウ、シソなどを加え、密閉して3ヶ月ほど熟成させる。
その由来については、宋での修行から帰国した鎌倉時代の僧、心地覚心(法燈国師)が1254年に帰朝し、請われて紀州由良(現:和歌山県日高郡由良町)の鷲峰山興国寺の開山となったため、その近傍の湯浅(現:和歌山県有田郡湯浅町)に伝えた「径山寺(きんざんじ)味噌」が起源とする説が有力だが、空海(弘法大師)が唐から持ち帰ったとする説もある。
Wikiの引き写しです。
また……、
野菜・果物・穀物・豆・魚・獣肉などを入れてつくった味噌。副食や酒の肴にする。たい味噌・ゆず味噌・金山寺(きんざんじ)味噌など。
(デジタル大辞泉)
こちらのスーパーでは売っています。円筒形のプラパック入りです。値段は……今度調べておきましょう。
味噌といっても、調味料としては用いませんね。主に、酒のアテです。
お道姐さん、というか京都でも普通に食べるでしょう。
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4. Mikiko- 2015/11/18 07:50
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探してみます。
でも、スーパーで売ってるのは、たぶん砂糖甘いんじゃないかと思われます。
ほかの嘗め味噌も、味付けは甘いようですね。
ま、わたしの晩酌時間は、30分も無いので……。
普通のオカズだけあれば、済んじゃうんですけどね。
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5. ハーレクイン- 2015/11/18 09:34
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いいなあ。
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6. Mikiko- 2015/11/18 18:16
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前職関係者の通夜に出席してきます。
式後には、『通夜振る舞い』という食事が提供されます。
どんなのが出るかな?
ビールは、本物が飲めると思います。
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7. ハーレクイン- 2015/11/19 03:29
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通夜式の後も本葬後も、会食は内輪だけですね。
そういえば、しばらく葬儀には出ていません。皆、元気なんだなあ。
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8. Mikiko- 2015/11/19 07:27
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300人くらいだったでしょうか。
『通夜振る舞い』の会場は、200席くらいありました。
本物のビールを、美味しくいただきました。
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9. ハーレクイン- 2015/11/19 10:06
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200席!!
本物のビール、はともかく、角栄はんの葬儀かと思っちまったぜ。
いったいどなたのご葬儀なんじゃい、ですが、越後新潟では普通なんでしょうかね。
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10. Mikiko- 2015/11/19 19:50
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あんなものじゃないでしょう。
式場があるんですから、需要もあるんでしょうね。
きのうの式では、ホールの駐車場に交通誘導員が出てました。
衆参議員、4~5人から弔電が届いてましたから、普通の人ではありませんね。
テーブルには、『越の寒梅』の四合瓶も並んでましたが……。
わたしはひたすら、本物のビールでした。
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11. ハーレクイン- 2015/11/19 22:06
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一般人かい。
とんでもねえな、新潟の葬儀。
こちらでも、国会議員からの弔電は来るよ。どこから聞き付けるんだろうね。
弔意を示すためには、ビールより寒梅だろ。
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12. Mikiko- 2015/11/20 07:42
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なるほど。
そういう仕掛けですか。
与野党両方から来てるんで、不思議に思ってました。
おそらく、議員事務所のスタッフが、新聞の死亡広告をチェックしてて……。
人の集まりそうな葬儀には、弔電を打つんでしょうね。
もらった方も、議員からの弔電を披露すれば、故人に箔が付くと喜ぶんじゃないですか。
寒梅を飲んでる人は、見あたりませんでしたね。
こちらでは、スーパーの棚に、普通に並んでるお酒ですから。
香典返しの中にも、寒梅の瓶は入ってました。
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13. ハーレクイン- 2015/11/20 10:48
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こちらのスーパーでは年に1,2度見るかどうか。
で、普通酒なんですよね。
たまには吟醸を仕入れろよ、と思いますが、まあ高いからなあ。