2011.11.29(火)
美玖の身体は、先ほど夏実に双手刈りをかけた動きを再現するような素晴らしい動きで、真正面から恵に突っ込んだ。美玖の両腕が、恵の両膝の下、脛のあたりを抱え込む。美玖が突っ込んだ勢いそのまま、両脚の動きを封じられた恵の身体は真後ろに倒れこんでゆく。
<双手刈り一本!>と思われた寸前、恵の右腕が伸び、美玖の背中越しに後ろ帯を掴んで強く引く。と同時に、足裏を美玖の腿にあてがい、上方に跳ね上げた。
「せやっ」
恵の短く、鋭い気合い。
(帯取り返し!)
そう気づいた時には、美玖は仰向けに転がされていた。美玖の右側方から恵が覆いかぶさる。恵は、左腕を美玖の首の下に回して後ろ襟を引き付け、美玖の首を固定する。右腕は美玖の股間に差し入れて後ろ帯を取り、両脚の自由を奪う。そして上体を美玖の胸にかぶせて自らの体重を掛け、しっかり押さえこんだ。
(横四方固め!)
美玖は完全に自由を奪われて、やっと自分がかけられている技に気付く。横四方固めは、相手を制する効果が最も大きいとされる固め技である。
「立ち技なら、ひょっとしてあんたの方がもう強いかもしれないけど、あたしに寝技で勝てると思ってんの」
恵の最大の武器は寝技、固め技・絞め技・関節技だ。試合では、ほとんどの敵をこれで屠ってきた。
「ちくしょう、放せ」
「悔しかったら解いてごらんよ、ほれ、ほれ」
「放せ、ケイ、はなせえ」
「放せと言われて放す馬鹿はいないよ、ミク」
もがく美玖の耳元に、恵がささやく。
「ミク……もう、夏実のことは忘れな」
「いやだ! 絶対に嫌だ! 忘れるなんて」
「私が忘れさせてあげるよ、ミク」
恵は美玖の耳元に寄せた唇を、そのまま美玖の耳朶に這わせる。
「あぁっ、んんっ」
「いいだろ、気持ちいいだろ、ミク」
「いやあ、やめて」
恵の舌と唇は美玖の耳朶から首筋に移り、しなやかで強靭な、襟元からうなじにかけてのラインを這いまわる。
「はあああ、ん、いいっ、いやあ、いや、いやっ」
「気持ちいいだろ、ミク、感じて、もっと感じて、ミクぅ」
「やめて、ケイ、お願い、いやあ」
「ミクぅ」
横四方固めで固められた者は、両腕両脚はある程度動かせる。美玖はその可動部分を最大限に動かし、恵の固めを外そうとするが実力が違いすぎる。上にかぶさった恵の身体は、盤石の重みがあるかのように美玖の動きを封じている。
全身でもがく美玖の動きが不意に止まる。
美玖の下半身を固めた恵の右腕、その右腕の肘が少し位置を変え、美玖の体幹の最下部、両脚の付け根の深い位置を、力強く、それでいて限りなく優しく圧迫したのだ。
「いいっ」
全身で恵を拒絶する美玖の動きが一瞬緩む。
その瞬間、すかさず恵の舌がぬるり、と美玖の口内に滑り込む。美玖の、夏実への思慕の情と恵への反発が、瓦解し始める瞬間だった。
「ふぅむ、ミク……ミクぅ」
恵の舌は、美玖の口内のあらゆる場所を舐め、擦り、圧迫し、掻き回す。美玖の舌は、最後の抵抗を示すように恵の舌を避け、逃れようとするが、狭い口腔内で逃れる場所などどこにもない。
恵の舌は美玖の舌を追い詰め、絡みつき、思うさま蹂躙した。
「ふうううん、うんん、む、むむっ、んっ、むううん」
「どうだ、ミク、気持ちいいだろ、感じるだろ」
軽く唇を離した恵は美玖にささやく。唇と唇の隙間から漏れた二人の涎が絡み合い、混じり合い、一つの流れになって止め処なく零れ出し、美玖の頬を流れ落ちて、道場の畳の上に粘性のある池をつくっていく。池の表面には、窓から差し込む四月の陽光が煌めく。
美玖は、溺れる人のようにあえぎながら息を吸い込み、恵に訴えた。
「やめてよお、ケぇイ、わたしは……夏実と……」
「こうしたかったんだろ、わかってるよ。
でも夏実はもう、二度と戻ってこないんだよ」
「いやだ、いやだあ、うわあああああ」
美玖の双眸から、血の色が混じっているような涙が吹き零れる。
「ミクぅ、可愛そうにねえ、ひどい夏実だよねえ。
あんたがこれほど恋焦がれているのにねえ」
恵の唇は、とめどなく溢れる美玖の涙を掬い取り、美玖の頬、瞼、額……美玖の顔中を愛しそうに這いまわる。耳を、耳朶を舐め、優しく優しく噛む……。
「夏実、なつみいい、行っちゃいや、いやだあ、帰ってきてえ」
「かわいそうなミク。
忘れるんだよ。
夏実はもう、いないんだ。
夏実を夢だと思いな。
あたしたちは2年間、夢を見ていたんだ」
恵の唇が再び美玖の唇に重なる。
「ん、んんんん、む」
「あむ、むう、ケ……イっ、むうううん、ん……んんっ」
「ミク、ミク、可愛いミクぅ」
「ううん、ん……んんんん、んっ、む、むううううん、んんん」
恵の舌は俊敏な小動物のように美玖の口内を乱舞する。美玖の舌も、恵の舌を追って跳ねまわる。
じゃれあう野生の動物の子たちのように。
「むあ、うむううう、んっ、んっ、んぅん、……ミクぅ」
「はっ、あっ、ケぇぇぇイ、いいいいい、んあっ」
恵は抑え込みを解いた。が、美玖の全身は弛緩したままだ。
「ミク、可愛いよ」
「あああああ、ん、ケイっ、ケぇイ」
恵はいつの間にか全裸になっていた。
美玖も上下とも柔道着を脱がされ、Tシャツもスポーツブラも、ショーツも奪われ、一糸纏わぬ体を恵の前に曝していた。
その体は、鍛えられた筋肉を内に秘め、恵の動きに呼応して、肉食獣から逃れようとする草食獣のようにしなやかに跳ね、うねる。恵の指先、唇が触れるたびにのた打ち回る。ピューマの咢に捕らえられたガゼルのように……。
恵の右手の指先が、美玖の剥き出しの左の乳首を探り当てる。美玖は、恵の唇を振りほどくように唇を放し、全身でのけぞった。
「はんっ、んんんんん、いいっ、ケイっ」
恵の唇が、美玖の右乳首を捉える。右手は、美玖の左の乳房を鷲掴みにし、やわやわと揉みたてる。
美玖の乳房は、柔道着の上からは目立たないが、思いがけずふくよかだった。仰向けになってなお、発達した大胸筋に支えられ、自らを誇示するように豊かに盛り上がっている。それにくらべ、乳房の先端に位置する乳首は、痛々しいほど小柄で可憐であった。まわりの乳暈もほとんど目立たない。
慄くような美玖の乳首を、恵の指と舌は思うさま蹂躙した。
親指と人差し指で摘まむ。指先で擦る、弾く、押える。乳房を揉み、乳首を絞り上げ、唇で吸う。吸う、吸う、吸い上げる。舌先で舐める、擦る、押し揉む。上下の前歯で噛む。優しく、柔らかく、時に強く噛む。
擦る、弾く、押える、揉む、絞る、吸う、舐める、噛む……。
「いや、いやあ、いやああ、ケぇぇイ。いいっ」
「いいんだろ、ミク、いいって言いな」
「いいわ、ケイ、いい、気持ちいいっ、なんて気持ちいいの」
恵は全身をずらし、美玖の下半身に唇と舌を這わせていく。二人の全身が逆向きに重なる。下になった美玖の頭は恵の両膝の間に。上からかぶさる恵の頭は美玖の股間に……。
恵は、抑え込みの続きであるかのように、右腕で美玖の右腿を抑え、左腕の肘を美玖の左膝の裏にあてがい、美玖の両脚を大きく割り開く。美玖の股間が露わになる。
「あ、いやあ、こんなの」
訴える美玖に構わず、恵は両唇で美玖の両脚の付け根の、敏感極まりない肉芽を捉える。恵の唇と舌先が肉芽を強く圧迫する。舐める。吸う。
美玖は大きく声を上げる。その声は広い道場の隅々にまで響く。
「あはっ、はあっ、はあん、ああああああああああああああっ」
美玖は両腕で恵の脚を抱え込む。まるで溺れようとする者が必死に何かに縋るように。
恵の唇と舌は、美玖の肉芽を、肉芽から延びる二枚の可憐な襞を、その襞の間に息づく体内への入り口を、入り口の前の小さな庭を、舐め、しゃぶり、擦り、圧迫し、吸い……吸い、吸い、吸いたてた。
「いいいいいいいいいっ、やああああぁっ、ケぇイっ、いくっ」
美玖はいった。
しかし、恵の愛撫はやまない。美玖をうつぶせに裏返す。尻を高く掲げさせる。美玖はされるがままだ。
美玖のうなじから肩、背中から尻にかけての、ゆるやかに起伏するダイナミックな曲線が露わになる。恵は、その曲線に沿って、ゆっくりと、強く吸引しながら唇と舌を這わせていく。美玖は畳に右頬をべったりつけ、両乳房を畳に押し付け、両腕を大きく前に伸ばし、恵から与えられる快感を貪る。
「あはっ、ふうん、うん、ん、うううん、ああああっ、はっ」
恵の唇が、美玖の滑らかな尻の丸みの頂点から、二つの丸みを劃す深いクレバスの底へ降りて行く。舌先が美玖の肛門を探り当てる。くねくねと収縮し、底なし沼のような感触を伝える、隠微な、美玖の体内への入り口……。恵の舌先は肛門を舐めまわし、押え、美玖の体内に潜り込む。
美玖が悲鳴を上げる。
「そ、こ、は、……いやあっ」
恵はかまわず、舌先の動きを止めない。美玖の尻のクレバスは恵の唾液に塗れる。滴り落ちる恵の唾液は、美玖の股間から内腿を伝って流れ落ちる。
「いや、いやあっ、お願いい、ケイっ、そこは……やめて、
いや、ほんとにいや、お願い、やめてえっ」
「いいんだろ、気持ちいいんだろ、ミク、いいって言いな」
「いやあああ、いやあ、やめてえええ」
「強情な奴だな、それならこうしてやる」
恵は美玖の尻から外した唇をすぼめ、美玖の肛門と、自らの右手中指に向けて唾液を滴らせる。そして、唾液に塗れた中指を美玖の体内深く突き入れた。
「む、ぐああっ……んっ……んあああああ、やあっ」
「どうだ、いいだろ、強情娘、いいって、言いな」
「いいっ、いいっ、いいっ、いいいいいい、いいよお、ケぇぇイ」
「どこがいいか、言いな」
「いや、いやあ、そんなあ……、いやあ」
「言うんだ、ミク」
「お、お尻の……あな」
「上品ぶるんじゃないよ、肛門だ」
「こ、肛門っ」
「よおおし、じゃ次だ、『私は肛門に指を突っ込まれて感じる変態女です』」
「わ、わたしは……肛門、ああ、いや、いやあ……肛門に、
指をっ……突っ込まれて感じる……変態女、ですっ、ああっ、
いやあっ、変態、私は変態……ケイっ……私は変態よおおっ!」
「よし、よく言った。ご褒美だ」
恵は、右手の中指を美玖の肛門に埋めたまま、左手を美玖の下腹から股間に向け、美玖の肉芽を的確に捉える。肉芽は、美玖が絞り出した膣液と、恵が滴らせた唾液に塗れ、恵の指で擦られ、捏ねられ、摘ままれ、潰され、蹂躙された。
美玖は狂った。
両手の十指で畳を掻き毟り、両乳房を畳で押し潰し、恵の指の動きに呼応して高く掲げた尻を振りたくる。
「いっ、ひいいいいいっ、いいいっ、いいっ、いいっ、いいっ、
うああああああああああああああ、いく、いく、いっくぅっ、
いやあ、やあ、あっ、しっ、死ぬっ、しぬうぅっ」
美玖の尻が畳に落ちる。恵の指が美玖の股間から外れる。
恵は、半ば気を失った美玖に寄り添って美玖の頭の下に腕を回し、美玖の瞳を覗き込む。美玖はぼんやりと恵を見返す。
「ミク、凄かったな、よかったろ」
「うん、ケイ……よかった……」
「じゃ、言いな、『さよなら夏実』って」
瞬時に美玖は覚醒する。
「いや、いや、それだけは……いやだ」
恵は美玖の瞳を見据えたまま、右手で額にかかる恵の前髪を撫で上げる。美玖の耳に唇を寄せ、囁く。
優しく、限りなく優しく、囁く。
「言うんだ、ミク……『さよなら』……」
「さ、さ、さよなら……」
「……『な、つ、み』……」
「うわああああ、なつみぃ、さよならあ、なつみいぃぃぃぃ」
恵は美玖を抱きしめ、指で再び美玖の肉芽を捉える。美玖は再び昇りつめてゆく。
美玖は、体内深くからもたらされる快感に全身をゆだね、貴重な、珠玉のようなこの世の女王を永遠に手にすることができないことを、自らに宣言した。
地の底に引き込まれるような喪失感と、天上に舞い上げられる快感が、美玖の再生を促す。
「いくっ」
吹き零れる涙と、とめどなく溢れる涎。
自らのつくり出す川の流れに身をゆだね、美玖は彼岸へ旅立った。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2011/11/29 19:37
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こーゆー技ですね。
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/201111291933532fd.jpg
動画は、ほとんどありませんでした。
どうやら……。
日本では、嫌われてる技のようです。
そのせいか……。
国際大会でこの技を掛けられ、負ける日本選手は多いみたいです。
金メダル候補だった鈴木桂治が、オリンピックで一回戦負けしたのもこの技だとか。
レスリング選手に練習台になってもらうくらいの対策、取れなかったもんですかね。
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2. ハーレクイン- 2011/11/29 20:35
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確かに国内では、反則というわけではないのですが嫌われています。
なんでかっちゅうと「あんな不細工な技、柔道ちゃうわい」という捉え方があるんですね。“柔道っちゅうのは、立ってきちんと組み合い、投げて決めるのが本筋や”っちゅうわけです。
ま、国内ではそれでもいいでしょうけど、国際大会では通用しませんわな。仰せの鈴木桂治クンがあっさり負けた(2008年の北京オリンピック)のもこのせい。恵ちゃんのようにきちんと対応策を練習していればのう。
ただ、この双手刈り、掛け逃げ(相手を投げる気もないのに、技を掛けるふりだけして時間を稼ぐこと)によく使われるヒキョーな技、という位置づけができることもあって、現在では国際試合でも使用に条件が付いています(どんな条件かは、ややこしいから省略)。この条件に反して双手刈りをかけると、反則負けになります。
念の為申し添えますが、鈴木桂治選手は、2004年アテネオリンピックで金メダル、W杯で金2銅2などの成績を残している、立派な現役の柔道家です。
鬼の木村、木村政彦には遠く及ばんがな。
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3. ハーレクイン- 2011/11/29 20:41
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えー実は、夏実と恵ちゃんにそれぞれ掛けた、美玖ちゃんの双手刈り。実は前コメでの使用条件に反しており、美玖ちゃんは厳密にいうと掛けた時点で反則負けです。
でもいいよね。
夏実にも恵ちゃんにも負けたんだし、どっちみち試合じゃないし。
あ、夏実には双手刈りを破られたわけではないか。
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4. Mikiko- 2011/11/30 07:51
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Wikiに、下記の記述がありました。
………………………………………………………………
2009年にルール改正を決定。掬投、朽木倒、双手刈、肩車を制限し、連続技に絡めずいきなりこれらの技を使うことを反則とした(反則負け)。但し、相手が組み手争いから肩越しに逆側の背部を掴んできたような場合や、返し技、連続技の一つとして使うことは問題ない。
………………………………………………………………
要は、離れた状態から飛びこむ双手刈りは、反則ってことですね。
しかし……。
単純に、禁止すれば解決する問題なのかね。
ま、スポーツならそれでいいんでしょうけど。
『格闘技』という点からは、どうなんでしょうね。
逆に、対抗技を認めることにしたらどうかなぁ。
例えば、双手刈りに対しては……。
顔面への膝蹴りを認めるとかさ。
まともに当たったら、額がぱっくり割れるよね。
木村政彦。
http://blog-imgs-35.fc2.com/m/i/k/mikikosroom/20111130061923a9d.jpg
↑18歳当時の肖像だそうです
柔道家と言うより、レスラーですよね。
この人、何で力道山に負けたわけ?
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5. ハーレクイン- 2011/11/30 09:58
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だから「格闘」または「喧嘩」では、美玖ちゃんの双手刈りは反則でも何でもありません(喧嘩なら反則もへったくれもないが)。
対抗策として「顔面膝蹴り」かあ。
これで相手の突進を止められればね。ほんの数センチ急所をかわされたら、または間合いを外されたら、一気に倒されてアウト、ですわな。
かく、かように、格闘技の攻防というのは、紙一重のタイミングの差を縫って行われるのだ。
木村が力道山に“負けた”理由については以前にも書かせていただきましたように、真実のところはもはやわかりません。様々な憶測は飛び交いましたが……。
しつこいようですが、実力で木村が負けたわけでは決してありません。
ま、あの試合はもちろん真剣勝負(プロレスの隠語で“セメント”と言います)ではなく、興業・ショーであった、ということに尽きるのでは。で、「興行師」という点では、力道山の方が上であったと……。
つまるところ、木村の本質は「格闘家」であった。
対して力道山のそれは「ショーマン」だった。で、勝つためなら何でもやる、という姿勢で力道山は試合に臨んでいた。
この“何でも”には、「反則技」のみならず「嘘」や「騙し」や「裏切り」なども含まれます。
と、えらく力道山を貶めてしまいました。プロレスファンの方、御免。
もしも、の話をしても仕方がないが、もし両者の試合が“セメント”で行われていたら、まちがいなく力道山の負け。ひょっとしたら木村に殺されていたかもしれません(てなことを書いている方がおられるそうです)。
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6. Mikiko- 2011/11/30 19:41
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『走る取的』という小説がありました。
“取的”ってのは、幕下以下の力士のことです。
特に、序二段や序の口などの下位力士を云うようです。
で、『走る取的』ですが……。
飲み屋で目が合った“取的”に、どこまでも追いかけられるというお話です。
筒井さんお得意の、不条理ものですね。
その中に、相撲取りがいかに強いかという一節があったように思います。
一部格闘フリークの間では……。
この“相撲取り最強説”は、根強く囁かれて来たようです。
しかし、何年か前の大晦日……。
ブザマな姿を晒した曙により……。
“相撲取り最強説”がマボロシにすぎないってことが、如実にわかっちゃいましたよね。
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7. ハーレクイン- 2011/12/01 00:41
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『走る取的』。いやあ懐かしいですねえ。
どこまでも追いかけられ、最後は殺されてしまうんですよね。たしか素手で、首を捩じられて……。
これは不気味な作品です。
似たシチュの筒井作品。
タイトルは忘れましたが……ある会社のオフィスに金棒をかついだ鬼(木村ではない、本物)がやってきて、片っ端からサラリーマンやOLを金棒で撲殺していく、というお話。
意味も解らず殺される。その寸前の人物の反応、喚き散らす末期の言葉が、この作品のミソです。
『取的』とはまた違った、なんとなく明る~い雰囲気が印象的。殺される当人にとってはそれどころではないでしょうが。
いったい、この鬼は何者なのか。何のために殺すのか。もちろん、最後まで不明のままです。
シュールやのう。
確かに力士の鍛え方は尋常ではありませんから“相撲取り最強説”が生じたのは無理もありませんが。
そもそも、ルールや技術、戦法が異なる格闘技同士で“相撲が最強や”“いやプロレスにきまっとる”とか言い合っても意味がない。「アリvs.猪木戦」を見よ。
だからこそ、ほとんどの攻撃技の制約を無くした「総合格闘技」が行われるようになったのでしょうが……。
本当に世界最強を決めたければ、一切の制約なし、いわゆる何でもあり、ということはルールなし、リングも畳もなんもなし、もちろんレフェリーも行司もなし。いわゆる野試合で決着をつけるしかないでしょうね(おー、過激)。
でも、どこまでいっても「勝った個人が負けた個人より強い」ということが言えるだけで、たとえば「空手はプロレスより強い」とか「日本拳法は柔道より弱い」なあんてことは言えませんわな。
あの、元横綱もねえ。相撲取りがリングの上で戦えば、それだけで不利に決まってるってことがわからんかったのかなあ。
あの試合、土俵でやれば、案外曙の勝ちだったかも……。
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8. Mikiko- 2011/12/01 07:57
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この考えは……。
同じ体重を前提として、他の格闘技選手と比べたものでは無いでしょう。
体重は関係なしに、比べたものだと思う。
となれば、相撲取りの体重は、他の格闘技選手の1.5倍くらいになります。
体重無制限の世界なら、重い方が圧倒的に有利ですよね。
引退後の千代の富士が、相撲解説に出たとき……。
小錦の突っ張りを、「足で蹴られるようだった」と評してたのを覚えてます。
相撲取りの体重を載せての打撃には、ものすごい威力があるはず。
さらに、相撲取りは……。
体重制限を気にせず、脂肪を纏えるわけです。
これは、防御の面から考えると、圧倒的な有利条件になります。
脂肪の層で、相手の打撃力を吸収してしまえるからです。
つまり、“相撲取り最強説”ってのは……。
体重150キロの相撲取りと、体重100キロの格闘技者が戦ったらどうなるか……。
ってことだったんでしょう。
曙がボブ・サップに負けたのは……。
似たような体格だったからではないでしょうか?
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9. ハーレクイン- 2011/12/01 10:47
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と、単純にいえないのが格闘技の世界です。
それは確かに、同じ競技、同じルールの下で戦えば重いものが有利なのは確かで、だからこそ現今のほとんどの格闘技が体重制を敷いているわけですね。
しかし体重制のない大相撲で、小さい力士、軽い力士が、重い巨大な力士に勝っているのも事実です。
日馬富士vs.把瑠都or臥牙丸、古くは舞の海vs.小錦……。
ただ、これはあくまで土俵の上で相撲のルールに基づいて戦えば、の話。
ルールが異なればまた違ってきます。
ただ言えるのは、格闘技というのは単純な力比べではないし、打たれ強さの競い合いでもない、ということ。
体重150kgの相撲取りが体重100kgの格闘家に……必ず勝てるという保証はどこにもありません。
曙がサップに負けたのは、技術が劣っていたからですね。
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10. Mikiko- 2011/12/01 19:44
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こんな逸話はどうだ。
昔(たぶん戦前)の相撲取りの話。
タニマチ(後援者)に、牛鍋をおごられたときの逸話です。
その相撲取りは……。
2時間ほどの間に、酒6升と、牛肉一貫目(3.7キロ)を平らげ……。
帰りに、酒2升をお土産にもらって……。
それを、自転車のハンドルにぶら下げて、乗って帰ったそうです。
どうだ?
最強であろう。
昔の日本では……。
“異種格闘技”という概念は、存在し得なかったのではないか?
なぜなら……。
デカくて強い人は、みんな相撲取りになっただろうから。
だから当然……。
相撲取りが最強だったわけですね。
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11. ハーレクイン- 2011/12/01 23:29
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うーむ。
どおしても“相撲取り最強”にしたいようだが。
大酒のみの大食漢、誰の逸話だあ。
酒6升+2升&牛肉3.7㎏か。
たしかに最強は最強だが……。
>昔の日本では……。“異種格闘技”という概念は、存在し得なかった
んなことはないぞ。柔術家がおったし、忍者やくの一もおったではないか。
で、小さくて非力なものは、ヒキョーな手を使ってでも相撲取りに勝っていたのではなかろうか。