2013.10.1(火)
自縛……。
ふと、そんな言葉が香奈枝の脳裏をよぎった。
縛ってくれる相手がいないとき、自分一人で自身を縛る、ということが緊縛の世界にはあるという。
あやめに聞いたに違いない。あやめ以外の者と、緊縛について話したことなど一切ないからだ。だが……。
それがどんな方法なのか、あやめが語ってくれた覚えはない。何かの拍子にふと出た話題なのだ。それきり、二人の間で話題に上ることはなかったし、香奈枝も今の今まで忘れていた言葉だ。
そういえば……。
自縄自縛という言葉がある。
自分自身の言動に縛られ、自分自身が身動き取れなくなること。そして、苦しむこと。
あたしの今の状況は……、
まさに自縄自縛そのものではないか。
あやめに捕らわれ、緊縛の世界に捕らわれ、
他の一切のことが出来なくなっている。
ならば……。
ならば、突き詰めてみよう。
縄の世界に、さらにどっぷりと嵌まり込んでみよう。
それしか、今の状況を抜け出す道はない。
しかし……。
自分自身で自分を高手小手に縛る。腕が四本でもない限り不可能ではないか。香奈枝は悩んだ。
考えた。考える時間はいくらでもある。
どうすれば、どうすればいい。
どうすれば、自分で自分を縛ることができる。
わからない。
そんなことができるのか。はたして可能なのか。
しかし、あやめは確かに言った。「自縛」と。
あれは確かに、
現実にそういう方法があると、
教えてくれた言葉のはずだった。
ならば……。
香奈枝は、枕を抱えて懊悩した。
あやめの施してくれた多くの緊縛。その中にヒントはないだろうか。香奈枝はそこに思い至った。
思い出そうとした。初めて縛られた最初の夜に遡り、そこから丹念に順を追い、あやめの縛りの全てを脳裏に思い浮かべた。容易な作業だった。あやめの縛りの全ては、脳はもちろん、この体のすべてが鮮明に記憶している。忘れるわけがない。愛しいあやめとの睦みあいの記憶なのだ。肉の記憶なのだ。
香奈枝は寝食を忘れ、記憶の再現に耽った。
幾度、記憶の再現を重ねたことだろう。
あの初めての夜。
あやめの緊縛は、先ずもちろん高手小手。
次に縄渡り、股縄、胡坐縛り、海老縛り……。
縄渡り?
あれは、あの瘤もつ蛇に股間を蹂躙された、
長い長い蛇の道を歩まされた、あの、縄渡り。
あれは、あれだけは他の縛りとは異質だった。
そもそもあれは縛りと言えるのか。
長々と伸びる瘤もつ蛇が股間を通り過ぎて行ったが……、
蛇は、あたしの体に絡みついたわけではなかった。
あの時あやめは……。
あの時あやめは、
縄の一端を押し入れの奥に縛り付け、固定した。
そして、自分は縄の反対端をしっかり握り、
縄をきつく引き絞った。
あのあやめの位置にあたしが立てば。
そして、縄を渡るのではなく……。
香奈枝の脳裏に歓喜が弾けた。
出来るかもしれない。そう思えた。
香奈枝は縄束の一つを手に取り、部屋の奥に向かった。押入れの襖を開け、その奥を探る。あの時の、押し入れに上体を突っこんだあやめを思い出しながら、押し入れ上段の荷物を押しやり、押し入れの奥をまさぐった。
あった。
押入れの奥の板壁に、巨大な金属製の丸フックがねじ込んであった。
香奈枝は縄束を解き、縄の一端を押し入れに引き込んで丸フックに結びつけた。上体を戻し、縄を掴んで引く。綱引きのように引く。あの時のあやめの姿が鮮やかに甦った。
あやめも、こうした。
あの時のあやめも、
まるで押し入れと綱引きをするように、縄を引いた。
香奈枝は、涙ぐみながら縄を引いた。あの時のあやめの動きを再現するように、強く縄を引いた。縄はしっかり固定されていた。
その縄を手に、縄を扱きながら、香奈枝は部屋の入口方向に向かって歩いた。縄は、香奈枝の歩みと共に手の中を通り抜け、床に這い、香奈枝の背後に一筋の縄の道を作っていった。
手の中の縄が縄尻まで来た。振り返る。
さあ、ここからだ。
手にした縄の端を右手に持ち、左手首に巻きつける。一巻き、二巻き……。結ぶ。
手首に縄を絡ませた左腕を背に回す。高手小手の体勢に倣い、右腕も背に回す。両の手首を重ねあわせた。
背に回した両腕を、二度、三度、互いに上下に回転させる。縄が両手首に巻き付いた。
高手小手の始まり、両手首の固定だ。
香奈枝は、この段階で体全体で縄を引いた。押入れと、背後の両手首とを繋いだ縄が張り詰める。
二度、三度、縄の張りを確認した後、香奈枝は体全体を水平に、反時計回りに回転させた。当然、張りつめた縄により、身体が押し入れに引かれる。香奈枝は回転しながら押入れの方向に足を送った。
身体の回転とともに、縄が体に食い込む。まず、左の二の腕。ついで胸、両の乳房の上の麓の胸肉に縄が喰いこむ。さらに右の二の腕……。体を一周した縄は背中で重ねあわせた両手首に戻ってきた。縄が喰いこんだ順序は、あやめの縄掛けの手順と同じだった。
あやめはここで一旦、手首の結び目に縄を通し固定した。が、もちろん、今の香奈枝にそれは不可能だ。香奈枝は更に身体の反時計回りの回転と、押入れ方向への足の歩みを続けた。縄は、先ほどと全く同じ順序で香奈枝の体に食い込む。二筋目の縄筋……あやめは一筋目に綺麗に揃えて縄を掛けたが、これも今の香奈枝には困難だ。二筋目の縄は、一筋目に重なり、離れ、香奈枝の胸元に喰いこんでいった。
香奈枝の身体の回転は三回り目に入った。三筋目の縄は香奈枝の乳房の下の麓を通って背中に戻って行った。香奈枝の両の二の腕と胸は、三筋の縄で厳しく締めつけられた。
自縛による高手小手はほぼ完成した。もちろん、三筋目の縄にカンヌキを掛けるのは不可能である。
香奈枝は、横座りに床にへたり込んだ。もう、押し入れは目の前である。不十分ながら、形の上では高手小手縛りが完成した。
香奈枝は改めて、縄の感触を全身で確かめる。縄は確かに香奈枝の上半身を締め付けていた。あやめの縄は、あの夜と同じように香奈枝の体に絡みついていた。
だが……、
それだけだった。香奈枝の体内には、何の興奮も感興も陶酔も生じなかった。
ダメなのか……。
自縛ではだめなのか
形だけをなぞっても駄目なのか。
誰かの手で縛ってもらわないと、この乾きは癒せないのか。
香奈枝は床に突っ伏して、号泣した。
コメント一覧
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1. ハーレクイン- 2013/10/01 10:09
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次回#32から京都編ということになります。
香奈枝せんせとはしばらくお別れ、再登場はアイリスの匣が開き、舞台劇『センセイのリュック』が再会されるときを待たねばなりません。
で、今回の「自縛」。
香奈枝せんせの迫真の演技ですが、これは某AVを参考にさせていただきました。「いやらしさ」という点ではも一つなのですが(失礼)「自縛」の参考書としては最高です。
で、その自縛でもいけない香奈枝せんせ。可哀想ですねえ、大変ですねえ、どうするのでしょうかねえ。そのあたりは次回で。
乞うご期待。
で、「とりあえずさいなら、香奈枝せんせ」ということで、何の意味もありませんが『アイリス』#1~#31に章題を付けてみました。未練なことよ、とお笑いください。で、も一度読み返していただければ、こんなに嬉しいことはありません。
#1春風
#2川面
#3河童
#4乾杯
#5月陰
#6抱擁
#7自慰
#8愛撫
#9緊縛
#10人形
#11茱萸
#12打擲
#13開脚
#14嬲る
#15渡る
#16繚乱
#17「一切の望みを棄てよ」
#18股縄
#19戯れ
#20胡坐
#21失神
#22海老
#23縄跡
#24告白
#25禅譲
#26砂丘
#27落日
#28白鳥
#29「かくも長き不在」
#30吹雪
#31自縛
『アイリスの匣』。
次回から、若き日のあやめさんの苦闘を追っかけることになります。宜しく、ご愛読ください。
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2. Mikiko- 2013/10/01 19:31
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自縄自縛。
文字どおり、自分の縄で自分を縛るという意味。
といわれても、いまいちピンと来ません。
『goo辞書』によれば……。
「自分の言動が自分を縛って、自由に振る舞えずに苦しむこと」だそうです。
章題。
こんなこと考えてるヒマがあったら……。
先を書け。
ひょっとして、過去の投稿分に章題を入れろと言ってるわけ?
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3. ハーレクイン- 2013/10/01 20:39
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「自分の言動が自分を縛って、自由に振る舞えずに苦しむこと」
そない言うとろうがよ。
章題。
>過去の投稿分に章題を入れろと言ってるわけ?
そないなこと、言うわけおまへんがな。
思い出思い出。ただの思い出。
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4. Mikiko- 2013/10/02 07:52
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次回からの京都編、楽しみですね。
あやめさん、どんな料理を作ってくれるんでしょう。
かつ丼だけは、卵でとじてくれますように。
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5. ハーレクイン- 2013/10/02 10:23
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もう次回からどすか!『アイリス』京都編!!
まだ2回分を書いただけどすがな。
どないなるんでしょうなあ『アイリス』。
ほら、つくれいわれたらなんぼでも作らせてもらいまっけど、京の料亭で、かつ丼は出んと思いますえ。
♪京の五条の橋の上
大の男の弁慶が
長い薙刀振り上げて
牛若めがけて切りかかる
♪京の五条の糸屋の娘
姉は十六妹十四
諸国諸大名は弓矢で殺す
糸屋の娘は目で殺す
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6. Mikiko- 2013/10/02 19:32
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自転車操業になるのか?
かつ丼。
もちろん、料亭のメニューには無いでしょうが……。
まかない丼として、板場ではぜったいに食べてるはず。
しかも、客に出す料理より、数段ウマいとみた。
まかない料理のことも、もちろん書いていただけるんでしょうね?
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7. ハーレクイン- 2013/10/02 22:33
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まかない料理。
これ、先の話をばらすでない! 『アイリス』の山場の一つではないか。
丼ものではないがな。
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8. Mikiko- 2013/10/03 07:31
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まかない料理、楽しみですね。
なんで山場になるのかわからんが。
皿洗いのバイトの話に、まかない料理も出てきたっけ?
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9. ハーレクイン- 2013/10/03 14:58
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そんなの、明かせるかい。
ひみつ秘密、ひみつのあやめさーん。
皿洗いバイトの店での賄いは、店の商品でした。
昼はかけ蕎麦(天かす入れ放題)、夜は玉丼(親子丼の場合あり)。
たまあに、店の姐さん(主人の姉妹、姉か妹かはわからん)が造ってくる手料理があったなあ。稲荷寿司とかね。
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10. Mikiko- 2013/10/03 20:36
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それは、タダで食べさせてもらえるわけ?
ま、天かす入れ放題のかけ蕎麦なんぞ……。
金取られたら、食う気にならんわな。
かけ蕎麦、玉丼、稲荷……。
まったく青物が無いではないか。
栄養が偏っておる。
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11. ハーレクイン- 2013/10/03 22:25
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ま、タダといえばタダだよ。
天かす入れ放題は、そう思うだろうが、わたしも始めはそう思ったのだが、美味いよ。試してみなはれ。
うちの近所のスーパーには、天かすの袋詰めが売ってます。
あのね、賄いは仕事を乗り切るための食事だからね。当然、炭水化物中心なんだよ。
それに、たくさん食器を使ったら、あとで洗うのはわたしなんだよ。
そんなの、やだ。
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12. Mikiko- 2013/10/04 07:41
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せめて、漬物と味噌汁は付けてほしいものです。
漬物は大皿で出せばいいし……。
味噌汁は、食べ終わった後の丼によそう。
漬物で丼の内側をなぞれば、ご飯粒も取れて、洗い物も楽になるではないか。
永平寺の修行僧なんかは、食器を洗わないんじゃなかった?
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13. ハーレクイン- 2013/10/04 08:50
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ああ、いやいや。漬け物はありました。
姐さんのお手製ですがね。店のメニューにはなかったなあ。
味噌汁もメニューに無かったなあ。メニューのメインは寿司と丼ものだったからねえ。いわゆる「定食」ものは無かったんだよ。あの手のは造るのも洗うのもめんどいからねえ。
>永平寺の修行僧なんかは、食器を洗わないんじゃなかった?
え?
どういうこと?
初めて聞いたぞ。
僧ともあろうものが、そんなズボラをしてええのか?
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14. Mikiko- 2013/10/04 19:40
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じっくりとじゃありませんが、テレビで見たことがあります。
修行僧は、それぞれ自分の茶碗を持ってます。
それを、各自の箱膳に仕舞ってある。
食事のときは、茶碗を箱膳から取り出して、給仕してもらうわけです。
食事が終わると、茶碗には白湯が注がれます。
で、漬物か何かで、茶碗の内側をなぞり、ご飯粒などを落とします。
もちろん、その白湯も飲み干します。
最後に、自分の布巾で茶碗の水気を拭き取り……。
箱膳に仕舞うわけです。
一連の動作が、流れるようでした。
「洗う」という行為は、水を汚して捨てることでもあります。
修行僧は、1滴の水も無駄にしないということなのです。
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15. ハーレクイン- 2013/10/04 22:43
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ふう~ん。
究極のエコだね、永平寺。
「エコ」という言い方は嫌いなんだけどね。他の言い様を思いつかないよ。
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16. Mikiko- 2013/10/05 08:37
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料理の1ジャンルとなってますよね。
精進料理で、卵でとじた『かつ丼』を作るとしたら、材料は何になるんだろ?
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17. ハーレクイン- 2013/10/05 09:22
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かつは、野菜で代用するとして、問題は卵だよね。ま、味自体は出汁を工夫すればいいわけだから、ようは見映えだね。湯葉ってのはどうだろう。
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18. Mikiko- 2013/10/05 13:30
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いろいろありますが。
蓮根なんてどうでしょう?
歯ざわりはカツと違ってしまいますが、衣とも合うと思います。
湯葉は却下。
嫌いなので。
トロロはどうかな?
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19. ハーレクイン- 2013/10/05 14:46
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ちょっと歯触りがありすぎるような……。
芋類はどうかな。揚げた薩摩芋なんて行けると思いますが。
湯葉は却下って、お子様の舌じゃないのか。
トロロモ考えたんだけど、色合いがねえ。色素は使いたくないし、卵黄を混ぜれば意味ないし……。
菊の花をみじん切りにして混ぜ込むか。
しかし、面白いですね。『アイリス』にいただくかなあ。
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20. Mikiko- 2013/10/05 19:16
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ありですね。
天ぷらも美味しいですしね。
濃い目のタレなら、もさもさ感も気にならないかも。
黄色み。
ギンナンはどうかな?
すりつぶしてトロロに混ぜたら、黄色っぽくならないか?
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21. ハーレクイン- 2013/10/05 20:22
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薩摩芋は、素揚げより天ぷらの方が出汁を吸っていいかも、ですね。
黄色みはギンナン。
ちょっと色が薄いけど、菊の花を刻むより手間がかからないかもしれないね。
それにしても、精進料理ってのはアイディアの宝庫ですね。豆腐料理専門店なんかも似たような発想だろうし。
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22. Mikiko- 2013/10/06 08:09
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栗はどうでしょう?
ギンナンより、黄色みが濃く出ると思います。
アイデアというのは……
制限があってこそ、生まれるんじゃないでしょうか。
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23. ハーレクイン- 2013/10/06 10:10
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栗きんとん入りトロロイモということですね。確かに黄色みは出ますね。
しかし、薩摩芋にトロロに栗とくると、上手く味付けしないと、甘ったるくなっちゃいそうですね。
昨日たまたま見たテレビ番組で、プロの料理人と普通の主婦が料理対決をするというのがありました。題して「シェフ対主婦」。
題材は「イワシ」。
結果は当然でしょうがプロの圧勝。プロのアイディアというのは凄いな、というのと、料理は見栄えも大事と感じましたね。
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24. Mikiko- 2013/10/06 12:30
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さらにいい食材を見つけました。
カボチャです。
これなら、完璧に黄身色を表現できると思います。
対戦相手が「普通の主婦」ってのが、フェアじゃないですね。
主婦の中にも、凄腕の「カリスマ主婦」はいるはずです。
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25. ハーレクイン- 2013/10/06 19:04
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黄色というより、橙色なのでは。
ああ、いやいや。わたしには、色について口を出す資格も能力もありません。
「普通の主婦」という言い方がまずかったな。
昨日の出演主婦さんは魚屋の奥さん。しかも、店での商品の陳列や捌きを一手に引き受け、一部の魚を用いてアイディア料理を考案・作成し、店で売ります。これがバカ売れらしいです。だから、セミプロと言った方がいいかもしれません。
で、ご主人はといいますと、なんと魚屋のくせに魚が大の苦手。食べるのはもちろん、魚に触るのも堪忍してくれ、というお方。店先でイカ焼きを焼いて売っており、こちらも結構売れているという、名物魚屋さんです。
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26. Mikiko- 2013/10/06 19:22
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黄色というよりむしろ、橙色です。
イカを焼いて生涯を送れれば……。
「素晴らしきかな人生」って感じですよね。
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27. ハーレクイン- 2013/10/06 20:44
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あ、そうなん。
んじゃ、“橙身”と呼べばいいのにね。
そういえば、白身も白じゃないよね、無色透明。あ、目玉焼きにすれば白か。
どっちにしても、やはり色覚異常者に料理人は無理のようですね。
映画『素晴らしき哉、人生』は1946年のアメリカ映画。
わたしの生まれる前という古い映画ですが、名作中の名作だそうです。見たことないですが。
テレビドラマ『素晴らしきかな人生』は1993年、フジテレビの製作。
脚本は『破線のマリス(これは傑作)』『魔笛(これも傑作)』『(ご存知)マリリンに逢いたい』の野沢尚。主演は浅野温子、織田裕二。オープニングテーマは井上陽水。
面白そうだなあ、見ればよかった。
イカ焼きと魚屋の夫婦、いいコンビみたいです。